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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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2009年5月アーカイブ

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口シンガポール料理「Singapore Seafood Emporium」で 肉骨茶

emporium.jpg入船交差点から鉄砲洲方向に進むと見えてくる紅い旗。
三日月に星5つは、シンガポールの国旗だ。
植木で囲んだ店先はなんだろうと見上げると、吊り下げた横板に「Singapore Seafood Emporium」。
さっと眺めるメニューには、「ナシゴレン」「トムヤム」といった見慣れたフレーズと馴染みのないフレーズとが混在しています。

右手の通路から中へと入ると、オープンなキッチンの雑然とした臨場感が迎えます。
ドア枠を潜る道路側エリアは透明なシートで区切ったテラスになっていて、アジアの食堂的雰囲気をさらに醸出しています。emporium01.jpg


ランチメニューはバラエティ豊か。
「飯精選」emporium02.jpgと括ったご飯モノが、炒飯、リゾット、カレーまでの15種類。
「麺精選」emporium03.jpgには、炒麺から湯麺、トムヤムスープまでの14種類。


emporium04.jpg
まずは、ご飯モノの筆頭、「海南鶏飯」からいただいてみます。
「夢飯」や「海南鶏飯食堂」でお馴染みのお皿も、どこかぶっきらぼうに映る盛り付けが反ってアジアっぽい。
手羽先をちょこんと上に載せ、浅い色合いのスープ炊きライスは勿論長粒米。
emporium05.jpgemporium06.jpg
茹でるのではなくて蒸し上げるのかなぁと当てずっぽうに考えながら、ぶつ切りの一片を例のソースでいただきます。
しっとりとした肉の味わいは、素朴な風情。
何かが足りないような、いやいやこれでいいような。
このソースは、バリで買って帰ってきたことのある甘口な醤油「KECAP MANIS(ケチャップマニス)」と同じ系統のものみたいだ。


emporium07.jpg日を変えて今度は、「肉骨茶」。
こう書いて「バクテー」と呼ぶらしい。
ポークスペアリブを浮かべた薬膳スープで、そのスープが黒褐色に迫る。emporium08.jpg薬膳だから甘いってことはないよなぁとおそるおそる啜ると、それー!とばかりに如何にも薬膳な風味が襲う。
丁子(クローブ)や桂皮(ニッキ)あたりの薬膳素材を想像しながら、織りなす辛味に汗が滲んでくる。
そこへ角肉を浮かべた、これまたシンプルなご飯なのだけど、ふと目を閉じれば華僑住むアジアの島の食堂にいるような錯覚が一瞬過ぎる(笑)。


emporium09.jpg
あれこれ気になる麺モノから選んでみたのが、「チャオ クァイ ティオ」。
幅広のビーフンを海老、貝柱、しめじ、もやし、玉子なんかと一緒に炒めてある。emporium10.jpg全体を茶褐色が覆っているのはきっと、例の甘口の醤油で味付けしているから。
添えてくれている辛味を塗すようにしながらぴろぴろと啜るとオツな感じになる。
ま、こふいふのもたまには面白いね。


かつて、新橋、そして八重洲にあったという「シンガポール・シーフード・エンポーリアム」。emporium11.jpg夜ともなれば、"魚介市場"的なメニュー構成になるのかしらん?


「Singapore Seafood Emporium」 中央区入船1-7-9 [Map] 03-3206-1537

column/02818 @1,200-

口らーめん「はやし」で 焼き豚らーめん多層な深みと洗練塩もあり

hayashi.jpgそれはおそらく、5年以上も前のこと。
多分、どこかで昼メシ摂った帰り道。
246の南平台辺りからマークシティの脇へ抜けようと歩いていて目に留めた白い暖簾。
粋な和食処のそれのような潔さで、中央に「はやし」とだけ標してある。
頭上には、湯気を上げるドンブリと雷紋のシルエット。
「へー、洒落たラーメン屋だ、今度来てみよっと」と思って通り過ぎたのでありました。


それ以来、思いついてはマークシティ脇の急坂を登っては、営業していない様子の店先を眺めること幾度か。
どうやら午後三時過ぎまでしか営業していないと知って、ハードルが上がったままとなっていました。


この日は、野暮用で渋谷に11時半。
あっ!と思い出して足を例の坂道に向ける。
おひとりさま待ちの後ろについて、しばし待機。


暖簾の裏の券売機hayashi01.jpgにはボタンがいくつもあるけれど、メニューの表示があるのは潔くも「らーめん」「味玉らーめん」「焼き豚らーめん」の三つだけ。
味付玉子入りとある「焼き豚らーめん」を選んで、ダークブラウンを基調としたダイニングっぽいカウンターの奥へと進む。
落ち着いた清潔感は、悪くない。


