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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口手打ちつけうどん「めんこや」で 肉汁うどんは武蔵野うどん派生形

menkoya.jpg幡ヶ谷にも武蔵野うどん系統と思われる手打ちうどん店があるという。
新線の階段を上がり甲州街道に佇んで、
首都高の高架を見上げる。
その足元に「カンパイ生ビール30円」とする看板menkoya01.jpgが立て掛けてある。
そのまま右手を振り向いて目を凝らすと、
その先の路上に「手打ちうどん」と書かれた木目の看板が見つかりました。
手打ちつけうどんの店「めんこや」は、云わば、幡ヶ谷の駅上にあるんだ。

menkoya02.jpg
円に"め"と書かれた硝子戸に手を掛けると、その右手で麺を打つ姿が目に留まる。
麺打ち場が通りに面して硝子張りになっているお店は少なくないけど、打ってる様子が覗ければ、ほうほうとか云いながら、そのお店に吸い寄せられてしまうこともあるよね(笑)。


menkoya03.jpgおひとりさまは、左手のカウンターへ。
つけ汁に茹で玉子を浮かべた「ぶったまうどん」とか、桜エビ・小エビの天ぷら載せの「エビ汁うどん」、ピリ辛肉味噌を和える「ピリ味噌うどん」「辛肉うどん」などなど、ラインナップはあれこれ。


でもやっぱり、注文むのは「肉汁うどん」大盛りであります。
「桜エビのあげ玉」を追加することもできるけど、それも我慢のデフォルトでいただきたい。


30円のカンパイビールを一気に呑んで待つひと時。
つけ汁に続いて、うどんの器がやってきました。menkoya04.jpg
つけ汁に葱と一緒に浮かんでいるのは、武蔵野うどんお約束の薄切りバラ肉ではなくて、東坡肉のスライスという風情。
10時間煮込んだトロトロ肉、という謳い文句は、まさに煮豚であることを示しているね。
オリジナリティ含みで仕立てたい気持ちは判らなくはないものの、できれば薄切りバラ肉仕様であって欲しい。
ま、そんなこと思うのは極々少数派なのかもしれないけどね。


茹でたてシメたてと思しきうどんは、艶々として美しい純白。menkoya05.jpg太さや捩れからくる躍動感はなかなかも、見た目の表情からは地粉っぽさが窺えません。


つけ汁にトプと浸して一気に啜る。menkoya06.jpgつるつると滑らかに口元を過ぎた後、噛めばムチムチっとした弾力と歯切れ。
讃岐のコシとはまた違う個性ではあるものの、これは武蔵野うどんのキャラともまた違う。
ま、それはそれとして、適度につけ汁を絡ませながら、しなやかに逞しい量感を伝えてくれるあたりがなかなかニクイ。

たまたま運びこまれた粉袋は、日清製粉の「金すずらん」。
その「金すずらん」だけではなくて、他の粉もブレンドしているのかな。


武蔵野うどんから派生して独自世界に及んだ、手打ちつけうどんの店「めんこや」。menkoya07.jpg川越にあるという、元祖武蔵野うどん「めんこや 本店」との関係や如何に。


「めんこや」 渋谷区幡ヶ谷1-2-7 松井ビル1F [Map] 03-3320-4455  http://accele.cool.ne.jp/menkoya/

column/02892 @920-

口自家製麺「アイバンラーメン」で塩半熟玉子のり豚ローストトマト飯

ivan.jpg芦花公園にニューヨーク出身のアメリカ人が営んでいるラーメン店があって、評判だという。
環八の先から斜めに入る、久し振りの旧甲州街道。
そう云えば、この辺りのラーメン店に以前訪れたことがあったよなぁと思い巡らしながら「丸美ストアー」と書かれたアーケードの入口前に辿り着く。
あれ、ここが「いち」のあった場所じゃなかったっけ。
なんだかとってもお疲れのご様子だった「いち」のおばちゃんが忙しなく動き回る光景が思い出されて、そうか「いち」はもうなくなっちゃったのだ、と。
「アイバンラーメン」の前には、もう午後3時にもなろうとしているのに10数人の空席待ちだ。


「はい、らっしゃいませ~」。
アイバンさんがカウンター内の真ん中で迎えてくれる「アイバン」のメニューは、醤油or塩のラーメンorつけ麺。そして少量スープ仕様だという「スパイシーレッドチリ麺」「ローストガーリック麺」。
まぁ、基本形寄りからいきたい気分だなぁと「塩半熟玉子ラーメン」に「のり」をお願いしました。


