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2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口Bar「Tony's Bar」で 酩酊の帳に訊く埼玉モルトIchiro's Malt

tonysbar.jpgずっとずっと気になっていたバーの一軒、
「Tony's Bar」。
銀座界隈に古くから続く止まり木に、お邪魔する機会はないものかと、頭の隅っこにひっかかっていたのです。
かつて十仁病院があった外堀通りの角からアマンドを折れてその裏手に回り込み、確かこの辺りだったはず、
ときょろきょろ。
そうして、やや暗がりに浮かぶ「Tony's Bar」の看板を見つけます。
どなたのデザインか、往時を忍ばせるような味のある、いいロゴ・タイプだ。


tonysbar01.jpg
地下への階段を下りると、板張りに円い窓の覗く、船室の扉のようなドアが迎えます。
ドアを引き開けるとすぐに、ずらっと並んだ酒瓶の壁。
その壁はそのまま左にずっと続いていて、その手前で曲線を描くカウンターに沿って奥へと。
一番奥の止まり木に収まって、林立するボトルを眺める。tonysbar02.jpgどこか雑然として、ほんの少し濃い空気が滓のように澱んでいる感じが不思議な心地良さ。


目の前に「BRUICHLADDICH」を見つけて、そのボトルを手に取る。
やや若いバーテンダーが、確か、その10年とClassic との呑み口の違いが面白い、というようなことを説明してくれたと思う。tonysbar03.jpgアイラでありながらピートが控えめなのが「ブルイックラディ」の特徴で、なんて話を訊いて、あ、そうか、先日池袋「もるとや」で舐めたのも「ブルイックラディ」だったと、やっとこさ思い出す(笑)。
穏やかなピートであっても、ククっと甘く骨太なボディが顔を出す。
そんな感じ。


お次はなににしようかな、とふたたびボトルの林から引き上げた一本が「カリラCAOL ILA」。
ラベルには、「CONNOISSEUR CHOICE」とあるボトラーズの1972。tonysbar04.jpgかつてそれなりに含んでいたピートの棘が今は円く角の取れている、そんな感じ。


きっと酩酊の帳が降り始めた表情で(笑)、もう一杯なんかないかなぁという顔をしていたら、「これなんかいかがでしょう」と差し出してくれたボトルのラベルには「Ichiro's Malt」と書いてある。tonysbar05.jpgへー、かのイチローはそんなオリジナルボトルを出すほどのモルトラヴァーだとは知らなんだ!と思ってしまった酔っ払い。
「イチローはイチローでも、肥土伊知郎、なんです」。
我が意を得たりと、秘かにほくそ笑むバーテンダーに口惜しいけれど、へ?という反応をしてしまう。
あー、そう云えば、どこかでカードを描いたラベルのボトルを舐めたことがあったような気もする。
それがどこだったかは、まったく思い出せそうもないけれど(笑)。


この「Ichiro's Malt」は、その肥土氏が埼玉・羽生にあった蒸溜所のモルトをベースにブレンドしたものだという。
ラベルの「MWR」は、"ミズナラ・ウッド・リザーブ"を表すもので、ミズナラの樽を熟成に使ったことを示してる。
そして氏が興した「ベンチャー・ウイスキー」は、秩父に蒸溜所を設け、08年になってウイスキーの製造許可が降り、稼動を開始したらしい。
秩父でウイスキーが作られているなんて知らなかったなぁー。


「Tony's Bar」のコースターが創業を示す、1952。tonysbar06.jpg往時、バーテンダー松下安東仁(トニー)さんの店として、名を馳せていたという。
主人を亡くしたカウンターを今は、かなりお歳を召された姉ベッティさんと若いバーテンダーとで守っている。
叶わないことなれどやっぱり、トニーさんのいる「Tony's Bar」の空気にも触れたかったと思います。


口関連記事:SHOT BAR「もるとや」で カウンター眺めBRUICHLADDICH(09年09月)


「Tony's Bar」 港区新橋1-4-3 芝ビルB1F [Map] 03-3571-0990

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口現代青森料理とワインの店「Bois Vert」で 青森食材めくるめく

boisvert2.jpg未踏の地青森であるのに、なぜだか距離が近づいている気がするのは、そう、takapuのお陰。
小舟町「La Fenice」での青森食材によるめくるめく宴も印象的だった。
そしてまた今回、お招きいただいた会場は、青森料理のお店として何度かランチをいただいたことのある、
西新橋の「ボワ・ヴェール」。
メインテーマは、"お肉"ふたたび。
さてさて、どんなガッツリ&めくるめく、でありましょうか。

boisvert2_01.jpg
最初お皿には、小径のカクテルグラスのアペリティフ。
緋色の滴は、「おいらせ町『神ツ実』のリキュール」で、過日小舟町の回で見知った「ガマヅミ」という青森の個性の一端を表す木の実のリキュール。
酸味の強さを上手に軽やかな呑み口に仕立てた「神ツ実酒」だ。


そのグラスの足下には、
「今別町産猪のリエット」と「小川原湖産鯉のリエット」がカナッペになって並んでる。boisvert2_02.jpg鯉のリエットは、云われてみれば鯉かも~という難解さがあるけど、それは鯉に妙な臭みなんかないから。
猪の方はジビエっぽさが真っ直ぐの旨味と繋がっていて、いい。


二皿目に届いたのが、
称して「五戸町産馬肉の『け』のタルタルと岩木山ねまがりたけ 八甲田山に見立てて」。
boisvert2_03.jpgboisvert2_04.jpg
たっぷりと円状に盛ったアボカドのベースに賽の目に刻んだ野菜やらなにやらが賑やかにトッピングされている。

黄色いのは玉子?緑色は胡瓜?などと宝探し(笑)。
人参、凍み豆腐、玉子、茄子、ピーマン、胡瓜...。
鮮やかな紅が馬肉の赤身で、白くてクニュっとするのが馬のタテガミだ。boisvert2_05.jpgここで云う『け』とは、「けの汁」の『け』。
幾多の野菜根菜を賽の目に刻んだ素朴な汁。
そうか、青森を代表する郷土料理のひとつ「けの汁」すら食べたことないンだもんな。
モチーフを知ってると、目の前の料理の意図がもっと判るのだろうなぁ。

