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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口酒場「琥珀」で ポートエレン2ndにブラックラフロイグ老舗の風格

kohaku.jpg上野ガード下の「大統領」を離れて、
湯島方向へと中央通りを渡る。
「蓮玉庵」や「池之端藪」のある仲町通りに入り込む。
客引きから掛かる声を掻い潜って、四辻を左へ。
曲がったところで、ここら辺りかと周囲を見回す。
すると脇道の先に黄色い看板が見つかりました。
"BAR"と書かずに"酒場"と謳う「琥珀」へといざ。

暗がりのカウンターは、柱を介してL字に廻っていて、ちょうど空いていた正面へと並んで座ります。
kohaku01.jpg


古色がこぢんまりと包む空間の空気が濃密で、じわじわと臨場感が増してくる。
店主の木村さんと言葉を交わしてから、改めて周囲をきょろきょろ。
正面のバックバーは二重になっていて、格子状の棚の奥にも別の棚が見えます。


「ポートエレンあります?」と連れが訊ねると、女性おふたりと入れ替わるようにボトルを携えてきて、並べてくれる。
ポートエレンのボトルがこうして4本も並んでいるのはそう見られる光景でもないぞと思いながら、
説明に耳を傾ける。
で、選んだのは、1978年蒸留、Age24年のオフィシャルモノ「PORT ELLEN 2nd RELEASE」。kohaku02.jpgポートエレンは、既にクローズしてしまっている蒸留所なので、日に日に希少性が増しているのは間違いないはず。
きっとお高いのだよね~と思いつつも早速、その琥珀を舐める。
アイラっぽさが丸くスムースな呑み口で、舐めるほどにそれが柔らかく思えてくる。


ラフロイグでなにか、とアバウトなお願いに対してお試しあれと薦めてくれたのが、ボトラー、デュワー・ラトレー(A.D RATTRAY)による18年モノ。
kohaku03.jpgkohaku04.jpg
そして、同じくラフロイグ、1991VINTAGEの「HIGHGROVE」。
かのプリンス、チャールズの別荘があるのがハイグローブで、つまりはチャールズ皇太子のお好みエディションということらしい。


実は、このラフロイグ二本の味わいをほとんど憶えていない。
それは、最後にもっとレアな滴を舐めてしまったから。


木村さんが恭しく筒から抜いたのが、俗に云う「ブラック・ラフロイグ」。
オフィシャルでは潔くも白いラベルが印象的なラフロイグにあって、
ラベルが真っ黒い1980Vintageの27年モノ。


ラベルには、96 of 972とあり、世界でたった972本という限定ものだ。
そしてそれは単にラベルが黒いから"ブラック"と呼ばれるのではなくて、ボトルの中身がびっくりするほどのダークカラーだから。
黒いのはシェリー樽による熟成によるものと木村さんは仰るが、ただただ「シェリー樽で熟成=黒くなる」というのがピンとこなくて、樽内面の焦がし(リチャー)具合が違うこととの合わせ技なのじゃないか、などなどと暫し議論(笑)。


ラベルにはOLOROS SERRY CASKとあって、
100%オロロソシェリー樽という樽で熟成させたもののよう。
タンニンが影響するのか、どうやら、オロロソ・シェリーを熟成させた樽は、
モルトも濃いぃ色に熟成させるらしい。


そりゃーお高いでしょうとショットの値段を訊くと、なんと1.5万円だという。
ひえ~ぇ!!
ボトルの価格からいくとお安い設定にしてくれてはいるものの、こりゃ手がでないなと早々に諦めていると、連れのひとりがウンウンと唸り悩んでいる。
もしやオーダーする気なのかのとハラハラしていると、「い、い、いただきます!」と呻いた。


グラスに注いで判る、やっぱりダーク。kohaku05.jpgこうなると、ただじっと呑むところを見守るしかない。
「スゲー!」とか「今まで呑んだことない!」とか叫ぶので、もっと判るように云ってくれと懇願する。
う~、じゃちょっとだけ舐めればいいじゃんということになってご相伴に預かる(笑)。


ぺろぺろ、ぺろ。
ん~、確かに今までに呑んだことない(笑)。
圧倒的な凝縮感と多層的な奥行きが意外なほど素直な纏まりをもって舌を滑り、鼻腔を抜けていく。
年嵩が描くさらりとした、そして繊細なカラメルのような風味が主体となっていて、ピートや塩っ気は遠くにある残り香。
あはは、こりゃ、スゲーや(笑)。


そして、お会計。
承知してはいたけれど、うぐゥやっぱりと、ほんの一瞬絶句する面々なのでありました(笑)。


湯島でバーと云えば必ず名の挙がるといわれる老舗の風格、酒場「琥珀」。kohaku06.jpgさっきまで銀座の路地裏にいたかのような錯覚は、強ち見当違いのこととも言い切れない、かも。
Mさんも、このドアを開いています。


口関連記事:
  もつ焼煮込み「大統領」で 特製煮込み味付けガツもつ焼き路上(09年04月)
  そば「蓮玉庵」で 古式せいろ蕎麦別打ち入り三枚重ね(06年06月)


「琥珀」 文京区湯島3-44-1 高橋ビル1F [Map] 03-3831-3913

column/02801 @15,000-

口もつ焼煮込み「大統領」で 特製煮込み味付けガツもつ焼き路上

daitouryo.jpgかつて、ガード下の中華「珍珍軒」で「レバタン」を食べ終えたところで目にした光景が、ずっと気になっていました。
真っ昼間からビール、日本酒、ホッピーを呑み交わし、
だはは~と明け透けな笑顔をみせているオッチャンたちが肩寄せ合っている店がある。
狭い間口から路上にまで溢れたパイプ椅子。
見上げた看板には、もつ焼煮込み「大統領」。
ガード下のやや暗がりが、昼から既に夕方な気分を増長してくれていました。

ところが何度足を運んでも、いつも満席の人気振り。
この夜も案の上、寸分の隙間もない感じ。
残念な気持ちを抱えたまま、ふと「珍珍軒」の先をみると、そこにも「大統領」の看板がある。
あれあれ?と近づくと、支店と表記されていました。
そうか、人気に対応すべく別棟を用意してくれていたのですね。


さらにところが、その支店さえも満席だという。
うーんと唸って、界隈を彷徨い歩く(笑)。
ぐるっと巡って、試しにもう一回席の状況を覗くと、「3人?ちょっと待ってて!」と声が掛かりました。
これもタイミングだよなぁとしばし待って、路上の隅のテーブルへ。


