桜蕎麦「正乃家」で桜の借景と桜蕎麦大人のポテサラ月見韮お浸し鴨せいろもいい

masanoya大崎駅を新西口から出て、百反坂を漫ろ歩きすることがある。
坂のどこかに寄り道した後には、そこから大崎駅には引き返さずに、迷路のような裏道を大崎広小路駅を目指して探索する。
家々がみっしり詰まった住宅地の途中、南北に交叉する道を北進すれば、古式ゆかしい中華料理店「平和軒」のある、立正大学キャンパスの正門前に至る。
偶には逆方向へと進路を南にとると、これまた家々がみしみしっと詰まっていて、次第に方角を怪しく思う瞬間が増えてくる。

そんな道中の、戸越銀座の通りに到達するちょっと手前。
そこだけスポットライトを浴びたように華やいだ場所に、
偶然にも初めて出会したのが、
今からちょうど一年前の春のことでありました。

今度は、戸越銀座駅から戸越銀座商店街を真っ直ぐ進み、
第二京浜を突っ切って更に往く。
大東京信金の角でここ辺りと振り向くと、
その先に何時ぞやの桜の木の枝振りが望めました。masanoya01曇天の下ながら、凡そ満開の咲きっぷりを眺め上げ、
ちょうど客を送って扉を開けていた女将さんに小さく会釈します。

お品書きには、冷たい蕎麦うどんに温かい蕎麦うどん。
丼ものに牡蠣フライを含む各種定食。
唐揚げ野菜炒めなんぞの肉料理に江戸前天麩羅。
そして何故だかオムライス。
中華、と題したラーメン5品までもがラインナップしています。

酒肴系と思しき品書きもなかなかの粒揃い。
その中からちょっとだけよとまず選んだのが、
「大人のポテトサラダ」。masanoya02どの辺りが”大人の”なのかと思ったら、
糸唐辛子以外にもちょっと辛味を含んでいて、
その按配もジャガ芋マッシュのまったり具合もちょうど良い。

お蕎麦屋さんですものと蕎麦湯割りをお願いしたら、
ちょっと意外にもそれはグラスでやってきた。masanoya03とろーんとした蕎麦湯の風味の後ろから、
ぐいっと焼酎のボディが届く。
お品書きを読み返したら、
蕎麦湯割りオーダーは、もれなくダブルになるようです(笑)。

もうひと品で蕎麦湯割をやっつけちまおうと、
お願いしたのが「ニラのお浸し月見仕立て」。masanoya04韮の鮮やかな翠色が麗しい。
しゃくしゃきとした歯応えと明瞭な風味。
いい按配に湯掻いた韮に玉子の黄身のコクを添えると、
これまた魅力が増してくる。
シンプルにして粋な酒肴でありますね。

そろそろお蕎麦をと女将さんに声を掛けると、
今は期間限定の「桜蕎麦」がおススメだと仰る。masanoya05蒸篭に載ってやってきたそれはやっぱり仄かな桜色。

蕎麦の表情をよくよく拝むとそこには、
緑色の粒子が織り込んである。masanoya06桜の葉を細かく刻んで蕎麦粉に混ぜているそうで、
仄かな桜色は、桜の花弁を混ぜ込んでいる、
のではなくて、食紅を少々垂らした成果であるとのこと。
しゃきっとした歯触り喉越しのお蕎麦で、
するっと美味しくいただきました。

裏を返したおひるどき。
「鴨せいろ蕎麦」とともにお願いした、
江戸前「野菜天ぷら」がやってきた。masanoya07厚く切った南瓜に茄子、人参に隠元豆。
パプリカ(黄ピーマン?)の天麩羅もなかなかオツなもの。

蒸篭の蕎麦は、信州の丸抜き粉を使った手打ちの二八蕎麦。masanoya08脂の加減も柔らかな噛み応えもいい感じの鴨の肉。
辛汁とのバランスも特段の文句なし。
今度は「地鶏せいろ」を試してみようかなぁなんて考え始めます(笑)。

後日「地鶏せいろ」を試すつもりが何故だか、
「ラーメン」を註文んだら、これは大失敗。
お蕎麦屋さんでは基本、お蕎麦をいただくのがよろしいようです(笑)。

戸越銀座の横丁に”桜蕎麦”と謳う蕎麦店「正乃家」がある。masanoya09よくよく眺めるとその桜の木は、
お隣の和菓子屋さんの敷地から育っている様子。
借景というか、お隣の木一本で、
こうにも雰囲気を醸している事例も珍しいのではないでしょか。

「正乃家」
品川区戸越1-19-24 [Map] 03-3787-4835

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