口径小さめで断面三角な器で手渡されたラーメンから、断然旨そうな匂いが漂う。ivan01.jpg鰹的魚粉系のエキスもしっかりの様子が湖面からも十分に窺えます。
ivan02.jpgivan03.jpg
啜った印象は、濃厚で結構脂も強い感じ。
メニューには、長時間煮込んだチキンがスープのベースでそこに北海道産魚介出汁と秘伝の野菜スープをブレンドしている、とある。

そんな洗練ガッツリのとろみあるスープに自家製麺が好相性。ivan04.jpgivan05.jpgエッジの利いたデフォルト硬茹での細麺で、歯切れのよさが独創的ですらある。
うん、なかなか、なかなか。
穂先メンマもトロっとした厚切りチャーシューもいい。


サイドメニューにと「豚ローストトマト飯」。ivan06.jpgどどんと載るローストしたトマトの下には、チャーシューの端肉を解したような豚さんがたっぷり。
箸の先で押し切るようにすると、トマトからジュースが迸り、豚にご飯に香ばしさと一緒に酸味と甘みを注ぎ垂らす。
添えたオイルや香辛料も気が利いていて、これは旨いなぁ。


アメリカ人が作るラーメンなんてちょっと、というような心配は一切不要の「アイバンラーメン」。ivan07.jpgいつか母国で、とも考えているのかな。


口関連記事:九州らあめん「いち」で いちらあめんとお疲れのおばちゃん(06年05月)


「アイバンラーメン」 世田谷区南烏山3-24-7 [Map] 03(6750)5540 http://www.ivanramen.com/

column/02726 @1,400-

口魔法薬草「Magic Spice」下北沢店 でポーク角煮涅槃の麻薬性

magicspice.jpg東京でのスープカレーの先駆けのひとつ、
「マジックスパイス」。
エキゾチックなピンクを基調とした、壁面文字を見上げながら進むと、店内の照明も妖しいピンクmagicspice11.jpg
カレーを美味しく見せる色合いだとは思わないものの、独特の雰囲気をもって、ちょっとしたトリップを楽しんでもらっちゃおう的な意図は有効に働いているようです。
一時は大変な混雑を呈していたようだけれど、今は程良く落ち着いて、溢れ返るような様子はみられません。
でも、それでもしっかり満席。安定した集客力を維持しているようです。


綴じられた基本形メニューに加えて、トッピングのスペシャルmagicspice01.jpg、季節モノ、東京限定magicspice02.jpgに日替わりオススメmagicspice03.jpgとテーブルのあちこちにメニューに類する文字や絵図が氾濫している。
やっぱり情報を処理できず思考停止(来るの二回目なのに、笑)。
おねえさんを呼んで、アドバイスを受けます。

magicspice04.jpg前回は基本スタイルと思しき「チキン」にしたのに、あれこれ欲張ってトッピングして微妙に失敗した感じになっちゃったので、今回は「ポーク角煮」をベースに、トッピングは「モモ」と「フィッシュボール」に抑えます。
辛さは、意外とすんなり食べれちゃった前回の「悶絶」からステップアップ、”摩訶不思議世界への入口”と解説された「涅槃」magicspice12.jpgに挑みます。


覗くドンブリも全体がピンクがかっちゃって、なんだか色眼鏡で覗いているような気分になる。magicspice06.jpgmagicspice07.jpgmagicspice08.jpgmagicspice05.jpg
まずは、スープだけをスプーンで掬って啜る。
噎せそうになるギリギリな辛さに臨戦モードのスイッチオン(笑)。
ライスと一緒に浸し食べると、ご飯が甘く思えてくる。

「モモ」ってのは、いつぞや自由が丘のカレーショップでもいただいた、チベット・ネパール風の水餃子。「フィッシュボール」はというと、割りとしっかりした歯ごたえのタイ風魚肉つみれ。
それぞれに、悪くない。
magicspice09.jpgmagicspice10.jpg
やっぱり、圧倒的な種類のトッピングに気圧されて、どんどん載っけちゃうのはあんまりよろしくない。客単価を上げる営業戦略かもしらんけど、前向きなサービス精神の発露とも受け取れるから悪い気はしないけど、ね。