廻りにあしらってあるのは、炙ったアスパラ?と思ってカジると強くて噛み切れない。
「ねまがりたけ」という筍で、通常は白くてもうちょっと若いやつを食べるらしい。


三品目が、「おいらせ町銀の鴨とブルーチーズキッシュ、野辺地のこかぶのサラダを添えて」。しっとりしたチーズとその下に潜む鴨の取り合わせが、いい。
そして、付け合わせの蕪にかかっていたバーニャカウダソースがまた旨い。
田子の大蒜とあすなろ卵(例の薄緑色の殻のヤツ)を使ったソースだそうで、なんか「二郎」好きにも応えられそう(笑)。


boisvert2_07.jpg
四品目が、その田子の大蒜を使った汁かけスタイルのパスタ、「田子町産にんにくのペペロンチーノ、奥入瀬ガーリックポークのスペアリブと東北町産長芋のとろろをかけて黒石町のスタイルで」。boisvert2_08.jpg黒石町スタイルと称するのは、黒石の「つゆ焼きそば」をモチーフにしているからで、こちらはペペロンチーノのスープ仕立て。
ニンニクがしっかり利いている汁ペペロンチーノへトッピングされているのが、これまたニンニクの効能を活かして飼育したという奥入瀬ガーリックポークの、云わば唐揚げ。
豚を噛み、麺を啜りを繰り返して、あっという間に平らげてしまいます。


5品目にと「大鰐町産『青森シャモロック』のコンソメとその胸肉のエヴァンタイユ 大鰐町産あすなろ卵のロイヤルスタイル 弘前梅の香り」。
青森で鶏といえばシャモロック。
そのシャモロックのコンソメでゆっくり炊いたシャモロックの胸肉は、噛むほどにじっと目を閉じたくなる(笑)、そんな柔らかな滋味。
boisvert2_09.jpgboisvert2_10.jpg
あれ?お米?と思わすソースは、中里産「幸の米」をコンソメで伸ばしたというおもゆソースだ。
ココット皿には茶碗蒸し。
これまたコンソメ仕立てなのだけど、そこにほんのり梅が香るのが面白い。


boisvert2_11.jpg
ワインはね、「下北ワイン」の白と赤を行ったり来たり(笑)。


さてさて、6品目の「十和田市産ダチョウと七戸町産短角牛のトゥルヌド、フォアグラとトリュフでロッシーニをリスペクト」。
boisvert2_12.jpg
角皿にふた切れのステーキ。
ともにフォアグラとトリュフを頂いて同じものかと思いきや、右手がダチョウのもも肉のステーキで左手が短角牛の赤身のステーキ。
boisvert2_14.jpgboisvert2_13.jpg
ジビエな駝鳥の滋味がフォアグラのコクとトリュフソースの薫りと相俟って、いいなぁと思いながら左側にナイフを入れるとこれまたなんともソソる赤い断面。
トゥルヌドというのは、上等なフィレを云う、といことでいいのかな。
こんな贅沢でズルい取り合わせを創ったという美食家ロッシーニに一緒に敬礼いたしましょ(笑)。


いい加減お腹も膨れてきちゃったところで、デザートにと「ガトーショコラクラシック(あすなろ卵)弘前の干し柿をアクセントに東北町産黒にんにくのアイスクリームを添えて」。

boisvert2_15.jpg
アイスにニンニクかいな?と思いつつ、おそる恐る口に溶かすと、バニラの風味に黒にんにくのドライフルーツのような食感がアクセントを添えていて、面白い。
黒にんにくは、熟成によってすっかり、別物になってるンだね。
お店の定番メニューらしいけど、これは、カップアイスにして新富町や飯田橋の青森ショップで売ってもいいかもね。


boisvert2_16.jpgやっぱり、ガッツリ&めくるめく。
練りに練ったお皿たちを考案し、供してくれたのが「ボワ・ヴェール」の川口シェフ
青森食材への造詣が直裁に窺えて、なんとも頼もしい。
満腹、そして大満足のひと時でありました。
青森のひと達、お店スタッフご一同、同席の皆さん、ありがとう。


そうそう、土産にいただいた、青森では定番だという焼肉・野菜料理用「スタミナ源たれ」boisvert2_17.jpgもスグレもの。
うん、海のもの、山のものばかりでなく、肉にも、そしてそれ以外にもあれこれやってくれそうな食材が踊る青森に、いよいよもって行かなくちゃ、だ。


口関連記事:
  現代青森料理とワインの店「Bois Vert」で 青森魚介ラグースパ(08年07月)
  Cucina Italiana「La Fenice」で 青森食材の宴いざいざ青森(08年09月)


「Bois Vert」 港区西新橋1-13-4 B1 [Map] 03-5157-5800 
http://www.bois-vert.jp/

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口とんかつ「まるや」で ヒレかつ1.5野菜コンビ衣さくぅぅうと天空切り

maruya-karasu.jpgヒロキエさんの記事でもお馴染みの、
「まるや」新橋烏森口店。
アイデアが浮かばない時の夕ご飯候補の筆頭として、
すっかりお世話になってます。
すっきりシンプルに纏めた店内は、右手に「豚花楽林」の額maruya-karasu06.jpgを横目に壁に向かうカウンターがあり、左寄りにテーブル席、そして奥の厨房前のカウンターというレイアウト。
真っ直ぐ進んで油鍋前に陣取るのもありかもしれません。

「まるや」は、ロースもいいけど、ヒレもいい。
ガッツリいっちゃいたい時でも迷わせるお品書きmaruya-karasu01.jpgで、限定2タイトルの「厚切りロースかつ定食」もあれば、「限定わらじヒレかつ定食」もある。
そして今夜は、「ヒレかつ1.5倍定食」でガッツリ(笑)。


ドンドンドンと、まさにカツ5割り増しな光景のお皿がやってきます。
maruya-karasu02.jpgmaruya-karasu05.jpgmaruya-karasu03.jpg
コンガリしっかり目に揚がった衣のパン粉はやや大きめ。
さくぅぅう、という歯触りの直後に追い駆けるヒレ肉の軋み。maruya-karasu04.jpgその軋みからは、ロースの脂の甘さとはまた違う、肉齧りの醍醐味の一端が楽しめるのであります。
勿論、決してパサついたりはしない。