ジョッキを手に、品書きの上daitouryo01.jpgdaitouryo02.jpgで目線をきょろきょろ。
まずは、看板メニューのひとつであろう「大統領特製煮込み」。daitouryo03.jpg品書きの説明書きにもあるようにあっさりとした仕立てで、意外や馬のモツを使っているらしい。
正直なところでは、もっともっとコッテリしているのが気分なんだけどね。


千切りしたガツを胡麻風味のタレにからめた「味つけガツ」やコリコリ食感を辛味で包んだ「ふぐ皮キムチ」が届いたところで早速、黒ホッピーに切り替える。
daitouryo04.jpgdaitouryo05.jpgdaitouryo06.jpg
定番的にイケるのじゃないのぉと思ったのは、「豚タンスモーク」。
ほんのりした薫香がいいのだぞ。


やっぱりもう一方の看板メニュー「もつ焼き(豚)」から、タン、ハツ、レバー、シロ、カシラ。daitouryo07.jpgdaitouryo08.jpg話し込んでちょっと油断すると、折角の熱々がすぐに冷めてしまって硬くなり、申し訳ない感じ。
この辺りの焼きモノとなるとやっぱり、ひと串ひと串焼き台の前でいただきたいね。


牛モノはどうよと「牛ハラミ焼き」に「ギアラ塩焼き」。daitouryo09.jpgdaitouryo10.jpgギアラの食感とハラミとは路線の違う旨味が印象深い。
ちょっと慌てて食べるくらいが、これら焼きモノを口にする際の要領だと今更ながら痛感します。


すっかり陽が落ちてからもなお、線路と線路の間の淀んだ空気の路地に空席を待つひと影が並ぶ「大統領」前。daitouryo11.jpgdaitouryo12.jpg支店には、ガード下の店ながら二階フロアもあって、実はそこそこのキャパがある。
夏の炎天下には空調が効いているであろう二階席も選択肢かもしれないけれど、やっぱり路上の開放感が「大統領」の醍醐味なのじゃないかな。
今度こそ、本丸の呑兵衛の輪に加わりたいものです。


口関連記事:中華料理「珍々軒」 で猥雑アメ横 味なレバタン(07年11月)


「大統領」 台東区上野6-10-14 [Map] 03-3832-5622

column/02799 @3,500-

口大衆割烹「赤津加」で 鶏もつ煮込み熱燗牡蠣鍋年季に包まれて

akatuska.jpg秋葉原での所用の後、新宿方面で呑み予定がキャンセルになって、はてどうしたものかと所在ない状況に。
そこで思い付いたのが、
電気街の直中にある居酒屋です。
古い宿屋のようにも見えるくすんだ白壁に浮かぶ文字は、大衆割烹「赤津加」。
強い照明に照らし喧噪を煽るような周囲の状況と、
そこだけ時間がゆっくり流れているような佇まいと、
そんなコントラストが面白い。
冬の風に揺れる幟には、「酒泉 赤津加」とある。
脇道から暖簾の前に廻りましょう。


引き戸を開けると目に飛び込むのが、年季の入ったコの字のカウンター。
その角には、命を宿していた頃の勢いを思わせるような柱が滑るようにテカッている。
左奥に座敷がひと間覗けて、その左手にテーブル席がある。
その一角を占拠していたのが、白人のお客人たち。
「最近多いのよ~」とは姐サンの弁。
電気街を彷徨った後は居酒屋に行け!と観光ガイドにでも書いてあるのかしらん(笑)。


お品書きakatsuka13.jpgから、まずはやっぱり、煮込み。
「赤津加」の煮込みは、「鶏もつ煮込み」。akatuska01.jpgakatuska02.jpgとろーんとしながら後味あっさりで、沁み入るような旨味。
お豆腐のハフハフもまたいい按配であります。


足元に残る冷えを思えば、さも然りと燗酒を。
目の先の酒燗器で温度を上げていくのは、「菊正宗」の本醸造らしい。
akatuska03.jpg
お猪口を右手に、つつつーぅ、っと。
このほんの少しひりつくような、ひと口めが燗酒の醍醐味のひとつだ。


えーっとお次はとお願いしたのが、「まぐろたたき豆腐」。
akatuska04.jpg姐さんは、「お豆腐+お豆腐になっちゃうけど、いい?」と気にしてくれた。
豆腐半丁ほどに、中落ちっぽくたたいた鮪の赤身が載っている。
つまりは冷や奴と鮪赤身を一緒にいただける肴ってことで(笑)。


お猪口でつつつーを繰り返しつつ、さらに姐さんにこう所望した。
「牡蠣鍋、一人前でもいいですか?」「大丈夫ですよー」。
「豆腐+豆腐+豆腐になっちゃいますねー」と云いながら、だはははーと一緒に笑う、
そんな呼吸がいい。
akatuska05.jpgakatuska06.jpg
コンロの鍋が次第に沸いてくる。
ハフハフ、つつつー。akatuska07.jpgこうなるともうなんの説明もいらない感じになってくるよね。
ハフハフ、つつつー。
あ、徳利が空いてしまった。


姐さんに「焼おにぎり」をと告げて、店内のざわめきの中にほろ酔いの身を浸す。
「牡蠣鍋」の鍋を下げようとする姐さんに頭を振ると、「あ、鍋の残り汁を焼きおにぎりの相方にするつもりだな」と悟ってくれたらしく、「了解ぃ」な所作で応じてくれる。

遠火でじっくり焼いてくれたのか、香ばしさに念の入った焼きおにぎり。akatuska08.jpgおにぎりを齧り、鍋の汁を啜りしながら、我ながらいい作戦だったとニンマリしていたら、姐さんと目が合った(笑)。
そうして、はしたないくらいに鍋の汁を完飲しての、お愛想です。


大衆割烹「赤津加」の創業は、昭和29年のことだという。akatuska09.jpgakatuska10.jpgakatuska11.jpgakatuska12.jpg
白壁の二階建ては、たとえ電気街の喧騒に埋もれそうになっても、白人観光客が大挙して訪れても、どっこいその頃から以上の年季を包んだままのような、そんな気分にさせてくれます。


「赤津加」 千代田区外神田1-10-2 [Map] 03-3251-2585

column/02763 @4,200-

口そば・酒処「仙波」で 名物くるみそば切なきはオバハンの無愛想

senba.jpgそれは、お詣りした神田明神からの帰り道。
秋葉原側へと抜けたところで、昼にしようかということに。
辺りをキョロキョロ見回して目に留まったのが「そば処」の文字。
彼処に寄り道してやれと、通りを渡って気がつくのは、
路上の看板に記された「名物くるみそば」の文字。
「くるみそば」って何だろね。