そんなことを考えているうちにが、気が付けば汗が噴き出している。ふ~。
magicspice14.jpg辛さやスパイス使いの方がまず気になっちゃうところも、「マジックスパイス」のカレーは、濃厚なスープが支えている。ピンクの灯りに惑わされそうになるけど、かなり脂が強いンだ。


ん~、一種麻薬性があるのかもなぁと、ちょっぴりヒリヒリする口腔を開けっぴろげながら振り返る「Magic Spaice」。
エキゾチックなアート風装いと赤基調の極彩色を用いないとこの個性は醸せないのかもーとも思う。
magicspice13.jpgでも、赤でもピンクでもない、自然な色使いの落ち着いた雰囲気で同じスープカレーを食べたい。
そんな気もいたします。


口関連記事:SoupCurry「Syukur」自由が丘店 でMOMO入りスープカレー(07年11月)


「Magic Spice」下北沢店 世田谷区北沢1-40-15 03-5454-8801 http://www.magicspice.net/

column/02610

口薪釜ピザ「enboca」東京 でふきのとうピザいちごピザもう堪らン

enbocat.jpg数年前の初夏の軽井沢。
深々とした木々の中に古くからの別荘たちが構える中に静謐な雰囲気を漂わせていた「エンボカ」。
予約までしてランチに訪ねていただいた焼き立てピザが、強く印象に残っていました。
なんとその「エンボカ」が東京に出てきていると知りました。
そして、なんだか急にそわそわしてきました(笑)。
耐震工事のためテナントの抜けた代々木上原駅から東に出て、表情のある飲食店の並ぶ通りを進む。
一本手前を曲がってしまったようで(汗)、ぐるりと廻って桜の木を拠り所に辿り着く。
軽井沢同様、紺地に「enboca」を円で囲んだロゴマークが目印だ。

アプローチを伝って、背の高いドアを押し開ける。
手前のテーブルは既に一杯で、予約時に聞いていた通り、奥のカウンターへと案内されました。
突き当たりの薪窯が橙色の炎をちらちらさせています。enbocat01.jpg


まずはビール。
「エンボカ」は、ベルギービールが大充実。
10種に及ぶという生ビールに始まり、生の小麦もしくは小麦杯芽を使ったホワイトビール、修道院のライセンスによるアビイビール、トラピスト派修道院でつくられるというトラピストビール、古典的スタイルの季節ビールのセゾンビール、上面発酵によるエールビール、空気中の野生酵母の自然発酵によるランビックビール、オーク樽で熟成させるレッドビールなどと、メニューには、こんなにあったんか~ぐらいに銘柄が並んでいます。
enbocat02.jpgenbocat03.jpg
正面の棚には、銘柄ごとに幾多ものそれぞれにフォルムの違うグラスが並ぶ。
まずは定番系「ヒューガルデン」の生ビールを。
どこかカルピスに似た乳酸ぽい爽やかな香気とほの甘さがやっぱりイケるね。


そしてお食事系メニューも負けじ劣らず。
ピザ以外はサイドメニューかと思いきや、生ハム、自家製スモークもの、窯焼もの、などなどホント目移りして困らせようという意地悪なメニューになっているのです。

まずはスモークものから。
ピザ食べれなくなってはイケナイと、ちょっとビビって「トマトのスモーク」。enbocat04.jpg半ナマな半ドライなトマトに薫香が滲み入り、面白いンだ。
んん、お隣の「盛り合わせ」には、牡蠣を含めた魚介や豚などなどが並んでいて、それはそれで羨ましい(笑)。

生ハム系でひと皿と、バルセロナの「鴨の生ハム」と「ハモンイベリコ」を一緒盛りにしてもらいます。
enbocat05.jpgenbocat06.jpg
enbocat07.jpgイベリコは勿論のこと、脂で縁取った鴨の生ハムのしっとりしたコク味が堪らない。
目の前の黒い爪の肉塊がハモンイベリコで「ハモンセラーノ」は爪が白いのだという。

たまにはとロゼワイン「Mas Comtal」enbocat08.jpg
スペインの老舗蔵元による、世界最高峰のロゼだとある。少々濃いめの鮮やかな紅が、うん、綺麗。

enbocat09.jpg
頭上のローレルの蓑虫を見上げているところへ、
湯気を上げんばかりに「じゃがいものピザ釜焼きキャベツ添え」がやってきた。
ジャガ芋と春キャベツ、アスパラあたりを入れて、ピザを焼く薪釜で焼き込んで、パルミジャーノを振った鉄鍋だ。
enbocat10.jpg馬鈴薯のほっこりした香ばしさはもとより、春キャベツの甘さが素朴かつ直截に伝わり、う~ん、いい。パルミジャーノの香りが興を上げています。