そして「まるや」の秘かなトピックが、符丁"コンビ"。
「野菜コンビかつ定食」は、その名の通り野菜のカツたちがタッグを組んでやってくる盛り合わせ。
maruya-karasu07.jpg
ある夜の野菜は例えば、オクラ、茄子、椎茸、人参。
そして、小海老を包んだカツよりもさらに余所では見掛けることのないのが、カリフラワーのカツ。
maruya-karasu08.jpgmaruya-karasu09.jpg
魚の擂り身に玉子多目の衣を滲み込ませるようにした工夫と意外性がニクいのだ。


maruya-karasu10.jpg油鍋前に陣取ることの価値は、駅前ビルでもその真摯な姿勢が印象的だった店主の油切りアクション、謂わば「天空切り」が見れるから。
揚げ網と一緒に空へ向けて掲げた両手をひと呼吸。
それは、カツが軽やかになるように、念じるかのように祈るかのように。
あの衣の、さくぅぅう、はこの所作が生んでいるのかもしれないね。


今日も「人生カツを喰て勝つ!」の幟を翻らせて、
元気のあるヒトもないヒトも力強く誘うとんかつ「まるや」。maruya-karasu11.jpg今や烏森口のパワースポットのよう、であります(笑)。


口関連記事:とんかつ「まるや」 で限定厚切りロースかつ官能に訴える(08年02月)


「まるや」新橋烏森口店 港区新橋3-22-2 つるやTKビル1F [Map] 03-3433-6129

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口らぁめん「丸」で とろーんと粘度汁つけ麺ドボと浸してズズと啜る

ramen-maru.jpg第一京浜から慶大側にちょっと入って、覗き込む路地。
右手の灯り辺りに、らぁめんの幟らしきものが揺れている。
ひょいっと足先を向けて、ライトアップされた看板を見上げれば、「らぁめん丸」とある。
店頭のA看板ramen-maru05.jpgには、「dancyu」の表紙記事と一緒に「つけ麺」の表記。
つけ麺のお店、でもあるようです。

早速券売機に向き合って、あれこれトッピングの「得つけめん」を選んでみました。
A看板にもあったように、麺の量は半ライス付の「小」150gか、250gの「中」、もしくは、100円追加しての「大」350gが選べるそう。
オンナノコポーションでは物足りないだろうなぁと、必然的に「中で」としておきます。


ゆったりドンブリにこんもりと盛られた麺に、
どうだとばかりの本数のシナチクに海苔、チャーシュー、煮玉子。ramen-maru02.jpg

追っかけ届けてくれたつけ汁の中央には、魚粉の小島が浮かんでる。
ほうほう、その路線ですかぁとドンブリから麺をひっ掴んで、ドボと浸して、ズズと啜る。
ramen-maru03.jpgramen-maru04.jpg
ところが意外だったのは、そのつけ汁の粘度。
野菜やらなにやらのペーストを加えているのかな的な妙にはっきりしたとろみがスープと溶け合うことで甘みを醸している。そこへ、魚介のエッセンスが横串を刺す感じ。
そのつけ汁が、手打ち風の芯の強い麺にとろーんと載って絡んで、してくる。
おほ、なかなかに食べ応えあり。
麺でつけ汁をすっかり浚ってしまって、お代わりを所望して、さらに啜る。
エ?口の周りにそんなに、とろ汁ついてますか(笑)。


じゃあラーメンはどうよと、再び同じ路地。
その夜は、3人ほどの空席待ちだ。

券売機の「得辛みそ」のボタンをポチとします。
こちららもつけ麺と同じく、とろっとろのスープ!ってことでは勿論なくって(笑)、辛味そこそこ、味噌濃度そこそこのスープ。ramen-maru06.jpg

バランスが上手にとれていて決して悪くはないのだけれど、どうしてもつけ麺のインパクトと対比するとやや平凡な印象を抱かせてしまう。
ramen-maru07.jpgramen-maru08.jpgramen-maru09.jpg
しかも「ど・みそ」とも対比してしまって、味噌ダレもスープもそして麺も及ばないかも~という感想になっちゃった。
いやいや、美味しいのだけれどネ、あくまでも。


とろーんとつけ汁が印象的ならぁめん「丸」は、カウンターに7席。ramen-maru10.jpgふと思い出したように食べたくなるよな、そんな予感がいたします。


口関連記事:らーめん「ど・みそ」で 手書きチケットでオロチョンすーぷの輪郭(08年09月)


「丸」 港区芝5-30-5 岩永ビル1F [Map] 03-3454-0434

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口小料理「都川」で 懐かしさの会話と釣り鮎塩焼き鹿の背ロース

togawa.jpg新橋での思いがけない出会いから暫く。
たまたま訪れた雑居ビル二階のお店の女将さんが、
勤め先草創期の関係者だったという「都川」。
昔を懐かしむように話すその時の会話の中にも頻繁に名前の出ていた、往時のキャストをお連れすることになりました。
階段を登り引き戸を開けると早速、「ひぃえ~、Aさん?」「あれぇー、I さん?」とあらかじめ知らせてはいたものの、驚くような懐かしいようなそれでいてちょっと恥ずかしいような女将さんのリアクションが愉しい。


手作りな新装なったカウンターに並んで座り、まずビール。
話題の主と乾杯したものの、その女将さんが当時の誰だったのか、訪れた方の頭の中にかつての映像がすぐに描けないご様子。なにせ30年以上も昔の話なので(笑)。
togawa01.jpg「タマちゃんと呼ばれていたのよー」と女将さんが云えば、「あー、タマちゃん!」と応えながらまだ判然としないのか、その頃に廻りにいたヒトたちのことを断片的に思い出しては膝を打って、パズルを繋げていく。
そんな会話が行き交うカウンターには、夏野菜がゴロゴロしています。


白黒揃ったホッピーの白をいただいて、
togawa03.jpgtogawa04.jpgtogawa05.jpg
肉厚な切り口から香り立つ鰹の叩き、凝縮した旨味をタレが引き出すさんまの甘露煮、鰹節たっぷりでいただく焼き茄子。


丹沢から持ち込む素材を使った代表的メニューが、「釣り鮎の塩焼き」。togawa06.jpg皮目の香ばしさは繊細で、その身はやや痩せているようでも、それが反って清流の恵みらしさを醸しているよう。


