TAVERN「POSTSTUBE 1327」でトラウン湖の風光エッゲンベルグとグーラッシュ

カウチなソファーに寝転がって、
“大江戸”がテーマの某国営放送スペシャル番組を観ていた時のこと。
幕末の江戸の様子を撮影した写真がオーストリア国立図書館で発見されたという件がありました。
その写真のネガがびっくりするほど高精細で、江戸の町の風景を実にヴィヴィッドに蘇らせていて、ぐぐっと引き寄せられる。 およそ150年前の日本・江戸でその写真を撮影したのがなんと、オーストリアのバート・アウスゼー出身の写真家だという。

危険を冒して遥々と海を渡り、
往時の”江戸”をカメラに収め、
異国での困難を乗り越えて自国に帰る。
当のネガフィルムたちが、
バート・アウスゼーのカンマ―ホフ博物館に所蔵されていると、
番組は紹介していたのです。

そーなのか!
ネガを実際に拝見できるか分からないけれど、
その博物館目掛けて出掛けるのも一興だということで、
ザルツブルク中央駅に向かう。
ところが、余裕かましてコーヒーなんぞを買っているうちに、
予定していた列車に乗り損なう(笑)。

一本後の列車に乗り込んだものの、
オフシーズンの博物館は午後は閉館してしまうため、
間に合わないと知る。

然らばと途中下車したのが、
当然のように無人駅のTraunkirchen Ort Bahnhofでありました。降り立ったホームからすぐ、
大きな湖が見下ろせる。
湖の名は、トラウン湖Traunsee。
ザルツカンマーグートSalzkammergutにあっては、
MondseeやFuschlSee、Wolfgangsee、Atterseeよりも、
さらに東寄りに位置する湖だ。

湖を見下ろす駅から下り降りると、
マイバウムMaibaumの高い高いツリーが、
飾られ屹立してる湖畔に出た。面積が約24.5km²あるというトラウンゼーの水面は、
ゆったりと春の陽射しに煌めいていました。

澄んだ空気に誘われて早速湖畔を散策。水打ち際近くの芝生の上に、
ちょこんちょこんと置かれたベンチがいい風情。
そこへ一艘のボートが通り過ぎます。

振り返れば岩の上に教会の塔が見える。船着場の案内板は、
湖上を巡るフェリーのルートを知らせてる。
船着場近くのホテルには、
幾つものデッキチェアが並んでいました。

手工芸品の博物館Handarbeitsmuseumを覗いて、
マイバウムを臨む場所へと戻ってきた。旅籠の名は「Hotel Post」。
seppガイドによるツアーにも登場するのがお約束の、
往時郵便を司る場所が町々の中心にあり、
自ずとひとが集まり旅人が立ち寄る場所となり、
郵便局が宿を兼ねるようになっていく。
こちらもそんな時代の背景により生まれたホテルなのでしょう。

当ホテルの一階にあるのレストランが、
「POSTSTUBE 1327」。比較的最近改装を施したのではないかなぁと思わせる店内は、
落ち着いていてかつ要所要所の造作のセンスがよい。

ビールは、Schloss Eggenbergと刻印のあるジョッキで。Schloss Eggenberg は、トラウン湖の北の町にある歴史ある醸造所。
ザルツカンマーグートの村々で呑るビールは、
このエッゲンベルグが定番なのかもしれません。

そしてまずは「Rindsuppe」。実に明瞭で曇りのない滋味のコンソメがいい。
麺状に刻んだ人参などの根菜を浮かべ、
両面を芳ばしく焼いたクネーデルにはチーズを含む。
うん、美味しい。

魚料理のお皿を横目にしつつ、
お願いしていた「KutscherGulasch」のお皿を前にする。パプリカを散らすだけで、
こんなに華やかなになるのかのよいお手本(笑)。
丁寧に拵えているのがソースの均質さから伺えます。

サワークリームをたっぷり頂いた器にて、
小粒のすいとんのようなダンプリングが添えられる。ジャガイモと小麦粉とを合わせたような、
独特モッチリのちび団子たちをグーラッシュのソースに絡める。
うんうん、食べ応えもして、
実によい感じであります。

トラウン湖Traunseeの畔、
Traunkirchenの郵便局お宿の一階に、
TAVERN「POSTSTUBE 1327」がある。無人駅の眼下にもこんな素敵なレストランがあるなんて。
エッゲンベルグSchloss Eggenbergのジョッキはまたきっと、
湖面眺める店先のテーブルでも美味しいことでしょう。

「POSTSTUBE 1327」
Ortsplatz 5 A-4801 Traunkirchen [Map] +43 (0)7617 2307
https://www.hotel-post-traunkirchen.at/kulinarik/wirtshaus-poststube-1327/

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