まだまだピザ以外のメニューに後ろ髪引かれる(笑)けど、そろそろ、いよいよピザのお時間です。
これがね、またまた迷う。
全部ちょうだい!と云っても食べれない(当たり前)のがなんとも口惜しい。

定番中の定番「マルゲリータ」に粉の魅力ハチキレそうな「生地焼き」から、4種のチーズ「クアトロフォルマッジ」、生ハム系「プロシュート」。そして、一連の「野菜ピザ」が興味深い。
「れんこん」「野沢菜」「ルッコラ」「しいたけ」「ふきのとう」「たけのこ」。おまけに「魚介ピザ」に「明太子」「からすみ」まである(ちなみにカラスミは¥5,800なり)。

ぐるんぐるん悩んで、やっと決めたのは「野沢菜」と「ふきのとう」の組み合わせ。
丸めてあった生地を取り出し、あっと云う間に円盤状にして縁を整え、刻んだふきのとうや野沢菜を載せ、そんなにのっけてくれるの?ぐらいにモッツァレラをチギッテは投げチギッテは投げして、
enbocat11.jpgenbocat12.jpgenbocat18.jpg釜に挿し入れ、待つこと数十秒。
釜に向かう背中の表情(?)で、あ、軽井沢にいたご主人とやっぱりおんなじヒトだと判る。

enbocat14.jpg
ミミのぽってりふっくらした円盤が届きました。
ヤッベー、スゲー、超ウマソー(大喝采)。
enbocat15.jpg慌てて、でも一応ふーふーして、喰らいつきます。
野沢菜の酸味を含んだような風味とシャキとした食感が、ピザの生地とチーズのまったりに不思議とよく合う。胡麻のソースがいい挿し味になってます。
春の訪れの代名詞のひとつ、ふきのとうはその苦みがなんだかオトナのお味。こちらはアンチョビが補う塩ッ気がいい塩梅だ。うん、うまひ♪


がつがつっと一気喰いしたら、シメはやっぱりデザートですね。

デザートは、勿論、ピザ(笑)。
6月までは「いちご」がメインとなってます。

これがね、もうね、堪らないおいしさ。enbocat16.jpg弾ける苺の香りと甘さを練乳のようなコクが支えていて、それを生地の香ばしさで包んだ感じ。
この瞬間の醍醐味は、見定めて見定めて焼き立てを供してくれるから味わえるモノなんだね。いやはや、もう、なんつーか。いい。うまい。大満足。


余韻に浸っていたら、目の前の厨房の中へと突入していく女性がいる。
ん?関係者?ん?どこかでみたことあるゾ。
シャキシャキはきはきした娘さんに、だよね?と確認するとやはりそのようで、女優の木内みどりさんそのひとでありました。常連さんなのでしょうね。


まだまだ、気になるあたりが盛り沢山。
そして東京進出に感謝の「エンボカ」(ちなみに軽井沢も別のスタッフで継続中とのこと)。
またお邪魔せねばなりませんて!

口関連記事:釜焼ピザ「enboaca」 で想定外の満足ピザ口から口へああ旨い(05年07月)