不愛想ここにあり、なオバチャンのご指示で一同は二階へと参ります。
そんなにつっけんどんにしなくてもいいのになぁ(笑)。

天ぷらや揚げ出しなんかをツマミにお銚子傾けてるテーブルもある二階席。
真っ昼間の燗酒の匂いを横に、謎解きせねばと「くるみそば」をお願いします。


やや太めで、二八ぐらいつなぎかなぁという印象の蕎麦の皿。senba01.jpg粒子の浮かんでみえるのは、蕎麦の外殻か胡桃の粒か。


ベージュ色したつけ汁に浸して啜ると、香ばしいコクが鼻を抜けていく。
どこかで食べたことのあるよな風味も、なかなかどうして悪くない。
senba02.jpgsenba03.jpg
ただそれが、炒った白胡麻を擂ったようなクリーミーなつけ汁に由来するものなのか、蕎麦そのものに織り込まれているものなのか、啜るほどに判然としてなくなってくる。
蕎麦自体からも不思議なコクのようなものが思えるのだけど、どうなのだろう。


Webサイトをみると、その一節に「高い栄養素を持つ「くるみ」を、その触感を損なうことなくそばに入れた「くるみそば」は、」とある。
やっぱり、蕎麦そのものに粉にした胡桃を配合して打っているのだ。
ペーストを溶かし込んだようにした、つけ汁の風味が強すぎて、折角の「くるみそば」の味わいを損なっているような気もするし、このつけ汁あっての「くるみそば」であるような気もする。


所用序でに、お品書きの隅で目にしていた品をいただくべく再び寄ってみる。
「くるみそば」が「釜揚くるみ」となったらどうなのだろうということだったのだけど、それはあんまりよろしくない再訪でありました。


今日も無愛想なオバハンが、値踏みするような目線で一瞥しては、レジ脇の寒々しい待合いのようなテーブルに「そっち!」とばかりに指先を向ける。
senba04.jpgテーブルの隅にポツネンとして「釜揚げくるみ」をお願いすると件のオバハンは、無言で固形燃料のクッカーを据え、湯の入った鍋を載せ、そばの皿を半端な場所に置いて去る。
そばをしゃぶしゃぶして温めて啜れってことなのだろうなぁと思うものの、オバハンはひと言の説明も面倒のよう。
そばの皿を手元に置き直しながら、呟きそうになる。
「ボク、オバチャンになにか酷いこと、した?」。
久々に憤懣やるかたない気持ちになってしまい、もう味なんて判らない。

senba05.jpg
今後いつか「くるみそば」という単語に接しても、あの切ない気持ちを思い出すばかりなンだな、きっと。


「仙波」秋葉原店 千代田区神田松永町2-1 [Map] 03-3251-8645 
http://www.sanyo-senba.com/

column/02757 @850-

口とんかつ「平兵衛」で 衣二度づけカキフライにみる高次パラダイム

heibee.jpg個性的なとんかつのお店として印象の強い、
上野「平兵衛」。
じっくりと時間をかけて揚げたとんかつを少ぉし身を縮めながらいただいた場面が思い出されます。
ただ、定食メニューheibee01.jpgには「とんかつ」以外にもうひと品あって、それが「カキフライ定食」。
「平兵衛」店主の手にかかるとカキフライがどう料理されるのか、ちょっぴり怖いもの見たさ気分も手伝って(笑)、
再び昭和通り沿いを向かいます。

やっぱり扉の前で一旦躊躇する。
夜、見知らぬ酒場に踏み込む時のような一種の踏ん切りが必要なのですよー。


扉を右に引いて店内が見えると、やっぱり先客のないのが判る。heibee02.jpg今日はそのまま入口寄りの椅子に腰掛けました。

丸っこい湯呑みの上に茶漉しを載せて、アルミの薬缶からお湯を注ぐ店主。
その湯呑みを客の前に置いて、「いらっしゃいまし」と云うのがどうやらルーチンになっているみたい。
「カキフライ、お願いします」。


うん、あ、そうね、って感じの雰囲気でオーダーを受け取った店主が、例によって玉子を割ってボウルに入れる。
ひとつやふたつの玉子ではない。
そして、大きめの牡蠣の身を準備して、トプンとその玉子の海の中に浸して、トレーのパン粉の上に置いてパン粉を塗す。と、再び玉子の中に入れてさらにパン粉を盛っている。
おー、衣の二段重ね。二度づけアリ、だぁ。


heibee03.jpgそして、コンロの上の油鍋の湖面をじっと見詰めたかと思うと徐ら、そのパン粉を纏った牡蠣の身をひたひたの油の中にそっと置くようにする。
黒ずんだ油はジジとも鳴らないのでちょっと屈んでみると、あれれ火が着いていない。
どうゆうことなのだろうとハラハラし始めたところで、着火。
でも決して強い火力ではない。
暫らくして、油が泡立つようになると、レードルのようなものでその泡を掬っては隣の鍋にせっせと移したりする。やっぱり不思議だ(笑)。


heibee04.jpg牡蠣を鍋に入れてから待つこと凡そ20分。
「はい、お待たせしました」。
量感ある牡蠣フライがやってきた。

衣には油の汚れ・滓とも思える黒い粒子を含んでる。heibee05.jpg二度づけゆえか、所々に玉子の厚みでポッテリした部分があり、綻んでいるところもある。
油のアワアワの名残りが衣にも窺えるね。
箸でひとつを掴むと、一般の牡蠣フライにはないふにんと柔らかい感覚が伝わってくる。
へーと思いながら齧り付くと、その感覚通りの柔らかさですぅっと歯の先を通す牡蠣。heibee06.jpg生ではないけどレアっぽい火入れが「平兵衛」のカキフライの特異なところ。
そのためにも大振りな牡蠣を用意しているのかもなぁと思いながら、じゅわんと滲み出た牡蠣のジュースをじっとみる。
といって牡蠣のジュースが巧いこと閉じ込められ、それが“旨い!”に繋がっているかというとどうもそれとはベクトルが違うみたいだ。heibee07.jpg代わりに例の生臭さを放つ瞬間を持つフライがふたつ。
うーむ。

妖しいお店だけど実は牡蠣フライ旨ぁいー!って展開を期待していたのだけどなー。期待が過ぎたかなぁ。
「他店に比して全く高次のパラダイムにある」という店主の技術によって絶妙な火入れがされて、牡蠣が旨味が活性すればもしかして凄ンげーことになってるんじゃないか?ってね。


