万石浦を臨むかき小屋「渡波」で、
絶品に旨い焼き牡蠣を堪能した後、
万石橋の近くにあるバス停から石巻駅方面のバスに乗りました。
バスの車窓から見えるのは、
ほとんど瓦礫の撤去を済ませた後の更地。
所々に津波の被害を受けたままの様子の痛々しい建物が残る。
駅の手前、シャッターの降りた店舗が並ぶ商店街でバスを降りました。
と、交叉点角の歩道に仁王立ちしているヤツがいる。
紅いボディスーツに身を包み黄色いマフラーを靡かせ、石巻駅方向を見据えているのが、
かの石ノ森章太郎画伯が生んだ「サイボーグ009」の主人公009島村ジョーだ。
パネルの説明書きを眺めると、
閉館中が残念だった「石ノ森萬画館」へと向かうマンガロードに沿って、
他の00ナンバーのサイボーグや仮面ライダー、ロボコンといったキャラクターたちが迎えてくれるそう。
そんな009の背中越しにお食事処「藤や食堂」の袖看板を見つけました。
外観通りにくすんだ古色がいい感じの店内はほぼ満席。
先客さん達と入れ替えるように隅のテーブルへと腰を据えます。
窓への貼り紙には、
石巻焼きそば伝道師「ちゃちゃ丸」のキャラクターがコテを手に微笑んでる。![]()
注文んだ麦酒のラベルは、「第6回 B1グランプリ 姫路大会」誂えのもの。
石巻観光協会の「茶色い焼きそば食べ歩きマップ」によると、
こちら「藤や食堂」は、愛Bリーグ会員「石巻茶色い焼きそばアカデミー」の会長の店なのだ。
ということで、「特製焼きそば」をお願いします。
なにやら妙に忙し気な厨房のご様子。
お時間掛かります、とのおねえさんのプチ困り顔にうんうんと頷いて、
麦酒グラスをちょこちょこ傾けつつ、待つことにします。
ややあって届いた「特製焼きそば」には、目玉焼きが中央に載り、たっぷりの紅生姜。
焼きそばそのものは、妙な押しを思わせないシンプルな表情です。
目玉焼きの脇から引き出して啜る焼きそば。
脂の甘さを思うツルンとした感触とあくまで柔らかな噛み応え、仄かな出汁の旨み。
それは勿論のノーモア・アルデンテ(笑)。
玉子の黄身を崩したりしながら1/3ほどいただいたら、
卓上のチューブを手にします。
ラベルにはキャラクターのちゃちゃ丸くんと石巻焼きそばソース、の文字。
こんなもんかなとソースを回しかけ、軽く和えて再び口へ運びます。![]()
うん、ソースをかける前の素朴さもソースをかけた後の素朴さも、
どちらにもなんだか和んでしまいます。
おねえさんのTシャツの背中には、
"石巻焼きそば、二度蒸し後がけソース"とプリントされている。
そうか、この麺は、二度蒸しているんだね。
石巻焼きそばの麺は、一度蒸し上げた麺を水で洗い、もう一度蒸し上げて作っている。
二度蒸しされることで、麺に含まれる「かんすい」が熱で変化し、茶色くなるのではというのが通説らしい。
麺を蒸したのは、まだ冷蔵庫が一般的でなかった昭和20年頃に常温保存するために工夫を施したことが起源という。
保存のため麺を蒸したことから生まれた伊那の「ローメン」のことが脳裏を過ります。
創業60年、石巻焼きそばアカデミー会長の店「藤や食堂(ふじやしょくどう)」。![]()
これからも「石巻焼きそば」を石巻のひとつの顔として、
少しずつでも石巻を活きいきとさせていってくれることでしょう。
渡波駅まで復旧なった石巻線に乗り込んで、仙台へと向かいます。
口 関連記事:
かき小屋「渡波」で 万石浦採れ立て焼き牡蠣の衝撃的な旨さ(12年03月)
中国風菜館「萬里」で 伊那地方特有の麺料理ローメン発祥の店(11年05月)
「藤や食堂」
石巻市立町2-6-17 [Map] 0225-93-4645
すっかり満ち足りた気分で、
銘居酒屋「一心」を後にする。
粋な地階を離れ、広瀬通りに出ればすぐ、
震災前よりも繁盛しているとも聞く繁華街・国分町のゲートが見える。
ちょっと冷やかしてからホテルに戻ろうと、
足を向けます。
どれも同じようにみえる、キャバクラ系と思しき店の客引きが多い。
どこか陰鬱にギラついているように映り、ちょっぴり遣る瀬ないような気分にもなって、
ホテルに戻ろうかと国分町通りを離れ、一本仙台駅寄りの筋にUターン。
すると、そんな国分町通りとコントラストを示すような風情を魅せる光景に出会いました。
店の幅目一杯の大判な暖簾に大きく力強く描いた「中華そば」の紅い文字。
額に置いた檸檬色の看板がヒトを誘う。
いいねー、と頷き合って早速、暖簾を払います。
紅いメラミンのカウンターの上には、ドンブリに盛った刻み葱。![]()
「一心」であれこれいただいたその足なので、
そこは素直に「末廣中華そば(並)」。
「末廣塩中華そば」にも(大)、(特大)と3段階の盛り具合が用意されています。
カウンター越しに受け取ったドンブリを手元に置いてまず、あれっ?と思う。
明らかに黒いスープの色。
極薄いスライスのチャーシュー。
おおお、と思いながらスープを啜って、あれれ?とまた思う。
黒いスープから引き上げたストレートな細麺を啜ってまた、おおお、と思う(笑)。
これはどう捉えても、京都のあの中華そばと同じ系統じゃん。
洛中の〆にと「新福菜館」の「中華そば(小)」を平らげるに同じく、
するっと美味しく啜れる感じも符合する。
薄いスライスがスープに馴染んでいい感じのチャーシューのテクスチャもまた然り、だ。
どこが違うと探すより、どこが似てるか探したい感じが面白くもある。
お代を手渡しながらおずおずと訊いてみると、
ええ、その通り京都の店の流れを汲んだ店ですよとお兄さん。
そうか、そうなんだ。
仙台で京都の味に偶然出逢えた感じが妙に嬉しかったりなんかして(笑)。
昭和13年創業、駅前屋台中華そば、登録商標「末廣ラーメン本舗」。
店内に掲げられていた品書きのパネルの写真を見返してみたら、
"京都屋台の中華そば"と副題が記されてるじゃん。
聞くまでもなかったことなのね(笑)。
仙台駅前にも店を構える「末廣ラーメン本舗」は、秋田に本店があって、
青森や盛岡、そして高田馬場にもその暖簾があるようです。
口 関連記事:
地酒と旬菜旬魚「一心」で 石巻純吟日高見に松島の穴子白焼き(12年04月)
中華そば専門店「新福菜館」府立医大前店で 中華そばやきめし(12年03月)
「末廣ラーメン本舗」国分町店
仙台市青葉区国分町2-1-1 [Map] 022-748-7371
仙台市内の和風オイスターバー、
「かきや no Kakiya」でランチを堪能した後、
何気なく開いたミニコミ誌の記事から急遽思い立ち、
JRの仙山線に乗り込んだ。
目的地は、作並という駅。
そう、NIKKA WHISKYの蒸溜所を見学しちゃおうとの魂胆なのです。
飛び乗った電車を降り立ったものの、送迎バスの類がある訳でもないと知る。
作並駅の女性駅長に唯一のタクシー会社の連絡先を訊くも、すっかり出払っていて呼べるタクシーはなし。
やむなく、霧雨の降る作並街道を煙突に向かって歩きます。
ゲートに向かって渡った広瀬川は、蒸溜所のところで新川川(ニッカワガワ)と合流する。
