浅草の古参デパート、松屋へ足を運びました。
目指すフロアは、「第8回青森物産展」の行われている7階大催場。
明治神宮「青森屋台村」で青森グルメの一面を愉しんだその余韻も残る中で浅草に赴いた理由は、
明快そのもの。
それは、「青森屋台村」にはなかった本場の煮干し中華のお店が出店しているから。
しかもその店が、嬉しいことに、いただいまイチオシの中華そば「長尾」なんですもの。
あ、あったあった。
フロアのコーナーに陣取った「長尾」の浅草出店。
レジの手前のバナーが示すメニューは、「中華そば あっさり」「中華そば こく煮干」「こく煮干 チャーシュー麺」の3種類。
あれ?"ごぐにぼ"はできないのだろうか?とそう訊いてみると、
「できますよ!」とひと言。
ちゃんと、「ごぐ煮干し」用のチケットも用意していて、
お代は一緒ですと手渡してくれる。
なるほど、ここでも裏メニューとしての"ごぐにぼ"としているのだね。
入口の脇には大きなボウルに煮干しが山盛りになっている。
結構大きいサイズの煮干しだよねーなどど話しているところへ、両手にどんぶりのおねえさんが近づいてきました。
雷紋を描くどんぶりは実直な印象を増していた「長尾」バイパス店の白いどんぶりとはやや趣を違えていますが、そこに注がれているスープはまさにあのエキスの表情。
鼻息鳴らして早速、そのスープを啜れば、脳裡の風景がバイパス沿いのあの店の風景に一瞬トリップ(笑)。
やっぱりいいわー、うん、イイわー。
たっぷりとした旨みの凝縮感と濁りのない風味の昇華。
クリーミーにさえ思う舌触りに妙な脂の気配は一切ない。
8月の「青森ねぶた祭」のポスターの貼られたパーティションの向こうに、ご存知「浅草・開花楼」の麺箱が見える。
今回の麺も「浅草・開花楼」のものだそうで、負死鳥カラスさんが自らそう云っているように、細く切ったうどんのようでもある面白い食感の麺。
日清製粉の「傾奇者(かぶきもの)」と呼ぶ粉を使って、無かん水で仕込んだという、独特の麺だ。
敢えてどちらかと云えばバイパス店の自家製麺の方が好みではあるけれど、無かん水の麺が煮干しスープに絶妙にマッチすることを改めて教えてくれる完成度の麺です。
ということで、煮干し粒子が残るどんぶりの底まであっと云う間に呑み干してしまいました。
その粒子はザラザラするようなものではないのは、舐めて確認しております(笑)。
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あと4箱しかないですよーの掛け声にのっかって、「こく煮干」の4人前箱入りをご購入。
自宅で啜ってまた、青森にトリップするんだもんね(笑)。
煮干し中華の雄、ときっと自他ともに認める「長尾」が浅草に出張る一週間。
松屋がフロアを閉めることもあって、この「青森物産展」での「長尾」に出会えるのは今回が最後になってしまうよう。
東京で「長尾」を啜れた幸せを思います。
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「長尾」バイパス店
青森市三好2-3-5 ガーラタウン[Map] 017-783-2443
http://naga-chu.de-blog.jp/blog/
なかなか連食の利かないお腹は、
あともう一杯で止めておけと、
自らを律するように囁いている。
青森を離れる前の一杯はどうあるべきか。
煮干し中華を巡る旅として一貫したカテゴリーで括り締めたい気持ちと、前回の青森初訪の時にも満腹で出会えなかった「味噌カレー牛乳ラーメン」も心残り。
迷った時は全部喰え、と誰か云ってた気もするけど、やっぱりあと一杯だ。
そして、向かったのが、「長尾」浜田店。
初青森の際に煮干し中華を堪能させてくれたのは、その「長尾」の2号店に当たるバイパス店だった。
到着して、あれ?って思うのは、「長尾」なのに、なにやらどこかで見たような黄色いサインがチラチラ視野に入ってくるから。
「鰞」の文字を円で囲んだ紋を染め抜いた暖簾を潜って、品書きを確かめると、確かに、如何にもその黄色い看板の店インスパイア系らしいタイトルが並ぶ。
「にんにく わっつど入れましょう」とススメる「ラーメン 大二郎」
だ。
で、そっちはtakapuに任せて、
メニューの「長尾」サイド
やや濃いめの醤油スープの上に煮干しの粉末が薄らと浮かんでいます。
啜るスープは、「たかはし」というよりは、「まるかい」あたりに近いかも。
とんこつではなくて、
鶏スープをベースに例によって三種類の煮干しを合わせたスープだという。
うんうん。
麺はといえば、ちゅるちゅるで粉の香るオリジナル麺。
旭屋製麺という製麺所に委託しているようで、「二郎」な店定番の自家製麺ではない模様。
ここでここまで青森でいただいた煮干し中華を振り返えってみる。
開拓者「たかはし」、澄んだ滋味の「まるかい」、とんこつ使いも巧みな「ひらこ屋」、バイパスの雄「長尾」。
たった数軒ではあるけど、間違いなく青森を代表する中華そば店たち。
改めてそれらを俯瞰して思う中から、バイパス「長尾」の裏メニュー、「ごくにぼ」が浮かび上がってきた。
最初だったから印象が強いのかもしれないけど、もう一度食べたい一杯の一番はどれ?と訊かれたら今はそう応えます。
煮干しエキスの凝縮感とそれをクドくしないバランスとポキポキした手打ち麺とで構築された完成度の高さが、そそりにそそる。
ま、もっとも、どれもがそれぞれに旨いのだけど、ね。
最後にひと言、煮干しLOVE。
煮干し中華に二郎併設な「長尾」浜田店。
二郎な「大二郎」もベースのスープが鶏であるところがまた個性。
でも、煮干しをいただくなら、まずはバイパス店から(笑)。
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「長尾」浜田店 青森市浜田豊田150-14 [Map] 017-739-4147
奥州街道が堤川を渡るその辺り。
青森ジモチーに夜毎大人気の餃子の店がある、
という。
しんしんと雪の降る中、車をちょっと妖しい脇道へと進めると、その先に黄色い看板が見つかる。
店前の駐車スペースは満杯。
この状況だと、席も一杯かなぁと確かめると、
熱気を帯びた店内は、案の定満席だという。
おおお、なるほどの盛況振りだ。
雪に籠もることなく、通りからやや奥まった場所にある店へと、どこからともなく人々が集まってくる様子というのは、いいもんだね。
「みそラーメン」にはじまる定価表
を見上げつつも、
お願いするのはまず「ぎょうざ」。
「ニラレバーいため」もいただきましょうか。
ガタイのいい学生たちが占拠する一角があるかと思えば、オッチャンたちに負けじとビール片手にガハハと笑ってぎょうざを貪る女性の姿も目に留まる。
なはは、いいね(笑)。
テーブルには、粗みじんの生大蒜を浮かべた小皿のタレが既にスタンバイ。
そして、やってきました「王味」の「ぎょうざ」。
薄手の皮を思わせる、そんな焼き目が誘います。
早速、小皿のタレへ浸して齧りつく。
パリっとした皮と野菜も多めのあんが、なんだか妙に軽やか。
ここへ来るまで既にあれこれいただいていて、満腹なはずなのに、するするといくらでも食べれてしまいそうなのは、なぜ?