昼にして尚、どこか妖しいとんかつ「平兵衛」。heibee08.jpg店主にしてみりゃ余計なお世話だろうけど、ちょっと応援したい気持ちにもなるのは何故かなぁ。


口関連記事:上野とんかつ「平兵衛」で とんかつ定食四角い断面の深遠(08年09月)


「平兵衛」 台東区上野6-7-13 [Map] 03-3831-3873

column/02693 reprise01 @1,300-

口らーめん天神下「大喜」で みそらーめんビロビロ麺と柚子とりそば

daiki.jpg由あって、湯島の夜。
湯島でラーメン店と云えばまず一番に思いつく「大喜」、にご無沙汰の訪問です。
大ブレイクの頃の、整理券まで発行していた事態にびっくりしたことが懐かしく思い出されます。
昼間の状況は判りませんが、夜は”ちょうど満席”ぐらいに落ち着いているようです。

店頭のスタンドの「秋冬メニュー」daiki01.jpgで見つけたのが、夜の部15食限定の「みそらーめん」。
「大喜」の味噌ラーメンってどんなだろう?って気になるもんね。

やや赤みを帯びたたっぷりのスープに浮かぶ白髪葱。
その上におろし生姜の黄色いアクセント。daiki02.jpg円いながら風味のくっきりした味噌の味わいと調和しながら、スープそのものの魅力がぐいぐいっと顔を出す。
挽き肉由来と思われる脂と旨味が心地いいコク味を生んでいる。
daiki03.jpgdaiki04.jpg
麺はと云えば、手打ち麺のような手揉みをガシガシしたような平打ち麺で、ビロビロっとした口触りが新しい。
やっぱり一筋縄ではいかないのンね(笑)。


同じ夜の部15食限定の「柚子とりそば」を別の夜に。daiki06.jpg「大喜」真骨頂の塩味鶏スープに魚出汁を利かせて、柚子の風味を添えたニクイやつ。
daiki05.jpgdaiki07.jpgdaiki08.jpg
太目の麺を敢えて柔らかめをデフォルトにしていて、しみじみスープによく馴染む。
強いインパクトに走るのではなく、創作に留まらない、味の再構築にも似た工夫が窺えて腕組み感心してしまう。


どこか厳然とした実力派の風格も漂い始めた天神下「大喜」。
定番メニュー「カレーもりそば」も気になります。daiki09.jpg
あぁっ!銀座「東東居」をも彷彿とするようなお面が入口頭上に……(笑)。


口関連記事:
  らーめん天神下「大喜」で ワンタンメンと煮玉子と30人の行列と(03年02月)
  中華そば「東東居」で迎えるお多福面ニンニクゴロっヴェトナム麺(07年02月)


「大喜」 文京区湯島3-47-2 白木ビル1F [Map] 03-3834-0348  http://www.daiki1999.com/

column/00418 reprise02 @900-

口花椒麺専門店「大連米線」で 花椒痺れる大連米線イケるナポ風

dairenbeisen.jpg夜の御徒町界隈。
ちょっと遠回りして歩いてみたら、黄色い看板に「米粉スープめん」とあるのを見つけました。
ビーフンのスープ仕立てみたいなことかなぁ、夜風がちょっぴりひんやりしてきた頃だしいいかもなぁと立ち止まる。
つまりはフォーの店でしょ?と思ったところに意外な「本場大連の味」の文字dairenbeisen01.jpg
どゆこと?と沸いた疑問は、中二階のお店の扉を開けさせるに充分でした(笑)。

手前側のテーブル席は団体さんの宴会状態で大賑わい。
奥へと案内されて、「いっしょに!」と告げられたテーブルにはカップルとみられる先客がいる。
お邪魔しますと席について、メニューを眺めます。


向かいのカップルが交わす会話は日本語ではない。
現地の人が懐かしがって来ているのかしらんと思うも、フォーの国ベトナムのふたりって感じではなく、如何にも中国からのひと達という雰囲気。
ホールのおねえさんの感じからも、やっぱり”大連”由来なのかぁとぼんやり考えながら、再び目線をメニューの上へ。
基本メニューと思しき、「大連米線」に「大連鍋貼」をお願いしました。

dairenbeisen02.jpg
「大連鍋貼」は、ま、普通の焼き餃子。手作りだとある、皮のやや薄目のタイプだ。
「大連水餃子」にするんだったかな(笑)。


そして大きめなどんぶりがやってきました。dairenbeisen03.jpgやや白濁したスープにエノキや鶏、鶉の玉子なんかが浮かんでいます。
ぱっと見では麺の気配がないので、まずはスープを啜ってみる。
鶏ガラ豚骨のスープに花椒油を利かせた、というスープは意外と濃度のあるスープですぐにでも表面に幕を張り始めそうな勢い。
ん?んん?
ああ!ぴりぴりと痺れるシビレる。
これは所謂、ホアジャオの”麻”ってやつだね。
のっけからコメカミに汗しつつ、箸の先をそのスープに探り入れます。

混ぜ混ぜしつつ引き上げたのは、白くてぷりんとした丸い断面の麺。dairenbeisen04.jpgちゅるちゅると啜ると、そのままちゅるちゅるとした食感が返ってくる。なはは~。
メニューには「米で、うどんで、パスタで」って説明書きされてるけど、まるほどまさにそんな感じ。
表面の滑らかさからスープとうまく絡まなそうにもみえるものの案外そうでもなく、花椒が生むキレからかズンズン啜ってしまうことになる。
はぁ~、それにしても汗でるねぇ。ついでに洟水も(笑)。
そうねぇ、ボクにはほんのちょっと花椒が強すぎるのかも。


壁に貼られた大きなパネルによると、米線というのは米でつくったうどんのことで、ルーツは中国・桂林の代表料理、米粉だという。
それが南方に伝わってベトナムのフォーとなり、北に伝わって雲南省の過橋米線になったという。
そしてその過橋米線が四川省を経由し、それが何故か北の大連に飛び火して大ヒットしているのだという。ほ~。


dairenbeisen05.jpg
他にも気になるところがあって、も一度出掛けたお目当ては、コレ。
主だった「大連米線」シリーズと違って、平皿に盛られた米線は「当店オリジナル」だという「ナポリ風米線」。dairenbeisen06.jpg特に凝ったところはない素直なトマトソースを載っけた米線なのだけど、これが存外にイケる。
食べ始めてすぐに、なんで大盛りにしなかったのだろう、なーんて考えてしまったもの。

