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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口焼鳥酒場・立ち呑み「ジョー」で夕立と極JOE愛JOE黒ハイ角ハイ

joeebisu.jpgとある日の恵比寿駅前、駒沢通り。
突然の土砂降りにこいつは堪まらんと丁度店頭でお姉さんが呼び込みしていた居酒屋に飛び込む。
立ち呑みの店かなぁという印象のままポンと入ってみると、ビールケースにベニヤをのっけたテーブルにビールケースに座布団を置いた椅子が並ぶという店構え。
こうしてふらっと訪れた客もすいっと受け止めてくれる気安さがいい。
壁際のビールケースのひとつに陣取りました。

joeebisu02.jpg
「ジョー」では、ハッピーアワー的な時間帯を設けているそうで、
90分の呑み放題ができる。joeebisu01.jpgそりゃいいねーとまずはビールからお願いして、品書きを物色します。
よく読むと、「昼飲みはじめました」とあって、なんと朝の9時から990円の飲み放題ができるらしい。
う~む、ハッピー・アワーというよりは、ハッピー・デイタイム、だね(笑)。


まずは、定番と謳う中から「鶏皮ポン酢」、そして"さっぱり系"から「馬鹿ウマもやし」。
joeebisu03.jpgjoeebisu04.jpg
もやしをシャキシャキといただく醍醐味には、ふと三軒茶屋「東京餃子楼」の「もやし」を思い出す。
シャキシャキ具合も味の輪郭も参考になると思うので、お店の方、一度チェックしに行ってみたらどうかな(笑)。


早速の二杯目は、話題の「ザ・角ハイボール」。joeebisu05.jpgハイブリッド炭酸を味わってください、という品書きの解説が、言い得て妙というか、語感は分かるような気がするというか(笑)。
シュワシュワとすっきりした呑み口が新しくて懐かしい、それが「角ハイ」だ。


数量限定「美桜鶏のレバ刺し」は、なるほど角の立って張り付くような鮮度とまったりした滋味を例によって胡麻油が引き立てる。joeebisu06.jpg

そんなレバ刺しに合わせるにはと、ハイボールにビールの泡をトッピングするという変り種、その名も「極JOEハイボール」。
joeebisu07.jpgjoeebisu08.jpg
ジンジャーエールも使っているようで、そこにビールのビターがほんのり香る感じ。


やっぱり焼鳥も注文まなくっちゃと、
心臓の根元という注釈のある「ハツモト」と「鶏つくね」をともに塩で。joeebisu09.jpg今度は、"女子におススメ、あめムチハイボール"というコピーが可笑しい「愛JOEハイボール」。
柚子蜜の爽やかな甘さに生姜の刺激を合わせたハイボールで、確かにジンジャーはっきりと活躍してるけど、"ムチ"ってほどの辛さじゃないのでご心配なく(笑)。


お時間そろそろコールをいただいたところで、呑み放題の仕上げにもう一杯と「黒ハイボール」。
なにを混ぜたハイボールか、皆さんもうお分かりですね。joeebisu10.jpgそう、コーラとハイボールのコラボなジョッキだ。


ふと思い出すのは、最初にして今に至るまで最高の二日酔いのこと。
夏のある日、友達の下宿に集まって、呑んだのがコークハイだった。
加減も分からず、濃いぃウイスキーをコーラで割ると、ウイスキーの刺激が陰を潜めて、ぐいぐい呑めちゃって呑めちゃって。
その翌朝の暑苦しさと強烈な二日酔いは、今では懐かしくも愉しい思い出だ。
呑んだのは角瓶じゃなくて、取っ手のついたレッドだったけどね(笑)。


この「黒ハイボール」なら、そんなおバカな酔い方はしないと思うものの、角の風味をちゃんと味わいたい貴兄には、デフォルト「ザ・角ハイボール」をおススメいたします。

joeebisu11.jpg
〆に「ささみ茶漬け」を啜れば、あ、雨も上がったみたいだね。


ちょっと寄ってってよと立ち呑みの気軽さで構えず誘う、恵比寿駅前・焼鳥酒場「ジョー」。joeebisu13.jpgなんで「じょー」なのと訊けば、オーナーの知り合いに「JOE」さんがいて、響きがいいからいただいた、という割りと安易な店名だそう。
ね、気安いでしょ(笑)。


口今回企画関連サイト
  サントリー「東京 おいしい居酒屋 酒場 特集」 banner_blog_kakuhai.jpg
  酒ログ×サントリー「みんなで作る 角ハイボールマップ」


「ジョー」 渋谷区恵比寿西1丁目8-10 木村ビル1F [Map] 03-3462-2667

column/02846 @4,100-

口らーめん「はやし」で 焼き豚らーめん多層な深みと洗練塩もあり

hayashi.jpgそれはおそらく、5年以上も前のこと。
多分、どこかで昼メシ摂った帰り道。
246の南平台辺りからマークシティの脇へ抜けようと歩いていて目に留めた白い暖簾。
粋な和食処のそれのような潔さで、中央に「はやし」とだけ標してある。
頭上には、湯気を上げるドンブリと雷紋のシルエット。
「へー、洒落たラーメン屋だ、今度来てみよっと」と思って通り過ぎたのでありました。


それ以来、思いついてはマークシティ脇の急坂を登っては、営業していない様子の店先を眺めること幾度か。
どうやら午後三時過ぎまでしか営業していないと知って、ハードルが上がったままとなっていました。


この日は、野暮用で渋谷に11時半。
あっ!と思い出して足を例の坂道に向ける。
おひとりさま待ちの後ろについて、しばし待機。


暖簾の裏の券売機hayashi01.jpgにはボタンがいくつもあるけれど、メニューの表示があるのは潔くも「らーめん」「味玉らーめん」「焼き豚らーめん」の三つだけ。
味付玉子入りとある「焼き豚らーめん」を選んで、ダークブラウンを基調としたダイニングっぽいカウンターの奥へと進む。
落ち着いた清潔感は、悪くない。


やや径の小さなドンブリを覗き込むと、半切にした味付け玉子の向こうに焼き豚ならぬ煮豚が揃って並び、その先に海苔が一枚。
太目のメンマが脇を固めています。hayashi02.jpgスープを啜って真っ先に浮かんだのが、最近は云われなくなった「青葉インスパイア」の文字。
「青葉」を多層な深みと共にすっきりと洗練させた感じは、とうに「青葉」を凌駕している。
hayashi03.jpgじっくりとコクのある要素と魚介出汁のバランスに仕立ての良さを思ってニヤリとする(笑)。


そう云えばと、はんつさんの「無化調ラーメンMap」を読み返すと、ゲンコツなども使っているもののスープの基盤は国産鶏で、じっくり時間をかけて作り、一晩冷蔵庫で寝かす、とある。
なるほど、すっきりと深い滋味はそんな工夫からきているのですね。


麺はエッジの利いたストレート。hayashi04.jpg低加水で、粉の味わいを素直に愉しめる仕様になっている。
もっとシャキシャキと食べたかったら、硬めにお願いする手もありますね。