辿り着いたのは、力強きハイランドタイプの余市蒸溜所のモルトに加えて、柔らかなローランドタイプのモルトをつくるべく、かの竹鶴政孝氏が興したという宮城峡蒸溜所。
キルン棟からはじめ、ポットスチルを見上げ、樽の貯蔵庫へと回ってピートを弄り、天使の分け前のお話に頷いて、そしてお楽しみの試飲で〆るのが決まりだ(笑)。
仙台市内へとバスで戻って、ホテルでひと休み。
ふたたび昼間訪れた界隈にやってきました。
ゲート越しに既にひと気の増えた国分町の通りを横目にする辺り。
雑居ビルの階段を降りてゆくとそこは、急にしっとりした空気のフロア。
「一心」のファサードは、瓦を載せた軒を持つ、酒蔵の色気漂うもの。
兄弟店「加減 燗」「光庵」と並び併せて、雑居ビル地階とは思えない雰囲気を醸しています。
昼下がりは蒸溜の蔵へだったけど、夜は醸造の蔵へ、だなぁ(笑)。
予約の名を告げ、促されるままカウンターの一番奥へ。
背中越しに幾つか仕切られた小上がりの様子が窺えます。
翌日訪れる予定の石巻のお酒をと限定純米中汲み「墨廼江(すみのえ)」を。![]()
ここ「一心」の特徴のひとつが、つきだしとしてやってくるお造り。
乾杯をして早速、近海本鮪の中とろや海老の甘さを愉しみます。
時季外れだから「ばくらい」だねと話しながら覗いたお品書きに「新ほや」がある。
夏場が旬じゃないんでしたっけ?と訊くと、そうでばかりもないのですと姐さん。
どれどれとマンゴー色の身を摘まみます。
ああ、如何にも獲れ立ての鮮度を思う甘さと磯の旨味に濁りなし。
冷や酒との相性を語るまでもありません。
続いて届いたのが「定義(じょうげ)さんの油揚げ」。
肉厚にして三角形の油揚げをしっかり目に炙ってある。
醤油を回しかけて、生姜と刻み葱を散らしていただけば、
ぱりぱりとした歯触りに続いて大豆の香りが弾ける。
通常のお揚げでも厚揚げでもない、絶妙の厚みが生む美味しさ。
お品書きには、"定義如来・西方寺の、門前町で一番の名物!"と謳っています。
カウンター正面の棚をみあげると、
太田和彦氏をはじめとする面々の日本酒や居酒屋に関する書籍が並んでる。
その上には、"「夏子の酒」尾瀬あきら"の色紙。
あ、達郎師匠の色紙もある。
仙台公演の際に訪れていたのですね。
お酒を石巻の「日高見」純米吟醸に。
酒米は、山田錦の母とも云われる山田穂。
小粋に旨味広がりすっとキレる、心地よい吞み口であります。
そんなお酒に飲兵衛気分を添えてくれるのが、「十穀みそ」。
炒った穀物あれこれを合わせ味噌と和えたもの。
これだけで呑むようになったらいよいよアル中だ(笑)。
長皿で恭しくやってきたのが、「松島産 活穴子白焼き」。
松島の穴子がいただけるのだねぇと小さな感慨を思いつつ、
そのまま塩をほんの少々で口へ。
おお、むほほほほほほ!
ああ、美味い。
一点の曇りもない旨味が香ばしさと一緒に炸裂する。
骨切りするように入れた包丁の効用も素晴らしく、
なにより鮮度もとより穴子そのものが佳いのではあるまいか。
何はともあれ、人生で一番の穴子白焼きであります。
「一心」には、オリジナルプライベートな限定酒があって、
それが「伏見男山純米大吟醸中汲み」。
気仙沼の男山が醸す酒米は、蔵の華。
艶やかに華開くように旨味が広がって纏まる感じがいい。
![]()
そんなグラスの滴を迎えるは、
肝和えにしてもらった「活きかわはぎ」。
鳴呼、堪らない。
河豚をいただくより断然こちらに軍配を挙げたい気分です。
きっと仙台が誇る日本酒と旬の魚介・酒肴の店「一心」。![]()
決してお安くはないけれど、宮城ものをはじめとする銘酒と真っ直ぐ絶佳な酒肴の相乗を堪能させてくれるに違いない。
そうそう、「一心」のファサードは、ビッコミ・オリジナル掲載の尾瀬あきら氏「蔵人(クロード)」の表紙に描かれたことがある。
こちらにお邪魔したのは、それを憶えていたこともあってのことでした。
口 関連記事:
和風オイスターバー「かきや no Kakiya」で かきのやわらか煮丼(12年03月)
「一心」本店
仙台市青葉区国分町3-3-1 定禅寺ヒルズB1F [Map] 022-261-9888
振り返ればそれは、昨年の残暑の頃。
山本実樹子さんやlaraさんが、
六本木霞町近くの小さなサロンで催したチャリティーなコンサート。
チャリティーのちょっとした後押しにと、コンサートの休憩時間に、軽ーく"牡蠣とシャンパン"を愉しんでもらうってのはどうだろねと思い付いついたのがはじまりでした。
そうはいっても、会場はそもそも飲食店とかではなく、
ホワイエと呼ぶスペースにちょっとしたシンクや冷蔵庫がある感じ。
豪勢に岩牡蠣開けてなんてしちゃいたいところだけど、
そうは簡単にいかないオトナの事情もある。
さくさく殻を開ける自信も全くないし(笑)。
そこで思い至ったのが、燻製牡蠣とかのカナッペ。
某協会の会長さまに相談してみると、
仙台に「かきや no Kakiya」なる店があって、加工牡蠣の通販も営んでいるという。
そこで早速連絡をとり、結局あれこれ試してから「かきのオリーブ味」をメインに据えることに。
エキストラバージンのオイルとイタリアのチリソースをちょんと載せて、サーブ。
シャンパンは勿論、あの「ローラン・ペリエ」です。
そんなこんなで、
もしも仙台に赴く機会があったなら、寄ってみたいと思っていた「かきや no Kakiya」。
とっても久し振りの仙台駅から地下鉄に乗り換えるのにまごつきつつ、
県庁舎や市役所も最寄りの勾当台公園駅に降り立ちます。
そのまま定禅寺通りという幅の広い通りを往くと最近の賑わいが話題の国分町通りのゲート前に出る。
さらに真っ直ぐ進むと右手に「せんだいメディアテーク」という硝子張りの施設が見えてくる。
そしてその斜向かいに「かきや mo Kakiya」を見つけました。
どうやらなかなか狭い店らしいと知りつつドアを引き開ける。
うん、なるほど狭い(笑)。
キッチンスペースに張り付いたような2席に窓沿い壁沿いにMax6席。
座るとその後ろは通り難いという事態が生まれます。
でもこふいふ小じんまり感って嫌いじゃない。
荷物やら廻りやらに気を遣いつつ、お品書きを眺めます。
この日のランチメニューの筆頭は、「かき丼ランチセット」。
「かき丼」に殻付き生牡蠣がひとつつくってヤツ。
殻付き生牡蠣は、お好み3ピースや4ピースのプレートとかもあって、
昼から白ワインでやっつける手もあるのだけれど、
新幹線車内で朝から麦酒呑んできちゃってそんな感じでもない(笑)。
代わりに「かきのオリーブ味」を追加オーダーです。
この日のランチセットにつく生牡蠣は、三陸岩手の「陸中かき」。
宮城の「長面かき」や北海道「サロマかき」、岡山の「日生かき」もラインナップしています。
生だけでなく、石焼きや炙りでいただく手もあるみたい。
![]()
檸檬を数滴絞って、殻から溢れんばかりの牡蠣を啜る。
うんうん、ミネラルな味わいの部分もまた生牡蠣の魅力の一面なのですね。