どこかにジャンクさを潜ませながら、そんなことはおくびにも出さずに、米線に纏うトマトソース。
ぷにちゅるんとした麺の食感が、汁麺よりも格段といきいきとして、跳ねるかのよう。dairenbeisen07.jpgシャツに飛ぶ系だぁと思ったところで、は、そうだ、はてコレはどうだろうと考えた。
なにが?って、この「ナポリ風米線」が「ナポ」カテゴリーに含まれるのかどうか。
eatnapo さん、如何でしょう(笑)? 炒めてないから、違うかな。


御徒町に何気に潜む「大連米線」。dairenbeisen08.jpgさらに唐辛子を利かせた「大連辛辛米線」、山椒の粒も加えた「大連しびれ米線」に挑むマゾな気分にはならないけど(なはは)、「トマト米線」や「カレースープ米線」「冷やしキムチ米線」あたりも気になるところです。


「大連米線」 台東区上野3-20-2 [Map] 03-5818-5657  http://www.mixian.jp/

column/02700 @1,200-

口上野とんかつ「平兵衛」で とんかつ定食四角い断面の深遠

heibee.jpgお昼時その前を通りかかっては、何度引き戸を開けようと思ったことか。
でも、硝子越しに掛けられた注意書きのフレーズがひっかかって、寸前で足先を他へ向けることの繰り返し。
何故って、その札には「お急ぎのお客様ご遠慮願います」と書いてあるのだもの。
つまりは時間がかかるということなんだろうけど、ランチは大概時間がないので、どうしてもまた今度、ということになっちゃうよね。
ということで、上野方面に所用の夕暮れ時に寄ってみました。

heibee01.jpg
陽の落ちた裏通りに浮かぶ看板には、「◎揚げ油を全く吸収しません◎肉汁を全く失いません、当店ではこの程度は常識です」と書いてある。
そして、壁には「食品分析比較表」と題して、水分や脂質、カロリーなどを他店と比較しており、「他店でとんかつ等と称するものとは全く別の物です」と決め台詞が書かれている。

世のとんかつの店々を上から目線で語るかのような宣言は、確固たる自信が裏付けているものなのだろうけど、それってわざわざ云っちゃった瞬間にどこか不遜な印象を与えかねないものになる。少なくとも、奥ゆかしくて謙虚な感じの店主ではなさそうだと、やや構えてその先へ進むことになります。


先客は、なし。
「いらっしゃいませ」。
どっしりとした体躯の店主が迎える。
言い回しは意外と柔らかなのに安堵するも、笑顔はまったくない。

「どうぞ」。
おおよそにカウンターの席へと促されたその辺りに腰を降ろして、卓上のシミの滲んだ品書きheibee02.jpgを見詰めます。
されど、定食メニューはふたつ。「とんかつ定食」と「カキフライ定食」のみ。
その横には、「ホヤ」「ホタルイカ」「チーズ」「ソーセージ」「酒盗」と不思議な並びの酒肴が書かれています。


「とんかつ、定食でお願いします」と告げて見回した店内は、清潔にしておくことが苦手なのかなぁ、いろいろなものが雑然として油と埃の滓を積んでいます。


随分と厚みのある肉を取り出した店主は、玉子を幾つも割り、呪文でも唱えるようにぎゃっぎゃと掻き回す。そして、抽斗に入ったパン粉の中にその肉を横たえて、今度はまるで「むむ、えい、ふむ」と武術の間合いでも計るかのように、包むように押し付けるようにパン粉を纏わせる。
鍋の油の表情を凝視したかと思うと、「ほぉ~っ」と太極拳的動きでパン粉に包んだ肉片を油の中に横たえる。
あれ?っと思うのは、油の中に確かに浸っているのに、ジューでもシュワーでもないこと。
油の温度は、想像以上に低そうな様子。
あれであの厚い肉がちゃんと揚がるのだろうかと訝る眉間になって、やっと気がついた。
だから、「お急ぎのお客様ご遠慮願います」なんだ!
こうなると待つしかないのねと、左上でがなる小さなテレビを眺める。
どのくらいで揚がるのか判らないけど、お品書きの不思議な並びの酒肴はその時間をビールやお酒で埋めようとするヒトたちのためのものだねきっと、なんて思いながらまた頭上のテレビを見上げる。店主も、ニュースの内容に、「あ?」とか「う~ん」「またか!」とか口走っている(笑)。


20分も過ぎようかという頃か、店主が再び鍋の前に立ち、今度は鍋を前後に揺すりかつに油を浴びせかけるような奇妙な所作を始めた。揺すっては止め、ふーむと唸るようにして鍋底に擂るようにまた揺する。忍法を唱えるかのような背中で、繰り返されるその所作。そして、「はい、揚がりました」。
時計をみる。揚げに要した時間はなるほど約25分であります。

heibee03.jpg
さっと包丁が入れられ届けられたお皿は、思わず「ほ~」と呟きそうになる異形。
高さ4cmはあろうかという厚みが四角い断面を創っているのだ。
薄い衣がひたっと肉に一体となっているのが好ましい。
超肉厚ながらしっかりと火の通った肉片からは、妙な脂が滲んだりはしておらず、かといってパサパサな感じでもない。heibee04.jpg
例によって塩のみをちょんづけしていただいてみる。
想定以上に柔らかく、でもお肉の繊維が活きていて、心地いい歯触りがする。
豚肉の脂の甘さを愉しむとんかつとはまた違う。
これは塩ではなくて、醤油の方が合うのかもと切り替えてみると、その方がよりじわじわとくる肉の旨味が引き立つ感じがする。
heibee05.jpgheibee06.jpg
細かいパン粉の衣にサクサク感はない。
揚げ油を全く吸収していないか肉汁を全く失っていないかは判然としないけど、少なくともベッタリした油の嫌味はない。でもスッゲー旨い!ってのとはちょっと違うなぁって思ってしまうのはきっと、脂のふしだらさに毒されているからなのかもしれないな。