意表をつく酒肴がブルーベリー。togawa07.jpgデザートにはなってもツマミにはならんでしょうと云いながら一粒抓まんでグラスを傾けると、あら不思議。甘さを含む酸味と香気が焼酎にもすっと馴染んでアテになる。


そしてやっぱりここへ来たらと鹿肉料理。togawa08.jpg味噌ダレで焼いてくれた鹿の背ロースは、妙なクセなんて微塵もなく、でも澄んだ野生の風味が紛れもない魅力だ。


カウンター越しに続く会話は、同じところをぐるぐるしながら(笑)も、段々と往時のさまざまなことの輪郭を強めていく。横で聞いている方でもその頃の出来事の光景が脳裏に浮かんでくる。
聞けば聞くほど、いい時代だったのですね。


懐かしさを共有しながら、その後の紆余曲折にも触れて話してくれた「都川」の女将さんは、かつて築地仲買の帳場にもいたという。そして、「銀座にお店出すのが夢なのよね~、バカよね~」と笑う。togawa09.jpg銀座で小奇麗で気取ったお店になっちゃうくらいだったら、新橋の路地にずっといてくれた方がいいンだけどな。


口関連記事:おふくろの味「都川」 で肝焼白焼蒲焼鹿肉となんたる奇遇(08年05月)


「都川」 港区新橋4-15-3 2F 03-3437-1090

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口現代青森料理とワインの店「Bois Vert」で 青森魚介ラグースパ

boisvert.jpg西新橋交差点から虎ノ門方向へ二本目の筋。
歩道に立つ黒いスタンドサインには、
「現代青森料理」と赤い文字。
「Bois Vert」は、「ボワ ヴェール」と読んで、
仏語で”緑の森”。
そして、碧い森転じて”青森”。
そのまんま「青森」を意味する意図でつけた店名ということになるね。

青森の料理の、昔からそして今でも愛されている味を独自のスタイルでさらに親しみやすくアレンジ。素晴らしい青森の食材を知って欲しい、という。

青森と云えば、風土に根ざした素朴な魅力をイメージするけど、さてどんな展開で迎えてくれるのか、まずはひる時から覗いてみよぉかな。


地下への階段を降り、テーブルの間を抜け、正面のカウンターへ。
boisvert01.jpg厨房との間を隔てるパネルの前には、「津軽海峡」とか、吟醸粕取焼酎「稲本屋利右衛門」などなど青森県産の酒・焼酎がずらっと並べられていて、ちょっとした壮観だ。
“ワインの店”という趣とはちょっと違う気もするけど、まったくもって文句なし(笑)。


ランチメニューは、A~Eの5種類。
Aの「牛モツと天間アピオスのボローニャ風スパゲッティ」も気になりつつ、「青森の食材使ってます!っていったらどれになります?」と訊くと、即座のお応えがBの「青森魚介のラグー カレークリームスパゲッティ」。では、そのように。

まずすっと運ばれてきたのがカップのスープ。
「青森野菜の津軽味噌スープ」と紹介してくれる。
スパゲティに味噌汁、ときたかと思いながら啜ると、これがなかなかイケる。boisvert02.jpg味噌がいいのだなぁと、じっとスープの水面を見つめちゃったもの(笑)。


グリーンピースが彩り以上の量がのったスパゲティが届きました。boisvert03.jpgラグーにした魚介がなにかと尋ねると、平目に鯛、鱒だという。
boisvert04.jpgカレークリームと題しながらカレーの風味はほとんどなく、よくみるとソースに細かく刻まれた白身の断片が窺えて、食べるほどに煮込んだ柔らかなコクがひたひたと輪郭をつくってくる。
青森産ではないというグリーンピースのあしらいに鼻白みそうになるところをラグーが払拭。
奇抜さが先行するようなお皿たちではないようです。


それでもやっぱり、ランチだけで「ボワヴェール」が唱えるところの「現代青森料理」の本懐を識るのは無理がありそう。すると忽ち、夜に来なきゃということになるね(笑)。
青森の食材は、ワインにもぴたっと合うような仕立てにも活きるのだという提案がそこにありそうだけど、でもその前に、伝承料理のそのままを地のお酒でしみじみ呑りたいとも思っちゃう。


と、その青森に居を移して日夜、青森の、津軽の郷土料理に向き合っているtakapuが、
「津軽料理遺産」をリニューアル。一朝一夕には果せないプロジェクトと格闘しています。

素朴さの中にふんだんな魅力を含んだ伝承の料理たちは、ご飯とそのおかず・副菜であると当時にどうも小粋な酒肴にも見えてしまう(てへっ)。
呑めないtakapuだけど、津軽料理遺産とお酒との関わりについても、今度訊いてみよっと。


「Bois Vert」 港区西新橋1-13-4 B1 03-5157-5800  http://www.bois-vert.jp/

column/02646 @1,000

口魚の店「均一軒」で 佳品あじたたき囲む舞台たき川とーふ

kinikken.jpg暖簾越しに中を覗いては、オヤジたちの頭がぎっしりとカウンターを埋めている様子に、「やっぱり満席か~」と落胆すること幾度か。
魚の店「均一軒」。
席は、早いもん順。
予約は受けないし、同席者が先乗りしていても席の確保はできないという。
残り一席!の情報に、気を急くような早足で新橋の路地へと向かいます。

再び暖簾越しに店内を覗く。
と、丸椅子の座面が視線に捉えられました。あぁ、空いててよかった(笑)。

kinikken01.jpg麦酒を小瓶でいただいて、乾杯。
突き出しは、和布蕪。

まさに大将を囲うように配置したカウンター。その中央の真名板が「均一軒」の舞台だ。


奥の壁にした黒板から選ぶ「あじたたき」。
取り出した鰺の皮を矧ぎ、テンポのいい包丁運びでおろし刻み、二本差しの包丁の背でトトントンと叩く。途中で、八丁味噌らしき固まりや葱を加え、缶を振り、水っ気を添えてさらに叩く。
全体に艶がでてきたところで、包丁で整形する。kinikken02.jpgこれがね、あれ?なんで?って不思議に思うほど、旨い。
活きの良さを思わせながら、空気を含んだふんわりとした甘さにさえ及ぶ食べ口。
むほほ~。