あんにもニンニクが十分利いてるけれど、オシツケな過剰感なく、すんなりと次から次を誘う妙薬のよう。
いいなぁ、旨いなぁ。
こりゃ、明日のこと考えてる場合じゃないね(笑)。
改めてめちゃめちゃお腹空かせて訪れて、麦酒とのコンビを鱈腹堪能したいとそう願わずにはいられない、この魔性。
使っているのはやっぱり、"田子にんにく"なのでしょうか。
雪の中に浮かぶ黄色い看板と提灯が印象的な、青森のソウル中華「王味」。
"王味"と書いて、"わんみ"と読む。
その名の通り、王さんの味、という意味だとご推察。
きっと、「野菜らーめん(タンメン)」あたりもいいンじゃないかな。
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「王味」 青森市堤町1-10-8[Map] 017-734-3380
雪の降り続く青森西バイパス、国道7号線。
開店時間目掛けて車を走らせてくれるtakapu。
積もった雪の駐車場へ一番乗りで滑り込む。
車窓に、車の鼻先を真っ直ぐ店の入口へ突き進むワンボックスが映る。
ひとりの妙齢の女性が降りてきたのが意外で、客ではない?と首を傾げながらさらに眺めていると、麺の木箱を荷台から降ろし店内へ運び込む。
それは、開店3分前の出来事でありました。
骨太なザ・煮干しの中華そばを所望したい自分は、takapuもススメる「とんこつ煮干しそば(こいくち)」。
定番メニューには他に、三種の煮干しを煮出す「煮干し中華そば(あっさり)」に豚ばらを敷き詰めた「ばらそば」、背脂トッピングの「背脂煮干しそば」がある。
地元ぃーtakapuは、うどんのような太麺「らぅどん」
に挑むという。
卓上のお新香をぽりぽりしつつ下がり壁を見上げると、
麺についての筆文字が踊ってる。
上質の小麦を使用したもちもちの中太自家製麺を常に打ち立ての状態で。
なるほど、先程の女性はただ単に遅刻ぎりぎりになっちゃったンじゃなくて、どこかの製麺場所から打ち立ての麺を運んでくれたってことなのかもね、と思ったりする。
と、やってきました「とんこつ煮干しそば」。
ほうほう、どんぶりの表情にどことなく猛々しい気配が滲んでる。
まずは、と恭しくレンゲのスープを啜る。
うむうむ、贅沢にも沢山の煮干しから煮出した出汁をとんこつ動物系のコクスープがグググっと支えている感じ。
影響を受けていると云われる「たかはし」とはまた違う仕立てを思う。
叫ぶ訳にはいかないが(笑)、いいぞ、いいぞ。
こうなるとどうしても比べてしまうのが、
煮干しとトンコツが高次元で結実していた「凪 西新宿」のスープ。
西新宿のスープは、云わば煮干しととんこつが50:50。
そして脂とその乳化が強い分だけ、力強さに訴えて印象が強い。
方や、ここ「ひらこ屋」のスープは、濃厚な煮干しのスープがあくまで主役で、とんこつが自身の脂の甘さに走るのをぐっと堪えて、男優賞ものの助演を演じてる。
そんな感じ。
きっと煮干し中華を脂で喰いたきゃ、「背脂煮干しそば」喰ってくれ、ってことでもあるンだと思う。
きっと彼女がさっき持ち込んでくれたであろう麺は、なるほど、
もっちりぷっちりの歯応えのする中太麺。
適度な量感も伝えてくれて、悪くない。
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ただ、煮干し中華にはやや細めの粉っぽい感じのサクサク麺が一番合うと思い込んでしまっているので、このスープで「伊藤」の麺を啜りたいなどと不埒な思いがふと脳裡を過る。
ま、なんてことも一瞬で、またウホウホと一気呵成に啜ってしまうのだけど。
早食い過ぎ(笑)?