ご馳走さま!と告げて帰ろうとしたところで、客のひとりがチケットをカウンターに置きながら「塩でお願いします」と言ったのが肩越しに聞こえた。
へ?塩もあるんだ。
どうやら、券売機や店頭の品書きにはないけれど、醤油でなく、塩仕立てでも供してくれるらしいと知って、改めてとある土曜日の昼(笑)。


先日と同じ「焼き豚らーめん」のチケットを「塩で」と差し出します。
hayashi05.jpghayashi06.jpg
塩であっても、スープは褐色。
さまざまな材料のエキスが煮出されて、この繊細な表情のスープになっているのだねー、なんて思ったりする。hayashi07.jpg味わいは醤油の方が輪郭がしっかりしている代わりに、
スープそのものの奥行きは塩の方が断然判る。
hayashi08.jpgドンブリの底に小海老が残るのは、塩ダレに含んでいるからなのかな。
そもそもタレで食べさすラーメンじゃないので、醤油でも塩でも極端に味の印象が変わることはないけど、塩も試してみたらいいかもね。


らーめん「はやし」で、落ち着いた雰囲気と丁寧な仕立てのドンブリと。hayashi09.jpgセンター街や道玄坂沿いは似合わない、立地の妙を思います。


「はやし」 渋谷区道玄坂1-14-9 ソシアル道玄坂1F [Map] 03-3770-9029

column/02817 @1,000-

口家庭料理割烹「園山」で 愛の食材達蕗味噌へしこご飯黒豆プリン

sonoyama.jpg都内、恵比寿、某所。
案内されるまま見知った道を白金方向へと辿る。
丁寧に案内された目印に従って、
猫道へと斜めに肩を入れる。
ここを入るのかぁ、ときっと誰もが思う。
そして迎える古民家の佇まい。
飛び石を渡りながら、こりゃ住所だけではおいそれと行き着けない、まさに隠れ家だなぁと思う。
引き戸を開けて思わず口をつく、「こんばんは~」(笑)。


下宿として使われていた、築60年になろうかという古びた建物に手を入れて、
お食事処として甦らせたんだそう。
二階にも客間はあるようですが、案内されたのは玄関を上がって右手すぐのお部屋。
ここで暮らした下宿生もあったのだろうねぇなどと、不思議な懐かしさに包まれます。
オーナーの園山さんにもご挨拶いただきました。


まずは、沖縄の島南瓜と豆乳の温かいスープ。sonoyama01.jpgお酒の前にと拵えてくれた小さな小さな湯呑み状の杯は、
微かに薫る日向臭さと優しい風味に和ませる。


前菜の三品が、
長芋とおからのポテトサラダ、粟の生麩の自家製胡麻味噌焼き、壬生菜と高野豆腐の煮びたし。
sonoyama02.jpgsonoyama03.jpgsonoyama04.jpg
もっちりした粟の生麩の食感と香ばしくした胡麻味噌の柔らかな風味がいい。


お造りは、かつをのアンチョビとケーパーのソース。sonoyama05.jpg薬味には、茗荷や蕎麦のスプラウト。
お刺身に別の魚の塩蔵を使ったソースをあしらうなんて、やるなぁ。
それも、香りのはっきりした鰹だから活きるのかもね。


福岡の麦「歌垣」を舐め始めます。


続いて、綺麗な多層の造形をみせる、アボカドのジュレ寄せ。sonoyama06.jpgトップに置いた雲丹の深い橙とジュレの層を挟んで透けるアボカドの黄緑色。
味わいをきりっとさせているのが、バルサミコとお醤油のタレ。
出汁で炊いた柔らかな筍と酢漬けの蓮根がさらに幾重の食感を添えています。


ホットな蓋を開ければ、湯気と一緒に浅蜊の茶碗蒸し。sonoyama07.jpg青海苔のあんに山葵を溶いて、ほろほろっと口の中で躍らせると、
浅蜊の磯風味や旨味がふわんと蘇る。
うへへ、しゃあわせ~、かなんか思わず呟いちゃうね。


sonoyama09.jpg天麩羅はというと、
たらの芽、グリーンピースのかき揚げ、
そして稚鮎を紫芋の塩で。sonoyama08.jpgたらの芽の香気はもとより、稚鮎のほの苦味がオトナだぞ(笑)。


片やお肉篇はというと、大和豚の蕗味噌焼き 蕗と春キャベツのおかか和え。sonoyama10.jpgすっきりした甘みの豚さんは、縁取る蕗味噌の薫りと一緒にするっといただける。
なにかと手間がかかっているのだろうになぁ、それはもう呆気ないほどにするんと、ね。


これもひとつのスペシャリテ、お野菜丸ごとの肉じゃが。sonoyama11.jpgなぜだか見るからに滋味深そうに映る人参、玉葱、じゃが芋。
煮崩れる気配のないその具材に箸を運ぶと、すっと柔らかに切り割れる。
思わず、じっと目を閉じて味わってしまう感じになる。


そしてお食事は、鯖のへしこの炊き込みご飯に島豆腐を浮かべた椀、お漬物。
sonoyama12.jpgsonoyama13.jpg
玄米に赤大豆、筍、牛蒡を含むご飯だけれど、なんと云っても、炊き込んだへしこの滋味風味とその発想が佳いよねぇ、うん。


sonoyama14.jpg
〆のデザートは、三品の盛り合わせで。
黒豆豆乳のプリン、春菊のシフォンケーキ、五郎島金時のガトーショコラ。
sonoyama15.jpgsonoyama16.jpgsonoyama17.jpg
オーナー真希絵さんの出身地・出雲産の無農薬黒豆を使っているというプリンには、う~む1ダースほどお持ち帰りしたい!と唸ったけど(笑)、バターを使わずに仕上げたというガトーショコラには薩摩芋からおからまでも入れていると訊いてまた唸る。
シフォンケーキで弾けるえごまの実の香ばしさがまたニクい。
なんか、愉しむように試行錯誤している様子が浮かんでくるようだ。


sonoyama18.jpg卓上ある「園山の卯月に招かれし愛の食材達」と題した一葉には、山独活、蕗の薹、うるい、こしあぶら、蓬、桜鱒、白魚といった食材の名の筆文字がぎっしりと並び、まだまだ書き切れませんと続いています。


古民家を甦らせた恵比寿の隠れ家、家庭料理割烹「園山」。
"家庭料理割烹"とは、なんたるか。
肩肘張った形式や華美な創作とは一線を画す実直な割烹料理か。
はたまた、健やかなる旬の食材に真摯に向き合う家庭料理の昇華か。


一見客お断りの会員制に準じた構えにしていて、もしや妙に威高な店なのではと訝る向きもあろうけど、然にあらず。
それは女性だけで運営していることもあって、荒れないようにしていたい、
ということなのかもしれません。
でも、彼女の、彼女たちのお皿をもっと気軽にいただけたら嬉しいな、とも思います。