こいつはイカンと、冷酒「賀茂鶴」。kinikken05.jpg
辛さが大人な谷中や「ぎんだらてりやき」にグラスが進んじゃう。
kinikken03.jpgkinikken04.jpg
カウンターの幕板に膝頭をぶっつけながら、口からグラスを迎えにいくポーズに、我ながらオヤジだなぁと思ったり(笑)。

「たき川とーふ」は、固めのお豆腐をすすっと心太器で押し出した、いわば変わり奴。kinikken06.jpg

「ばい貝酒むし」「きぬかつぎ」、刻んだ「茗荷」。
kinikken07.jpgkinikken08.jpgkinikken09.jpg
ひたひたと沁み入るようなお酒になってくるのです。


kinikken11.jpg「昼間、駕篭、出てますよね」と云うと、にやりとする大将。
そう、日中お店の前を通りかかると、河岸から魚を運ぶ役目を終えたらしき姫竹の市場かごが、干すように、そして、今日も仕入れしてきたことを示すかのように路地に面して掛けられているのが見つかるのです。


新橋の路地の臨場感、「均一軒」13席。
また、空席がありますようにとこの暖簾の隙間を覗いてしまいそう。kinikken10.jpg八時くらいが狙い目のようです。


「均一軒」 港区新橋2-8-2 03-3591-2928

column/02639

口おふくろの味「都川」 で肝焼白焼蒲焼鹿肉となんたる奇遇

togawa.jpg汐留のコンコースで開催されていたちょっとした展示会を覗いてから、烏森口より当て所なく新橋の路地へ。
小体な小料理屋をイメージしながら、
お店を求め散策します。
そのまま開発中の敷地に突き当たってしまい、踵を返して気になる看板の前に佇みました。
「おふくろの味 都川」とあって、「神奈川丹沢の味」とも書いてある。まるで当てずっぽうながら、二階への階段を辿ってみましょうか。

togawa01.jpg手造り感漲る木製看板を潜ればそこは、
雑然とした中に小さなL字のカウンターが置かれた店の中。
人懐っこい印象の女将さんが、「あら、いらっしゃい」的な気の置けない雰囲気で迎えてくれました。

とりあえず、もろきゅうとトマトの小皿で麦酒を。
「おかあさんがトガワさんなんです?」と訊くと、「いえいえ、あの、丹沢に拠点があって、川と都(みやこ)を結ぶというか、川の恵みを東京で提供できれば、なんてことで、ま、都川としたんです~」と女将さん。
へ~、ただ、典型的な丹沢の恵みの鮎はまだ解禁前なのが残念なところ。

鰻料理がオススメということで、はて丹沢の鰻?と思えば、それは愛知一色の産(笑)。
「じゃ、全部出して!」ということで焼かれた、「肝焼」「白焼」、そして「蒲焼」。togawa02.jpgやっぱり肝の苦みはいいもんだよなぁと、濃いめの米焼酎をペロペロ。
しっとりした柔らかさと外周の香ばしさが楽しめる白焼きもなかなか。togawa03.jpgtogawa04.jpg


ヅケとも呼ぶべき「かつおたたき」や「じゃこ天」に「水びょうざ」と、
togawa05.jpgtogawa06.jpgtogawa07.jpg
呑兵衛心が判ってるのは女将サン!絶対イケル口だと相伴をお願いして話し込む。

そこで吃驚することが起きた。

なんとこちらの女将さん、勤務先の草創期を知る女性だと大判明。
その頃のOBの名前が出るわ、当時の様子が臨場感を持って聞けるはで大騒ぎ(笑)。
それにしてもなんたる奇遇!
新橋界隈の幾多のお店の中から、そんな縁のある女将サンのお店に飛び込むなんて。

togawa08.jpg
壁の貼紙に「ジブエ料理も有ります」とあるのはきっと、ジビエのことだよねと訊けば、鹿肉があると云う。いいねいいねとお願いしたソテーには、澄んだ野生の香りと意外なほどに贅沢に含む柔らかな旨味。うんうん。

さらにやってくれちゃったのは、その鹿肉を使ったピザ。togawa09.jpg鹿の香りが生地の香ばしさに包まれて、さらに引き立つあたりが、発見!ってな嬉しさを連れてくるンだ。


丹沢に太公望が構えるのだという、おふくろの味「都川」。
型のいい鮎が揃った夜あたりにまた、お邪魔したいな。


「都川」 港区新橋4-15-3 2F 03-3437-1090

column/02612

口ビアハウス「BIER REISE’98」 でビールの甘みとメンチの凄み

bierreise.jpgずっとずっと気になっていた新橋の有名ビアハウス、
「ビアライゼ’98」へお初のお邪魔です。
前日に電話してみると、その翌日は月に二度の貴重な土曜日営業日。
基本的に予約は受けていないそうで、「混みますよね?」「平日より多いことが多いですね、ま、わかりませんけどぉ」とおかあさん。
開店時間の昼過ぎ2時っからというのもなんなので、4時過ぎに狙いを定めて、第一京浜の裏手を訪れると…。
入口前のテーブルにもすでに呑んでるヒトの姿。
あららやっぱりと叫びながら(笑)一応、店内を覗けばまさに大盛況。大入りです。


念のため声を掛け、折角新たに椅子出してくれちゃったりするので、いつ空くとも限らないまま暫らく待ってみることに。
すると間もなく一団が入口からわらわらっと吐き出されてきました。きっと開店時から呑っていたのでしょうね。入れ替わるように、店頭の仮設テーブルに居場所をゲット。さてさて早速ビールです。


まずは基本の生ビール。ぐーーーっとね(笑)。
円く軽やかな呑み口と後からククっと襲うちょっとした甘さに似たコク。
お相手は、「ハム屋のベーコン」に「メンチカツ」。
たっぷりした厚みのベーコンをカプっと噛めば、ほどよい燻香と脂の旨味がわっと広がる喜び。bierreise01.jpg

bierreise02.jpgこりゃ間違いなくビールによく合うねと思うのは然ることながら、
カリリとした衣とつまりはジューシーそしてスパイシーな中身の醍醐味を訴えるメンチの凄みたるや。bierreise03.jpg粗く刻んだ半生玉葱もアクセント。贅沢に廻しかけたデミソースとの相性も推して知るべし。
は~、至福。