「enboca」東京 渋谷区元代々木16-16 03-5452-1699

column/02567

口おきなわすば 「首里製麺」

shuriseimen.jpg代田橋の駅から甲州街道を越えたところに和泉明店街という小さな商店街の入口を示すアーチがある。「ハイタイ!沖縄タウンへようこそ!」と横断幕が張られていて、入っていくと「沖縄焼きそば」と染め抜いた幟を掲げたお店もある。そして、さらに進んだ左手にあるのが目指す「首里製麺」です。琉球瓦をあしらって、どこか潮に褪せた風情の外観は、この沖縄タウンの中核店舗ともいえそうな存在感があります。泡盛・古酒の並んだカウンターで、一番人気と書かれた「ソーキすば」をお願いしました。もずくや石垣のマーミヤを思わすフリット的かまぼこ、そしてソーキがトッピング。啜るスープは、実にあっさり。かつて石垣で食べた「来夏世」(こちらは八重山そば)のしみじみしつつコク豊かなスープを想定しちゃったものだから少々肩すかしではあるけど、うんまぁ悪くない。お約束の平打ち麺は、沖縄そばにありがちなボソボソ麺ではなくて、ツルンとした食感だ。噛めば柔らかく崩れるソーキ。とことん煮込んで脂を抜いた様子のソーキは、うらはらに旨味も煮出しちゃったようにも思えるのだけれどどうだろう。店長おすすめの「長寿三代大すば」には、ラフテーやゆしどうふが載っているらしい。壁の貼り紙に「幻の木灰すば」の文字が見えた。つまりはかんすいを使わず、元来の製法の木灰を使ったそばだということだね。土日昼夜各10食の限定すば。かんすいと木灰で、違うのか違わないのか食べ比べてみたいな。店内のある自己紹介文には、沖縄を食べ歩いて見つけたおばぁの味を東京でも味わえるようにと、時間をかけて準備し、食材のほとんどを当地から取り寄せて供している、とある。確かに、なんちゃってな沖縄そばの店とは心意気が違っていて、沖縄大好き!が伝わります。

「首里製麺」 杉並区和泉1-3-6 03-3321-4528

column/02364

口白河・手打中華そば 「一番・胤暢番」

ichiban.jpgこちらのお店ほど、間の合わないお店はなかったのであります。臨時休業にブチ当たること2回に、早々の麺切れ仕舞いが数度。この日、やっとそのカウンターに腰を降ろすことができました。品書きを眺めていると、動きのゆったりしたご老人モードがどこか可愛らしい親方に「決まった?」と訊かれます。無駄に梅が丘に降り立ったことを思い出して、ここは一丁全部盛りにしてしまおうと「焼豚わんたん麺」に「味玉」「のり」、と告げました。再びゆっくりしたモーションでわんたんをテボに入れ、麺を解し、スープを注ぐ親方。そしてカウンター越しに、す~っとどんぶりを渡されました。炭焼きしているという焼豚を掻き分けて、まずスープをひと口。おー、ゴルフで行った白河でいただいた中華そばを想い起す。あっさりしているようで、意外にコクがあり、油も結構強い。そんなスープがよく馴染む手打ちの縮れ麺は、白河「とら食堂」直伝だという。食べ始めのクニンとした噛み応えがなによりの醍醐味だ。ちゅるんと啜れば火傷しそうなわんたん。味玉は綺麗な半熟の黄身をみせる仕立て。香ばしい焼豚の盛りもたっぷり。う~、満腹だ。駅側の入口では、黙々と麺打ちの作業中。なにもそんな場所でやらんでも、とも思うけど、手打ち麺のお店としてのいいデモンストレーションになっているンだね。

「一番・胤暢番」 世田谷区梅丘1-32-8 03-3426-2389

column/02312

口手打拉麺 「季織亭」

kioritei.jpgどうもこのお店に関しては実に間が悪くて、不定期の休業にぶち当たること3度。そして何故かどちらも雨降りの夜。4度目の正直となったこの日も経堂すずらん通りには冷たい雨が降っていました。ホッ、やってるやってる。営業を確認してから足を運んだので当たり前だけど、過去の落胆が脳裏を過ぎって、灯りの点るファサードを見るだけで安堵してしまうのです。意外にも先客はなし。テーブルの隅に腰掛けて品書きを眺めます。ちょっと身体も冷えたしとつけ麺を視野から外し、素直にメニュー筆頭の「特選季織拉麺 醤油」をお願いすることとします。いつものようにスープをひと口。おりょりょ。今までに味わったことのないあっさり加減に愕きつつ、ふた口めを啜ると、おほぉ、ニクイほどに複雑で奥行きのあるスープの滋味がひたひたと伝わってくるじゃんか。麺はというと、全体に透明感を伴い、如何にも手打ちから繰り出されそうな噛み応えと口元の滑り心地が、いい。粉の風味をしっかり残したパスタのようなこの麺と贅沢に出汁をひいた甘汁のようなスープの和風な組み合わせにふと、蕎麦饂飩を想起させる吉祥寺「一二三」を思い出した。ふくよかなのにくどさがない、優しい味わいにすっかり完食完飲です。こうしてみると「特選つけ麺」以下、「九条ねぎ拉麺」や限定の「香辣油つけ麺」「軍鶏拉麺」、それってほとんど蕎麦じゃんの「麦そば鴨汁つけ麺」などを端から食べてみたくなるな。冬の「ゆず醤油拉麺」、夏の「冷やし麺」も気になる。困った。

