ビールと餃子「やっぱりビールがすき。」で昭和なビール一口餃子

yapabi.jpg池上本門寺への参詣客輸送を目的に、 池上電気鉄道の手によって開業したのが、 今の東急池上線。 “強盗”の異名を持つ、やり手実業家五島 慶太によって買収された経緯もあってか、東急沿線の中で特に外様の扱いを受けてきた、らしい。 西島三重子が謡った「池上線」では、”古い電車”に”すきま風”が抜ける情景が、悲し気な歌詞に色を添えていたくらいだものね。

そんな池上線で蒲田駅へと向かうある日の車窓。 雪が谷大塚を出発し、カーブに沿って進行する電車の窓から、 こんな文字が目に飛び込んできた。 「やっぱりビールがすき。」。 思わず頷いてしまいそうになるフレーズではありませんか(笑)。

雪が谷大塚駅を踏み切り脇の南口から出て、そのまま線路に沿って往くと、 何編成もの車列が待機中の所謂検車区が見えてくる。yapabi01.jpg整列した池上線の車両にはもう、如何にも古いものはすっかりなくなって、 新しめの緑色配色の編成も佇んでいます。

そのまま御嶽山駅方向に進むと、最初の踏切が見えてきた。yapabi02.jpgスポットライトが照らしているのは、 あの「やっぱりビールがすき。」の文字だ。

それは、10席ほどのL字カウンターのみの小さなお店。 カウンターの角っこ指定で共に陣取ったのは、 おれさまに限って鉄ちゃんのハズがありません!と云い切るグヤ兄さんと、 別館・餃子館も立ち上げちゃった、kimimatsu姐さんだ。

早速ビールをと注文んだのは、yapabi03.jpg父さんも嬉しい所謂赤星から。

餃子の前にすっと届いた「いぶりがっこのクリームチーズ巻き」。yapabi04.jpg燻香纏ういぶりがっこが、マスカルポーネとかと妙に相性がいいのは、 どこかで体験済だったけど、 こうしてナルトよろしくぐるぐるしてしまうなんて、いいよなぁ。

“ビールと餃子の店” のお品書きには、 焼き餃子5種類とスープ餃子2種類が並んでる。 まずはおススメ筆頭の「博多一口餃子」から。yapabi05.jpg小振りにして野菜メインの餃子は、ほいほい食べれてしまうちょー軽いヤツ。 タレや醤油も勿論よいけれど、kimimatsu姐さんも仰る通り、 卓上の柚子胡椒のちょんづけがオツでおます。

おお、そう名付けたかぁとも思うのが、 「いっぱん的な餃子」(笑)。yapabi06.jpgyapabi07.jpg妙にジューシーでもなく、たっぷり肉々しくでもなく、ニンニク決め決めでもなく、 成程、ザ定番な感じの安定感だ。

昭和風情な赤星の次は、キリンラガーの瓶でしょう。 実はその辺りの冷えた瓶の在庫は、1本づつだったりするという。 間違いなくビールのお店ではあるけれど、「店狭いので冷蔵庫も小さいんです」と、 それを屈託なく話してくれるところが好ましい。

そこへ熱々の鉄鍋で登場したのが、 「水炊きスープ餃子」に「担々スープ餃子」。yapabi09.jpgyapabi10.jpg博多水炊きよろしく、鶏の旨味が程よく滲んだ白濁スープに、 これ、うまいやんけ、とグヤ兄さん。 ハフハフする餃子にもそんなスープがひたひたと一体となっていて、 ハフハフ、額に汗が浮かびます。

もっとビール欲しいなぁと微笑むグヤ兄さんの手元に、 世にいうNゲージのアイテムが大事そうにあるのはきっと何かの幻だ(笑)と、 かぶりをふって、そろそろお食事ものをお願いします。

まず届いたのが、「まかないチャーハン」。yapabi11.jpgどのあたりが”まかない的”かといえば、それはほら、 半ば解した餃子が入っているところ。 ひと粒ひと粒がぱらっとしたご飯と餃子の皮と餃子の中身と。 いつか真似してやろうと秘かに思うのでありました。

ラストは、「担々スープ餃子」のスープで仕立てた感じの「やぱびラーメン」。yapabi12.jpg「やぱび」ってなんだ?と一瞬思うも、それは「やっぱりビールがすき。」を縮めた呼称。 「やぱび」じゃなくて「やびす」じゃないんかい!と気色ばむグヤ兄さんを宥めるのは、 kimimatsu姐さんにお任せして、と(笑)。

そうそう、「やっぱりビールがすき。」のビールラインナップは、 壁に掛かった黒板をチェックするのが基本スタイル。yapabi08.jpgyapabi14.jpgyapabi15.jpgyapabi16.jpg我等がニッポンのビールで攻めるもよし、 その名をまったく覚えられない黒ビール「ケストリッツァーシュバルツ」や 度数高くて怪しいベルギービール「サタンRED」なんかに挑むのもまた一手だ。

池上線の踏切脇に佇む、ビールと餃子の小さなお店。 スポットが照らすその名は、「やっぱりビールがすき。」。yapabi13.jpgグヤ兄さん、kimimatsu姐さん、ご相伴ありがとう。 そういえば、いつぞやご一緒した「うえ山」や「喜来楽」も踏切近くでありました。

口 関連記事:   鳥から揚げ「うえ山」で 素揚げで堪能砂肝首手羽皮ムネにモモ(12年07月)   台湾家庭料理「喜来楽」で緑竹筍絲豆腐菜脯蛋牡蠣煎大腸麺線(12年09月)


「やっぱりビールがすき。」 大田区北嶺町3-30 [Map] 03-3720-5541 http://ybs55.com/
column/03384

「ビールと餃子「やっぱりビールがすき。」で昭和なビール一口餃子」への6件のフィードバック

  1. 池上線の成り立ちを簡潔、正確にまとめてあってなかなかよろしい(爆)。
    しかもちゃんと車庫撮っとるやないか!
    実はまさび。殿に限って鉄ではあるまいな?

  2. Re:グヤ兄さま
    おいらに限って鉄なハズはありましぇん!
    でも、電車の絵を撮るのは決して嫌いでもない!
    あれ?なんでだろ(笑)。

  3. 鉄ぴ。!
    真剣に電車撮ってるジャマイカー!?
    もしかして鞄に模型が入ってたりしたんじゃあるまいか?

  4. Re:kimimatsuさま
    おはよーございます、まさぴ。改め、鉄ぴ。です(笑)。
    昔ながらのピースコンを駆使して車体塗装を……、残念ながらまだ(爆)。
    電車の写真とか、実は一年前のなんですぅ f ^_^;)。

  5. kimimatsuさんと行かれたのは貴方でしたか!
    先輩が言われる通り、冒頭の説明が解りやすくとてもいいです。
    私は一時期 雪が谷大塚に居ましたので、懐かしさがこみ上げました。
    記事を楽しく拝見します。

  6. Re:ねこさま
    雪が谷大塚で過ごした時季があれば、懐かしさひと頻りでございましょう。
    駅間短く、どこかバスみたいな池上線がすきです(笑)。

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