立て続けにグラスをお代わりして、「フィッシュ&チップス」に「ホワイトアスパラ」。
bierreise04.jpgbierreise05.jpg
ホワイトアスパラのシャク~~っという歯触りと仄かな土の香気がいい。

降り始めた雨が気になり始めたところで運良く、店内の大テーブルへ。bierreise06.jpgぎっしり満員の店内は、わいわいと熱気を帯びた賑やかさ。どこを見ても笑顔なのがいい。
その間をホールの兄さんが、駆け巡っている。うん、ご苦労さま(笑)。


「豚バラ立田揚げ」「しいたけ焼き」に「ポテトサラダ」「あさり酒蒸し」で、
bierreise08.jpgbierreise09.jpg
bierreise10.jpgbierreise11.jpg
この日のビールのひとつ、定番「バスペールエール」。
すっきりしながら奥行きのあるコクがあって、ほの甘い後口が心地よくって、これはいい。
bierreise07.jpgbierreise12.jpg
パブでもよく見かけるこの「Bass」のロゴにもっと親しんじゃいたいな。


と、同じテーブルで相席となっていた如何にものご常連さんが声をかけてくれる。
「うまいでしょ~、ここのビール~」。
異議なんぞないので、ブンブンと首を縦に振ると、「八重洲にあった灘コロンビアっていうビアホールで使っていた旧式サーバーを弟子の彼が引き継いでね、そのサーバーの中の管がね、水道管くらい太いヤツで勢いよく注げてね、それで旨いってのもあるんだよね、彼の注ぎの腕前ももちろんだけどね!」と時折カウンターの向こうを指差しながら、喜色満面の赤ら顔で矢継ぎ早に話してくれる。オジサン、愛しちゃってるのですね~。


は~、ビールでもグラスを重ねると本格的に酔っ払うのだと判っちゃった(笑)。


店の名が示すように、ビールの旅を繰り返して10周年となる「ビアライゼ’98」。bierreise13.jpg節目を迎えてこの6月、新橋仲通り沿いに移転bierreise14.jpgするそうです。
この佇まいを拝めるのは、もうあと僅かですね。


「BIER REISE’98」 港区新橋5-12-7富永ビル1F 03-5408-8639

column/02605

口中華そば「むらさき山」 でゆかりそばのり増し魚出汁きりり

murasakiyama.jpgこの2月に、慶應通りエリアの路地に新規オープンしたという「むらさき山」。
データバンクでとらさんな御大によると、
和歌山ラーメンの大井町「のりや」、金沢文庫「うめや」での経験を経て独立を果たしたお店だという。
どちらかというと未訪の「うめや」に近いとあるけど、「のりや」は好みの系統のひとつなので、なんだか期待しちゃうのであります。

凛と白い暖簾を払うとすぐに券売機。
その先のカウンターもすっきりとした印象で、和歌山ラーメン系にありがちなベトベト感はなく、それは今後も維持されそうな予感がします。

お品書きは「中華そば」「つけめん」の大きくは二本立て。
店の名を冠したと思わせる中華そばの「紫そば」を「のり増し」でお願いしました。
「むさらきそば」と呼ばずに、「ゆかりそば」って読ませるンだそう。


加減のいい厚さのチャーシューが3枚を広げ、味玉が寄り添うドンブリ。murasakiyama01.jpgそれらが浸るスープは、衒いなく白濁しつつ醤油の色味もしっかり。そして魚出汁の風味がきりりと利いていて、その濃厚加減も含めてとっても好きなバランスになっている。いいね~。
murasakiyama02.jpg嘗ての「のりや」で印象に残る獣臭的なクセや脂の強さは洗練させつつ、魚介系エキスを上手に取り込めている感じだ。
ちょっと懐かしい手管でもあるけど、浮かべた焦がし葱が気の利いた風味を添えてくれている。


そのスープと和歌山系を思わせる細ストレート麺が見事にマッチ。
murasakiyama03.jpgmurasakiyama04.jpg
旨味をたっぷり閉じ込めた、噛み応えのあるチャーシューも嬉しいぞ。


三田の路地の暖簾、「むらさき山」。murasakiyama05.jpg
店名の「むらさき山」は、店主のお名前柴山を「むらさきやま」と間違える人があって、それを逆手にとったものらしい、と御大。
今度は、「つけめん」啜りにお邪魔しよー。


「むらさき山」 港区芝5-23-8 03-3455-8966

column/02603

口大分郷土料理「やどかり」 でとり唐揚げにミニりゅうきゅう丼

yadokari.jpg
柳通りからちょっと路地に折れたところのビル地階。
「大分郷土料理」と示す案内yadokari01.jpgに従って階段を降りると目に留まるのは、「やどかり」駅の標識だ。
「しんばし」を出て、「やどかり」を経て、「おおいた」に至る、という筋書き。
どうやらプレートそのものは本物らしく、「おおいた」の下に「よこはま」という文字が滲んで見えます。

店内は、小料理屋な造作にホーローの看板などレトロ調アイテムを鏤めていて、その手垢のついた手法は食傷気味。
居心地は悪くないけど、できれば妙に飾らず素直に「郷土大分」を醸す設えにしてほしいかも。


「今週から変わっちゃって~」とゆっくりと気遣い満点に応対してくれるオバチャン曰く、今週からランチメニューの構成を変えて、AセットBセットの二本立てにした、と。

先週までどんなだったか反って気になっちゃうけど、うん、じゃ、まぁ、Aセットでお願いしましょうか。

yadokari03.jpg
Aセットは、「ミニりゅうきゅう丼」「とり唐揚げ」に小鉢、汁物、デザート。
ちなみにBは、塩サバを野菜と煮た「おひら」と「とりめし」のセットだ。

卓上の小さな木プレートyadokari02.jpgによれば、
「りゅうきゅう」とは生魚を胡麻醤油に漬けたものを云うのだそうで、この日のお魚は平政。yadokari04.jpg少々甘いタレがフルフルとした白身によく滲みて、悪くない。

「鳥てん」ならぬ、「とり唐揚げ」は、肉厚大判。
yadokari05.jpgyadokari06.jpg
竜田揚げ風の衣もろとも齧りつけば澄んだ脂が滴る、という図式になっている。
しっかり食べ応えもあって、ご飯のお供、そして麦酒の肴にもよさそうだ。


