浦村かき直売「中山養殖場」で水に濯ぐ採れ立て生牡蠣と手焼きの焼牡蠣に感服

ふわっとした量感のある麺とコックリとしたたまりの汁の「ちとせ」の伊勢うどんとか、居酒屋「一月家」の「鮫だれ」とか。
「美鈴」の絶品焼餃子とか、蔵に潜んだ居酒屋「虎丸」の佇まいと「かき土手ねぎ焼き」とか。
おかげ横丁の賑わいの先にある、神宮の宇治橋を超えたところで包まれたなんとも云えない神聖な空気もまた印象的な伊勢の街とその表情たち。

日本全国から、いや世界からも人々が足を運ぶ伊勢だもの、
三重県の県庁所在地でもあるのだよねなんて思いがちなのは、
ワタシだけでありましょか。

この日は、伊勢市でも四日市市でもない、
三重県の県庁所在地、津の駅を通り過ぎ、
更に近鉄伊勢市駅や宇治山田駅さえも通過して、
やって来ました鳥羽の町。

寄らせてもらった駅前の古びた旅館の窓からは、
伊勢湾の入口から遠州灘が見渡せる。駅前からの通りに面した男性用大浴場は、
思い切り素通しの硝子張りでありました(笑)。

その旅館から目と鼻の先にあるのが、
ご存知ミキモトの真珠島。
今もさぞかし、質のいい真珠を育んでいるのだろうと思っていたら、
予約しておいたタクシーの運転手のオヤジさん曰くは、
もう随分前から鳥羽では真珠をつくっていないそう。
こんなに綺麗に見える海でも、
真珠養殖に求められる海水の清澄さとか温度とかがきっと、
すっかり変わってしまっているのでしょう。
昨夏またまた大きな被害となった珊瑚の白化を思い出させます(泣)。

そんな現状に照らすと少々物悲しくも響く、
“パールロード”を辿って辿り着いたのは、
永らく気になっていた「中山かき養殖場」。小屋の裏手は生浦湾。
まだ午前9時だというのに人が集まり始めています。

まずは、引き戸の硝子に貼られている表に、
名前と個数を書き込むところから一日が始まる(笑)。これは焼き牡蠣の註文リストとなっていて、
中にはひとりで、20も30も喰らうひともいるようだけど、
控えめが美味しいと心得ているところ。
そんな個数を書き込みました。

焼き牡蠣の註文を済ませたら、小屋の中の列に並ぶ。
そのすぐ脇でお姐さんがせっせと殻を剥いてくれている。積み上げた駕籠の中は勿論、
採れたての牡蠣牡蠣牡蠣。
売るほどあるとはこのことだ(笑)。

お姐さんに剥いてもらった生牡蠣五つ。浜から揚がったばかりとも思う、
剥きたての牡蠣をいただくのは久し振り。

牡蠣剥いてくれたお姐さんの食べ方ご指南はなんと、
殻から外した牡蠣の身を一緒に添えてくれたお椀の水に泳がせて、
塩っ気を濯いでから召し上がれというもの。
海水が塩辛いのは至極当然のことなので、
こうすることでしょっぱさの呪縛から解き放たれて、
塩梅のいい具合で新鮮な牡蠣を堪能できるんであります。
いやぁ、いいね、旨いね。

卓上にはポッカレモンの用意もあるけれど、
ここはひとつ、前夜慌てて探して、
鳥羽のコンビニで見つけた檸檬をちょいと搾りたい。 そして、同じコンビニで仕込んでおいた、
カヴァの小瓶を周囲の目を盗む気分で傾ける。
いやはや、朝っぱらから御免なさい(笑)。

旨い旨い生牡蠣とカヴァをスルンといただいた後は、
註文していた焼き牡蠣の順番待ちの時間となる。
湾の水辺まで降りていってしばし佇んだりなんかしているうちに、
自分の順番が近づいてきてちょっとドキドキしたりいたします(笑)。

ドラム缶を半裁したコンロにふたりが付きっ切りで、
金網に牡蠣を並べ、牡蠣の様子を見えては殻を外す。手馴れた所作と焼き具合の見極めはきっと、
数をこなして自ずと体得したものなのでありましょう。

待ちに待った手焼きの焼き牡蠣が、
ひとつまたひとつと手許のお皿に届く。周囲の汁がまだ沸いていて、
その真ん中にふっくらとした牡蠣が湯気を上げる。
はふはふ、ほふほふ。
なはははははは(笑)。
生もいいけどやっぱり火を入れた牡蠣は最高、いやホント。
お願いしていた控えめの数も絶妙な設定だったと、
自画自賛するのでありました(笑)。

鳥羽駅から南下すること車で20分ほど。
かき直売「中山養殖場」は生浦湾見下ろす浦村町にある。きっと今日も駐車場を埋める車と牡蠣の焼き上がりを待つひと達で、
大いに賑わっていることと思います。

「中山養殖場」
三重県鳥羽市浦村町1208-1 [Map] 0599-32-5053

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