バイパス沿いの、記憶に残る煮干し中華そばの店「ひらこ屋」。
takapuありがとう。
今度は是非「背脂煮干しそば」を啜りたいので、また連れていってくれないかなぁ。
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「ひらこ屋」 青森県大字新城字山田588-16[Map] 017-787-0057
久々に訪れた六本木ヒルズから星条旗通りを辿って、外苑西通り方向へ。
今なお往時のまま頑張っている「エントツ屋」を通りの向こうに眺めて、これもまた霞町界隈のランドマークだなぁと思う。
信号を渡り、その「エントツ屋」の前を通り過ぎたところで目の前の脇道を覗く。
道の先は暗く、右手には青山墓地の暗がりがずっと奥へと広がっていて、この先に飲食店がありそうな気配はない。
確かここの筈なんだけどと足を進めると、灯りの点る看板と暖簾とが目に入る。
鹿のモチーフと一緒に看板にある店の名は、「鹿角」だ。
奥のテーブルに陣取って開くお品書きは、
「秋田の銘々味」と題されている。
そう、「鹿角」は、秋田料理のお店なんだ。
初夏ものの「じゅんさい」があるんだね、とお願いすると、
食用菊をあしらった「じゅんさいの酢のもの」の小鉢が届いた。
真逆の時季なので、さっと鮮やかな色合いの、という訳にはさすがにいかないけれど、にゅるとした周囲のゼラチン質越しに箸の先でどう掴むか挑むのもまた愉しい。
瓶詰かな、こんな風に保存がきくのだね。
秋田で鶏と云えば、比内地鶏。
「とりわさ」でいただいてみるとそれは、たっぷりの芹とざっくり和えた器。
軽く湯引きした周囲に溶いた山葵のたれがすっと沁みて、
鶏の滋味を甘く引き立てる。
うん、いいね。
お酒は、店に名にも同じ「鹿角」をいただきましょう。
「とんぶり」もあるよと「とんぶり長芋」。
ホウキ草というくらいだから、竹箒のような草なのだろうね。
その実を煮たりなんだりと加工して、
こうして畑のキャビアとも呼ばれるぷちぷちの小さな宝石になる。
じゅんさいもそうだけど、こうして口に入れるように仕立てた初めてのヒトの着眼と工夫に感心するよね。
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お品書きにある「鰰」という文字はね、
ハタハタと読むんだよ確か、きっと、えっと、多分......。
そう笑いながら、コレ!と品書きの「子持ちずし」のところを指差し示す。
正解に頷きつつ訊けば、子を抱えたハタハタを使った熟れ寿司の一種だという。
あ、そうだ、あの弘前の鍋のあれだと脳裡に浮かべながら迎えたお皿には、なるほど茜色のつぶつぶを零れさせたハタハタが載る。
背にしたご飯と一緒にハタハタの身や子供を口に含むと、いわゆる発酵系の風味は穏やかで、澄んだ旨みのする優しい仕立て。
子のぷちぷちはやっぱりちょっと硬めかな。
白舞茸はバター炒めにしてもらいました。
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そうそう、秋田と云えば「いぶりがっこ」も。
漬けモノなのに、燻製であるこの妙味は何度齧っても嬉し愉しいぞ。
さて、秋田料理のトリをとるのはやっぱり「きりたんぽ鍋」。
すっきした旨みを湛えたあっさりめの汁にきりたんぽを解していただけば、お餅でも焼おにぎりでもない香ばしい食感に広がる滋味。
ぺろっと平らげては、でもさすがにこの鍋だけは、鍋の後に雑炊って訳にはいかないねと笑う(笑)。
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デザートに「くるみ餅」。
つるんとさせたお餅の中から零れ出る胡桃あんの鮮烈な風味が印象的だ。
青山霊園の南に潜む、きりたんぽ鍋と秋田料理の店、「鹿角(かづの)」。
挨拶に出てきてくれた大女将に訊けば、やはり秋田は鹿角のご出身。
もう15年にも亘って、秋田料理を提供してきているそうです。
「鹿角」 港区西麻布1-15-16 中沢ビル1F[Map] 03-3402-8212
堀に沿って並ぶ太い幹がそこに根付いてからの永い歳月を思わせる。
桜の頃にはきっと、壮麗な景色をみせるであろう弘前城趾は今、降る雪に覆われています。
江戸時代の津軽の中心となった城の廻りをぐるりと巡り、ナポの通人が聖地と呼ぶ「ナポリタン」を車中から拝んでから向かったのは、
郷土料理の店「しまや」。
予定よりも早く到着してしまったこともあって、ちょっと待ってねと云いながら近況あれこれをtakapuと交わしては、手元の動きがてきぱきと忙しい。
まず小鉢でいただいたのが「もやしの子和え」。
青森でもやしというと、大鰐の温泉もやしが知られているけれど、今夜のもやしは弘前のもやし。
やや長いと思うモヤシに塗していあるのは、極小粒ながらぷちぷちを主張する卵。
いつもの真鱈の子、真鱈子ではなくて、今夜はスケトウダラの子、スケ子で和えているそう。
素朴にして、乙な酒肴であります。
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ちょっとしたコッテリ感もいい「身欠きニシン」に続いて、頃あいよろしくさっと煮つけて凍豆腐にも味の沁みた「つぶ貝煮」をいただいたところで、こりゃいいやと女将さんに「熱燗!」と叫ぶ(笑)。
すると、女将さんの脇を補っているおばあちゃんが、練炭の上に載った銅の鍋の湯へとお銚子をすっと差し入れた。
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その使い込んで味わいの出た鍋の風情がいい。
注ぐお酒は、弘前の小さな酒蔵・三浦酒造の醸す「豊盃(ほうはい)」。
燗にして、ふっくらゆったりとした呑み口だ。
「豆腐かす」は、つまりはおからの和え物なのだけど、なんだろ、何気ない柔らかい味付けの中に優しい滋味が潜んでいて、嬉しいぞ。
鰯を潜ませてるのが、利いているのかもしれません。
「豊盃」の燗をお代わりを重ねていると、
女将さんが「ハタハタの鍋にしようね」と仰る。
もうすっかりお任せな状態(笑)で、ぶんぶん首を縦に振ってまたちびちび盃を干して待つことに。
そして、塩仕立ての汁とともに小皿によそってくれたハタハタは、お腹のほとんどを占めていたような卵を零れさせている。
卵は、意外やしっかりした歯応えで、その廻りをずるずるにゅるにゅるとした粘液が包んでいます。
なんとも独特の食感と不思議な旨みに思わず目を閉じる。
暫くして目を開けると(笑)、