「園山」 恵比寿 某所

column/02807 @11,400-

口BISTRO et BAR「ANDRA」で 牡蠣と苺焦がしフォアグラサンド

andra.jpg「山下達郎 Performance 2008-2009」を味わいに、
NHKホールまで。
実に6年振り、ファンクラブ限定のアコースティック・ライブ以来でもおよそ5年振りの達郎のステージが観れるとあって、楽しみにしていました。
古くからのファンから最近達郎を知ったであろうヒトまで、老若男女に喜んでもらおうと腐心したセットリストには、初期の頃の聴けそうでなかなか聴けないナンバーから往年のヒット曲、ここ近年の佳曲までをバランス良く構成していて、流石のひと言。
そして相変わらずの声量と新メンバーを加えたバンドの完成度。
3時間に亘るステージを休まずこなし、うん、オジサン頑張ってるなぁ(笑)。
いやはや、大満足でありました。


満足の余韻に浸りながら、近くでメシしましょう、ということで訪れたのが、NHKからほど近い区役所前の横路辺り。
コンクリート打ちっぱなしの外階段を3階まで上がったところにあるのがビストロ「ANDRA」です。

およそ埋まったテーブルたちが、賑やか。
予約の名を告げ、入口寄り窓際へと案内されました。


まずは乾いた喉をプレモルで癒してから、メニューをしげしげ。
定番メニューから、「玉ねぎのキッシュ」と「ポークリエット」。andra01.jpg白ワインで煮込んだ豚肉をペーストにと謳ったリエットは、こういふ風に缶詰のツナみたいにぱさぱさとしたリエットもあるのねンねと思わせる。

andra02.jpg
小皿に出された玉子焼き的なのがもしやお願いしたキッシュ?ちょっと違うよなぁと思っているところへ「玉ねぎのキッシュ」がやってきた。
玉子使いな感じがキッシュのイメージなのだけど、覗く断面に玉子っぽさはない。andra03.jpgトロっとさせた飴色の玉葱がメインのキッシュは、玉葱の甘さがそのまま伝わって、
これはこれで悪くない。
ただそれが創作っぽさにも映って、ほんのちょっぴり鼻白む(笑)。


andra04.jpg
赤をいただいちゃおーと選んだのがシラーの「CLINE sonoma 2007」。
ドッシリせず、ほどよい濃度とほのかな肉桂風味のスパイシーは、描いていたシラーのイメージにほぼ一致。
あ、でもこれ、カルフォルニアワインだね(汗)。


メニューの裏側に、川崎健氏の日本一の牡蠣料理、と括っている行がある。
川崎健氏ってどなた?と思って顔を近づけると、「殻付き生牡蠣」のところに「広島県地御前の川崎健氏」とある。
広島の牡蠣養殖の親方、ということなのでしょうね。
「牡蠣のグラタン」に「健牡蠣のシャンパン蒸し」、そして「牡蠣と苺の焦がし焼き」。
え?牡蠣と苺、ですと??
ここでよしゃぁいいのに、怖いモノみたさの気持ちが首を擡げたのは、ワインの所為でしょうか、それともさっき心の琴線を震わせてくれたタッツぁンの所為でしょうか(笑)。


サラダ仕立てにイチゴの赤が映えるお皿。andra05.jpg今にも駄洒落を云いそうなムッシュは、「牡蠣と苺一緒にどうぞ」と仰るけれど、う~む、これがどうもあんまり美味しくない。
ちょっと焼いちゃった苺の周囲が柔らかく、酸味が立って、牡蠣のソテーとはまさに不思議な取り合わせ。どういう発想からコンビを組ませようとしたのか、判らない。
もしやと妙な期待をして注文んだ方がイケナイのですね。


そして、アンドラ名物と謳ったメニューが「フォアグラのサンドウィッチ」。
カラフルな楊枝で留めた様子はクラブサンドのようでもある。
断面から覗いているのは、どうやら大根のよう。andra06.jpgandra07.jpgはむっと中身が飛び出さないように齧りつくと、やっぱり大根。
フォアグラ入りの大根サンドと説明した方が判り易いかもしれないな。
う~む。


デンマーク語で「2番目の」、もしくは「とっておき」「お気に入り」という意味という「ANDRA」。andra08.jpgメニューの選択を誤ったのか、今回はお気に入りとなるには至らず。
目先を変えた創作エッセンスが漂うお皿たちに、
こういふのが渋谷の若者にウケるのかしらんと腕を組む。
オジサンに渋谷の夜は難しい、のかも(笑)。


「ANDRA」 渋谷区神南1-7-5 アンドスビル3F [Map] 03-3464-5894

column/02771 @6,400-

口手打ち蕎麦「慈玄」で 旨味ひたひた鴨汁せいろ三色そば柚子切り

jigen.jpg広尾界隈からの帰り道。
このまま恵比寿まで歩いちゃってもいいかもと、
明治通りを越え渋谷川を渡る。
右へ折れ入って辿るは確か、「POLSECCO」のある、
そして恵比寿新橋商店街と呼ぶひっそりとした裏道ではなかったかな。
そう考えながら進むと右手に、店の所在を知らせる灯りが目に留まりました。

手打ち蕎麦「慈玄」。
瞬時に「慈玄」=次元大介、と連想が飛んでニヤリとする。ちょっと寄ってみましょう。


時間が早いのか、先客の姿はなし。
左手に据えられた大きなテーブルの奥に陣取って、「三色そば」と迷いつつ、「鴨汁せいろ」を。

改めて品書きを眺めると、「馬すじの煮込み」「くわいの空揚げ」「鴨皮のさんしょ煮」「ゆばのカニあんかけ」などなど酒肴メニューも充実。
〆に手打ち蕎麦が啜れる酒呑処、そんな風情も漂います。


jigen01.jpg
地鴨を使っているというつけ汁には、じっと誘うような脂がこっそりと浮かび、
お約束の葱と刻んだ柚子と。
やや慌て気味に、打ち立てなエッジの蕎麦を引っ掴んで一気に啜る。
jigen02.jpgjigen03.jpg
おー、汁に旨味がひたひたと深く、それに寄り添うように粉の風味を開く蕎麦。
うん、いい。
蔵王地鴨の「鴨鍋」もきっとイケるのじゃないかな。


jigen09.jpg
やっぱり、「三色そば」も気になって別の夜。
同じ席に腰を据えて、「三色そば、お願いします」と伝えると、奥から顔を出した店主が「15分ほどかかりますが...」と仰る。
いいですよ、ごゆっくりと応えて、それを理由に(笑)、「じゃ、お燗、もらいます」。

こちらの燗酒は、福島の「大七純米生もと」。jigen04.jpg
相手にと「かつお酒盗」。
ちょっと塩辛いかなぁと思いながら、ちょびっと舐めてはお猪口を啜るを繰り返します。

