食堂「まこと」で旧き港町宿毛の風情と中華そば焼めしに和む

とてもお久し振りの高知空港に降り立って早速、空港近くのレンタカー店にてクルマを借りる。
嗚呼、初めて高知を訪れて、はりまや橋の事実に衝撃を受けたのは果たして、いつのことだったのだろうか。
そんなこともふと思いながら、愚図ついた空の下、高知自動車道を西へ西へと走らせました。

土佐、須崎、四万十町、黒崎、
そして四万十を経て、一路やって来たのは、
高知南西端の町のひとつ、宿毛(すくも)です。

静かな港の防波堤の脇にクルマを停め、
港に面した、民泊でお世話になる部屋に荷物を降ろして、
遅いぃおひるへと近くを散策します。ひと気のない海辺の路上の空気に、
営っているお店なんてありそうもないなぁと半ば諦めつつ、
すぐご近所の様子から探りを入れる。
硝子越しに覗き込んで、ひとの姿がないのを確かめて、
その先へと歩き始めたその時、
当の食堂へと入っていくひとのあるのを目に留めました。

営ってるのですよね?とおずおずと入り込み、
真ん中のテーブルに席を得る。
「乾いた喉に染みわたる」。
目の前の柱に貼られていた貼紙がなかなかいい。店内を見渡しながら、
そうだそうそう、早速ビールをいただかなければと、
急に急いた気持ちになります(笑)。

店奥に置かれた木臼のようなフォルムのコンロに載せられた、
如何にも使い込まれた風情の鍋が目に留まる。鍋の中にはセルフサービスのおでんがお待ち兼ね。
此処でおでんお供に麦酒が呑めるとは、
なんと幸せなことでしょう(笑)。

麦酒のグラスを傾けながら壁の品札を改めて眺める。丸っこい文字がなんだかよい。
「中華そば」に「焼めし」をお願いしましょう。

届いたどんぶりは期待に違わぬ素朴な佇まい。ふわんと甘いスープに柔茹での細麺が揺蕩う。
トッピングは、ピンクに縁取った蒲鉾にモヤシ、木耳。
チャーシューというよりは、
炙った豚バラであるというのも特徴でありましょう。
ああ、なんとも和む味わいです。

北京鍋を煽って煽ってしたチャーハンとは、
明らかに路線の違う「焼めし」もいい。中華そばのスープとの相性頗るよろしく、
一心同体となって和ませてくれます。
ご馳走さまでした。

宿毛・片島港に面して佇む食堂「まこと」に情緒あり。映画のロケにそのまま使えそうな、
そんな、旧き港町の風情がいい。
営っててよかった(笑)。

「まこと」
宿毛市片島4-46 [Map] 0880-65-8211

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