ちょうど目の前で女将さんが烏賊を捌いているところ。
肝の袋をそっと取り出し、湯掻いた烏賊の胴の輪切りや下足に絡める。
ああ、おかあさん、それはズルいや!と再び叫んで、「豊盃」を口に含めば、ほーらこんなに真っ直ぐに酒を誘う肴もない。
その「ゴロ味噌和え」の魅力に、いつの間にか一杯になったカウンターの諸兄も思わず、「こっちにも」。
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鮮やかな紅色に使ったお手製「赤蕪の千枚漬け」や「ニシン漬け」でさらにちびちびちびちび。
津軽そばの「三忠食堂」に行ったのだけどもう閉めてしまっていたンですよーと夕方の顛末を話すと、「じゃぁさ、あたしの津軽そば、食べてみない?」と嬉しいお応え。
届けてもらった生そばを湯掻いて、どんぶりの出来上がり。
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ほー、ふわふわと軽やかなそばの食感が印象的だ。
ふーふーずるずるとあっという間にそばを啜り終えると今度は、なにやら薄手の昆布を取り出して、ご飯に巻いて包み込む。
ちょっと噛み切るところでコツがいるけどそのまま齧り付いてごらん、と女将さん。
えいっと歯の先を立てるようにして噛み切って咀嚼すれば、昆布のもつミネラルもグルタミン酸も海の風味と一緒に直截に味わうようで、これも素朴にしてズルい。
お土産に包んでくれた「若生にぎり」を御夜食にするンだもんね(笑)。
は~旨かった堪能したと祭りの終焉に和んでいると、最終兵器のデザートを繰り出して意表をつく女将さん。
林檎をシロップに漬け込んだもので、林檎自身の甘さとほの酸味を甘すぎないシロップがぐいっと引き出していて、ハッとするような美味しさにこりゃグランメゾンで出せるよと感嘆符。
やってくれるなぁー。
津軽郷土の心に女将さんの創意と感性と心意気が掛け合わさって、沁みる酒肴と味な惣菜の並ぶカウンターとなる、郷土料理「つしま」。
降り止んだばかりの雪を踏み締め振り返ると、そのまままた同じ暖簾を潜ってしまいそうです(笑)。
「しまや」 弘前市元大工町31-1[Map] 0172-33-5066
澄んだ煮干しスープの「まるかい」を離れて、
弘前方面へ。
弘前に近づくに従って、降る雪や路面に積もる雪の量が明らかに減ってくる。
takapuによると、日本海側の弘前に比べて、八甲田を背にしている青森市街の方が随分と雪が多いのだそうだ。
そして、弘前への目的は勿論、ここの中華そばを啜ること。
二年以上も気掛かりだった店「たかはし」に漸く、辿り着きました。
アルミサッシュに手を掛けた途端に鼻先を心地よく擽る煮干しのにほいにワクワク。
券売機の前に立って眺める店内は、手前左手に小上がりがあって、正面左手が厨房をL字に囲むカウンターで、右手にテーブルが数卓ある。
テーブルに席を得て厨房をみると、へーっと思うほどの人数で対応していて、その誰もが意外と若いのが印象的だ。
早く来ないかなぁと、厨房の方をちらちら見ながら、爪先立ちな感じ(笑)。
あ、来た、来ました羨望の煮干し中華のドンブリ。
目の前に届いたのは、「中華そば」の濃い口だ。
阿ることのない、その素朴なる雄姿。
たっぷりと湛えたスープは濃密感のある桑茶色で、淀みなく濁っていると、そんな背反するような不思議な印象を与えてくる。
まず普通仕立てのtakapuのどんぶりのスープを啜ってみる。
平然を装いつつも、心の中は、むほほほほほ(笑)。
想像に叶う煮干しの魅力十二分に抽出されたスープに、その湖面を改めて刮目する。
ほうほうと頷きつつ、手前のどんぶりを啜ると、濃い口というのは、さらに激しく煮干し出汁させているのではなくて、タレの醤油をより利かせることを云うらしいことが判る。
おーなるほどねーと再び頷きつつ、自家製と謳う麺を引き上げて、ズズと啜る。
むにむにっとした麺の表面の煮干しスープをたっぷりと吸い上げるように纏って、
さくっと歯切れる。
そして、そこへ空かさずレンゲのスープをズズと追い掛ける。
にゃははは、やっぱりいいねー。
乱暴なまでの煮干しを想像すると、意外とあっさりだなとさえ思わせるバランスも持ち合わせている感じ。
ひと口またひと口と、あっと云う間にドンブリの底までを平らげてしまう。
そして、なんだか身体の芯を解すように和ませてくれるような、ささやかな至福に浸っては一瞬の陶然を想うのでありました。
青森・煮干し中華の雄として、きっと必ず名の挙がる「たかはし 中華そば店」。
そんなドンブリを当たり前のモノのように普段喰いできる、ご近所さんが羨ましい。
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ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味(10年01月)
「たかはし 中華そば店」 弘前市撫牛子1-3-6[Map] 0172-34-8348
思い起こせばそれは、弘前の中華そば「たかはし」についてのtakapuの記事。
遡ること二年以上も前のその記事で、嗚呼、青森には、見るからにそして想像するだに旨そうなラーメンがあるのだと知った訳です。
そのラーメンは、煮干し出汁がなんとも濃いぃ様子の中華そば。
「伊藤」「新宿 凪」「つし馬」など、ここ最近は東京でも珠玉の煮干し中華を供してくれる店が根付いているけれど、やっぱりご当地と思う青森の中華そばに浸りたい。
この冬の青森への旅は、煮干し中華を追う旅ともなりました。
まだ空いている光景を想像しながら硝子越しに覗く店内は、青森ではみんなブランチに中華そばを啜るのかいな、とそう思うほどにテーブルが埋まっています。
すでに全身が煮干しの匂いにそっと包まれているのを感じながら、
テーブルでじっと待つは「醤油ラーメン」中盛り。
湯気を上げて届いたドンブリの汁は、澄んでいる。
一瞬、薄っぺらな味わいのスープだったらどうしようと、
そんな心配も脳裡に過るまま、スープを啜る。
うんうん、うんうん。
思わず頷いて首を縦に振りながら、ズズとまたひと口。
そんな心配はまったくの杞憂で、
澄んだ中にたっぷりの旨みと奥行きのある風味を含んでる。
そのスープでゆったり泳ぐ白っぽい麺は、
モチっとしながら歯切れのいいあっさり感。
takapuが日本蕎麦のような中華そば、と喩えるのがナルホドな汁と麺の組み合わせ。
細打ちのうどんのようでもあるね。
スープの表面に浮かぶ脂なく、醤油の仄か酸味も軽やかに、
それでいて煮干しの魅力がふくよかに。