その間、鉢に向かって水を回して練っている様子から、麺棒で延ばしている音、続いてリズムよく刻む包丁の音が聞こえてる。


そうして届けられた「三色そば」は、四つに区切った重箱の三辺に盛られています。
奥の右手が「柚子切り」、その手前が「せいろ」で奥左が「田舎」。
ちゃっと順番を考えて、「柚子切り」に箸の先を伸ばします。jigen06.jpg心地いい柚子の薫りが鼻先を擽って、それは啜る蕎麦切りの残り香にも余韻となって顕れる。
既に知ってる「せいろ」の手練を経て、外皮の風味を加えて太めに切った「田舎」へ。
jigen05.jpgjigen07.jpg
世に野卑にも映る力強さが魅力の田舎蕎麦もあるけれど、こちらの「田舎」は、加減よく嫋やかにして艶やか。
うん、いい。


手打ち蕎麦と地酒をゆるゆると愉しめる、恵比寿新橋「慈玄」。jigen08.jpg蕎麦の店で「玄」と云えば、玄そばの"玄"。
そこへ"慈しむ"の文字を添えた本気な手打ちの蕎麦の店に、洒落交じりの店名と勘違いしたのは浅はかなことでございました。


口関連記事:Italian Restaurant「POLSECCO」で鮎の焼きリゾット鉄板前(05年06月)


「慈玄」 渋谷区恵比寿1-24-9 [Map] 03-3444-7088

column/02747 @1,600-

口BAR & DINING「BROWN JUG」で アイラと彼の地の土産話

brownjug.jpg恵比寿の五叉路と呼ぶべき信号から「キムかつ」裏手を抜ける道。
その先を真っ直ぐゆけば、「Delizioso Italia」に辿り着く裏道だ。
無類の裏道・路地好きクンとしては、バス通りを歩かずにわざわざこっちを往くことも少なくない。
そしてその前を通る度、硝子越しにバーのそれと判る光景に、いつか寄ってみようと思っていたのお店がありました。
それが今宵の止まり木「BROWN JUG」です。

入口から一番離れたテーブル席に陣取る4人。
カウンター越しにバックバーを遠目に眺めて、気になったボトルについて訊いてみた。
「あの段のあれ、スコッチです?」「はい」「では、それを」。
と、少々乱暴なオーダーに応じたボトルは、「BRUICHLADDICH WHISKY Galore」。brownjug01.jpgBOWMOREの対岸にあるという、閉鎖されていたBRUICHLADDICH(ブルイックラディ)蒸留所を復興させて醸した琥珀は、つまりは古くて新しいのだね。
なぁんて、グラスを舐めながら判ったような分からんようなことを呟いているのは、やっぱりちょっと酔っている所為かしらん(笑)。


蒸留所巡りのスコットランド帰りのくにちゃんのお土産話のあれこれも、そんな覚醒と酩酊の狭間にしみじみ滲み亘って愉しい。なははは、そんな感じ。

brownjug02.jpg
「BROWN JUG」は、鳶色の水差し、とでも訳せばいいのでしょうか。
改めて眺めたコースターには、since 1996とある。
この裏通りにカウンターを構えてから、もう12年になるバーなのですね。brownjug03.jpg初めてここを硝子越しに眺めたのはいつのことだったか、目を細めてみても思い出せないや。


今宵のご同席多謝は、「くにろく 東京食べある記」のくにさん、岡部さん、「バー 千夜一夜」の酒肴人 Mさん、の皆さんでした。


口関連記事:イタリア料理 「DELIZIOSO ITALIA」で TRE MONTI(03年08月)


「BROWN JUG」 渋谷区恵比寿4-8-10 コンフォートEBISU 1F [Map] 03-3473-0249 
http://www.brownjug.co.uk/

column/02723 @2,500-

口酒亭「和」で 和和和十四代とニクい酒肴スルメイカ肝あえ焼き

nagomi.jpg左手にオムライスの「チャモロ」の入口をチラ見しながら、恵比寿南交叉点を渡る。
その先の斜めに進む路地を往けば、右手頭上にうどんの「一滴八銭屋」、左手に焼肉「トラジ」の本店だ。
そして今夜の待ち合わせは、酒屋さんの二階、酒亭「和」。
山形「十四代」、静岡「磯自慢」「開運」、三重「瀧自慢」、愛知「醸し人九平次」、滋賀「松の司」、高地「土佐しらぎく」などなどの一升瓶。

nagomi01.jpg名立たる、そして知る人ぞ知る銘柄の一升瓶を横にして、しかもゆらぐような枠に収めたディスプレイが目印だ。

開くお品書きには、呑兵衛ごころを擽るフレーズが目白押し。
どれにするのか決めなさい、というのが酷なことにも思えてくる(笑)。
口湿しの麦酒を片手に、悩むテーブルの四人。
と、そこへお通しが届きました。nagomi02.jpgおお、雛寿司、だね。
これを最初にもってくるというのはちょっとニクイのではないかいね。


まずは、聞き慣れない”昆布森”という産地名にも惹かれた「北海道昆布森 生かき」、そして「カキフライ」で「カキタベ!」モードから入ってみる。
「すいません、昆布森、切れちゃいました~」にややずっこけるも、三陸の生かきとカキフライをいただくことに。
nagomi03.jpgnagomi04.jpg
如何にも鮑がゴロゴロいそうな海を連想させる銘柄名”昆布森”だけど、どうやらご存知「仙鳳趾」産のものみたいだね。


nagomi05.jpg日本酒をどこからいこうかと思案して、愉しげな、そして店名にも繋がる「和和和」を選んでみました。
表面張力いっぱいまでを一気にすっと注ぐ所作をじっと見詰めて、ニッコリ。
長野の特別純米で、酒米に「ひとごこち」を使っているという。
フルーティな柔らかさ中に心地いい厚みがあって、さっとキレる呑み口がいい。

nagomi06.jpg
ありそでなさそな「白金豚つくね焼き」は、
加減よく焦がした周囲の香ばしさと澄んだ脂の競演が噛むごとに。


そこへ、もっと呑みなよ(?)と、刺し盛りの角皿のご到着。nagomi07.jpg12時方向から時計廻りに、銚子の「黒むつ」、氷見の「メジマグロ」、常磐の「サワラ」、銚子の「金目鯛」、横須賀の「かます昆布〆」、三陸の「〆さば」。
真ん中の白身が左「平目」に右に対馬の「天然真鯛」。
nagomi08.jpgnagomi09.jpgnagomi10.jpg
皮目を炙った黒むつの蕩ける濃いぃ味わいにも唸るけど、真鯛の歯応えの間から零れる品のある脂の余韻もいい。金目の甘さも負けていないと思えば、ぐっと旨味を凝縮した昆布〆かます。
お、お酒、クダサイ~(笑)。

nagomi11.jpg
奮発して、「十四代」純米吟醸、愛山中取り。
とっちらからずに華やぎと奥行きを増した、そんな印象の滴たちであります。

そんなお酒に合わない訳のない「自家製塩辛」、「スルメイカ肝あえ焼き しょっつる風」。nagomi13.jpg肝で和えてしまうことのズルさったらないよねー。
nagomi12.jpgnagomi14.jpg
肝あえ焼きをぺろんと食べてしまったところへとご飯を投入して、まぜまぜ。
残ったしょっつる風のタレですっかりコーティングした、これがご馳走。
なはは、だからそれはズルいってばー(笑)。