三代目となる店主が、カウンターに冊子を用意している。
「地球環境保護と飢餓救済のために」と題していて、副題に「とんかつ屋・天ぷら屋における公害と犯罪」とある。
そこには、業界の現状、「とんかつ」とは、「揚げる」とは、食品分析比較、「ヒレカツ」なるものについて、天ぷらの真実、O-157問題について、今後の業界、「平兵衛」は常に進化する、といった節が書き綴られている。
全般には店頭で危惧した以上の上から目線で、他のとんかつ店のみならず世の天ぷら店まで一刀両断、扱き下ろしている。
読んでなるほどと思う一節も少なからずあるものの、他店のトンカツを「トンカス」とは明らかに言い過ぎで、嫌悪感を覚えないヒトは少ないよね。なんだかなぁ。
「ライバルがいないことに悩んでいる」ほどのお店なのに残念ながら客がいない。店も客を選ぶということか。それを客の所為にすることはないと思うけどね。


上野の裏通りに異彩を放つとんかつ「平兵衛」。heibee07.jpg揚げ方を究めるのと同じように、客商売のハウツーも磨いていただけるとより多くのヒトがにっこり美味しいトンカツを楽しめるお店になるのだと思うのですが、いかがでしょうか。余計なお世話かな。
あ、「カキフライ」がどんなことになってるのか、興味津々です。


「平兵衛」 台東区上野6-7-13 03-3831-3873 [Map]

column/02693 @2,300-

口とんかつ「井泉 本店」で 和食としてのとんかつメンチとお年頃

isen.jpg最寄りの上野広小路からちょっと路地に入る。
住居表示では湯島となる路地を辿ると、頭上に茶色地の看板が見つかります。
創業昭和5年と白抜いた看板isen09.jpgの主は、「井泉 本店」。
大通りにデンと構えて如何にも威風堂々とした佇まいが鼻につくような老舗と比べると、
創業当時を偲ばせるような路地の清廉な佇まいが潔い。
店先に掲げた品書きに立ちんぼでずっと悩んでから、白い暖簾を払います。

isen01.jpg
あけすけにオープンな白木のカウンターに廻り込んで腰を据える。
オバチャンが差し出した湯呑みのお茶を啜りながら、一応改めてお品書きが眺め、注文を伝えます。
お好きにどうぞということなのでしょう、小振りな薬缶が目の前に置かれました。

揚げ場を担うオッチャンは、油の様子を横目にしながら、真名板の廻りや周囲のステンレス面を小まめに拭いている。「禁煙」は当然のこととして、店全体がこざっぱりと感じるのは、そんな所作の繰り返しがあるからなのかもしれないね。
厨房の中では冗談交じりの世間話をちょこちょこ交わしていて、目黒「とんき」のようなどこかストイックな空気はないけれど、老舗が引き継いできたものの残り香がそこここから漂います。


isen02.jpg
揚げ上がったとんかつに等間隔に包丁を入れるとほぼ同時に、その脇でお椀にとん汁を注ぎ七味をさっと振る。「ロースかつ定食」の到着です。

見た目サクサクと軽そうな衣。
断面を覗くと肉の切れ目が不思議に不揃いで、繊維を叩いてあるようにも見える。isen04.jpg

isen03.jpg例の如く、塩ちょんヅケでいただくと、予想通りあっけないくらいに軽い。
なるほど、「お箸で切れる柔らかなとんかつ」を意図しているだけのことはある。
でもなんか、下町のお爺さんが「余所は駄目だけど、ここのとんかつなら食べれるのだ~」とか云いながら時折訪れる、そんな光景が脳裏に浮かんでくる。
凭れたりする予感がおよそない代わりに、蒲田「丸一」のような、旨い肉喰った!的満足は極端に控えめになる。ウラハラなことなのだね。


一週間ほどしてふたたび白木のカウンター。
「メンチかつ」を定食に仕立ててもらうことにすると、「ご飯、とん汁、お新香でいいですね~」と云いながら遠ざかるオバチャン。
先日のお新香と同じだったら要らないなぁと思いながら、わざわざ声を掛けることもないかと口を噤む。
isen05.jpg
ほぼ正円状のメンチが2片、白いお皿のキャベツを背に寄り添っています。

香辛料を噛ませたり、甘い脂を激しく滴らせたりせず、坦々と湯気を上げるメンチ。
isen06.jpgisen07.jpg
基調としてあっさり。とんかつを上回る軽妙さ。
そこへ、「ビアライゼ」のメンチは旨かったなぁなんて失敬な思いが頭を擡げてくる。
決して悪くはないのだけれど…。


初代の画号、「井泉(せいせん)」から名づけた屋号が今の名で親しまれ、定着したという「井泉」。isen08.jpg標榜する「和食としてのとんかつ」が心根から食べたくなるお年頃がいずれやってくるンだな、とそう思うのであります(笑)。


ホームページを読むと、「井泉 本店」直営なのは百貨店内の数店だけのようで、本店で修行した者が暖簾分けで「井泉」を営んでいる、とある。
そういえば五反田の店は「ぎんざ 井泉」で、お腹に“かつ”と書いた豚のマスコットは同じ。
そして、「まい泉」もきっとまた、“泉”を同じくする系統なんだね。


口関連記事:
  とんかつ「とんき」目黒店で ロースかつ定食澄清としたカウンター(03年07月)
  とんかつ「丸一」 で最後まで軽ぅい食べ口限定極上ロースカツ(08年01月)


「井泉 本店」 文京区湯島3-40-3 03-3834-2901 http://www.isen-honten.jp/ [Map]

column/02683 @1,300-

口四川担担麺「阿吽」で 担担麺基本形すぐさま飛ぶ連想は小洞天

aun.jpg湯島駅から地上へ。
湯島中坂下という交差点に佇むと、「気功マッサージ」の看板の向こうに、「四川担担麺」という文字が見つかる。
ここが「阿吽」だぁと木枠のドアを入ろうとすると、そのドアが動かない。
あれ?っと思って、「自動ドア」と表示してあるところをよく見ると、「自分で動かすドアです」とaun01.jpg小さな文字が補っている。
バラエティショップにでも売っていそうなプレートだけど、それを客商売の店先に貼るってのは、どういう意図なのだろうね。
「舐めてんのか、あん?」みたいな反応するヤツもいれば、「はは~、そうきたか~」と思うヒトもいるかもしれない。
もしや、物事の常識に囚われていませんか?とか、もっと注視してみると世の中いろいろ見えてくるものがありませんか?なんて問いかけを暗にしているのかも!なんて一瞬考えたけど、そんなの考え過ぎで、デメリットはあってもメリットはない。
シャレとしても、TPOをはき違えていると思うので、早急に対処願いたいところ(なんてね)。