やや径の小さなドンブリを覗き込むと、半切にした味付け玉子の向こうに焼き豚ならぬ煮豚が揃って並び、その先に海苔が一枚。
太目のメンマが脇を固めています。hayashi02.jpgスープを啜って真っ先に浮かんだのが、最近は云われなくなった「青葉インスパイア」の文字。
「青葉」を多層な深みと共にすっきりと洗練させた感じは、とうに「青葉」を凌駕している。
hayashi03.jpgじっくりとコクのある要素と魚介出汁のバランスに仕立ての良さを思ってニヤリとする(笑)。


そう云えばと、はんつさんの「無化調ラーメンMap」を読み返すと、ゲンコツなども使っているもののスープの基盤は国産鶏で、じっくり時間をかけて作り、一晩冷蔵庫で寝かす、とある。
なるほど、すっきりと深い滋味はそんな工夫からきているのですね。


麺はエッジの利いたストレート。hayashi04.jpg低加水で、粉の味わいを素直に愉しめる仕様になっている。
もっとシャキシャキと食べたかったら、硬めにお願いする手もありますね。


ご馳走さま!と告げて帰ろうとしたところで、客のひとりがチケットをカウンターに置きながら「塩でお願いします」と言ったのが肩越しに聞こえた。
へ?塩もあるんだ。
どうやら、券売機や店頭の品書きにはないけれど、醤油でなく、塩仕立てでも供してくれるらしいと知って、改めてとある土曜日の昼(笑)。


先日と同じ「焼き豚らーめん」のチケットを「塩で」と差し出します。
hayashi05.jpghayashi06.jpg
塩であっても、スープは褐色。
さまざまな材料のエキスが煮出されて、この繊細な表情のスープになっているのだねー、なんて思ったりする。hayashi07.jpg味わいは醤油の方が輪郭がしっかりしている代わりに、
スープそのものの奥行きは塩の方が断然判る。
hayashi08.jpgドンブリの底に小海老が残るのは、塩ダレに含んでいるからなのかな。
そもそもタレで食べさすラーメンじゃないので、醤油でも塩でも極端に味の印象が変わることはないけど、塩も試してみたらいいかもね。


らーめん「はやし」で、落ち着いた雰囲気と丁寧な仕立てのドンブリと。hayashi09.jpgセンター街や道玄坂沿いは似合わない、立地の妙を思います。


「はやし」 渋谷区道玄坂1-14-9 ソシアル道玄坂1F [Map] 03-3770-9029

column/02817 @1,000-

口信州戸隠そば「百々亭」で 一寸一杯おろし浅間にざる戸隠に

momotei.jpg長原~旗の台界隈で、蕎麦屋といえば思い浮かぶのは、長原駅前にあって残念ながらなくなってしまった「ちしま」か、中原街道沿い「長寿庵」か、旗の台駅裏の「笛家」か。
そしてもう一軒が、こちら「百々亭」。
江戸流のそばではなくて、信州戸隠そばを謳っています。
以前より、ちょこちょこお世話になってるんだ。

momotei01.jpg一寸一杯と生ビールをたのむと、突き出しに出てくるのが、そばせんべい。
ポリポリと素朴で軽快な口触り。

ひとまずその揚げたそばを齧りながら眺める品書きは、どうだとばかりに筆文字が迫る。
酒肴の品揃えもあれこれとバラエティがあって、例えば焼きものの中から選ぶ「うずらピョコピョコ焼」一串180円を二本ほど貰って、小さな玉子一個を口にしてはビールをくいっとして、また次の玉子でぐいっとする(笑)。momotei02.jpg燻製玉子のうずら版のような香ばしさがいいンだ。


そばを使ったつまみも幾つかあって、
「そば豆腐」は豆腐とそばがきと豆乳プリンの間にあるよな一品。
田楽風にタレが載せてあって、胡麻をふって。これはまぁ、ふ~ん、って感じ(笑)。
momotei03.jpgmomotei04.jpg
「そばコロッケ」ってのもあって、それは一見するに普通のコロッケ。
箸の先を割り入れると、中はやや鴬色がかったそばペースト。
もっちりまったりした、ちょっと不思議なコロッケなのです。


焼酎呑むなら、名物「そば湯割」かな。


さて、「百々亭」のおそばというと、品書きmomotei05.jpgには「戸隠」「真田」「小布施」「信濃路」「田毎」などといった信州の地名などに因んだざる・かけに「鴨葱」「天婦羅」「山菜」などが織り込まれています。


