Restaurant Bar「馬酔木」でさらさら粒子のコクが旨い馬酔木カレーに出会う

ashibi京葉線に乗って千葉みなとまで下って、そこからモノレールでとことこ千葉駅まで。
タウンライナーと呼ばれる千葉都市モノレールに乗るのは果たしていつ以来のことかまったく思い出せない。
でも、初めてではないような気はする。
そこから外房線の高架に沿うように進むと、それ相応の賑わいのあるエリアを通ることになる。
千葉駅周辺の繁華街というのはこの辺りになるのだろうかと考えなら足を運ぶと、千葉街道と標識のある通りに出た。

交叉点を渡ったところでふと振り返ると、通りの向こうに大きくて無機質な三越の立体駐車場棟が目に映る。ashibi01その並びの木立の陰に、なにやらどこかの洋館のような煉瓦色の建物が覗いていました。

横断歩道を戻って正面に立ってみると、成る程フェイクでない煉瓦を積んだ建物には、周囲と一線を画すようなちょっとした風格がある。ashibi02意外や中央の階段の奥は「大将軍」という焼肉店のようですけれど(笑)。

左右にシンメトリーに設けられた地階への階段を覗くと、煉瓦の壁とカラフルな硝子を填めた窓辺が見える。ashibi03中央の階段の真下に地階のお店の入口があるようです。

煉瓦で囲んだ地階のアプローチを入ると、なにやら木彫りの御仁が迎えてくれる。ashibi04御仁が跨った樽の前のプレートにはこうある。
この像は、ガンブリヌスといい、ヨーロッパで“ビールの王様”と云われています。
彼が実在の人物であったかどうかは定かではありませんが、16世紀にそれまで薬草で香りをつけたグレートビールに代わって、ホップをつかったビールの普及に力を尽くした。
このガンブリヌスの像をみていると、心からビールを愉しんでいる様子が伝わってきます。

入り込んだ店内はやや暗く、しっとりした雰囲気のバーカウンターが目に留まる。
案内に従ってさらに奥へと進んで窓際のテーブル席へ。ashibi05改めて様子を窺うと、スピーカーやスポットライトの吊るされた辺りにアップライトピアノが置かれてる。
ちょっとしたライブも催されるのかもしれないね。

窓辺のテーブルには、外から眺めたカラフルな硝子の色を受けて、グラスが虹色を帯びる。ashibi06なんだか綺麗じゃんとオジサン、独りごちる(笑)。

「馬酔木」のランチメニューは、特選和牛ハンバーグステーキ、ドリア、シーフード、パスタなど日替わりを含めて8種類ほど。ashibi07セットの南瓜のポタージュスープには、出来合いのものとはちょっと違う、そんな美味しさが漂います。

ランチメニューから選んだのは、店の名を冠した「馬酔木カレー」。ashibi08ヤングコーンやサヤインゲン、皮目に包丁の細工のある茄子、パプリカといった素揚げ野菜のトッピングの向こうにしっかりした色目のサフランライスが顔を覗かせています。

やおらスプーンを動かすとこれが、意外といっては失礼なほど上等に美味しい!ashibi09さらさらとしつつ、しつこくないコク。
油脂の重たさがない代わりに、丁寧に炒めたであろう小麦粉やスパイスの粒子が旨味を孕んで優しく迫る。
いやはや、いままで食べた中でも特に印象に残る、旨いカレーだ。
千葉駅近くの街角の、専門店でもないレストランで、こんなカレーに出会えるとは思ってもいませんでした。

千葉街道と外房線の交差するあたりの煉瓦造りの洋館に、
レストラン・バー「馬酔木」がある。ashibi10何気なくWebサイトを眺めて愕いた。
こちらの創業者は、昭和40年に市場町にて「喫茶馬酔木」を夫婦二人でオープンし、昭和47年には螺旋階段のある店として有名となった2号店を新町に開き、千葉県下では初のジガーバーをもオープンしてしまう。
昭和52年に開いたシブい風情の酒場、串揚処「馬酔木亭」に続いていよいよ、ニューイングランド風と謳うこの煉瓦造りの洋館に移り、喫茶、ビアレストラン、バーの3つの異なった空間を供していたらしい。
今は焼肉店となっているところももしかしたら「馬酔木」の一部だったのかもしれませんね。

「馬酔木」
千葉市中央区富士見2-5-5 B1F [Map] 0432-22-3838
http://www.ashibi.co.jp/

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