ニクくてズルい酒肴とお酒で心地いいほろ酔いに誘う酒亭「和(なごみ)」。nagomi15.jpgこれから迎える冬本番。燗づけの手腕もニクいです。


「和」 渋谷区恵比寿南2-1-2 丸山酒店2F [Map] 03-5722-6544

column/02721 @7,800-

口らーめん「うさぎ」で 味蕾に沁みる円い甘さに似た風味

usagi.jpg神泉界隈のラーメン屋さんというと、
ひとまず「轍」や「砦」が思い浮かぶ。
そこへもう一軒、可愛い名前のお店がいい感じと聞いて足を伸ばしてみました。
道玄坂上あたりへと抜ける横道にぼんやりと浮かぶ小さなフラッグ。
ヘタウマテイストで、ドンブリを手にしたウサギさんのイラストが描かれているね。
そして、その先の壁には「うさき」の文字。
ウサギの両耳の”〃”を合わせて、「うさぎ」と読める。


usagi01.jpgスケルトンなまんまな中に建て込んだ感じのカウンターでまずいただいたのが、
「手作り餃子」。
やや小振りで、皮とあんのバランスも悪くない、普通に美味しい餃子です。
無化調で仕立てたあんだと聞いて、へーとしみじみ味わってみる。

usagi02.jpg
餃子を追い掛けるように届いたドンブリが「とっておきらーめん」。
優しげで、滋味深そうな表情のスープをまずひと啜り。usagi03.jpg円い甘さに似た風味がすすっと味蕾に沁みてくる。
動物系の旨味がじーんと背景に控えながら、和出汁のようなまろみが前面にある。
ああ、この感じってどこかで堪能したことがある。
どこだっけ、どこだっけとグルグル考える。
あ、「ちばき屋」初体験の時と似ているような気がするのだけど、どうでしょう。
そういえば、「ちばき屋」は無化調らーめんのハシリだったンじゃなかったかな。
ま、遠い記憶なのでね、あれこれ判然としませんが(笑)。


そのスープにちゅるんとわんたん、そしてシャキシャキとした細麺が好相性。
usagi04.jpgusagi05.jpg
なんの文句もありません。


会計時に、なんでお店の名前「うさぎ」なの?と訊いてみた。
スタッフ全員女性です!なんてことだと、なんかすんなり合点がいっちゃうのだけれど、
短髪の兄ちゃんふたりが並ぶカウンターで「うさぎ」なんだもん。
でも応えはあっけないほど素朴で、「店主がうさぎ年生まれなもので」。
usagi06.jpg
どんぶりの、力みのない和む味わいと、ふと通じることのように思えました(笑)。


「うさぎ」 渋谷区神泉町8-13 03-3464-4111 [Map]

column/02692 @950-

口うどん「山長」で かき揚げうどんの甘汁の普通に旨い

yamacho.jpg渋谷川を背にした恵比寿東公園といえば、
今はなき「山頭火」東京進出一号店や「英」、トラットリア「IL BOCCALONE」にバー「epiloge」なんかもすぐ近く。
これまた今はなき「ぢゃぶ屋」や相変わらず人気の「AFURI」も界隈だ。
でもその公園に向かって左手に川に向かう横道があるのは、知らなんだ。
辺りを窺うように進むと、白い暖簾が迎えてくれる。
そこが、うどん「山長」です。

やや照度を落とした店内は、木の温もりがほんわかとしていながら、どこか背筋のシャンとした印象を受けます。
yamacho01.jpg
注文を終えるとやってくるお通しは、
うどん生地を広めに刻んで丸く曲げて、揚げたもの。
これで、「麦酒!」と叫ばせようって魂胆かな(笑)。


散々悩んで選んだのが、冷たいうどんの「牛甘煮と九条ねぎ」。yamacho02.jpg大きく重量感のあるどんぶりの底にゆったりとたゆたう白い揺らぎ。
トッピングには、その名の通り、濃い味で煮つけた感じの牛肉と九条葱。

肉片を摘んで、うどんと合わせ食べるように啜る。
うわ、牛肉甘いなぁと思って改めてお品書きを見ると、「牛甘煮」と書いてあるじゃん。
あ、なるほど、そうか(笑)。


肝心のうどんはというと、讃岐的力強いコシツキではなく、といって武蔵野的地粉が薫るではなく、稲庭的宿る熟成感でもない。yamacho03.jpg普通に適度にコシがあって、普通に滑らかに口元を滑る感じ。

そんなに使えないよくらいの量が盛られた天カス(揚げ玉といった方がいいかな)を器からどしどし投入して、後半を啜る。う~ん、やっぱり普通。
「すだちおろし」とか「紀州梅おろし」なんてあたりが気分に合った選択だったのかもしれません。

yamacho08.jpg
風味のほどよく利いた「柚子風味いなり」は旨い。
ぺろんと食べちゃった(あは)。


ちなみに温かいのはどうかしらんと再訪します。案内されたのは前回と同じ、大テーブルの角。

yamacho05.jpg素朴なところで、「かき揚げ」を選んでみました。
理由もなく掻き揚げがどんぶりの真ん中にのっかった光景を想像していたところへ、別盛りの掻き揚げが届きます。
これで、麦酒をやっつけるのもありってことだろねとひとりごちながら、その掻き揚げを無理矢理箸で割っては、どんぶりの汁に浸していただく。大きめに刻んだ具材を繋げた、最近みかけることの増えてきたタイプの掻き揚げだ。用意してくれている塩を振ったりもしてね。


甘汁の出汁の加減もおよそ普通に旨い感じ。すっきりとひたひた。yamacho06.jpgこれがいいのかな。でもはっとするよな深みは印象に及ばない。
泳ぐ麺も、冷たいものと同じモノなのかな。


「山長」のショップカードに並んで「山長商店」のカードをみつけた。
そこには、大阪・日本橋の黒門市場で鰹節の卸売りを営んでおり、創業は安政元年だとある。
大阪うどんの流れを汲んでいると考えると、なるほどと思えるエッセンスはある。
でも、そんな出汁の元を扱う老舗が看板背負って出店したお店の甘汁が普通だなんて、もしかしたら食べてる方の舌がおバカなのかもしれません。


大阪からやってきた、公園脇の路地に佇むうどん「山長」。yamacho07.jpg未だその本懐は知れないけれど、呑んで「だし巻き玉子」あたりの酒肴をツマんで、シメにうどんをズズとイク。そんな使い方も似合いそうです。


口関連記事:
  らーめん「山頭火」恵比寿店で 久々塩らーめんの物足りなさ(03年03月)
  つけそば「ぢゃぶ屋」恵比寿店で ゴリゴリ印象平打ち麺つけ麺(03年10月)
  らーめん専門店「英」で 煮干のエグミ頑張れ無化調らーめん(03年07月)
  BAR「Epilogue」で 女性バーテンダーとWOODFORD(05年06月)