例えば、揚げ茄子を頂いた冷やかけの「茄子」。
時には、大根おろしを山頂の雪に擬えているという「浅間」という手もある。momotei06.jpg


momotei07.jpgでもまぁ、素直に基本形の「戸隠」をざるでいただくのがよろしいようで。
ぼっち盛りと呼ぶ盛り付けをした笊から、盛り付けのままのひと束をつゆに浸して一気に啜る。momotei08.jpgズ、ズズ、ズズズー。
つゆの甘さやほのかに残るエグみがちょっぴり気になるものの、
そばそのものの喉越し風味は悪くない。
うんうんと頷いて、ズズ、ズズズー。


ちょいと信州に小旅行しちゃってる気分が味わえるかも、の戸隠そば「百々亭」。momotei09.jpg外気が気持ちいい時季には、店先のテーブルで冷たいお酒をやっつけるのも、きっとオツなんだな。
大井町のお店については、ゆきむらさんのレポートでどうぞ。


口関連記事:
  手打ち蕎麦「ちしま」で おろし生姜がなんともオツなかきたまそば(06年06月)
  総本家「長寿庵 くり田」で 有頭海老の天もり長寿庵の潮流(07年09月)
  手打蕎麦「笛家」で 曇りなき牡蠣の魅力蕎麦打つ音を聴き乍ら(09年02月)


「百々亭」旗の台本店 品川区西中延2-15-19 [Map] 03-3783-0801

column/02816 @2,200-

口たん「助六」で たんは焼かずにしゃぶに佳し唐揚げつくねに角煮

sukeroku2.jpgランチでちょこちょこお世話になっている、たん「助六」。
そういえば、夜の部にお邪魔したことがあったような気がするのは、移転する前の店でのことかもしれない。
ランチの後、店先でしげしげ眺めた夜メニュー。
そこにある「たんしゃぶしゃぶ」の文字に、「要予約かぁ」と呟いてみたりしていた。
と、そこへ、なんともジャストなタイミングの「たんしゃぶってのも乙かもー」とお誘いが。
行からいでか、行からいでか(笑)。

二階に上がるのも初めてなのでは?と思いながら、促されるまま座敷の隅へ。
今宵のテーブルは、築地王さんワシ・ブロさんromyさんとの4名さまご一行。
まずは勿論ビールをいただいて、
「たんしゃぶ」前にやっぱりアレコレ欲しいと品書きsukeroku2_01.jpgsukeroku2_02.jpgsukeroku2_03.jpgsukeroku2_04.jpgを物色します。


流石たん料理専門店と云うべきか、「たん」の文字がアチコチに踊る見開きから、「牛たん唐揚げ」「牛たんつくね」を。


「牛たん唐揚げ」は、パリパリと硬めの衣が薄いたんのスライスを包んでいる。sukeroku2_05.jpgなんというか、そうと知らずに何気に口にしたらちょっと変わったハムカツ齧ったような、そんな感じ。


「牛たんつくね」の方は、なかなかイケる妙味。sukeroku2_06.jpg粗くタタいたたんを丸めて、カラっとしたつくねにしてあって、齧れば間違うことなきたんの風味。
甘酢風のタレもまたいいんでないでしょうか。


sukeroku2_07.jpg
予約に対するサービスとして提供してれた「たん助六」と筆文字で大きく記す徳利の焼酎は、あっと云う間に空いてしまって、同じモノをお代わり。


さらには、「ゆでたん」と「牛たん角煮」を注文む。
最初に届いた小皿を見て、どう見ても「ゆでたん」ではないので、これが「角煮」であるのかと一同でちょっと訝る顔になる。sukeroku2_08.jpgランチで食べた煮込みとは仕立てが違うけど、これはもしや「牛たん煮込み」ではあるまいか。
多分お願いしたものとは違うけど、ま、いっか(笑)。


続いて届いたお皿の、なるほどこれは角煮だぁねの「牛たん角煮」も、悪くない。sukeroku2_09.jpg厚切りゆえの柔らかな噛み応えと一緒に、酒肴にもご飯のお供にも適う魅力があるね。


sukeroku2_10.jpgそろそろご用意いたしますか、ということでコンロがテーブルの真ん中へ。
野菜たちと一緒に届いた大皿にピンクに鮮やかなたん、たん、たん。
1ミリちょいの切り厚といったところでしょうか。
湯気を立てる湯殿にひたっと浸してうっすら霜降りになったところをポン酢系のタレにちょいとつけて、いただきまっす。sukeroku2_11.jpg焼いたたんに感じる噛み切れない時の遣る瀬なさなんて、なんのこと?
軟らかく歯の先を受け止めたかと思ったら、
たん独得の風味を残しつつ、するーんと胃の腑へと落ちる。
と、もう次の一枚へと箸の先が伸びている、ってな状況になる(笑)。