「季織亭」 世田谷区経堂2-5-14 03-5477-2029 http://blog.goo.ne.jp/kioritei/

column/02187

口とんこつらぁ麺 「CHABUTON」

chabuton.jpg梅ヶ丘のあの店、経堂のあの店、そして下北沢のある店と見事に3軒ものラーメン屋にフラレて、今更乍ら電話してから行きゃよかったじゃんと後悔しつつ途方に暮れてシモキタを歩いていたら、“森住康二”という文字を見つけました。「ちゃぶ屋」の森住康二がプロデュースする店。ちゃぶ屋のとんこつ、で「CHABUTON」というワケだね。護国寺を閉め、原宿「MIST」に注力しているのかとばかり思っていた森住氏は、こういう仕事もしていたのですね。七分の入りの店内。やや辛口と記された「カラカララーメン」を「ゆでたまご」付きでお願いしました。繊細でありつつ多層的に旨味を含んだスープ、という印象の醤油ラーメンを繰る森住氏がとんこつにどう回答を出したか楽しみであります。ズズっ。ん?う~む。とんこつの臭みとは勿論無縁のあっさりしたテイストは醤油でのイメージに重なるけれど、意外や結構平板でないかいのぉ。もうひとくち、ズズっ。じっくり味わってみると、スープに溶けたエキスの襞がすすっと通り過ぎていく。でも、旨い!ってのとはどこか違う、ふーむ、という感じ。そんな難解なところまで計算されて仕立て維持されたスープなのかどうか、なんとなく疑問ではあるなぁ。麺はアルデンテに茹で上がった細麺。辛味を少々含んだ肉味噌を溶くと、スープの輪郭が浮き上がってくる。あくまですすっと辛味を添える程度にしてあるところも、森住氏のディレクションによるところなのでしょうね。再びちょっと複雑な気分になったのは、こちら「CHABUTON」がらーめん「花月」と同じグロービート・ジャパンの展開だと知った瞬間でありました。

「CHABUTON」 世田谷区北沢2-10-10 03-5454-1559 http://www.chabuton.com/

column/02170

口豚清湯系貝汁そば 「不如帰」 hototogisu

hototogisu.jpgはまぐり出汁で名を馳せた感のある「不如帰」に寄ってみる。六号通りを進んで、目印(?)のラーメン店から脇の細い路地を覗くと、数人の人影がみつかりました。開店10分前にして8人待ちです。「豚清湯系貝汁そば」と書かれたA看板が出されている。壁に貼られたメニューを見ると、ありゃ、「はまぐりめし」と書かれたであったであろう部分がマジックで消されている。「はまぐりめし」はやめちゃったか、対応し切れないのかもなぁと思いながらさらにその下を見ると、「秋冬限定土曜日曜昼のみ限定十食」、そして「牡蠣そば(味噌)」とある。おりょりょ。う~む。「しょうゆの味玉そば」と「はまぐりめし」と決めていたのに、「はまぐりそば」はないわ、「牡蠣そば」があるわで、困っちゃうじゃんかぁー(笑)。“はまぐりスープや如何に”で立ち寄っているのではあるが、そこまで云うかの限定具合を簡単に袖にできない弱さと、はまぐりスープと牡蠣の滋味がコラボしてたりしたら、それはそれできっと魅力的だよね、ってことで券売機の「限定」ボタンを押すのでした。厨房をみると、カウンター寄りの寸胴に並んで、もうひとつの鍋で湯煎されてる容器がある。あれが、はまぐりスープだな。「気をつけてお持ちください」。ドンブリが渡されました。早速スープをひと口。ん? すっきりしながら滋味あるスープで美味しい。でもはまぐりの風味は探るように探るようにしないと見つからない感じ。そうか、そうだよな。悲しいかな味噌の風味の方が断然強いンだ。牡蠣の身も上品に小ぶりで、2種の貝をフックにしたクロスオーバーは期待した姿ではなかった。いや、旨いんだけど、気分はちょっと複雑ってやつ。スープをしっかり纏わせながらソリッドな食感を残す麺もいいし、サイドオーダーした「肉めし」のチャーシューもさらっと融ける品のいい脂の魅力をみせているし。例によって残したご飯をドンブリに入れて、底までの完食しちゃったし。当初目的を果しに、つまりは「しょうゆの味玉そば」を食べにまた来なくっちゃ。