如何にもパックから取り出した感じの「かきのオリーブ味」。
以前送ってもらったものより、ガーリックがガツンと利いている感じ。
なんだか強いお酒、呑みたくなっちゃうじゃん(笑)。
そして、「かき丼」はというと、つまりは「かきや」謹製「かきのやわらか煮」をあつあつご飯の上にのっけちゃいましたってヤツ。
濃いぃ色合いは、しぐれ煮的佃煮的な見映えではありますが、
噛めば柔らかく、ぎゅっと凝縮した牡蠣の旨味が愉しめる。
やっぱ、これって、食卓の常備品って気がするね。
お品書きには、松島の牡蠣を使った「カキフライ」は勿論のこと、
「かきのクリームコロッケ」とか「かきの釜めし」&「かきのお吸いもの」、
シャンパングラスの「オイスターシューター」などなどもラインアップ。
夜の部でも、所謂オイスターバーとはちょっと趣の違う、
気の置けないひと時が過ごせそうです。
生牡蠣は勿論、オイスター料理あれこれを供する仙台唯一の店「かきや no Kakiya」。![]()
店頭には、殻付き生牡蠣の全国発送承ります!と謳うパネルと
サンプルの発泡ケース。
ここの母体の株式会社かきやは、仙台中央卸売市場内にある。
つまりは、仲卸業者が直販するかき屋なのだね。
「かきや no Kakiya」定禅寺通り店
仙台市青葉区立町26-16 [Map] 022-215-2218
震災の後、いち早く"復興かき"の仕組みを立ち上げるとともに、牡蠣の養殖再興を軸に東奔西走し続けているアイリンク社長斎藤さん。
"復興かき"は、2万口を上回る応募を積み上げて、フロートやロープやアンカーなどなどの資器材や種牡蠣ほか、三陸の牡蠣養殖の復活に必要な物、事に直接寄与している(→復興かき活動報告)。
既に幾つもの海で三陸の牡蠣養殖を再開し始めているのです。
震災からそろそろ一年を迎えようとする頃、嬉しい取り組みを知りました。
石巻で「かき小屋」の営業を始めるというのです。
その名を「渡波(わたのは)」。
石巻駅から石巻線を女川方面にふた駅めが渡波駅だ。
仙台市内に前泊して、渡波に向かいます。
まだ仙石線が全線復旧に至っていないものの、
東北本線の小牛田(こごた)から石巻線に回る手がある。
訪れた前日に石巻-渡波間が開通してくれたのでした。
ディーゼルの振動に載せ、運んでくれたワンマン列車。![]()
津波に晒されたであろう渡波の駅舎は、旧来のままのように映ります。
渡波駅を背にして真っ直ぐに海の方へと歩いて向かう。
女川街道を越えて、さらにそのまま真っ直ぐに。
するとその先に橋が見えてきました。
その橋が万石橋。
そして、その左手に広がる大きな大きな入江が万石浦だ。
ああ、何度もその名を読み聞きしていた場所にやってきた。
万石浦は、"カキじいさん"こと畠山重篤先生が著書「牡蠣礼賛」や「鉄は魔法つかい」で著しているように、"牡蠣養殖の父"と呼ばれる宮城新昌(かの料理研究家岸朝子さんの父上でもある)さんが、今行われている牡蠣の養殖法の元を開発する拠点としたところ。
日本各地に、
そしてアメリカやフランスに牡蠣種「宮城ダネ」を送り出した養殖場のひとつ万石浦。
静かに湛える水面の隅で鴎が翻ります。
橋を渡り切った辺りに幾連もの帆立の貝殻の壁がある。
次の垂下を待っているのでしょうか。
その並び、コンビニのココストアの敷地伝いにみえるテント。
それが、かき小屋「渡波」。
テントの前には既に沢山の車が停まっています。
ノートに人数を記入して、案内されたのは大きな冷蔵庫の前。![]()
緑色の籠に盛られた沢山の牡蠣たちがお出迎え。
カキナイフ、ワンカップと一緒に仕込みます。
導かれた奥のテントも既にほぼ満席。![]()
早速、焼き牡蠣をいただくお作法について丁寧に説明をいただきます。
汁が飛んでもいいように横に向けつつ、殻の平らな面をまず下にして焼き網の上に載せる。![]()
もう一枚、と所望して二枚重ねの軍手は利き手とは逆の方へ。
利き手にはカキナイフで働いてもらいます。
殻の隙間から汁が沸き出るを見計らって、ひっくり返す。
そろそろいい頃だと、手元に寄せて、ちょっと空いた口にナイフを挿し入れて抉じ開けます。
焼き牡蠣は加減良くそこそこしっかり焼きましょう。
あああ、湯気を立てる牡蠣の身の美しさたるや。
やおらそのまま、その身を口に含んでみる。
ぷにちゅるんとした食感とともに弾けた旨味が延髄に真っ直ぐ届く。
その旨味に一切の曇り濁りなし。
美味しさの鮮度が圧倒的に違う感じ。
いやーたまげた、こりゃ驚いたと慌てて一気に牡蠣を焼き網に並べます。
ワンカップの大関もいつもにも増して旨く思えるから不思議です(笑)。
熱気の篭るテントの外では、せっせと牡蠣の掃除をしてくれている。
何を隠そう、かき小屋「渡波」の牡蠣は、目の前の万石浦から揚がった牡蠣なのだ。
その引き揚げたばかりの牡蠣をテントの横で掃除して、そのまま焼き網の上へ。
ああああ、この衝撃的な旨さは、万石浦が育んだ滋味を採れ立てでいただく醍醐味の発露なのだなぁ。
絶滅さえ危惧された三陸の宮城の牡蠣を絶佳な美味しさと臨場感で愉しめる、
かき小屋「渡波(わたのは)」。
お金を出せばなんでも手に入りそうな東京にいても叶わず、足を運ばなければ手に入らないものがやっぱりあることを改めてすんなり教えてくれました。
そしてその一方で、以前のように、いや従前以上に三陸の牡蠣が流通して、より沢山のひとに口福を齎してくれるようになればいいなぁ。
ふたたび万石浦を眺めながら、そんな風に思うのでありました。
「渡波」
石巻市渡波字祝田75-5 [Map] 0225-24-5640 http://www.kakigoya.jp/
冬の表参道をうねり、撥ねた「青森冬ねぶた」。
寒さを吹き飛ばすような盛り上がりを魅せた光景は、まだ記憶に新しい。
その青森のねぶたが表参道に帰ってきました。
今回は、「青森ねぶた」「弘前ねぷた」「八戸三社大祭」そして「五所川原立倭武多」の青森四大祭りが集結してしまうという、当地でもそうそう見られることのない競演が実現。
待ちに待った新幹線の開業を間近に控えた青森の熱気が伝わってきそうです。
ライトアップが準備された南参道から臨む鳥居の向こうには、
点灯を待つ「青森ねぶた」に「弘前ねぷた」。![]()
弘前の「金魚ねぷた」との再会がほっこり懐かしく。
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新幹線開業を伝えるプレートを胸に誇った青森ねぶたには、歩道橋を潜る姿を思い出します。
競演四大祭りのあとふたつは何処にというと、それは「青森ご当地グルメ屋台村」のテントが並ぶお祭り広場に鎮座。
広場に足を踏み入れてまずは、おおお、と感嘆させるのは、
「五所川原立倭武多(たちねぶた)」の威容。
高さ23mにも達する高さが見上げる者を圧倒します。
こんなに背が高いンじゃ、危なくって曳き歩くなんてできないよねと訊けば、
ちゃんと車輪がついていて運行させるのだという。
ぜひその雄姿を観てみたいけど、表参道の歩道橋は絶対に潜れないね(笑)。