券売機で買い求めたのは、基本形の「担担麺」。
辛さはデフォルトの、唐辛子マーク3つでいっときます。

aun02.jpg
磨き込まれたカウンターで待っていると、紙ナプキンをくれる。
この店主はどうして、俺がいっつもシャツに滴を飛ばしてしまうオコチャマだってことを知っているのだ!と怪訝な気持ちになるも、廻りを見回せば、みなさんに渡しているのが判る。
バレちゃいなかった…、と安心して素直に首に巻く。

そこへどんぶりがやってくる。aun03.jpg辛味を連想させるラー油が廻し掛けられ、中央に挽肉や小海老のトッピング。
その真ん中をエイっと崩しようにレンゲを使ってから、スープを啜る。
擂り胡麻のクリーミーさが素直な魅力で、どちらかと云うと風味を添える程度の柔らかい辛さが交叉する。コク味にスープの旨味が下支えしていて悪くない。
aun04.jpgaun05.jpg
ナプキンのお陰で、必要以上に勢いをつけてズズズーと啜り上げる麺。
連想はすぐさまいつもの「小洞天」に飛んで、このスープであればこの麺ではなくて、あのちょっとパサっとした細麺の方が合うことに思い至る。合うというか、好みだというか。

他所のお店で、その佳さに気づくなんて面白いなぁと思いながら、待てよ、ならばこの胡麻ペーストスープのクリアなコクは「小洞天」のものより深みがあるぞと思ったり。なにをグルグル考えているのでしょうね、ワタシ(笑)。


担担麺の専門店「阿吽」。aun06.jpgさて次回は、基本形の辛さ増しでいくか、「黒胡麻」でいくか、それとも本筋「つゆ無し」に挑むか。
「つけ麺」や「翡翠」と呼ぶクロレラを練り込んだ麺の用意もあるようaun07.jpgです。


口関連記事:中国料理「小洞天」日本橋本店で いつもの麺セット(03年10月)


「阿吽」 文京区湯島3-25-11 03-3835-1796 [Map]

column/02682 @900-

口カレー料理専門店「デリー」上野店 でひーひーインドカレー★3

delhiueno.jpg「デリー」の本店といえば、湯島の春日通り。
浅い夜分に、ものすごく久し振りに訪れると、
店内はデリーフリークで満員状態だ。
テイクアウトアイテムの並ぶ硝子ケース前に佇んで、
しばし待機。
食事を終えて出てくるひと達がおよそ一様に汗っかきなのが微笑ましい。
ふと、デリーってインドのどのあたりだっけと改めれば、
デリーは、ネパールやパキスタンにもほど近い北に位置するインドの首都圏。
店名をそのまま大雑把に捉えれば、北印度系レストランということになるね。

曖昧ながら銀座店や新川店の経験から考慮して、
メニューにある”strong hot”辛さ★5つの「カシミール カレー」は許容の範囲外としつつ、
もしかして★3つ”hot”の「インドカレー」は如何かしらんと臨んでみることにしました。

ステンレスの楕円カレー皿に注がれているのは、
さらさらとしたカレーソース。
delhiueno01.jpg
含むチキンとポテトをフックに、スプーンで拾ってライスの上に広げてみる。delhiueno02.jpg見た目はそう辛そうでもないのだけれど、と呟きそうになりながら(笑)掬うスプーン。
と、すぐさま!額からコメカミから耳の後ろあたりから汗が噴き出すではないの。
ヒヒ~!
う~ん辛いなぁと思いつつも、この旨味を含む高揚感も悪くないかもと食べ進む。
ところが、中盤以降はひりひりと痛い辛さがすべてに先攻する事態となって、およそ降参状態。
ポーカーフェイスを保とうと努めるも、だーだー汗は如何とも隠し切れず潔くないことになりそうなので、すんなり諦めてあからさまにひーひー顔になる(笑)。
delhiueno03.jpg
まだまだ修行が足りないなぁと一種の諦観を覚えながらひとまず綺麗に完食。
すかさず、「アイスチャイ」で辛さの穴埋めに走るのでありました。

「カシミール」を旨い旨いと汗も掻かずに平らげるヒトが羨ましいようなそうでもないような(複雑)。

やっぱりボクには、メニューに”A little hot”★ひとつである「デリー」「ベンガル」「シャーヒー」あたりが適役なのだと推察するのでありまひた。


元同僚が浅草で開店準備中のカレー店のカレーは、ここ「デリー」の「インドカレー」や日テレ前の「アジャンタ」の「チキンカレー」あたりに似た位置にあると本人曰く。するってーと、けっこう辛い系のカレーだけど、それはそれで開店が楽しみだぞー♪

「デリー」上野店 文京区湯島3-42-2 03-3831-7311 http://www.delhi.co.jp/

column/02478

口レストラン「御茶ノ水 小川軒」 でチョコパイな?チョップドビーフ

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聖橋を渡り、東京医科歯科大学を横目に進む。
そして本郷通りの向かい側に見つかる朱色の日除けogawaken01.jpgが、「御茶ノ水 小川軒」の目印です。
1階はカフェになっていて、「ビーフカレー」や復刻版「デミカレー」「特製ハヤシライス」なんかがいただける、そう。
今日は地階のレストランへお邪魔してみました。

案内されたテーブルからは、厨房の動きや表情が、まるで超ワイド画面のモニターを観るようogawaken02.jpgに映ります。
玉葱、人参の「野菜のスープ」の優しい味わいでスタート。
ogawaken03.jpg
ogawaken04.jpgごく普通のサラダかと思ったお皿には紅芋のペーストが添えられていて、ちょっと気が利いてる印象になる。

そして、「チョップドビーフ」のお皿がやってきました。
見た目にも丁寧に仕込んだことが窺える、チョコレート色のデミソースに正円に近いフォルムのチョップドビーフが浮かんでいます。一瞬、ロッテの「チョコパイ」を連想しちゃった(笑)。
ogawaken05.jpg
ナイフの刃先を挿し込むと、手応えしっかり。
ogawaken07.jpg
包丁による粗みじんというか、まさに"叩いた"赤身肉をぎゅぎゅっとハンバーグパテにしている感じ。
といって、ネガティブな硬さはまったくない。うん、量感も美味しいハンバーグだ。
選んだもち麦入りライスogawaken06.jpgにも当然よく合う。
云われるままデミソースにマスタードを少々足してみたら、これが意外に双方の風味を引き立て合う。ふむふむ。
付け合わせのお豆ogawaken08.jpgは、フラジェレという隠元の仲間だそうだ。
プティフールogawaken09.jpgと珈琲をいただき、満足のお昼となりました。
今度はカフェで、「デミカレー」あたりを試してみたいな。あ、代官山にも行きたいな。