「不如帰」 渋谷区幡ヶ谷2-47-12 03-3373-4508

column/02150

口しなそば 「嚆矢」 koshi

koshi.jpgそうそう下車する機会のない井の頭線・駒場東大前駅。南へとトロトロと坂道を進むと、道の右手に「しなそば 嚆矢」と記された立て板が見付かります。正午過ぎで空席3席。いい具合の混み加減です(笑)。どっしりとした図体の店主が、忙しなく立ち動いている。身体はデカイけれど、眼鏡の奥の眼の表情は拍子抜けするほど柔和なんだね。「わんたんめん」に「煮込み玉子」「のり」「ひきにく」のトッピングをお願いしました。湯切りの時の店主の所作がまた可愛い。膝を揃えて、軽く曲げながらリズムを取るように湯切りするんだ。そして、「お好みでこの辛味をどうぞ」「のりは別皿にしますか?」。ドンブリの提供まで少々時間がかかるけど、ひとりひとりに丁寧な応対をしてくれるので、なんだかゆったりと和やかな心持ちにさせてくれるのです。スープは、ほど良く澄んだ、一見なんの変哲もない醤油スープ。ところが、スープを啜るや否や、じわじわんと幾重にも亘る旨味がすっきりと広がってくるのですよー。煮干しも利いてる感じ。香り高いわんたんの具。サクサクとして、スープをよく纏う麺もいい。そぼろ状のひきくにくからはまた別の種類の旨味と辛味が滲んできてる。奇を衒うことなく、美味い一杯だ。「はるばるてい」に惚れ込んで弟子入りした先の独立と知り、妙に納得してしまいました。隣の女子学生が啜っていた、冷たい「爽麺」も気になります。

「嚆矢」 目黒区駒場2-4-6  03-3485-4538

column/01891

口九州らあめん「いち」で いちらあめんとお疲れのおばちゃん

ichi.jpg甲州街道から芦花公園駅方向へと分け入ると途端に静かな街並みになる。
駅前周辺も寂しいくらいに静かだ。
そんな通りの一角にあるのが「いち」です。
アルミのガラス戸をガラガラっと開けてカウンターがL字に巡る店内へ。
「………」。
「いらっしゃい!」ではないらしい…。
ぽつんとひとつ空いていた丸椅子へ収まってみます。

おばちゃんはせっせせっせと厨房の中を動き回っている。ん~、せわしそうだ。
「お願いしま~す」。やっとコッチを見てくれました。


「いちらあめん、にねぎ、たまご、のりでお願いします」。
すると「あ~、ねぎ終わっちゃったのよ~」とおばちゃん。
「あ、じゃ、いいです」。
なきゃ仕方ないもんねと思いながらふと厨房の真中に目をやると…、あるじゃん、ねぎ。
しかも長ねぎと万能ねぎがオソロイで。
つまり、切ったねぎ、はないってこと?ううむ。ま、いっか。


お湯を回して温めたドンブリに白い粉をいれ、柄杓でスープを注ぐ。
麺揚げに麺を解して入れてしばらく…、って、え、ほんの10秒にも満たないうちに湯切りしているぞ。
いくら細麺とはいえ、所謂”粉おとし”とか”はりがね”的湯掻きなんじゃないかとぼんやり考えているところへドンブリが届きました。
あれ?のり、入ってない。うう、ま、いっか。

どうやらおばちゃん、今日一日目の回るような忙しさだったらしい。
チョー地元密着のお店らしく、来る客来る客が色んな世間話をしてきてそんな応対だけでも大変らしい。
客としてやってきた近所のオバチャンは、「手伝ってあげるわよ、洗い物しかできないけど」と云って厨房に入り込んで早速ドンブリなんかを洗い始めたりしている。みんな常連さんなんだね~。


で、肝心のらあめん。
一見濃厚に思えますが、ほどよくサラリとしていてかつコクは充分。ichi01.jpg博多中洲は春吉橋のたもとの屋台で食べたような、ちょっと油断すると脂の膜が厚く張るようなことはないです。
短い湯掻きの麺もいい具合の固さ。