それには五所川原に行かなくちゃ、だ。
と、なにやら煙を吐き出し始めたのが「八戸三社大祭」の山車からくり屋敷。
虎が煙を吐き、カラクリ屋敷の如く変幻な動きで、豪華絢爛摩訶不思議な世界を映しています。
広場に並ぶ「青森ご当地グルメ屋台村」テントに向かうと、早速目に留まったのが、
「浪岡アップルサイダー」を供する名コンビ。
青森県観光物産館「アスパム」でもお世話になった浪岡のオカアサンは、
今日もお元気そう(笑)。
早速ポットから汲んでもらったホットアップルサイダーで乾杯。
新幹線の通じた青森ではきっと、定番のご当地アイテムとしていま以上に認知されることになるのだろうね。
そして、青森で飲む前にこっそりご自宅用アップルサイダーも仕込まなければとも思ったり(笑)。
戸越銀座のJA青森でも売ってるのかな。
そして、青森ご当地グルメには欠かせないぜと「八戸せんべい汁」。
八戸せんべい研究所事務局長の木村さんが先頭になって呼び込む行列に並びます。
ああ、このむにっとした歯応えと優しい出汁に心安らぎ温まる。![]()
そして、誰が思い付いた妙案か、せんべい汁になんと、虎鯖棒寿司がセット。
虎鯖を齧りつ、せんべい汁をつるっと啜りつすれば、思わず笑顔になるのです。
ひっそりと隠れファンなのが、五所川原名物「あげたい」。
香ばしく揚げた皮のふっくらと端から端までたっぷり入ったあんの重なりが素朴ながらもやっぱりいい。
チョコクリームにつぶあんに。
そうか、あの勇壮な立倭武多を見上げながら「あげたい」齧る夏、なんて体験ができるのかな。
「青森味噌カレー牛乳ラーメン」を一心に啜る愛Bリーグの事務局長と話し込んだあとには、「黒石つゆやきそば」を啜っちゃおうと。
ソースがつゆに溶け出してゆくそのグラデーションが愉しいぞ。
テント下のテーブルで、
「平川おからこんにゃく」や「深浦海鮮おやきフライ」のご相伴。
みるからに「こりゃビールがなくっちゃ!」のご当地お惣菜に、文化館の売店で缶ビールを仕込んで、いざ乾杯(笑)。
つきじろうさん、のむちゃん、あなちゃん、laraちゃん、ありがとう。
改めて「青森ねぶた」を拝んで、
「とことん青森MAX」のおヘソとなった明治神宮の境内をあとにする。
その先に伸びる表参道周辺のレストランでは、青森県産の食材をつかった限定メニューがコラボ展開中(7日まで とことん青森 カフェ&レストラン)。
そんなメニューにみる青森食材やご当地グルメ屋台のお皿たちの魅力は勿論、彼の地の風土の中でより味わい深いはず。
やはり当地でしか味わえないあれやこれやもきっとある。
また格段と青森が近くなる、ね。
口関連記事:
ご当地グルメ「青森屋台村」で初上陸青森の味と表参道冬ねぶた(10年01月)
「とことん青森MAX in 原宿表参道」 http://www.aptinet.jp/ap_tokotonmax.html
もう暫くは当地青森にいるのだろうと思っていたtakapuが、渋々東京に戻ってきました。
振り返ればそれは、雪の師走。
弘前の郷土料理「しまや」や県庁近くの居酒屋「樽」、そして「長尾」をはじめとする煮干しらーめんラインナップに案内してくれたtakapuと一献したいと都内の青森料理のお店を改めて物色してみます。
出来れば、まだtakapuが訪れたことのない青森料理の店が都内にないものか。
西新橋のあの店も小舟町のあの店もそもそもtakapuの守備範囲。
神楽坂のあの店も神田のあの店も、既に訪れているらしい。
かといって、なんちゃってな青森料理の店では、なんだしね。
と、意外と身近なところに真っ直ぐと"青森料理"を掲げる店がありました。
処はご存知、品川区のディープゾーン、大井町。
ディープゾーンの本丸、東小路界隈とはちょっと離れて、
駅東口はきゅりあんの裏手。
ゴルフ練習場に向かって信号を渡り、郵便局の脇を行く。
こんな路地があったのね、と口走りながら進むと、数軒ある飲食店の灯りの中に「青森料理」の文字が見えてきました。
青森料理・割烹「なか村」は、基本、カウンターのお店。
ねぶたの意匠がそここに鏤められています。
カウンターの他に小さめのテーブルがあるだけなので、最大グループ5名さままで。
然らばとそのテーブルをtakapu、のむのむさん等と囲みました。
ビールで乾杯しつつまず迎えたのが、「温泉豆もやし」。
つまりはご存知、大鰐温泉もやし。
さっと湯掻いたしゃきしゃくの歯触りがいいね。
大きく広げた貝殻形のお皿に配した刺身のラインナップも渋い。![]()
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活つぶ貝にその肝、ほっき貝、活水たこ、鰯。
それぞれの貝に含む、澄んだ滋味と食感、磯の香り、
そして水蛸のほの甘さにしみじみ。
女性に人気があります!なんて謳い文句のグラタンちっくな貝のお皿が、
「素焼(もとやき)」の帆立、たこ、いかミックスバージョンだ。
あくまで優しい味わいなのに、
帆立のヒモや烏賊あたりから出た旨みがしっかり滲む。
このままドンブリにのっけて掻っ喰らっちゃってもいいし、
勿論お酒にもいいよなぁ。
ということで、日本酒を所望する。
数ある青森のお酒の中で、一番に思い浮かぶのはやっぱり、「田酒」。
ここ「なか村」でも、メインのお酒は「田酒」、特別純米だ。
つつつーとしながら、「みずおひたし」に箸を伸ばす。
「まるごと青森」には、本名を「ウワバミソウ」という山菜だとあるね。
細手の蕗のような、瑞々しい歯触りが心地いい。
続いて、つつつーとしながら受け取ったお皿には、件の「亀の手」。![]()
爪の根元あたりからぽっきりとして、その中を咥えて齧る。
干物にしてからそれを戻して、旨みが凝縮した貝のような、そんな滋味がする。
うん、亀の手は久し振りだ。
お代わりした「田酒」をふたたび、つつつつーとしていると、
お待ちかね!とばかりに女将さんが届けてくれたのが、「天然ほや」。
しっかりぶつぶつがあるのが天然モノの証なんだよ、と女将さん。
芬々と香る磯の風味にどっぷりと浸る食べ口。
鮮度が落ちればあっという間に濁ってしまいそうな、
だからこそ新鮮さを想わせる、乙な酒肴であります。
「とげくり蟹」ってどんなカニ?ってことでお迎えした蟹は、意外な具沢山。
ほじほじしているそばから身が零れてくる。
むほほほと穿っては、お猪口でつつつと受けて立つ。
もう何事も気にせずお願いしちゃう?
ってことで一同の合意を得ましてお願いしたのが、「にんにく焼」。
ホイル焼きしたコロンと大粒な大蒜の産地は勿論、青森は田子。
田子と書いて「たっこ」と読むんだよ、と偉そうに講釈を垂れてみる(笑)。
焦げ目香ばしく、ほくほくスルンと食べれちゃうね。
またまた「田酒」をつつつつーとしているところへ登場したのは、
大きな爪の持ち主。
![]()
takapuが両の爪を持ってうりゃうりゃと弄る、「活しゃこボイル」。
殻を外して身に解すと、小さな玉子を抱えているのが見つかる。
これがカツブシってヤツ?