ああ、こりゃ、ちょっと呑んじゃった翌朝になんか最高だ(笑)。
浅草「つし馬」の「中華そば」は、「まるかい」の路線だと云ってしまっても強ち間違いではないかもしれないな、なんてことを思いつつスープを干していくのです。
気取らず構えず普段使いで、
澄んだ仕立ての煮干しラーメンがいただける「まるかい」。
会社の名前が○に海で「マル海」だから「まるかい」。
如何にも大衆食堂な店内の佇まいも、咥え煙草で新聞広げるレジの兄ちゃんの立ち姿も客に媚びない雰囲気も、頼もしくも微笑ましくも思えるンだ。
そうそう、ここ「まるかい」を訪ねる前に寄った青森県観光物産館「アスパム」。
その中の「青森県地場セレクト」でいただいたのが、「ホットアップルサイダー」。
スープジャーから汲み上げるように注いでくれた紙コップからは、林檎の甘酸っぱさが芳しく漂ってくる。
温かさも手伝って思わず、コップを両の手で抱くようにして、
その甘酸っぱさを啜る。
酸っぱさも甘さも意外と柔らかで、その加減がいい。
冷たかったら、この林檎の甘さと酸っぱさとの間に幾重にもある風味の襞は判らないのかもしれないね。
ちなみに、サイダーというとどうしても「三ツ矢サイダー」あたりに連想が飛んで、炭酸飲料だと思いがちだけれど、サイダーとはつまりは「果汁」のこと。
搾りたての林檎果汁を無添加のまま温めたのが「ホットアップルサイダー」なんだ。
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ちびちびと啜っているうちに、冷えた身体も温まって、ほっとする。
いや、だから、シャレじゃなくって(笑)。
シナモンやクローブの粉末を振ってみたり、「雪のせ」と呼んでホイップクリームをトッピングする手もある。
ボクはそのまんまが好きだけどね。
この「ホットアップルサイダー」は、この23日(土)-24日(日)に原宿の明治神宮文化館で催す「とことん青森2010 青森ご当地グルメ屋台村」でも啜れるそうです。
「まるかい」 青森県青森市安方2-2-16[Map] 0177-22-4104
県庁近くの居酒屋「樽」を後にして、
雪のバンバン降る中やって来たのは青森屋台村。
赤や黄色の提灯が揺れる「さんふり横丁」には、15軒ほどの飲食店が軒を連ねているそう。
横丁の路地らしい、狭い間口の通路にも風雪が舞い降りています。
その中の一軒、海鮮居酒屋「やなせ」さんに狙いを定めて格子戸をガラガラと。
入った途端に眼鏡が曇る。
10席にも満たない小さな屋台なカウンターは温かで、オヤジさんの木訥とした笑顔が迎えてくれます。
軒先で揺れる黄色い提灯は「ハイボールはじめました」の提灯だもんねと、早速「ハイボール」をお願いすると、いつもの亀甲ジョッキではなくて、アサヒビールのジョッキで出てくるところがなんともご愛嬌。
亀甲ジョッキは大事にお家に持って帰っちゃったンだって(笑)。
手元の品書きはもとより、至るところに貼られた品札を見上げてきょろきょろ。
やっぱり「なまこ」は清水川なんだねなどと思いながら、その隣に貼られた「鯨刺身」をいただいてみる。
厚切りの身はルイベ状ではなく、かつ獣っぽさのない乙なお味。
おろしニンニクでもおろし生姜でも、どちらでも合う。
オヤジさん、どこで揚った鯨だって云ってたかなぁ。
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なかなかの人気モノだというのがよく判るのが、
鰺ヶ沢・長谷川牧場の有精自然卵を使った「玉子焼き」。
出汁巻き仕様の焼き立てを口の中で転がすようにホフハフいいながらいただけば、柔らかな旨みと玉子の優しさがじわじわと身体の芯に伝わって幸せになる。
これは、オヤジさんの後ろで活躍している女将さんの手によるものかな。
なんと「どっちの料理ショー」に出演しちゃった玉子焼きでもあるらしい。
ふ~、ホフハフ。
むつ市の「関乃井」なんぞをツツツとやっつけているところに届いたのが、
「白子の揚げ出し」。
鱈白子のとろんとしたコク味と汁に浸ってフヤケ始めた天ぷら衣のイケナイしどけなさ。
これはもう、語るまでもなくズルイよなぁーの逸品であります。
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そしてこれまた素朴なクセして満ち足りた幸せな心持ちにさせてくれたのが、
takapuが是非にという「鱈のじゃっぱ汁」。
捨てる(じゃっぱ)ところを使うから「じゃっぱ汁」。
灰汁のない澄んだ汁には嫌味のない旨みが、あれあれ?って思うくらい豊かなのだ。
鱈のアラってのもやってくれるものだねぇ。肝も活躍しているのかな。
身も心も温まって、ぬくぬくだ。
「さんふり横丁」の"さんふり"とは何かというと、津軽人の気質を表現する三つの"ふり"からきている、とWebサイトにある。
いい格好しぃの「えふりさん」で、お金や物を持っていると見栄を張る「あるふりさん」で、知ったかぶりな「おべだふりさん」なのが津軽のヒトなんだという。
でも、リーフレットで「七子八珍」の説明をしてくれた、気の置けない空気と表情のオヤジさんを見てると、それが意外なことにも思えてくるね。
青森屋台村・さんふり横丁の真ん中あたり。
下北から、南部から、津軽からと郷土の魚介を活かした酒肴が目白押しの、
小さな海鮮居酒屋「やなせ」。
海のものあれこれに目移りしっぱなしだけれど、
「生姜味噌おでん」「鳥のネクタイの塩焼き」「田子のにんにく揚げ」「豚バラ塩焼き」などなどと魚介以外のメニューも気に掛かる。
オヤジさんに会いに、また行かなくちゃだ。
□関連記事:すし居酒屋「樽」で 鮭児しじみ汁三厩鮪青森誇る魚介田酒を供に(10年01月)
「やなせ」 青森市本町3-8-3 さんふり横丁内 [Map] 090-5188-5380
荒天のため別の空港に行き先を変更するか、羽田引き返す可能性があります。
寒波が襲う青森へと向かう機内で、キャビンアテンダントのアナウンスはそう告げていました。
雪雲を抜けて真っ白い滑走路に降下したAB6機。
無事到着したブリッジからみる青森は吹雪だ。
その吹雪の中、青森にすっかり根を下ろしたtakapuが迎えてくれました。
路地を覗けば、味のある風景。
入って右手には一升瓶を収めた冷蔵庫。
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左手カウンターの硝子ケースの先の棚でも日本酒たちが賑やかにしています。
「ときしらず中骨」「ますのすけのはらす」といった「中骨」「はらす」の章から始まる、