「御茶ノ水 小川軒」 文京区湯島1-9-3 03-5802-5420 http://www.ogawaken.com/

column/02449

口中華料理「珍々軒」 で猥雑アメ横 味なレバタン

chinchinken.jpg


この夏。陽炎の中にいるような炎天下になぜかオープンエアなこちらで汗垂らしながらラーメンchinchinken02.jpg啜ったことがありました。
アメ横の猥雑さに連なる一角にある「珍々軒」。
その時改めて眺めたメニューに「レバニラ湯麺」を認め、このシチュエーションにマッチするのはこれだ!と再訪を期していたのです。

ところが行く度に臨時休業。
chinchinken01.jpgわざわざ休みの日に足を運んでいた訳です。今日は大丈夫かな?と覗くと、普通に営業中。
混み合う中、カウンター一番奥を指示され、収まりました。

厨房では、北京鍋を水洗いし、具材を炒め、調味料を入れ、麺を湯がきchinchinken03.jpg、が繰り返されている。白い粉、結構入るのね(笑)。野菜から出た水分をちゃっと捨て、タンタンタンタンと叩いているのは焼きそばの調理手順か。「ハイ!お待たせレバタン!」。うん、旨そう。
chinchinken04.jpg
拝むように箸を割り、蓮華でスープを啜る。なは、想像通りのお味chinchinken05.jpg。塩加減も、絶妙でありますな。貪るように麺と野菜&レバーを合わせ食べます。最近のラーメン店とはまた違うスープにぽっぽと暖まって、結局あの夏の日のように汗を掻いている。ふ~、ごっそさんです。

chinchinken06.jpgそして、どうしても気になるのが、お向かいのもつ焼「大統領」。平日の真っ昼間っから呑んじゃってるお客さんたちでいつみても満席なのですよ~。いつ、行く?

珍々軒」 台東区上野6-12-2 03-3832-3988

column/02446

口厳選洋食「さくらい」 でにゅるんとすばしっこいエビフライサンド

sakurai00.jpg湯島に"厳選洋食"のお店があるという。選り選りの洋食を供するお店とあらば、歴史と風格を兼ね備えた、ちょっと古式ユカシイ風貌を想像するところ。ところが、足を運んだ広小路交叉点の先にあったのは、小綺麗なビル。厳選洋食「さくらい」は、このビルの7階、8階にあるのです。ルーバー越しに陽の光がたっぷりと入って明るい店内は、すっきりとシンプルな装いです。「海老マカロニグラタン」「ロールキャベツ」「洋食弁当」に「カツサンド」「オムライス」「黒豚の生姜焼き丼」、そして季節メニューの「牡蠣ナポリタン」。あれこれ悩んで選んだのは、「エビフライサンド」。セットのポタージュを啜りながら、3本並んだカトラリーに割り箸が添えてあるのを眺める。日本の洋食っぽくもあり、細かく刻んだサラダなんかは箸じゃないとね、なんてぼんやり思っているところへ「お待たせしました、エビフライサンドになります」おほほ。初めてみる光景であります。太めのエビフライがくっきりと丸い断面をみせて、零れ出さんとばかりにしながら、かつ均等に並んでいる。パンの高さが適度な量感を誘う。なんだか、妙に旨そうだ。6等分されたその一片を摘んで口へ。ひと口で口に収めるにはちょっと大きくて、必然的に途中で噛むことになる。すると、エビフライとパンの間に挟んであるタルタルやキャベツが潤滑油となって、中の海老がにゅるんと逃げようとする。フライになってまでもすばしっこいのかぁなどとニヤつきながらも、逃さぬものかと真ん中辺りをぎゅっと掴まえつつ、齧る。なるほど、エビフライをパンに挟んで喰いたいという思いを昇華させるとこうなる、ってイメージに著しく沿っている。うんまい。でもね。やっぱりね。どうしても中身が飛び出ちゃうのよ~。大口開けて無理無理頬張るか。世のレディはそうもいかんだろうし。もうちょっと小振りにすると醍醐味が失われそうだし…。難しいなぁ。どうにかもうひと工夫できんもんでしょうか~。

「さくらい」 文京区湯島3-40-7カスタムビル7・8F 03-3836-9357 
http://www.yoshoku-sakurai.com/

column/02428

口つけ麺 「TETSU」

tetsu.jpgはらはらと霧雨が降る中、不忍通り沿いにあるつけ麺のお店「TETSU」に寄り道してみました。入口脇の小さな券売機の横に、店員と思しき兄ちゃんが待機してくれていて、ちょっとしたアテンドをしてくれます。「夜のつけめん」は昼の「つけめん」と麺もスープも違うのです~と説明してくれますが、なにせ初めてなものでその違いがどんなことなのか判然としないまま、その「夜のつけめん」を300gいただくこととします。200g、300g、400gが同じ料金で選べるんだ。L字カウンターは既にほぼ満席で、魚出汁系の香りに包まれています。決して広くない厨房に4人が犇めいて、交叉するように動き回っている(新人含みらしい)。先につけ汁、続いてつけ汁と同じサイズのどんぶりに盛られた麺が手渡しされました。むん!と麺をひっ掴んで、つけ汁に浸して、啜る。むっほほ~。好きだなぁこういうつけ麺。豚骨げんこつ&魚介まっしぐらの汁だけど、妙な魚粉臭さはなく、動物系のスープと魚介系スープが上手にバランスしてる。ほどよい粘度のあるそんなスープが、ちょい平打ちのちょい縮れ中太の麺によく絡んでくれている。歯切れが良いクセに柔軟なコシがあって、しかも力強い量感があって、麺は麺で旨い麺だなぁと思いながら、入口脇の壁をふと見たら“浅草「開化楼」特製麺”と記した木札を見つけた。この麺も「開化楼」の麺なんだろうね。「六厘舎」「ジャンクガレッジ」や「凪」「ど・みそ」にも納めているという製麺所の作る麺かと思うと、なんだかとっても納得であります。スープ割りの時に、希望すれば「焼石」で温め直してくれる、と貼紙があるので希望してみると、「焼石は昼のみなんです、すいません」と云う。そこも昼と夜の違いなのね。さてさて昼の「つけめん」はどんなかな?

「TETSU」 文京区千駄木4-1-14 03-3827-6272  http://plaza.rakuten.co.jp/tsuketetsu/

口related column:>つけめん「六厘舎」(過去記事) >まぜそば「ジャンクガレッジ」(過去記事) >らーめんダイニング「ど・みそ」(過去記事)

column/02387


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