寿司ダネとしてツメを塗った姿で対面することが多い蝦蛄だけど、こうしてボイルしたままをいただくと、素直な甘さが愉しめていいね。
そして、「田酒」のアテにはぴったりで一番ズルイでしょうの「げそわた焼き」。
まったりと烏賊ワタの滋味旨みを弾けさせつつ、それでいてクドくない。
んんんんーと唸って、また、つつつつつーとお猪口を傾けます。
青森の「じゃっぱ」で思い出すのは、「青森屋台村」の居酒屋「やなせ」。
おろした魚の残り、頭や内臓、あらを出汁にし具にした「じゃっぱ汁」。
ここでもその「じゃっぱ汁」がいただこうというのかというと然にあらず。
出汁のしっかり出た汁の残りまでもさらに上手に平らげちまおうという魂胆の「じゃっぱ煮こごり」だ。
凝縮した旨みがぷるんとした食感でいただけるという面白さに、
またまた「田酒」をつつつ(笑)。
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それじゃぁ「じゃっぱ」つながりで〆ますかということで、
「じゃっぱ巻き」。
青森の食材を具にした太巻きなのだけど、捨てちまうような、じゃっぱな具材たちではありません。
大将の津軽弁を聴きながら、酔うほどに。
今まさに当地の片隅で呑んでいるような錯覚に浸らせてくれる、
青森料理・割烹「なか村」。
大将は、青森駅前の古川の出身だそう。
古川市場の仲間が、新鮮で場合によっては入手の難しい青森食材を直送してくれることで実現している「なか村」の青森世界。
今度は、ちょっとシバれる寒い頃にお邪魔して、
燗の「田酒」と青森の酒肴たちで温まりたいなぁ。
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「なか村」
品川区東大井6-5-6[Map] 03-3450-2498
http://aomori1-web.hp.infoseek.co.jp/
浅草の古参デパート、松屋へ足を運びました。
目指すフロアは、「第8回青森物産展」の行われている7階大催場。
明治神宮「青森屋台村」で青森グルメの一面を愉しんだその余韻も残る中で浅草に赴いた理由は、
明快そのもの。
それは、「青森屋台村」にはなかった本場の煮干し中華のお店が出店しているから。
しかもその店が、嬉しいことに、いただいまイチオシの中華そば「長尾」なんですもの。
あ、あったあった。
フロアのコーナーに陣取った「長尾」の浅草出店。
レジの手前のバナーが示すメニューは、「中華そば あっさり」「中華そば こく煮干」「こく煮干 チャーシュー麺」の3種類。
あれ?"ごぐにぼ"はできないのだろうか?とそう訊いてみると、
「できますよ!」とひと言。
ちゃんと、「ごぐ煮干し」用のチケットも用意していて、
お代は一緒ですと手渡してくれる。
なるほど、ここでも裏メニューとしての"ごぐにぼ"としているのだね。
入口の脇には大きなボウルに煮干しが山盛りになっている。
結構大きいサイズの煮干しだよねーなどど話しているところへ、両手にどんぶりのおねえさんが近づいてきました。
雷紋を描くどんぶりは実直な印象を増していた「長尾」バイパス店の白いどんぶりとはやや趣を違えていますが、そこに注がれているスープはまさにあのエキスの表情。
鼻息鳴らして早速、そのスープを啜れば、脳裡の風景がバイパス沿いのあの店の風景に一瞬トリップ(笑)。
やっぱりいいわー、うん、イイわー。
たっぷりとした旨みの凝縮感と濁りのない風味の昇華。
クリーミーにさえ思う舌触りに妙な脂の気配は一切ない。
8月の「青森ねぶた祭」のポスターの貼られたパーティションの向こうに、ご存知「浅草・開花楼」の麺箱が見える。
今回の麺も「浅草・開花楼」のものだそうで、負死鳥カラスさんが自らそう云っているように、細く切ったうどんのようでもある面白い食感の麺。
日清製粉の「傾奇者(かぶきもの)」と呼ぶ粉を使って、無かん水で仕込んだという、独特の麺だ。
敢えてどちらかと云えばバイパス店の自家製麺の方が好みではあるけれど、無かん水の麺が煮干しスープに絶妙にマッチすることを改めて教えてくれる完成度の麺です。
ということで、煮干し粒子が残るどんぶりの底まであっと云う間に呑み干してしまいました。
その粒子はザラザラするようなものではないのは、舐めて確認しております(笑)。
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あと4箱しかないですよーの掛け声にのっかって、「こく煮干」の4人前箱入りをご購入。
自宅で啜ってまた、青森にトリップするんだもんね(笑)。
煮干し中華の雄、ときっと自他ともに認める「長尾」が浅草に出張る一週間。
松屋がフロアを閉めることもあって、この「青森物産展」での「長尾」に出会えるのは今回が最後になってしまうよう。
東京で「長尾」を啜れた幸せを思います。
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「長尾」バイパス店
青森市三好2-3-5 ガーラタウン[Map] 017-783-2443
http://naga-chu.de-blog.jp/blog/
なかなか連食の利かないお腹は、
あともう一杯で止めておけと、
自らを律するように囁いている。
青森を離れる前の一杯はどうあるべきか。
煮干し中華を巡る旅として一貫したカテゴリーで括り締めたい気持ちと、前回の青森初訪の時にも満腹で出会えなかった「味噌カレー牛乳ラーメン」も心残り。
迷った時は全部喰え、と誰か云ってた気もするけど、やっぱりあと一杯だ。
そして、向かったのが、「長尾」浜田店。
初青森の際に煮干し中華を堪能させてくれたのは、その「長尾」の2号店に当たるバイパス店だった。
到着して、あれ?って思うのは、「長尾」なのに、なにやらどこかで見たような黄色いサインがチラチラ視野に入ってくるから。
「鰞」の文字を円で囲んだ紋を染め抜いた暖簾を潜って、品書きを確かめると、確かに、如何にもその黄色い看板の店インスパイア系らしいタイトルが並ぶ。
「にんにく わっつど入れましょう」とススメる「ラーメン 大二郎」
だ。
で、そっちはtakapuに任せて、
メニューの「長尾」サイド
やや濃いめの醤油スープの上に煮干しの粉末が薄らと浮かんでいます。
啜るスープは、「たかはし」というよりは、「まるかい」あたりに近いかも。
とんこつではなくて、
鶏スープをベースに例によって三種類の煮干しを合わせたスープだという。
うんうん。
麺はといえば、ちゅるちゅるで粉の香るオリジナル麺。
旭屋製麺という製麺所に委託しているようで、「二郎」な店定番の自家製麺ではない模様。
ここでここまで青森でいただいた煮干し中華を振り返えってみる。
開拓者「たかはし」、澄んだ滋味の「まるかい」、とんこつ使いも巧みな「ひらこ屋」、バイパスの雄「長尾」。
たった数軒ではあるけど、間違いなく青森を代表する中華そば店たち。
改めてそれらを俯瞰して思う中から、バイパス「長尾」の裏メニュー、「ごくにぼ」が浮かび上がってきた。
最初だったから印象が強いのかもしれないけど、もう一度食べたい一杯の一番はどれ?と訊かれたら今はそう応えます。
煮干しエキスの凝縮感とそれをクドくしないバランスとポキポキした手打ち麺とで構築された完成度の高さが、そそりにそそる。
ま、もっとも、どれもがそれぞれに旨いのだけど、ね。
最後にひと言、煮干しLOVE。
煮干し中華に二郎併設な「長尾」浜田店。
二郎な「大二郎」もベースのスープが鶏であるところがまた個性。
でも、煮干しをいただくなら、まずはバイパス店から(笑)。
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中華そば「ひらこ屋」で とんこつ煮干しそば記憶に残る一杯(10年01月)
「長尾」浜田店 青森市浜田豊田150-14 [Map] 017-739-4147
奥州街道が堤川を渡るその辺り。
青森ジモチーに夜毎大人気の餃子の店がある、
という。
しんしんと雪の降る中、車をちょっと妖しい脇道へと進めると、その先に黄色い看板が見つかる。
店前の駐車スペースは満杯。
この状況だと、席も一杯かなぁと確かめると、
熱気を帯びた店内は、案の定満席だという。
おおお、なるほどの盛況振りだ。
雪に籠もることなく、通りからやや奥まった場所にある店へと、どこからともなく人々が集まってくる様子というのは、いいもんだね。
「みそラーメン」にはじまる定価表
を見上げつつも、
お願いするのはまず「ぎょうざ」。
「ニラレバーいため」もいただきましょうか。
ガタイのいい学生たちが占拠する一角があるかと思えば、オッチャンたちに負けじとビール片手にガハハと笑ってぎょうざを貪る女性の姿も目に留まる。
なはは、いいね(笑)。
テーブルには、粗みじんの生大蒜を浮かべた小皿のタレが既にスタンバイ。
そして、やってきました「王味」の「ぎょうざ」。
薄手の皮を思わせる、そんな焼き目が誘います。
早速、小皿のタレへ浸して齧りつく。
パリっとした皮と野菜も多めのあんが、なんだか妙に軽やか。
ここへ来るまで既にあれこれいただいていて、満腹なはずなのに、するするといくらでも食べれてしまいそうなのは、なぜ?