「山長」 渋谷区恵比寿1-1-5恵比寿オークビル1F 03-3443-1701

column/02669 @1,200-

口RESTAURANT「おまかせ亭」で オニオンカレーはスープカレー

omakasetei.jpg渋谷での買い物がてら、
気になる洋食屋さんに寄ってみました。
宮益坂を上がっていくと、「麺屋 梵天」の入っているビルが妙なことになっている。
「ラーメン大戦争」??
2階が「まっち棒」で、3階が「つけめん 乱世」、4階が「鶏そば うつけ」。
へー、と思いながらその先を左へ折れたところにあるのが今夜の目的地、「おまかせ亭」です。
看板のファンシーテイストな文字を見ると、供されるお皿もどこか幼稚なものでは?なんて心配も過ぎる。
でもまぁ、折角ですので地下への階段を辿りましょう。


「ご予約の?」。
いきなりそう訊かれて、ノンと伝え、ではとカウンターへ。
左奥と右奥とのテーブルが既に埋まり、ほかのテーブルも予約済みの気配。
なかなか人気のお店のようです。

「オムライス」か「カレー」か。はたまた「ビーフストロガノフ」か。
「オニオンカレー」をお願いすることにして、さらに野菜摂らなくちゃと、「じゃこサラダ」もと告げると、カレーセットにもサラダついてますよーとフロア担当のオジサマ。
うんでもなんかサラダいっぱい食べたい気分なんですぅというと、ひと皿はホント盛りがいいので、半分盛りにしてカレー単品にしましょーか、と提案してくれる。
うんうん、それでお願いします(笑)。

omakasetei01.jpg酸味控えめのフレンチドレッシングでいただく「じゃこサラダ」。
これで半盛り?な十分ポーション。
おじゃこのパキパキ食感が野菜たちを食べるテンポを運んで、どんどん食べれちゃう。
たっぷりサラダの一気喰いに満足(笑)。

サラダ一気喰いが済んだのを見定めるように具材ののったお皿とソースパンがやってきました。
具をスプーンで掬えるサイズに刻んでから、カレーを回し掛けていっちゃってください、と食べ方指南あり。
omakasetei02.jpgomakasetei03.jpg
揚げ立てエリンギにナイフを入れれば、いい具合に油が回ってうほほな感じ。
素揚げ野菜は他に、アスパラ、カボチャ、茄子、ゴーヤ。
回しかけたカレーが意外やバシャバシャで、まさにスープカレーだ。

それを敢えてスープカレーの要領ではなく、かけちゃって!と云う。
飴色にした玉葱をたっぷりと使ったカレーは、その玉葱の甘さを基礎にして、さらっとしながら水っぽさなんて微塵も感じさせない仕立てになっている。omakasetei04.jpgそしてなかなかに香り高きスパイシー。
スプーンをせっせと運びながら、「おまかせ亭」やるなぁー、と呟きそうになる。


オヤジノリではあるけれど、細かい気遣いと気さくな応対にホスピタリティを思う「おまかせ亭」。
多くの常連がいそうな気配。
次回の課題は「オムライス」かなぁ。それとも「おまかせ亭」におまかせ(笑)?


口関連記事:麺屋「梵天」bontenで ワンタンらーめん二郎との違いや如何に(06年01月)


「おまかせ亭」 渋谷区渋谷1-9-5高橋ビルB1 03-3409-7369 http://www.omakasety.com/

column/02635 @1,800

口台湾料理「龍の髭」 で白木耳と生姜の炒め思いがけないカキタベ

ryunohige.jpgハンズでの買い物帰り。
もの凄く久し振りに宇田川町交番裏の「龍の髭」へ。
「龍の髭」と云えば、街の夜に浮かぶ「台湾料理」と示す赤いネオンサインの光景をふと思い浮かべるけど、昼間のお店もなかなかの盛況で、アーチにした入口からどんどん人影を吸い込んでいます。
一階は一杯かなぁと入ってすぐのところに佇むと、こっちこっちと手招きされました。
テーブルと椅子の間を擦り抜けるように厨房前のカウンターへ収まります。このぎゅっと片寄せあうような屋台的ノリもココの魅力だ。


さてと、しげしげあれこれメニューを眺めて「あれ?」っと思わす文字を見つけた。
「お薦め料理」というシートの中にある、「カキと白木耳と生姜の香り炒め」。
①~⑥とあって、②と④は削除されいる中で消されずに残っている一行ryunohige06.jpgだ。
そう、この時季に牡蠣料理。
そしてなんの根拠もないのに、岩牡蠣の料理ではないよう気が断然とする。

思いがけない「カキタベ!」の機会に急に気色ばんで(笑)、「こ、これ、できるンです?」と確認する。
当地の姐さんは、「ぁ~い、できますぅ」と云う。
「ンじゃ、それにライスとスープつけて、お願いします」。


届いたのは、白雪に盛られたような印象も過ぎるお皿。ryunohige01.jpgそっか、なるほど、白木耳、だもんね、のちょっとした驚きが嬉しい。


まずはその白い木耳をわしっと箸の先で掴んで口へ。ryunohige02.jpgかたくりで絡めたあんに出汁が十分に含んで、そこへジンジャーな香りとムニシャキッとする木耳の食感が柔らかく迫る。ほうほう。
肝心の牡蠣は、コロンとしたとても小振りサイズ。
しっかりとついた焼き色が好みの味の予感を膨らませます。
いくつかの木耳と一緒に噛めば、期待通りの濃縮した牡蠣の風味がして、人目も憚らず、うんうんと頷く(笑)。ryunohige03.jpg妙な臭みがなかったことにちょっぴり安堵しながらね。

訊いて確認した訳じゃないけど、きっと解凍モノなんだろね。
鮮度命のジューシーさも欲しい牡蠣フライなんかにはムリだとしても、こういうソテー系にと上手に仕立てれば解凍モノも否定できないなぁと思わせてくれました。

ryunohige04.jpg
ついでに、「もち米と五目具入りシューマイ」とふたつばかり。
中華チマキの中身をシュウマイの皮で包んでみました的点心も、悪くない。


やっぱり、台湾麦酒片手にガハハと賑やかに食べ呑みして愉しむのも似合うと思う「龍の髭」。ryunohige05.jpg飲食店の建物があっけなく閉ざされ壊されていく界隈にあって、なんだか頑張ってる姿は、ちょっとしたランドマークのようにもみえました。


「龍の髭」 渋谷区宇田川町31-8 03-3461-5347

column/02594

口bar「Plum」 で舐めるスカイ島北ハイランド隠れ家の上質

plum.jpg春雨の降る中、
代官山アドレスに沿うようにしながら山手線の方向へ。
キャッスルストリートというのかな。
その道がちょうど東横線のガードを潜ろうとする辺りに、スタンド看板のほんわかとした紅色が浮かんでいます。
よくよく覗き見ると、円をみっつ重ねたような記号と「bar Plum」という文字がぼんやりとあるのが判る。
うん、隠れ家への階段を辿りましょう。