先のプレートを再び拝めば、魚のすり身のコロッケ「ぎょろっけ」、酢醤油でいただくというとりの天ぷら「とり天」、小麦粉に大葉を入れて焼く(?)という「ひやき」などが紹介してある。
「だんご汁」「ひや汁」を含めて、それら郷土料理をランチにも惜しまず供してくれてもいいのにぃ、とも思っちゃうけど、そうもいかないご事情もあるのでしょうね。

素朴な郷土料理をアテに、郷土の焼酎でゆるりとするのもきっと一興、ということでそれは夜にね。


「やどかり」 港区新橋5-9-7 第19大橋ビルB1 03-3431-5167

column/02602

口欧風カレー専門店「ボン・ナペティ」 でじゃがソルトとアサリカレー

bonappetit.jpg第一京浜沿いの歩道を歩いていたら「欧風カレー専門店」という、スタンド看板が目に留まりました。
店の名を「ボン・ナペティ」。
ソースパンが影絵のように描かれた壁の看板を眺める。
"Bon-Appetit" は、
どうぞ召し上がれ!ってな意味だよね。
なんて考えているうちに、足が勝手に地階への階段を降りていました。

暗めの店内に浮かぶ蝋燭型の照明も古めかしい。
メニューにあるは、「ビーフ」「ポーク」「チキン」「ミートミックス」から「ホタテ」「エビ」「カニ」「シーフードミックス」、そして「ナスチーズ」「アボガドとトマト」「チーズトマト」などがラインナップ。
ちょっと珍しい、「アサリ」を中辛でお願いしました。

bonappetit02.jpgすると、じゃが芋の小皿がやってくる。
こちらも欧風カレーの本尊のひとつに数えられる「ボンディ」になんらかの影響を受けているっていう記号なのでしょうか。
違っているのは、バターが添えられておらず、テーブルに用意された岩塩(アンデスのローズソルト)をミルからガリガリとして「じゃがソルト」でいただくというスタイル。
「じゃがバタ」もいいけど、じゃが芋の甘さが引き立つ「じゃがソルト」もいいね。もしや、バターが高騰しての苦肉の策?なんて思ったけど、これが「ボン・ナペティ」元々の食べさせ方なのでしょうか。


そして、不思議な形のレードルbonappetit03.jpgの添えられたソースパンが届きました。
一気にライスに回しかけて、スプーンの先を動かします。bonappetit04.jpg神保町「ボンディ」では、辛味とコクを押し付けがましく感じてしまって疲れたけれど、同じ中辛でもコチラは滑らかに迫る辛味で、しつこさのない程良いコク味の中に野菜の甘みを含んでいる。
アサリの磯風味に違和感はないものの、やっぱりミート系のトッピングが馴染みやすい食べ口だと思うな。


どこか孤高な雰囲気も醸している三田「ボン・ナペティ」。bonappetit01.jpg今度機会があったら、ビーフとポークの「ダブルミックス」あたりで挑みたいと思います。


口関連記事:欧風カレー「ボンディ」神保町店 で息苦しきビーフカレー(06年10月)


「ボン・ナペティ」 港区芝4-6-16 03-3452-8062

column/02580

口そば処「美良」 で白き一番粉の山形そば嬉し楽し旨し

miyoshi.jpg第一京浜と平行する、新橋の裏通り。
前を通るたび、そのどこか朴訥とした佇まいが気になるそば処がありました。
壁のプレートmiyoshi01.jpgには「蕎麦と山菜と地酒の店」とあり、
スタント看板には「山形のそば」とある。
なるほど、山形蕎麦のお店なんだね。
すっと暖簾を払ったご隠居さん風爺さまに釣られるようにお邪魔してみました。

「えっと、おろし、よね」。
オバチャンは、常連と思しきオッチャンに向けて客が口を開く前に勝手にオーダーを決めて、厨房の方へと引っ込む。それがなんの嫌らしさもなく朗らかなんだ。
またまた釣られるように、「おろしそば」を大盛りでお願いしました。

左に「つめたいそば」、右に「あたたかいそば」と書かれたお品書きに載るメニューは極めてスタンダードなタイトルです。

miyoshi02.jpg
「はい、おろし大盛り、ね」。
あれれ、意外や真っ白いそば。
miyoshi03.jpgなんとなく野趣ある田舎もしくは板そば系統のそばなんだろねという勝手なイメージを見事に裏切る見映えだ。
花鰹の下に大根おろしを潜ませて、笊でもせいろでもなく、どんぶりに盛られている。


じっと顔を寄せて蕎麦を凝視すると、miyoshi04.jpg透明感のある中に蕎麦の粒子が活き活きとしているかのように見て取れて、不思議な説得力を思う。
小粋に澄んだ旨味の辛汁に払って啜れば、甘さに似た薫りがふっとする。それでいて、しなやかな弾力で噛み込む歯の先を押し返してくる。うん、嬉し楽し旨し。
miyoshi05.jpg頭上の額によると、西蔵王、尾花沢、雫石、幌加内といった国内産の蕎麦の実を石臼で挽いた一番粉(小さなそばの中心部、ほんの僅かな部分から取る粉)を使って製麺しているのだそう。
そば湯がしみじみ旨いのがなによりも、一方ならぬ蕎麦だと思わせます。


「美良」と書いて、「みよし」と読む。miyoshi06.jpg
夜の部には、山形の山菜の和え物、おひたし、油炒め、天ぷらなどを肴に山形の地酒がいただけるという。山菜は、4月下旬から6月初めが最盛期、とも。
ゆるゆるとそんな夜もいいかも、ね。


「美良」 港区新橋5-16-8 03-3431-0718

column/02563

口カレーの店「スマトラ」 で家庭的カレー大盛りとはにかみ笑顔

sumatra.jpg新橋二丁目信号から日比谷寄りすぐにある、オレンジの看板が目印の「スマトラ」。
「スマトラカレー」というと神保町の「共栄堂」が思い浮かぶけど、こちらのカレー、さてどんなかな。
そして、「スマトラ」は、なんとも云えない表情の”顔”がマスコット。
御大ヒロキエ画伯が着目したのもその”顔”で、
スタンドサインの微笑んでいるような嘲笑しているような微妙な表情はまだしも、頭上のファサードにある”顔”は、明らかにご機嫌ナナメでなにか文句を云いたそう(笑)。

sumatra01.jpgsumatra02.jpg
ヒロキエさんによると、さらにお店のどこかに第三の”顔”があるのだという。
どこにあるのかなぁ。そしてどんな表情なのかなぁ。