経木に細かく書かれた品書きの上を「おお」「おー」「うぉー」と唸りながら右へ左へと視線を泳がせているところへ、お通しが届きました。
お通しなのに小皿が三つも。
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ねっとりした甘みが堪らん津軽海峡のヤリ烏賊の醤油漬けに鱈白子。
そして、津軽のもずくを山葵醤油に漬けたもの。
石垣島のダイビングボートの上で啜るもずくも逸品だけど、北の地居酒屋で啜るもずくもまた乙なのだと知ることとなるのです。
早速、青森のお酒を「田酒」の「古城の錦」をいただく。
凛と華やぐ香りと芯の強い風味に目を閉じる(笑)。
takapuがやっぱりこの辺りからと経木から読み上げてくれたのが、
「清水川なまこ酢」に「十三湖しじみ汁」。
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陸奥湾の清水川で獲れる海鼠が秘かに有名らしく、コリコリ食感の向こうから澄んだ冷水に潜むような旨みをひたひたと伝えてくる。
これまた青森で蜆と云えばまず、十三湖産の名が挙がる。
仄かに白い汁を啜ると、蜆の濃いぃエキスの魅力が真っ直ぐ味蕾に広がって、嗚呼なるほど余計な味付けは不要で、塩少々で十分なのがよく判る。
ひとりで全部飲み干してもいいかな(笑)。
そこへお願いしていた刺し盛りが届いて、思わず「おおおおおー」。
大振りな角皿一杯に鏤められた宝石たちは、全十二種類。
「田酒」のグラスを脇に構えて、いざいざ(笑)。
虎模様の皮目をも魅せる生鯖に、ヒモもお酒を進ませる帆立、
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そして白身に潜む甘みが泣かせる細魚。
幻の鰈とも云われる松川カレイにアカメフグ、そしてそれはズルいよのカワハギの肝和え。
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繊細な脂のおこぜの隣には、
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松かさな皮目も鮮やかな釣りきんき、そして昆布じめの鮟鱇。
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生たこ吸盤のコリシコを愉しんでいよいよ挑むは、
三厩(みんまや)の本まぐろ。
大間ばかりが名を馳せているけれど、同じ海峡の、竜飛岬近くの三厩に上がる鮪もきっと引けを取らない。
細やかに整ったサシの肌理には黙るしか対処の術がありましぇん(笑)。
そして、これぞ幻の鮭と名高い、知床羅臼産の「鮭児」。
口の中に含んだ途端にすっと消えていくような脂はどこまでも澄んでいて、残り香のような旨みの余韻が続く。
うひゃひゃ、こりゃ堪らん(笑)。
「田酒」づくしでお酒をお願いしていたら、
これは如何と観音開きの化粧箱に入った純米大吟醸を薦めてくれた。
酒米の最右翼「山田錦」の母親にあたる「山田穂」で醸った一本と父親にあたる「渡船」で造った一本を仲良く組み合わせた、つまりは山田錦両親の酒。
呑み比べ、愉しそうとウキウキとしたのも束の間、あろうことが箱を倒して日本のうちの一本を倒し落として割ってしまった(泣)。
もう手に入らないという稀少な一本を床に吸わせてしまって、大将ほかお店の皆さん御免なさい。
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しゅんとしながらも、山廃純米の「びん燗 田酒」をちびちびいただいて、
「本まぐろの目玉焼き」の目玉の廻りをほじほじ。

パリっとした皮とそのすぐ裏に潜む脂が協演する「刺身用ときしらず焼き」をほじほじしては、またグラスをちびちび。
う~ん、いいなぁいいなぁ。
県庁近くの路地に潜む、青森魚介の魅力に満ち溢れた居酒屋「樽」。
土地のひとは勿論のこと、旅の者と聞けばより歓迎していくれる心意気が嬉しいところ。
青森の魅力を是非知って帰路についておくれ。
頼り甲斐のありそうな大将の表情には、そう書いてありました。
「樽」 青森市古川1-20-11[Map] 017-773-9955
八戸での朝は早起き。
「あさぐる」という、陸奥湊駅前の朝市を巡って腹拵えしてから、銭湯でひとっ風呂浴びるコースをタクシーで巡ってくれる格安プランを満喫。
さっぱりとしたまんま八戸駅から乗り込んだ電車は、
スーパー白鳥。
JR北海道が東北本線に乗り入れていて、青森、青函トンネルを経由して函館へと至る特急列車だ。
買い求めたのは、そう、青森までのチケットです。
実は青森には、ずっとずっと気になっているラーメン店があります。
その名を「たかはし中華そば店」。
takapuの記事にあった、濃厚に煮出した煮干し出汁の一本気なスープは是非啜ってみたいと、
何度夢にみたことか(笑)。
ところがその「たかはし」は、八戸ではなく、青森駅界隈でもなく、さらにその奥の弘前にあるのです。
八戸と青森がまったく別のエリアの街であるように、弘前もまた別の街。
結構遠い感じなんであります。
八戸にいて、そうか、あの「たかはし」の煮干しラーメンはまたいつかの機会かと残念に思っていたところへtakapuがひと言。
「たかはし」に負けず劣らずの煮干ラーメンの店が青森にありますよ、と。
おおおお、それは、行からいでか。
つまりはそのひと言で、青森まで足を延ばしてきた、ってな訳なのです。
ランチの開始時刻を目指すようにして、現地到着。
移転を繰り返して、このバイパス沿いに落ち着いたらしい。
その為か、お店の設えは枯れ色風情のものではく、明るくすっきりとした雰囲気だ。
混み合う前に入り込んだ奥のテーブルで、品書きを睨みます(笑)。
でも、オーダーすべき名前はそこになく、それは限定裏メニューであるから。
ご注文は、その「ごぐにぼ」。
中太麺、細麺と選べる中から、手打麺でお願いします。
その名の通りの極煮干感がとろみを伴うかのような表情で、どんぶりの中からこちらを窺う。
妙に落ち着いたワクワクが、期待の大きさを不思議な確信に既に変えている。
早速、スープをひと啜り。
うへへへへ。
煮干風味がいきなりガツンとくるというよりは、図太くもメローな煮干のコク。
徐々に脂の幕を張ってくるけど、ベタツキなんかなく、どこかさらっとさえしているスープだ。
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うぬぬぬ、やるなぁ。