おばちゃん旨いじゃんということで、替玉をお願いする。
が、しばらく別のことをしているおばちゃん。
あれ?忘れてる?あ、気がついた気がついた。良かった~(笑)。
お疲れなんですね。ほどほどに頑張ってくださいね。


「いち」 世田谷区南烏山3-24-7 [閉店]

column/01862

口らーめん 「三歩」

sanpo.jpg南武線を利用する機会が何度かあって、初めて「稲城長沼」なる駅に途中下車してみました。目指すは、川崎街道沿いにある「三歩」さんです。立派に場末感漂う駅周辺から店舗疎らな街道へ。水中観光船のような丸い窓とその朱色の壁に提げられた「名古屋コーチン」「自家製麺」「無卵麺」「天然和風だし」などと記した札が印象的なファサードを見せています。カウンター左隅へ。しょうゆにしおにつけ麺、そしてあぶら麺(あぶらそば)に魚濃出汁(こいだし)などバラエティに富んで、しかもそれぞれにやる気と自信に満ちたメニューだと感じさせるラインアップだ。きょろきょろと視線を彷徨わせて迷う。季節限定「和風秋刀魚らーめん」なんてぇのもあるぞ。う~んと。今日のところはスタンダード気味の「しお味 海老入りわんたん麺」の細麺にしてみます。歪みで変化をつけた焼き物のどんぶりには、トロリと白濁したスープに、白きくらげ、煮玉子、これまたトロリとしたちゃーしゅーなどが浮かんでいます。スープは見た目以上に脂が強くしゃきっとした細麺に絡んでくる。塩気は抑えめで旨味がドンと襲うタイプではなく、どちらかと云うとじわじわっと味わう。他に同じものを想起できない独特さが微妙だ。ところが後半になってすっかりしんどくなってきた。調子こいて頼んでしまっていた「ちゃーしゅー丼」完食までは至れそうもない。いよいよ脂を消化する機能にはっきりとした衰えがみえる。うう。例えば家系が苦手になってしまったのも、家系のラーメンが悪い訳ではなくて、やっぱりコチラのコンディションの問題なんだよね。

「三歩」 稲城市大丸640-12 042-378-0661

column/01651

口土佐郷土料理「はちきん」で ミンククジラ刺トロ馬刺初ガツオ

hachikin.jpg祖師ヶ谷大蔵の駅から南へ伸びる商店街の一角にある土佐郷土料理の店「はちきん」に寄る。
「はちきん」とは、土佐男児を表す「いごっそう」と対比して云われることの多い、豪快で肝っ玉が太く声の大きい活発な女性を云うそう。
男まさりの女将さんにあしらわれでもしたらどうしようかと思うも、店内にそれらしい女性の姿はなく、骨太な感じの大将が迎えてくれました。

まずは復興著しいホッピーの黒で。
コリでもシコでもクニュでもない独特の食感の「ミンククジラの刺身」に、網目状にサシの入った「トロ馬刺し」は大蒜と生姜で。
そして「初ガツオ」。
やっぱり脂ののった戻りの方が旨いけれど、これはこれ、さっぱりとしたその身が身上です。
ふと、一度切りの高知訪問を思い出して、再び高知・土佐で地物の魚介に接する機会があらんことも願う、そんな夜でありました。


「はちきん」 世田谷区砧8-8-26 大黒ビル1F [Map] 03-3749-3006

column/01455

口担々麺「天手毬」で 太肉担々麺はしごと同じ一杯の印象

tentemari.jpg当てが外れまくって下北沢で途方に暮れる。
と、脇道に"担々麺"と赤い看板を見つけました。
店のファサードにはでかでかと「担々麺がすき!!」とあり、「どっちの料理ショー出演」とも書いている。
へー、と思いつつ券売機の前に立ちました。

メニュー構成は、「はしご」とほとんど一緒。
「太肉担々麺」のボタンを押しました。

れんげでスープを掻き回してから啜ってみる。tentemari01.jpgそして細麺も啜る。
ん~、お味も「はしご」っぽい。

これで柚子が利かせてあったらまるで「はしご」だなぁと思っていたら、
後半になって柚子が香ってきた。
ありゃ~、一緒じゃん。
どんな経緯があるやなしやも分かりませんが、ほんと同じ一杯という印象です。


「天手毬」下北沢店 世田谷区北沢2-12-7 [Map] 03-3418-6772

column/01431


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