あんにもニンニクが十分利いてるけれど、オシツケな過剰感なく、すんなりと次から次を誘う妙薬のよう。
いいなぁ、旨いなぁ。
こりゃ、明日のこと考えてる場合じゃないね(笑)。
改めてめちゃめちゃお腹空かせて訪れて、麦酒とのコンビを鱈腹堪能したいとそう願わずにはいられない、この魔性。
使っているのはやっぱり、"田子にんにく"なのでしょうか。
雪の中に浮かぶ黄色い看板と提灯が印象的な、青森のソウル中華「王味」。
"王味"と書いて、"わんみ"と読む。
その名の通り、王さんの味、という意味だとご推察。
きっと、「野菜らーめん(タンメン)」あたりもいいンじゃないかな。
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「王味」 青森市堤町1-10-8[Map] 017-734-3380
雪の降り続く青森西バイパス、国道7号線。
開店時間目掛けて車を走らせてくれるtakapu。
積もった雪の駐車場へ一番乗りで滑り込む。
車窓に、車の鼻先を真っ直ぐ店の入口へ突き進むワンボックスが映る。
ひとりの妙齢の女性が降りてきたのが意外で、客ではない?と首を傾げながらさらに眺めていると、麺の木箱を荷台から降ろし店内へ運び込む。
それは、開店3分前の出来事でありました。
骨太なザ・煮干しの中華そばを所望したい自分は、takapuもススメる「とんこつ煮干しそば(こいくち)」。
定番メニューには他に、三種の煮干しを煮出す「煮干し中華そば(あっさり)」に豚ばらを敷き詰めた「ばらそば」、背脂トッピングの「背脂煮干しそば」がある。
地元ぃーtakapuは、うどんのような太麺「らぅどん」
に挑むという。
卓上のお新香をぽりぽりしつつ下がり壁を見上げると、
麺についての筆文字が踊ってる。
上質の小麦を使用したもちもちの中太自家製麺を常に打ち立ての状態で。
なるほど、先程の女性はただ単に遅刻ぎりぎりになっちゃったンじゃなくて、どこかの製麺場所から打ち立ての麺を運んでくれたってことなのかもね、と思ったりする。
と、やってきました「とんこつ煮干しそば」。
ほうほう、どんぶりの表情にどことなく猛々しい気配が滲んでる。
まずは、と恭しくレンゲのスープを啜る。
うむうむ、贅沢にも沢山の煮干しから煮出した出汁をとんこつ動物系のコクスープがグググっと支えている感じ。
影響を受けていると云われる「たかはし」とはまた違う仕立てを思う。
叫ぶ訳にはいかないが(笑)、いいぞ、いいぞ。
こうなるとどうしても比べてしまうのが、
煮干しとトンコツが高次元で結実していた「凪 西新宿」のスープ。
西新宿のスープは、云わば煮干しととんこつが50:50。
そして脂とその乳化が強い分だけ、力強さに訴えて印象が強い。
方や、ここ「ひらこ屋」のスープは、濃厚な煮干しのスープがあくまで主役で、とんこつが自身の脂の甘さに走るのをぐっと堪えて、男優賞ものの助演を演じてる。
そんな感じ。
きっと煮干し中華を脂で喰いたきゃ、「背脂煮干しそば」喰ってくれ、ってことでもあるンだと思う。
きっと彼女がさっき持ち込んでくれたであろう麺は、なるほど、
もっちりぷっちりの歯応えのする中太麺。
適度な量感も伝えてくれて、悪くない。
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ただ、煮干し中華にはやや細めの粉っぽい感じのサクサク麺が一番合うと思い込んでしまっているので、このスープで「伊藤」の麺を啜りたいなどと不埒な思いがふと脳裡を過る。
ま、なんてことも一瞬で、またウホウホと一気呵成に啜ってしまうのだけど。
早食い過ぎ(笑)?
バイパス沿いの、記憶に残る煮干し中華そばの店「ひらこ屋」。
takapuありがとう。
今度は是非「背脂煮干しそば」を啜りたいので、また連れていってくれないかなぁ。
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「ひらこ屋」 青森県大字新城字山田588-16[Map] 017-787-0057
久々に訪れた六本木ヒルズから星条旗通りを辿って、外苑西通り方向へ。
今なお往時のまま頑張っている「エントツ屋」を通りの向こうに眺めて、これもまた霞町界隈のランドマークだなぁと思う。
信号を渡り、その「エントツ屋」の前を通り過ぎたところで目の前の脇道を覗く。
道の先は暗く、右手には青山墓地の暗がりがずっと奥へと広がっていて、この先に飲食店がありそうな気配はない。
確かここの筈なんだけどと足を進めると、灯りの点る看板と暖簾とが目に入る。
鹿のモチーフと一緒に看板にある店の名は、「鹿角」だ。
奥のテーブルに陣取って開くお品書きは、
「秋田の銘々味」と題されている。
そう、「鹿角」は、秋田料理のお店なんだ。
初夏ものの「じゅんさい」があるんだね、とお願いすると、
食用菊をあしらった「じゅんさいの酢のもの」の小鉢が届いた。
真逆の時季なので、さっと鮮やかな色合いの、という訳にはさすがにいかないけれど、にゅるとした周囲のゼラチン質越しに箸の先でどう掴むか挑むのもまた愉しい。
瓶詰かな、こんな風に保存がきくのだね。
秋田で鶏と云えば、比内地鶏。
「とりわさ」でいただいてみるとそれは、たっぷりの芹とざっくり和えた器。
軽く湯引きした周囲に溶いた山葵のたれがすっと沁みて、
鶏の滋味を甘く引き立てる。
うん、いいね。
お酒は、店に名にも同じ「鹿角」をいただきましょう。
「とんぶり」もあるよと「とんぶり長芋」。
ホウキ草というくらいだから、竹箒のような草なのだろうね。
その実を煮たりなんだりと加工して、
こうして畑のキャビアとも呼ばれるぷちぷちの小さな宝石になる。
じゅんさいもそうだけど、こうして口に入れるように仕立てた初めてのヒトの着眼と工夫に感心するよね。
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お品書きにある「鰰」という文字はね、
ハタハタと読むんだよ確か、きっと、えっと、多分......。
そう笑いながら、コレ!と品書きの「子持ちずし」のところを指差し示す。
正解に頷きつつ訊けば、子を抱えたハタハタを使った熟れ寿司の一種だという。
あ、そうだ、あの弘前の鍋のあれだと脳裡に浮かべながら迎えたお皿には、なるほど茜色のつぶつぶを零れさせたハタハタが載る。
背にしたご飯と一緒にハタハタの身や子供を口に含むと、いわゆる発酵系の風味は穏やかで、澄んだ旨みのする優しい仕立て。
子のぷちぷちはやっぱりちょっと硬めかな。
白舞茸はバター炒めにしてもらいました。
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そうそう、秋田と云えば「いぶりがっこ」も。
漬けモノなのに、燻製であるこの妙味は何度齧っても嬉し愉しいぞ。
さて、秋田料理のトリをとるのはやっぱり「きりたんぽ鍋」。
すっきした旨みを湛えたあっさりめの汁にきりたんぽを解していただけば、お餅でも焼おにぎりでもない香ばしい食感に広がる滋味。
ぺろっと平らげては、でもさすがにこの鍋だけは、鍋の後に雑炊って訳にはいかないねと笑う(笑)。
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デザートに「くるみ餅」。