店内は、昭和な地下街にありそうなカウンターがUの字に構えています。
メニューは基本、「スマトラカレー」か「カレー大盛り」のみ。
「玉子」50円に加え、「らっきょ」60円、「キャベツサラダ」50円と健気なサイドメニューが微笑ましいね。今日のお腹と相談して、大盛りをお願いしました。

sumatra03.jpg普通盛りはルーがかかった状態のお皿になるようだけど、大盛りはルーがグラタン皿のような器に別盛りされてきます。
えーーぃとばかりにライスに回しかけると、おおっとイケナイ、両脇から零れそうになる。なるほどそれで別盛りにしているんだね。

ひと口したカレーの印象は、どこにでもありそうな懐かしき家庭のお味。sumatra04.jpg小さめに角に刻んだ豚が噛み解けるあたりが嬉しい感じ。
小麦粉を控えめにしているのか、見た目に反してさらっと軽い印象もあるなぁと思ったあたりで、胡椒系と思しき辛みがすううっと忍びよってきて、じんわりと汗を掻かせます。
胡椒の辛さがあと寄せるところは、内神田「共栄堂」に通じるところもあって、そんな仕立てが”スマトラ風”ってことなのかな。
sumatra05.jpg卓上では赤色がカラフルで、
福神漬けにピンクな漬け物に紅生姜、細かく刻んだ福神漬けもある。
「キャベツサラダ」はばしゃばしゃなコールスローだ。

さて、”顔”の探索もしなければ。
写真撮ってるだけでも怪しいのに、さらに首振って店内を不用意にキョロキョロしたらますます挙動不審かもと、主に視線だけ動かして、サーチする(笑)。
ところが意外に店内の壁廻りは小ざっぱりとしていて、それらしい”顔”見あたらない。ナプキンの顔sumatra06.jpgは、表の看板の“顔”と同じみたいだし…。
うむむ、無念。ヒロキエさんの課題は想定外の難問だったのか。


ところが、会計を済ませてドアから出ようとしたところで、看板にも使っている小さなオレンジ色が目に留まりました。ん?もしやと拾いあげると……。

あははは、みぃつけた♪
ヒロキエさんが世に問うたクエスチョンの答えは、古びたデザインが味なマッチの意匠にありました。sumatra07.jpg優しく微笑みはにかんだような表情が、いい(笑)。

sumatra08.jpg裏を見ると、芝西久保桜川町の住所と「電」で始まる7桁の電話番号が、シブい書体で入っている。その、芝区が港区に統合してしまう前の古い町名はもうない。
今の虎ノ門界隈のようで、電話番号は違うけれど閉店してしまった虎ノ門店に残っていたマッチを置いている、ってことなのかな。

sumatra09.jpg

客先が虎ノ門にあった頃にお世話になっていたことを思い出して、遠い目になりました(笑)。


口関連記事:
  スマトラカレー「共栄堂」 で見た目意外なあっさりポーク(06年05月)
  スマトラ風カレー「共栄堂」内神田 で胡椒が辛いメンチカレー(07年05月)


「スマトラ」新橋店 港区新橋1-16-10 03-3501-3826

column/02559

口洋食「キクヤレストラン」 で肉天ナポコロッケオムライスカレースパ

kikuya.jpg第一京浜の芝四丁目から海に向かって折れて、JRのガードを潜ると見つかる「キクヤレストラン」。
浮かび上がるような赤い壁面文字は、一気に新装なった建物をこのエリアのランドマークに仕立てています。
あ、そうか、と思い出すのは、東京湾大華火大会の日の出会場から田町駅へと辿るときに目にした光景だ。その時はおそらく、まだ旧来の佇まいだったのでしょうね。
この夜は、地縁あるつきじろうさんの下へとわらわらと集まった八人衆で新装「キクヤ」を探検するという趣向です。
ま、訪ねるのは初めてなので、改装前との比較はできないけどね。


明るい店内は、まだ建材の匂いがしそうな初々しさが漂っています。
眺めるメニューにあるのは、きっと往時のままなのだろうと窺える町の洋食の王道をいくものばかり。
お隣のナポさんの前には既に「ナポリタンコロッケ付」が届いています。

基本的には、酒宴のために拵える品々じゃないもんな、とジョッキを傾けながらメニューを見詰めて、「肉天コロッケ付」を選んでみました。

洋食屋さんの天ぷらは、フリッター的洋風天ぷら。kikuya01.jpgスパイスを含む衣で包んで豚肉のエキス綴じ込めといたからガッツリ喰らってね!ってな台詞がお皿の上から聞こえてくるようです。
濃いぃめの味付けが、ビールにもご飯にも合っちゃうのね。


「オムライス」やフライものの「ミックス」やらをツマミながらグラスのワインをぱかぱか呑んで、メンドクセーと(笑)、ボトルを置いてもらってさらにくぴくぴ。
あはは、酒宴のための品じゃないとか思いながら結局結構呑んでいるじゃんね。


そして一番イケテルと思ったのが「カレースパ」。kikuya02.jpg実は裏メニューらしいのだけれど、太目の麺にしっかり馴染んだカレーソースの旨味にふつふつと辛味を刺すカレー粉の粉っぽさが不思議な魅力になっているンだ。


勝手口の脇にあるプレートkikuya03.jpgには、「SINCE JULY 1946」とある芝浦の老舗洋食店、
「キクヤレストラン」。kikuya04.jpg


豚さんも待ってます(笑)。kikuya05.jpg

今宵のご同席多謝は、
「春は築地で朝ごはん」のつきじろうさん
「Tokyo Diary」のromyさん
月島仮面さん、
「いたりやかぶれ」のmilanokkさん
「ナポリタン×ナポリタン」のeatnapoさん
「しょうが焼きに恋してる」のGingerさん
「くにろく 東京食べある記」のくにさん、の皆さんでした。
ありがとね。


「キクヤレストラン」 港区芝浦1-4-13 03-3451-1336

column/02551


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