ちゃんぽん皿うどん「二代目 長崎楼」で戻った路地のちゃん竹皿竹とあの頃

nagasakiro今からもう20年以上も前のこと。
日本橋の室町のまさに路地と呼ぶべき場所に「長崎楼」というちゃんぽんと皿うどんの店がありました。
ガラガラっと開く古びた木戸を入って狭い階段を降りると、正面の小さな受付のようなところにおばあちゃんがいて、そこで注文をしてお代を払う。
引き換えに確か、木札か樹脂の楕円の札を受け取って、左手に降りた厨房のカウンターに並んで順番を待つ。
札とお皿や丼とを引き換えて自ら、空いている席に運んで座り込む。
奥に大きな鍋が湯気を上げていて、相撲経験者かと見受ける大柄な兄ちゃんがゆっくりと鍋の中を掻き回している光景を覚えています。

その後随分経ってから、何度となく通っていた店の建物が老朽化のため取り壊すこととなり、閉店してしまう。
ああ、もうあのちゃんぽんや皿うどんは食べられないのかと落胆した暫くした或る日、近くの古河ビルの地階へと移転していると知り早速出掛けたこともありました。
ただ、何が違うと説明出来ないものの、何処か往時の魅力を確かめられずに足が遠のいてしまったのでありました。

その後「二代目 長崎楼」があった古河ビルは、室町古河三井ビルディング、つまりはCOREDO2へと変貌を遂げた。
室町で映画が観れるようになったのかと、それはまさにCOREDO2のシネコンで映画を観た帰り道。
路地へと向く足の行くまま室町の裏道を辿っていた時のことでした。

路上に一匹の猫がいて、思わず立ち止まる。
愛想を振り撒くでも、逃げようとするでもなく泰然とした風情でそこにいる猫。nagasakiro01その先には、如何やら海外のひとを含めて有名らしい「金子半之助」なる天婦羅屋の行列の人垣。
その猫の前にあったのが、「二代目 長崎楼」の暖簾でありました。

おおお、もしかしたら元あった場所に戻ってきたのかしらんと思うも、うろ覚え乍ら以前の場所はもう一本「大勝軒」寄りではなかったかなぁとも思う。
何れにしても室町の路地に「長崎楼」が戻ってきたのだなぁと嬉しくなりました。

厨房の下り壁に貼った品書きには、往時と同じ、ちゃんぽん、皿うどん、炒麺(ちゃーめん)の三品が並ぶ。nagasakiro02松、竹、梅のボリューム三種も変わりません。

千円オーバーかぁとちょっと複雑な気分になりながら「皿竹ください」とオバちゃんに声を掛けます。
地下にあった頃と違って、テーブル2卓にカウンターだけの店ですから、厨房のオッチャンにもその声は通ります。
ちょっとあれ?っと思ったのは、オバちゃんに前金でと云われたこと。
そう云えば、移転したところでもそうだったかもしれないし、往時の受付オバちゃんへの先払いシステムを受け継いでいるのでしょう。
でも、喰い逃げするつもりはないですよっと(笑)。

湯気を上げてる「皿うどん(竹)」をオッチャンから受け取って。nagasakiro03量感は往時とほぼ同じかやや少ないか。
練り芥子を容器から多めに掬って、皿の脇に擦りつけます。

大きな保温ジャーから既に炒めてあった太麺を取り出して、そこへアンを回しかけるスタイルは、往時のまま。nagasakiro04胡椒の粗い粒が浮かぶのも往時のまま。
ただ、もっと海老烏賊浅蜊辺りの具材がたっぷりとしていたような気もします。

所々芳ばしく焦げている麺は、湯搔き立ての麺と違って、乾いている分あんとよりよく馴染む。nagasakiro05そこへ練り芥子を多めに混ぜ込んでいただくのがお作法なのです。
うん、悪くない。
ただやっぱり、なんとはなしにしっくりこないのは、通っていた当時の上手い!の記憶が強すぎることと、あそこまでの大鍋でたっぷりと作る訳ではないこととが相乗しているような気がします。

別の日には、テーブル席で「ちゃん竹」を。nagasakiro06トッピングのあんに思うところは皿うどんと同じこと。
以前はもう一声旨味の濃密なスープだったような気もします。

訊ね損なったけれど、この太麺は何処で製麺しているのでしょう。nagasakiro07思えばこの太麺を湯掻いている割には、ドンブリの出来上がりが早い時もある。
どんな裏技があるのでしょう。

世代を代えて室町の路地に帰ってきた、
ちゃんぽん皿うどんの「二代目 長崎楼」。nagasakiro08往時を懐かしんで訪ねるひとも少なからずいるものと存じます。

「二代目 長崎楼」
中央区日本橋室町1-11-15 [Map] 03-3241-7010

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