つるんとさせたお餅の中から零れ出る胡桃あんの鮮烈な風味が印象的だ。
青山霊園の南に潜む、きりたんぽ鍋と秋田料理の店、「鹿角(かづの)」。
挨拶に出てきてくれた大女将に訊けば、やはり秋田は鹿角のご出身。
もう15年にも亘って、秋田料理を提供してきているそうです。
「鹿角」 港区西麻布1-15-16 中沢ビル1F[Map] 03-3402-8212
堀に沿って並ぶ太い幹がそこに根付いてからの永い歳月を思わせる。
桜の頃にはきっと、壮麗な景色をみせるであろう弘前城趾は今、降る雪に覆われています。
江戸時代の津軽の中心となった城の廻りをぐるりと巡り、ナポの通人が聖地と呼ぶ「ナポリタン」を車中から拝んでから向かったのは、
郷土料理の店「しまや」。
予定よりも早く到着してしまったこともあって、ちょっと待ってねと云いながら近況あれこれをtakapuと交わしては、手元の動きがてきぱきと忙しい。
まず小鉢でいただいたのが「もやしの子和え」。
青森でもやしというと、大鰐の温泉もやしが知られているけれど、今夜のもやしは弘前のもやし。
やや長いと思うモヤシに塗していあるのは、極小粒ながらぷちぷちを主張する卵。
いつもの真鱈の子、真鱈子ではなくて、今夜はスケトウダラの子、スケ子で和えているそう。
素朴にして、乙な酒肴であります。
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ちょっとしたコッテリ感もいい「身欠きニシン」に続いて、頃あいよろしくさっと煮つけて凍豆腐にも味の沁みた「つぶ貝煮」をいただいたところで、こりゃいいやと女将さんに「熱燗!」と叫ぶ(笑)。
すると、女将さんの脇を補っているおばあちゃんが、練炭の上に載った銅の鍋の湯へとお銚子をすっと差し入れた。
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その使い込んで味わいの出た鍋の風情がいい。
注ぐお酒は、弘前の小さな酒蔵・三浦酒造の醸す「豊盃(ほうはい)」。
燗にして、ふっくらゆったりとした呑み口だ。
「豆腐かす」は、つまりはおからの和え物なのだけど、なんだろ、何気ない柔らかい味付けの中に優しい滋味が潜んでいて、嬉しいぞ。
鰯を潜ませてるのが、利いているのかもしれません。
「豊盃」の燗をお代わりを重ねていると、
女将さんが「ハタハタの鍋にしようね」と仰る。
もうすっかりお任せな状態(笑)で、ぶんぶん首を縦に振ってまたちびちび盃を干して待つことに。
そして、塩仕立ての汁とともに小皿によそってくれたハタハタは、お腹のほとんどを占めていたような卵を零れさせている。
卵は、意外やしっかりした歯応えで、その廻りをずるずるにゅるにゅるとした粘液が包んでいます。
なんとも独特の食感と不思議な旨みに思わず目を閉じる。
暫くして目を開けると(笑)、
ちょうど目の前で女将さんが烏賊を捌いているところ。
肝の袋をそっと取り出し、湯掻いた烏賊の胴の輪切りや下足に絡める。
ああ、おかあさん、それはズルいや!と再び叫んで、「豊盃」を口に含めば、ほーらこんなに真っ直ぐに酒を誘う肴もない。
その「ゴロ味噌和え」の魅力に、いつの間にか一杯になったカウンターの諸兄も思わず、「こっちにも」。
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鮮やかな紅色に使ったお手製「赤蕪の千枚漬け」や「ニシン漬け」でさらにちびちびちびちび。
津軽そばの「三忠食堂」に行ったのだけどもう閉めてしまっていたンですよーと夕方の顛末を話すと、「じゃぁさ、あたしの津軽そば、食べてみない?」と嬉しいお応え。
届けてもらった生そばを湯掻いて、どんぶりの出来上がり。
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ほー、ふわふわと軽やかなそばの食感が印象的だ。
ふーふーずるずるとあっという間にそばを啜り終えると今度は、なにやら薄手の昆布を取り出して、ご飯に巻いて包み込む。
ちょっと噛み切るところでコツがいるけどそのまま齧り付いてごらん、と女将さん。
えいっと歯の先を立てるようにして噛み切って咀嚼すれば、昆布のもつミネラルもグルタミン酸も海の風味と一緒に直截に味わうようで、これも素朴にしてズルい。
お土産に包んでくれた「若生にぎり」を御夜食にするンだもんね(笑)。
は~旨かった堪能したと祭りの終焉に和んでいると、最終兵器のデザートを繰り出して意表をつく女将さん。
林檎をシロップに漬け込んだもので、林檎自身の甘さとほの酸味を甘すぎないシロップがぐいっと引き出していて、ハッとするような美味しさにこりゃグランメゾンで出せるよと感嘆符。
やってくれるなぁー。
津軽郷土の心に女将さんの創意と感性と心意気が掛け合わさって、沁みる酒肴と味な惣菜の並ぶカウンターとなる、郷土料理「つしま」。
降り止んだばかりの雪を踏み締め振り返ると、そのまままた同じ暖簾を潜ってしまいそうです(笑)。
「しまや」 弘前市元大工町31-1[Map] 0172-33-5066
澄んだ煮干しスープの「まるかい」を離れて、
弘前方面へ。
弘前に近づくに従って、降る雪や路面に積もる雪の量が明らかに減ってくる。
takapuによると、日本海側の弘前に比べて、八甲田を背にしている青森市街の方が随分と雪が多いのだそうだ。
そして、弘前への目的は勿論、ここの中華そばを啜ること。
二年以上も気掛かりだった店「たかはし」に漸く、辿り着きました。
アルミサッシュに手を掛けた途端に鼻先を心地よく擽る煮干しのにほいにワクワク。
券売機の前に立って眺める店内は、手前左手に小上がりがあって、正面左手が厨房をL字に囲むカウンターで、右手にテーブルが数卓ある。
テーブルに席を得て厨房をみると、へーっと思うほどの人数で対応していて、その誰もが意外と若いのが印象的だ。
早く来ないかなぁと、厨房の方をちらちら見ながら、爪先立ちな感じ(笑)。
あ、来た、来ました羨望の煮干し中華のドンブリ。
目の前に届いたのは、「中華そば」の濃い口だ。
阿ることのない、その素朴なる雄姿。
たっぷりと湛えたスープは濃密感のある桑茶色で、淀みなく濁っていると、そんな背反するような不思議な印象を与えてくる。
まず普通仕立てのtakapuのどんぶりのスープを啜ってみる。
平然を装いつつも、心の中は、むほほほほほ(笑)。
想像に叶う煮干しの魅力十二分に抽出されたスープに、その湖面を改めて刮目する。
ほうほうと頷きつつ、手前のどんぶりを啜ると、濃い口というのは、さらに激しく煮干し出汁させているのではなくて、タレの醤油をより利かせることを云うらしいことが判る。
おーなるほどねーと再び頷きつつ、自家製と謳う麺を引き上げて、ズズと啜る。
むにむにっとした麺の表面の煮干しスープをたっぷりと吸い上げるように纏って、
さくっと歯切れる。
そして、そこへ空かさずレンゲのスープをズズと追い掛ける。
にゃははは、やっぱりいいねー。
乱暴なまでの煮干しを想像すると、意外とあっさりだなとさえ思わせるバランスも持ち合わせている感じ。
ひと口またひと口と、あっと云う間にドンブリの底までを平らげてしまう。
そして、なんだか身体の芯を解すように和ませてくれるような、ささやかな至福に浸っては一瞬の陶然を想うのでありました。