「凪新宿」や「伊藤」を知らなかったら、唸り出していたかもしれないな(笑)。
takapuが注文んだ「こく煮干」のスープを試しに比べてみると、「ごぐにぼ」が格段と煮干風味のボディが強いのが判る。
うんうん、煮干LOVE(笑)。
シコシコとポキポキとツルツルを併せ持ったような手打ち麺は、
表面に微妙なスリットをもっていて、それが煮干スープを絡め取るようにして一体となる。
派手さはなくとも渾身の、そんな一杯でありますな。
特製無類、津軽煮干、中華そば「長尾」。
煮干ラーメンがますますマイ・ブームになっちゃいそうです。
「長尾」バイパス店 青森市三好2-3-5 ガーラタウン[Map] 017-783-2443
「サバの駅」で、八戸が誇るプレミアムな銀サバの魅力を思い知ったその足で向かうは、さっきの「みろく横丁」ではなくて、また別の横丁。
鷹匠小路からたぬき小路、五番街を抜け、昭和通りから廻り込むようにして辿り着いた木製ゲート前。
数段の階段の上に横たわる古びた幕板に示すは、
「ハーモニカ横町」。
「八戸横丁連合協議会」なるWebサイトによるとこの横丁は、戦後の色濃い昭和20年代後半に誕生した横丁で、映画館の前にパチンコやスマートボール等の娯楽施設に隣接しつつ、ハーモニカのリードのように並んだ飲食横丁だったことから「ハーモニカ横町」と呼ばれたンだそう。
吉祥寺「ハモニカ横丁」の呼び名の由来もきっと同じようなことなんじゃないかな(笑)。
ややうらぶれた風情が、情緒を誘います。
闖入するは、そんな「ハーモニカ横丁」の一軒、「DA介」だ。
臙脂の暖簾を潜った先は、数席のカウンターとそのカウンターから張り出すように設えた小さなテーブルがつくる、小ぢんまりとした空間。
トタンの波板の壁、品書きに混じって写真やイラストがそここに張られ、色々な雑貨が思い思いに置かれていて、その雑然とした具合が誰かの秘密基地に包まれているような不思議な安堵感を抱かせます。
プロ裸足のイラストを描いたのも、ホッケーのパックやマスクを飾っているのも、この店の大将だ。
おー、ここにも「角ハイ」がある!ってことでお願いすると、
霜降るほどにしっかり冷やされたジョッキでやってきた。
「角ハイ」のアテにとまず選んだのが、「さば缶せんべい皿」。
「お茶の友」と浮き彫りにした「せんべい」にマルハ缶詰のさば水煮をたっぷりとのっけて。
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水煮の汁っ気とぎゅぎゅっと凝縮した鯖の風味がせんべいの素朴さと妙に合う。
そしてやっぱり「せんべい汁」しなければと、「北日本もつ鍋ぞうせん」。
たっぷりの野菜やきのこたちが鉄鍋の中で沸き上がり、その陰にモツがごろごろと。
二軒目ゆえのお腹具合を気にしながら、ハフハフと食べ進み、そこへ南部せんべいを適当に割って入れた。
その上に食用菊を散らしたりなんかしてちょいと待っていると、「せんべい」がふやけてきているのが分かる。
そろそろ?と訊いてから、鍋の中の「せんべい」を掬い上げ、フーと吹いてやおら口に運ぶ。
周囲の柔さのすぐ後に、しっかりした歯触りが応えてくる。
鍋の汁を吸ってひたひたとしているのに、意外や脆くなってない。
なははは、これが「せんべいはアルデンテで食べるべし」なんだね。
八戸せんべい汁については、「八戸せんべい汁研究所」に詳しいぞ。
戦後の残り香漂う、八戸「ハーモニカ横町」の秘密基地「DA介」。
八戸の人は「だから」を「だすけ」という方言で話し、それを一種の合いの手のように使って、会話にテンポを生んでいるという。そこから「DA介」と名付けたンだそう。
そうそう、「DA介」名物のひとつ、「ホルモンがっぱり焼き」は、つきじろうさんやのむのむさんも食べてますね。
口関連記事:寿司と地魚料理「サバの駅」で 八戸前沖プレミアム銀サバづくし(09年10月)
「DA介」 八戸市岩泉町11-2 ハーモニカ横丁 [Map] 0178-73-1314
初めて降り立った青森は八戸の駅。
青森在住のtakapuに導かれるまま、
在来の八戸線に乗り換える。
観光で八戸を訪れても、なかなかこの愛称「うみねこレール」に乗ることはない、意外とレアな場面らしい。
とかなんとか云ってるうちに本八戸へ到着。
朔日町、三日町、六日町、八日町、十一日町、十六日町、廿六日町などという町名が並ぶエリアへ。
八戸のメインストリートは、この界隈なんだ。
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ひとまず麦酒をいただいて、そっと出されたお通しの鯖が何気に旨い。
おおおっと引き込まれて見つめるメニュー![]()
に、今夜はやっぱり鯖づくしにしなっくちゃと勝手に思い込む。
まずは、「船凍銀サバ刺身」。
ピキッと立った、切り口のエッジ。
とろんと細やかな脂を含んで、たっぷりと品のいい旨味を解いて消えていく。
なはは、鯖の刺身ってこんなに旨いもんだったんだ。
足の早さからか、サバと云えば〆鯖か塩鯖か、というのが通り相場になってる節もあるけど、そんな認識を翻す。
"船凍"で"銀サバ"だから、ってことなんだろね。
「サバの駅」ではすべて、「八戸前沖北緯40度30分海域限定の鯖」を使用しているそう。
わざわざ緯度まで謳って示す八戸前沖は、日本の鯖の漁場としては最北端。
鯖は、海水温が18度になると粗脂肪分が高くなるという。
例年9月に入ると海水温が急激に低下して、その海水温が日本一脂ののった鯖を育むンだ。
そんな「八戸前沖銀サバ」を堪能できるのは、目の前といってしまってもいい沖合いで獲り、すぐ水揚げした鮮度や、漁船の上で漁獲してすぐに瞬間冷凍した鮮度あればこそ、だね。
その銀サバの冷シャブなんてのもいいなぁと思いつつ、きょろきょろして目に留まったのが、
「サバの味噌じめ」。
味噌がじっくりと滲みて、旨味を凝縮・活性化。
刺身とも〆モノともまた違う魅力が芬々とする。
うひゃひゃ、こりゃ、堪まらん。
これにはやっぱり、日本酒かなぁ(笑)。
そこへお願いしていた「サバの串焼き」がやってきた。
魚を焼鳥的な串焼きにしたものって、余所で見掛けた記憶はない。
串にしたまま冷凍して解凍して焼いて、なんだかパサパサになっちゃってたらイヤだなぁとちょっぴり思った心配もなんのその。
威風堂々の串焼きの表情をみせる。
皮目ぱりっと、その裏側あたりから不足のない脂が滲み溢れてくる。
身肉の風味も活き活きとして、いいなぁ。
なはは、と笑っちゃうほど、イケる。