バックライトに照らしたバックバーを眺めながら、plum01.jpgまず一杯を「LEDAIG」。
スカイ島が贈るスモーキーさが心地いいアイランズ・モルトだ。

イチゴのカクテルもいいね、
なんて話しながら二杯目に「GLENMORANGIE」の10年を、こちらもロックで。
一杯目との比較からか、するんとした甘ささえも思わせつつ、ほのスパイシーな余韻が続きます。


頼り甲斐のありそうなこちらの店主は、訊けば、「Radio」の出身だそう。
オリジナルの「Radio」はもとより、2nd の方も今はもうなくって、嘗ての3rd が、”Bar Radio”になっているンだそうだ。
ああもう、外苑西通りのあの店はなくなっちゃってるのね、とじっとグラスの氷を見つめる。plum02.jpgずっと訪れていなかったからなんだけど、やっぱり淋しさが過ぎります。

そこにいたバーテンダー、スタッフそれぞれが巣立っていき、それぞれの次のステージに立っているのだね。こうして、自分の守るカウンターがあるというのは、きっと幸せなことなンだろね。


Webサイトには、店名について「プラムは西洋におきまして古くから実りの象徴、転じては無駄のない秀逸なものと象徴されております。その名のとおり、Plumでは選び抜かれた素材を用いた空間を上等なお酒とともにご用意しております。」とある。そうか、看板にあった三つの円はプラムを表現していたンだ。
さらに粋なフレーズがある。
「普段着でお越しになるお客様の 日々の終わりを上質にしめくくる そんな担い手でありたいのです」
plum00.jpgそんな心意気が伝わる、裏代官山の隠れ家でのひと時でありました。


口関連記事:
  BAR「2nd Radio」 で店内に色濃い隠れ家的空気(02年04月)
  Bar「3rd Radio」 でクラッシュアイスのブラントン路地の一軒家(02年07月)


「Plum」 渋谷区代官山町7-2 B1 03-3780-6977 http://barplum.com/

column/02593

口RISTORANTE「CANOVIANO」で食後感軽し自然派スタイル

canoviano.jpg代官山の駅近く。
どこか宮殿風な造りのヘアサロンの地階にあるリストランテ「CANOVIANO」にお邪魔です。
厨房に沿うようにL字を描くレイアウトの店内はなかなかの盛況で、そのままずずいっと奥まで案内されて突き当たりのテーブルへ。
「CANOVIANO」では、イタリアンに真っ先にイメージするニンニク、唐辛子、そしてバター、生クリームなどの動物性油脂を使わず、素材の魅力を活かした皿たちを供しているという。
八重洲口の系列店のランチでは、どこか物足りないような印象も抱いてしまったけど、今夜は“自然派イタリアン”をスタイルとする植竹シェフの本懐に改めて触れられたらいいな。

canoviano01.jpgディナーコースの“CHEF'S“をお願いして、食前酒をいきなりの白ワインで。
酸味を抑えた華やぐような呑み口がいいなぁとのリクエストで出してくれたのが、「PLOZNER」。アロマティコという種類のぶどうを使っているという、まさにリクエストのイメージに合致した一本だ。

まずは前菜にパスタというパターンで、「北海しま海老とカラスミの冷製カッペリーニ」。canoviano02.jpgああまた、今はなき「HIRO」代官山で初めてカッペリーニの冷製パスタを啜った時のときめきが蘇る。しま海老のねっとりとした甘さもよく合うね。

サラダは、「久米島沖産 初ガツオの炙りカルパッチョ 季節野菜のサラダ仕立て」。
canoviano03.jpgcanoviano10.jpg
千切り齧るパンは、どうやら下馬の「Tigre(ティグレ)」のものらしい。添えてくれたオリーブオイルが華やかコクのあるフレッシュさで、いい。

ここで、可愛いサラダ仕立てのお魚料理。
稚鮎のほの苦みが小粋なお皿は、「紀州産稚鮎のグリル 伏見甘長唐辛子のソテー添え」だ。伏見甘長唐辛子は、「ひもとう」とも呼ばれる京野菜で、辛くない唐辛子だとある。
canoviano04.jpgcanoviano05.jpg
パスタへと展開して、「生ウニとトマトクリームソースのタリアテッレ」。
粉の風味が味わえる印象の手打ち的平麺に甘さに似た雲丹の風味とともに乳化したソースがひたっと絡まって、旨い。

魚料理本編は、「沼津港直送 天然真鯛のポワレ 壱岐島産グリーンアスパラガスのポタージュとともに」。canoviano06.jpgひと皿は、ノドグロにバージョンアップ。
抹茶色のソースにアスパラの風味がぶわんとして、皮目の香ばしい鯛の身と意外なマッチ。これも和食的なアプローチにも思えます。

canoviano07.jpg
ピエモンテの赤「CAPPELLANO NEBIOLO D'ALBA2001」をグラスでもらって、
メインの肉料理に「黒シャラン産鴨胸肉のロースト 仏産モリーユ茸のソース」。canoviano08.jpg鴨肉大好きっ子としては、わしわしする歯応えも、そこから滲み出る鴨のエキスも大歓迎(笑)。
モリーユ茸とは、アミガサタケと呼ばれる春のキノコらしく、鴨肉を浮かべた褐色のソースはそのキノコでひいたソースってわけだ。

デザートには、canoviano09.jpg「ほろ苦いキャラメルジェラートにバナナとブリュレしたザバイオーネソース」。


コース料理をフルにいただくと、実は結構苦しくなってたりするのだけれど、そんな心配はなく軽やかな食後感。
京料理のようなエッセンスも窺えるのは、実際にモチーフにしているからなのか、あくまでもイタリアンの“自然派”スタイルから派生したものなのか。
美味しいのにやっぱり、描かれる味わいの輪郭にもうちょっとエッジが欲しいとも思ってしまう。
さらにもっとオジサンになったら(笑)、今夜のお皿たちがもっときっとぴたっとくるような気がするな。


店名の「CANOVIANO」は、植竹シェフのイタリア料理修行で初めて入った店の名前で、今はなき当地の店の名のそもそもの由来は、3人の女神が互いに抱き合う彫刻作品にある、のだそうです。


口関連記事:
  自然派イタリアン「CANOVIANO TOKYO」 で自然派の難しさ(07年05月)
  RISTORANTE「HiRo Ⅱ」 ヒロ・ドゥーエ代官山店(03年12月)


「CANOVIANO」 渋谷区恵比寿西2-21-4代官山パークスビルB1 03-5456-5681
http://www.canoviano.net/

column/02592

口うどん「sugita」 でのりぶっかけもっちり海苔風味が口一杯

sugita.jpg中目黒駅から高架に沿って祐天寺方向へ進むと、
高架下に並んでいた店たちの前には、工事用の仮囲いがされている。
予約殺到で結局新館にしか行くことのなかったもつ鍋「鳥小屋 本店」もちょっと不思議なBARだった「Grande Fine」も蕎麦処「喜道庵」、炭火焼「尋」も既に営業を終えてしまっています。
なんだかんだお世話になってるこの通り。
耐震工事後の高架下がどうなるにせよ、往時とは趣が変わってしまうだろうことにふっと寂しい気持ちにもなりますね。

sugita07.jpgそしてその先、看板のない店としても話題だった「豚鍋研究室」「村上製作所」跡を横目にさらに進んでひっそりとした住宅地に潜り込みます。
この先にお店あるのかな?間違えたかな?と思わせるところで見つかるのが、
うどん「sugita」です。


