島んちゅ食堂「ニライカナイ」で ドゥルワカシー彼の島にいる気分

niraikanai.jpg村田和人「ずーーっと、夏。」レコ発記念ライブで訪れた、昨年9月以来の吉祥寺。 目指すは、その時と同じ、ヨドバシカメラ脇の「STAR PINE’S CAFÉ」。 今夜は、村田バンドでのアルバムコンプリートシリーズ#02『ひとかけらの夏』なんだ。 わくわく(笑)。
いきなり「一本の音楽」で始まるステージ(アルバムの一曲目だから当然だけど)。niraikanai01.jpg還暦を目の前にしたオッチャンバンドのコナレたグルーブと大人な音づかい、慣れてなお新鮮なハーモニーがいい。 いつまで頑張れるんだろ?なんて村ッちゃんは云ってるけど、そうね、でもずっと頑張って欲しいな。 まずはこの夏の新譜が愉しみです。 そのステージの熱気冷めやらぬまま、お腹を満たそうと寄ったのがご近所の「ニライカナイ」。 幕板を繰り抜き、流木をあしらった看板が、「島んちゅ食堂」だと知らせています。 先に入ったお客さんがドアから出てきて、寒空なのに外のテーブルに向かうので、もしや満席ではと訊けば、まさにその通り。 請福、八重泉、残波、多良川、於茂登、常磐、瑞泉、……。niraikanai02.jpg銘柄いろいろな泡盛・古酒の壜が並ぶ手作り感も満載の棚の前で、ちょっと席が空くのを待つことにしました。 外で待っていた先客さん家族と相席のテーブルで、最初はやっぱりの、オリオン。 お品書きをみてちょっと感心したのは、ナンチャッテな沖縄料理店にありがちな、ありきたりメニューに留まらないラインナップが気持ちの伝わる思い入れとともに準備されているところ。 まず嬉しかったのが、「ドゥルワカシー」があること。niraikanai04.jpg田芋(たーんむ)を炊いて、根菜野菜などと一緒に練った沖縄・八重山のソウルフード。 店によって、微妙に味つけが違うのがまた面白いんだ。 グルクンをつかった料理もいくつかあって、「本日のおすすめ」から、ちょっと創作が入ってるけどネと「グルクンのアスパラ包み揚げ」。niraikanai05.jpgグルクンの白身の味わいをしっかり軸にしつつ、アスパラと衣の食感でサンドした仕立て。 センスある工夫だよね。 ちょっと空いたお腹を鎮めようと、これも「本日のおすすめ」から「菜の花とチキナーの春チャーハン」。niraikanai06.jpg黒米の炒飯も初めてなら、菜の花を使った炒飯も初めてだ。 島菜(しまなー)を塩漬けしたのがチキナーなんだね。 黒米でのパラパラってのも、オツなもんなんだと知った次第であります。 niraikanai07.jpg 「骨付きソーキの煮つけ」も勿論のこと、泡盛に妙にマッチしたのが、渡嘉敷島産だという「マグロジャーキー」。 薄くスライスしたマグロの身が赤褐色のまさにジャーキーになって細い短冊にカットされている。niraikanai08.jpgすっかり乾燥はしているもののどこかしっとりさも残っていて、濃い目の味付けと加減のいい硬さの中から噛むほどに滲む旨み。 そしてそれに七味マヨネーズがベストマッチなのだ。 これ、自宅に常備したい(笑)。 niraikanai09.jpg やっぱり、沖縄そばで〆ねばならぬと改めて品書きを眺めると、ここ「ニライカナイ」には宮古島の麺を使った「宮古そば」がある。 沖縄本島で基本の沖縄そばと石垣島界隈の八重山そばと、そしてまた宮古そばとは違うんだぞ、特に麺がね、などと偉そうに講釈を垂れてから(笑)、その「宮古そば」。niraikanai10.jpg濁りのないコク味のトンコツの旨みにカツオの出汁の風味滋味がひたひたとして、いい。 平打ちでない、ストレートな麺が宮古島の麺の基本形だと思えばいいのでしょう。 うん、満足満足。

陳腐化してない沖縄料理と泡盛の取り揃え。 店のスタッフの応対も気持ち良く、なんだか彼の島にいるような気分にさせてくれる、島んちゅ食堂「ニライカナイ」。niraikanai11.jpg「ニライカナイ」というのは、豊穰や幸福をもたらす神々の楽土であり、遥か彼方に存在する人間界とは隔絶された「異界」、生命の根源があるところ、といった意味らしい。 島の豊穣を伝え、訪れるひと達を幸せにする場所にしたい。そんな気持ちを店名にも籠めているのだろうね。 □関連記事:  LIVE HOUSE「STAR PINE’S CAFE」で 村田とパフェラッチ!(09年09月)


「ニライカナイ」本家 武蔵野市吉祥寺本町1-23-7[Map] 0422-22-4877 http://www.copa-a.co.jp/
column/02977

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