喫茶「ルオー」で セピア色したゆっくりな時間とセイロン風カレー

rouault.jpg本郷の赤門の前に立つとどうしても、 学生時代の懐かしさが込み上げて…。 と、そんな気配は勿論まったくないけれど(笑)、 云わずと知れた最上位の最高学府だもの、 存在感はあって然るべき。 そんな東大の敷地を右手に本郷通りを往き、 赤門前を過ぎて少々。 歩道上に煉瓦を模した意匠の看板が見つかります。

きっと極端なへそ曲り以外の東大生が一度は訪れたであろう喫茶「ルオー」。 「ルオー」は、セイロン風カレーで有名らしい。rouault01.jpg界隈にはそうそう来る機会も多くないので、ちょっと寄り道してみましょう。

店内は、セピア色した、如何にもの落ち着いた雰囲気。rouault02.jpg椅子に座る頃には、さっきまでの時間がゆっくり流れはじめるのが分かります。 椅子の背凭れには、喫茶店らしい意匠の刳り貫き。rouault03.jpg永く使われてこその風合いが木目の艶に現れています。

rouault04.jpg 眺めるメニューにお食事系は他になし。 その名もそのまま、「セイロン風カレーライス」をいただきます。

滑らかなピアノ流れるクラシックは、どなたの曲でしょう。rouault05.jpgじゃが芋と肉片とを戴いたカレーのお皿が届きました。

どこがどうセイロン風なのか、とちょっぴり身構えつつスプーンを動かすと、 そんな食べ手の余計な力みなんてどこ吹く風。rouault06.jpgrouault07.jpgスパイシーな辛さやコクが主張するでもなく、 突出した風味で演出する訳でもない。 かといって、お家カレーとは何かが違う。 そして、じわりじわりと美味しさが伝わってくる。 繊維に沿って解すお肉は果たして、 すっかり脂を落とした豚肉か、胸肉あたりの鶏肉か。

セイロン島には行ったことがあるのですか、 なんて訊くのはまさに野望なことだと思えてくる。 実際のところはさて置いて、 「だから”風”なんですよー、笑」みたいなご主人の笑顔が容易に想像できる。rouault08.jpgセットのアイスコーヒーをいただきながらそんな風に思うのでありました。

ラッキョウを丁寧にスライスしてある感じとか、 喫茶店なのに禁煙にしてくれているところなんかも、いい。 二階の席も同じように禁煙なのかな。

本郷通り東大前、本郷郵便局並びの「ルオー」は、昭和27年開業の老舗喫茶店。rouault09.jpg店名の”ルオー”は、”Rouault”と綴る。 そうなのかどうか訊き損なってしまったけど、 “Rouault”はどうやら、フランスの画家「ジョルジュ・ルオー」に因むものであるらしい。 そうか、セピアの壁に掛かっていた額の幾つかは、「ルオー」の作品を飾るものなのかもしれないね。


「ルオー」 文京区本郷6-1-14 [Map] 03-3811-1808
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「喫茶「ルオー」で セピア色したゆっくりな時間とセイロン風カレー」への2件のフィードバック

  1. 前々から「セイロン風カレー」を頂いてみたいと思っていますが、
    なかなか機会がありません。
    近くに行ったら…では何時までも行けませんね。

  2. Re:Rさま
    そのうちに~と思っていて、ずっと行けない処って結構ありますもんね。
    散歩な気分で、でもちょっと確かな意思をもって、と背中合わせのノリのある時に、ぜひ♪

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