こりゃやっぱ日本酒かね~と品書きを見返すと、ドリンクメニューの中に何故か「イカスミ」、なんてフレーズがある。
イカスミそのまま呑んじゃう、訳じゃなく、イカスミと八戸の名水「がんじゃの水」を使用した世界初のお酒、八戸名物、と解説してある。
そいつぁーいただかなければいけませんねとお願いして待っていると、届いたのは予想通り、真っ黒い液体の入ったグラス。
恐る恐る啜ると、当然ながら生臭いなんてこともなく(笑)、さらっとした中にコクのある呑み口。
残り香に確かになんとなく、イカスミの風味が過ぎる。
ふと天井を見上げると、なにやら異物がぶら下がっている。
あ、漁の網を引き揚げるところで活躍する機械ですねーと訊くと、そーそーと応じてくれる大将。
鯖のなめろうはないみたいだけど(笑)、「サバのたたき」はある。
細かくせず、軽くタタイた仕立て。
うんうんと頷いて、黒い滴をペロリ。
そうか、「サバのつくね」っつーのもなかなかないよなぁと感心して、大将に声を掛ける。
素朴な味わいが基調であるところは、例えば鰯のつくねと同義だけど、サバらしい風味がふつふつとして、いいな、いいな。
つくねがあれば、天ぷらもある、ということで、それもなんと「サバ棒寿しの天ぷら」。
寿司を天ぷらにしちゃうのー?とちょっと怪訝に思いつつ、ハフっと咥えるとこれがあなた、不思議な旨さ。
サバの風味旨味に酢飯、酢〆の仄かな酸味が混じる。
これも、あり、だと思います。
そして、決して時間の経っちゃった棒寿司の処理のための料理じゃない、とも思うな(笑)。
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そして、これも食べなきゃの噂の「サバンド」。
しめサバの凝縮した旨味とトマトの甘酸っぱい風味と取り合わせが意外な好相性で、
なるほどなぁの逸品。
そして「サバンド」に並ぶ新機軸、登録商標「サバーグ」なんて裏メニューもあるらしい。
他にも
まだまだ、八戸が誇る「八戸前沖北緯40度30分の鯖」を活かした酒肴がある。
「しめサバ」「サバの棒寿し」「サバの味噌煮」「へしこ」は勿論のこと、「サバのづけ」「サバの竜田揚げ」「サバ出しせんべい汁」「サバ大根」「サバマリネ」などなど。
おまかせ「サバ料理コース」もあるぞ。
「駅」らしく、切符の姿のサービスチケット
を受け取って、ご馳走さまと振り返る「サバの駅」。
八戸来たなら寄らない手はない、そう思う。
全国幾千万人(?)のサバ・ラバーたちには、きっと垂涎。
漁船に載せた看板が目印だ。
「サバの駅」 八戸市六日町12大松ビル1F [Map] 0178-24-3839
http://hachinohe-sabanoeki.com/
'10/02/08(月)by:まさぴ。さん
Re:Kuu@まるごと青森さま
口中華そば「長尾」青森物産展で 再会ごぐ煮干あの風景へトリップやっぱり旨い!と確認しちゃいました♪
厨房環境が変わると、当地そのまんまというワケにもいかないでしょうけど、浅草でも頑張ってくれてます。
開花楼の麺は青森にはないはずなので、このコラボはとってもレアなことなんですね。
'10/02/08(月)by:Kuu@まるごと青森さん
長尾のごくにぼが、浅草に出店しているんですね。
口BAR「並木ハイボール」で しゅわしゅわとコマネチとナポリタンコチラのお店の、泡のようなスープがなんとも言えないんですよね。
それを、まさぴ。さん、見事に完つゆ!!
残った粒子の確認までされたとは、感服です。
'10/02/01(月)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口BAR「並木ハイボール」で しゅわしゅわとコマネチとナポリタン実現できてよかった、チョコテルの会♫
あれ、そうか、つーさんが目印になっていたのだね。
ここから、「HIGH FIVE」での愉しいひと時へとつながったのでしたねー。
'10/01/31(日)by:laraさん
まさぴ。さま。
リンク、ありがとうございます!
まさぴ。さまにお声がけいただいたMさま、のむのむさまとの初対面がここで、とてもホッとしたのが昨日の事のようです。
Mさまと共にお心優しい段取りング、感謝いたしております。
お店がわかるだろうかと心配でしたが、意外にも外に立っていたつきじろう様が目印に!
口沖縄料理「おもろ」で 豚尾のおもろ煮豆腐よう草分け沖縄料理店楽しい会になりました。ありがとうございました。
'10/01/31(日)by:まさぴ。さん
Re;laraさま
口沖縄料理「おもろ」で 豚尾のおもろ煮豆腐よう草分け沖縄料理店フューチャラマって、なんかちょっとすっとぼけた感じのアニメのこと?
あ、そっか、豚足苦手なヒトも結構いるので、そんなヒトにはちょっとグロい絵面に見えちゃうかも~。
ナイスなチョイスでしたと、お伝えしてね。
'10/01/31(日)by:laraさん
まさぴ。さま。
うちの実樹子の唐突企画誘いにも関わらず、快く参加して下さりありがとうございます!!
素朴な沖縄料理は素晴しいです。
この豚のしっぽの写真は。。。
フューチャラマのベンダー(ロボット)の腕が切れた時、いろいろな配線がうにゅうにゅ出てきたシーンそっくりです@。@;
ナイスなチョイスはスタジオMのSさま??
口沖縄料理「おもろ」で 豚尾のおもろ煮豆腐よう草分け沖縄料理店'10/01/30(土)by:まさぴ。さん
Re:みっこさま
口沖縄料理「おもろ」で 豚尾のおもろ煮豆腐よう草分け沖縄料理店ありがとーでした~。
にしても、どなた情報なのでしょう、この店チョイスはオツでした。
沖縄料理の店はちょこちょこ探しているのだけど、知らなかったですもの。
アーカイブへはまだですね(笑)。
'10/01/30(土)by:みっこさん
美味しく楽しい時間(っていうか日々の始まり)でしたね〜〜〜。
そのあとまた、わざとじゃないけどすっかり出不精してますが・・。
また!行きましょ〜〜。
口和食「仙厓」で師走の献立アリスの祝い花と仙厓師匠に思うところ'10/01/28(木)by:まさぴ。さん
Re;のむのむさま
去年の12月早々のことですけど(笑)。
あの3人がたまたまいたりしたら面白かったのですけど(笑)。
体調崩すと食べれない、美味しくないのがツライよね。
口和食「仙厓」で師走の献立アリスの祝い花と仙厓師匠に思うところ'10/01/28(木)by:のむのむさん
おっ、行かれたんですね、ここ。
おかげで、あの花輪の謎が解けましたー。
追伸:昨日はスミマセン。やや復活。