青森・煮干し中華の雄として、きっと必ず名の挙がる「たかはし 中華そば店」。
そんなドンブリを当たり前のモノのように普段喰いできる、ご近所さんが羨ましい。
□関連記事:
ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味(10年01月)
「たかはし 中華そば店」 弘前市撫牛子1-3-6[Map] 0172-34-8348
思い起こせばそれは、弘前の中華そば「たかはし」についてのtakapuの記事。
遡ること二年以上も前のその記事で、嗚呼、青森には、見るからにそして想像するだに旨そうなラーメンがあるのだと知った訳です。
そのラーメンは、煮干し出汁がなんとも濃いぃ様子の中華そば。
「伊藤」「新宿 凪」「つし馬」など、ここ最近は東京でも珠玉の煮干し中華を供してくれる店が根付いているけれど、やっぱりご当地と思う青森の中華そばに浸りたい。
この冬の青森への旅は、煮干し中華を追う旅ともなりました。
まだ空いている光景を想像しながら硝子越しに覗く店内は、青森ではみんなブランチに中華そばを啜るのかいな、とそう思うほどにテーブルが埋まっています。
すでに全身が煮干しの匂いにそっと包まれているのを感じながら、
テーブルでじっと待つは「醤油ラーメン」中盛り。
湯気を上げて届いたドンブリの汁は、澄んでいる。
一瞬、薄っぺらな味わいのスープだったらどうしようと、
そんな心配も脳裡に過るまま、スープを啜る。
うんうん、うんうん。
思わず頷いて首を縦に振りながら、ズズとまたひと口。
そんな心配はまったくの杞憂で、
澄んだ中にたっぷりの旨みと奥行きのある風味を含んでる。
そのスープでゆったり泳ぐ白っぽい麺は、
モチっとしながら歯切れのいいあっさり感。
takapuが日本蕎麦のような中華そば、と喩えるのがナルホドな汁と麺の組み合わせ。
細打ちのうどんのようでもあるね。
スープの表面に浮かぶ脂なく、醤油の仄か酸味も軽やかに、
それでいて煮干しの魅力がふくよかに。
ああ、こりゃ、ちょっと呑んじゃった翌朝になんか最高だ(笑)。
浅草「つし馬」の「中華そば」は、「まるかい」の路線だと云ってしまっても強ち間違いではないかもしれないな、なんてことを思いつつスープを干していくのです。
気取らず構えず普段使いで、
澄んだ仕立ての煮干しラーメンがいただける「まるかい」。
会社の名前が○に海で「マル海」だから「まるかい」。
如何にも大衆食堂な店内の佇まいも、咥え煙草で新聞広げるレジの兄ちゃんの立ち姿も客に媚びない雰囲気も、頼もしくも微笑ましくも思えるンだ。
そうそう、ここ「まるかい」を訪ねる前に寄った青森県観光物産館「アスパム」。
その中の「青森県地場セレクト」でいただいたのが、「ホットアップルサイダー」。
スープジャーから汲み上げるように注いでくれた紙コップからは、林檎の甘酸っぱさが芳しく漂ってくる。
温かさも手伝って思わず、コップを両の手で抱くようにして、
その甘酸っぱさを啜る。
酸っぱさも甘さも意外と柔らかで、その加減がいい。
冷たかったら、この林檎の甘さと酸っぱさとの間に幾重にもある風味の襞は判らないのかもしれないね。
ちなみに、サイダーというとどうしても「三ツ矢サイダー」あたりに連想が飛んで、炭酸飲料だと思いがちだけれど、サイダーとはつまりは「果汁」のこと。
搾りたての林檎果汁を無添加のまま温めたのが「ホットアップルサイダー」なんだ。
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ちびちびと啜っているうちに、冷えた身体も温まって、ほっとする。
いや、だから、シャレじゃなくって(笑)。
シナモンやクローブの粉末を振ってみたり、「雪のせ」と呼んでホイップクリームをトッピングする手もある。
ボクはそのまんまが好きだけどね。
この「ホットアップルサイダー」は、この23日(土)-24日(日)に原宿の明治神宮文化館で催す「とことん青森2010 青森ご当地グルメ屋台村」でも啜れるそうです。
「まるかい」 青森県青森市安方2-2-16[Map] 0177-22-4104
'12/05/16(水)by:まさぴ。さん
Re:Gingerさま
口 もち豚とんかつ「たいよう」で 綺麗な揚げ色上品な脂ロースカツつけ合わせに素ナポでもあれば、と(笑)。
並びにある「トゥルース」には、じんじゃーもなぽもあるのだけど、
入った瞬間、しまった!と思いました……。
'12/05/16(水)by:Gingerさん
らしいんですよね♪
口 皆様の店「コロナ」で 名物玉子サンド御大永らくお疲れさまでしたたくさんご推薦頂いてるのに未だ訪問出来ず仕舞いです
(ナポがないので...(・・;)
'12/05/09(水)by:まさぴ。さん
Re:Rさま
口 皆様の店「コロナ」で 名物玉子サンド御大永らくお疲れさまでしたそうですね。
歴史にも味のある宿題店は、早めにお邪魔しなくっちゃ、ですねー。
'12/05/09(水)by:Rさん
コロナ=玉子サンドですよね。
口 皆様の店「コロナ」で 名物玉子サンド御大永らくお疲れさまでした閉店されましたか...
もう一度頂きたかった。
いつか行こう、また行きたいと思っていたお店が次々と閉店してしまいます。
宿題は早目に済ませておくべきですね。
'12/05/09(水)by:まさぴ。さん
Re:のむのむさま
口 皆様の店「コロナ」で 名物玉子サンド御大永らくお疲れさまでした実は「アクアパッツァ」のテーブルで閉店を聞いて、びっくり。
振り返れば、結構ギリギリでした。
なくなってしまうと想い、つのるよねー。
ドアの貼り紙は、ご近所のヒトが貼ったっぽいです。
'12/05/08(火)by:のむのむさん
閉店されたんですね...
口 BAR「スリーマティーニ」で ライブの熱気ハイボールとマティーニと永遠の憧れになってしまいましたが、
その訳を伺うに、受け入れてしまいますね。
でも、正直一度は食べたかったー(笑)
'12/04/28(土)by:まさぴ。さん
Re:殻付き生ガキの伝導師♡さま
口 BAR「スリーマティーニ」で ライブの熱気ハイボールとマティーニとおお、「蒼氓」。達郎師匠は、楽曲も深いけど歌詞も深いですー。
いいバー色々。最近ご無沙汰の横浜だけど、またちょこちょこ行きたくなっちった。
横浜のバーで一献しましょうか(笑)。
'12/04/28(土)by:殻付き生ガキの伝導師♡さん
蒼氓が僕のテーマソングのひとつです。
横浜は僕にとってのリゾート、安息の地です。
スリーマティーニも当然行きます。
ジャックターも飲みます。
いいバーがたくさんあります。
口 かつれつ「四谷 たけだ」で 軽やかカツレツと軽やかカキフライ'12/04/26(木)by:まさぴ。さん
Re:Rさま
口 かつれつ「四谷 たけだ」で 軽やかカツレツと軽やかカキフライなんとも軽ーーい、ですよね~。
そうでしたそうでした、塩でいくもち豚が気になっていたのでした。やっぱりランチに行かないといけないのか、そのあたりもまた悩ましいところです。
'12/04/26(木)by:Rさん
行って参りました!
3人並んでいましたが5分程で入店。
もちろん「ポークカツレツ定食」、こんなに軽いカツレツは久し振りです。
次回は10食限定の「もち豚」か「ヒレコロ」で悩んでおります。