如何にもご自宅を改装した装いで、ドアを開けながら「ごめんください~」と云いそうになる(笑)。

壁の貼紙に、「店主による100%手打ちうどんです」「タピオカ粉など麺のこしを強くする添加物等を一切使用していません」とあって、オヤジさんの控えめなでも一本芯の通った自負を想わせます。

「のりぶっかけ」は、限定7食。
5でも10でもない、微妙な限定数は不思議ながら、思わずお願いしてしまうのね。

sugita01.jpg
おやおやおや~(笑)。
覗き込んで笑っちゃっていいンだと思うよ。sugita02.jpg細かく刻んだ海苔が、これでもかとばかりにこんもりと盛られ、中央に温泉たまごが載せられているのです。
sugita03.jpgこの黒と黄と白のコントラストたるや。ね。

脇っちょからちら見するうどんは、薄い若草色をしてる。
四万十川の青海苔を練り込んだ変わりうどんですってことで、ご指南の通り、醤油に近いのでかけ過ぎないでねという辛汁をちょんちょんと振って、ちょっと廻してぐいっと、まさにぐいっと啜ります。sugita04.jpgコシつきの量感が嬉しくて、刻み海苔&川海苔の風味が口一杯に迫る。
うん、食べ易くはないけど(苦笑)、他に代え難いうどんは、温泉玉子を解いて混ぜたあたりが、シズルであります。

サイドメニューにお願いした「かきあげ」は、所謂“かき揚げ”とは一線を画する仕立て。sugita05.jpg薄くスライスした牛蒡、人参、南瓜、薩摩芋の素揚げの組み合わせといった趣で、一片一片手掴みで食べ易く、藻塩をちょん。ビールのお供に最高ぉって感じ。


きっとそれなりの重労働を経て、むっちりとしたうどんを供してくれているのだろうと思う「sugita」さん。きっと温かいうどんもいいんじゃないかな。sugita06.jpg冬のシーズンになったら「カキうどん」いただきにまた来なくっちゃ。きっとお酒も呑んじゃうな(笑)。


口関連記事:
  BAR「Grande Fine」 で愉しむ高架下の静謐(05年11月)
  博多もつ鍋「鳥小屋」新館 で手羽ぎょうざもつ鍋そして店主キャラ(05年11月)
  蕎麦処「喜道庵」中目黒店 で胡麻だれそば往く夏を惜しむ(04年09月)
  炭火焼「尋」 で自家製めふんアピオス福豚バラ肉焼きさつま美人(04年02月)
  看板のない店「豚鍋研究室」でやんばる島豚寿豚そして夏の豚鍋(04年07月)


「sugita」 目黒区上目黒2-47-5 03-3719-0699

column/02588

口チーズ・バー 「CASA de QUEIJO」 で騎士のチーズ食べ放題

casadequeijo.jpg

恵比寿に日本で唯一と標榜するチーズ・バー!があるという。
しかも毎月11日を「チーズ食べ放題」の日casadequeijo01.jpgとしているらしいンだ。
というので、予約を入れて出掛けてみました。
店の名を「CASA de QUEIJO」。
つまりは、チーズの家、ですね。

場所はというと、恵比寿郵便局の先。
そうそう、以前お邪魔したレストラン、「FREGOLI」の並びです。
わさわさとチーズの収まっている硝子ケースを横目にして、おお~と思いながら、
案内された奥の丸テーブルへ。

casadequeijo02.jpgまず喉を湿らせたいとお願いしたのが、「CHIMAY」というトラピストビール。
ベルギー/ブリュッセルのシメイという町の修道院のビールだそうで、アルコール度数によって、赤白青の3種類がある。呑み比べてみると、随分と風味と度数の違いが味わえて面白い。

最初のお皿がやってきました。
チェダーっぽいハードなものから上面を真っ黒にしたものまで10種類が並んでいます。
casadequeijo03.jpg
やっぱり、大人しそうなところから(笑)、いただいてみましょうか。
外周をキャラメル色にした「アゼイタウン」というチーズがいい風味だなぁなどと云いながら、時計廻りに食べ進む。ほうほう、ふむふむ。食感、舌触り、酸味、甘み、そして匂いが違うけど、それぞれに美味しいね。
casadequeijo04.jpg一見とっつき難そうな黒いチーズのふたつが、
シェブールの「カタル」と「サンドレ」。
酸味とクリーミーさがバランスして、いいんだ。

メルローの「Domaine de la Noble」casadequeijo07.jpgをいただいて、
casadequeijo05.jpg2の皿を迎えます。
一転して卓上を醸す匂いが変わったのが判って身構える。
きたぞ~(笑)。

ゴルゴンゾーラは、うん、ゴルゴンゾーラ。
オレンジの外周にとろんとした中身が、そう、ウォッシュタイプの印。
casadequeijo06.jpg
「ショーム」は、それなりに匂うけど、これはもしかしたらクセになるかもの魅力を感じる。
ところが、次を口にするにつれ、独特の臭いと強く残る風味が延髄に訴えてきて辛くなってきた。
思わず、「うお~」「ぬえ~」「くぉー」と口走る(あれ?意外と愉しいぞ)。
一応、全品制覇したけれど、ツレは早くもギブアップ。

casadequeijo10.jpgそもそもチーズばっかし食べることに無理があるのかも~と店内をみると、
カウンターもテーブルも女性客が陣取って満席で、どうやら皆さんペロリと召し上がっているご様子。おおお。

3のお皿が届きました。
またまた一転して、どこか優しいパステルな見映え。
casadequeijo08.jpgcasadequeijo09.jpg
ピンク色のチーズをもしやと咥えれば、なはは、いちご味だぁ。
そして「ダンスロット」というケーキのような井出達のチーズもまた和む風味。パインにモカだよ。

ふう、結局その先のリクエスト皿を断念。チーズだけで満腹になったのは生まれて初めてだ(汗)。
ウォッシュタイプのハードルの高さを再認識しちゃった格好だけど、ひと品ふた品をじっくり味わえば、意外と虜になりそうな気もする。
クサヤを最初に食べた時だって、ひっくり返りそうになったものな(笑)。

「CASA de QUEIJO」のマスター齋藤さんは、シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ。
フランスチーズ鑑評の騎士、ナイトです。どこか飄々としながら、チーズに対する愛着を強く感じさせてくれるキャラにファンも多いんじゃないかな。

うん、もっともっとチーズを識りたくなりました。

「CASA de QUEIJO」 渋谷区恵比寿2-8-7 03-3473-5525 http://www.casadequeijo.com/

column/02462


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