たんは焼かずにしゃぶに佳し。
どうやらそふいふことのようであります。


八丁堀のたん料理専門店「助六」。
女将さんによると、今の場所に移転したのは、もう13年も前のこと、なんですと。sukeroku2_12.jpg食べ損ねた「ゆでたん」が気がかりです。厚切りなのかなぁ(笑)。


口関連記事:たん「助六」で 牛タン焼きはたまた牛タン煮込み牛タンシチュー(09年05月)


「助六」 中央区八丁堀3-20-6 [Map] 03-3551-9705

column/00622 02 @5,500-

口品達「伝説のすた丼屋」で特すた丼肉増しすた丼ニンニク増し増し

sutadon.jpgラーメン七人衆を集結した品達ラーメンに引き続いて、どんぶりモノの品達が開業したのはいつのことだったかな。
品川駅でお食事処を思案していて、
ハタと思い付いた高架下。
品達ラーメンを越えて、さらに北品川寄りへと歩みを進めます。
幟の並んだ階段を下りて、券売機の前に立てばもう、大蒜メインの匂いに包まれ始める。

sutadon01.jpgドアを入ればそこはもう、同じ匂いを共有する同志たちが蠢くようにする世界。
そんな状況にあって、若い女性客が少なくないのがまた奇妙な光景だ。


オーダーは、「特すた丼」。sutadon02.jpgフライパンで豪快に煽って炒めた豚バラ肉の上にこれまたたっぷりの白髪葱が載っている。
そしてその頂には玉子の黄身がスポットライトを浴びるように、艶めく。
sutadon03.jpgsutadon04.jpg
その下のご飯の一部とともに大口開けて肉を噛めば、当然というか然るべきというか、辛さを伴うほどに多量の大蒜が利かせてある。
突き抜けるようにここまでしちゃうのが、すた丼、なんでしょうね。


よしゃーいいのに(?)再び、高架下。
前回にも増して女性が多いことにある種こっそり圧倒されつつ、店のおねえさんに渡したチケットは、「すた丼」と「肉増し」sutadon05.jpg
焼肉デートのカップルは、なんて勘繰りはどうやら遠い昔の情緒のようでと思いつつ(笑)。


過日の「特すた丼」にあった白髪目葱のあしらいもなく、ただただ直球のニンニクタレ炒めの豚肉盛りには、潔さすらある。
sutadon06.jpgsutadon07.jpg
玉子を真ん中に乗っけてみると、急に表情を現してきて、
食べ口の面からもまさに画竜点睛をみる思い。

sutadon08.jpg疑うことなき確信犯ではあるのだけど、脂含みの豚バラ×ニンニク塗し攻撃はやっぱりズルい。
突如「二郎」したくなるのと同じ症状が自分を襲うかもしれないことが、心配だったりして。
ま、また食べに行けばいいだけのことなンだけど。


分倍河原の本店で35年に亘って"一丼相伝"で守られてきた絶対の味を惜しげもなく口々に伝える品達どんぶり「伝説のすた丼屋」。
お家でもできそうな、決してそうではないような、そんなニンニク増し増しがいただけます(笑)。


「伝説のすた丼屋」 港区高輪3-26-21 品達どんぶり内 [Map] 03-5475-7020 http://www.shinatatsu.com/

column/02815 @770-

口PIZZA DINING「SALA」で ナポリターナとカルボアラビの個性

sala.jpg中原街道沿いの昭和大学病院前。
ほんの一時「ちゃぶ屋」の支店があったところが、
以前よりピザハウスになっていました。
PIZZA DINING「SALA」。
何故だかどうも、その店名の響きが美容院のそれのように思えて(笑)、気になりつつもお邪魔できずにいました。
硝子越しに覗く店内は、賑やかな夜もあれば、そうでもない日もある。
様子を窺いつつ、ちょっと寄ってみましょう。

店内の中央に奥へ行くほど細くなる大きなテーブルがデンとあって、積み上げた缶や木箱で中央を仕切って、ぐるりと廻るカウンターのような使い勝手になっている。
そのテーブルの右手と手前窓際のテーブルとに二組の女性陣の先客がいる。
左手奥に陣取りました。


グラスの白をいただきながら眺めるメニューsala01.jpgにメインのピッツァは、9種類。
定番「マルゲリータ」に野菜と括弧書きされた「オルトナーラ」、続いて「ナポリターナ」とある。
そこには(アンチョビ)と添え書き。
「アンチョビがなんでナポリターナなんです?」と姐さんに尋ねるも、
厨房に訊くでもなく他人事のように「さぁ~?」と仰る。
まぁいいかぁと笑いながら、その「ナポリターナ」をお願いしました。


sala02.jpg
少し焦げたような香りが漂ってきたら、円盤の出来上がり。
縁は大きくも厚くもないタイプ。
バジルの葉の緑が鮮やかなコントラストで、一見マルゲリータのようにも見える。sala03.jpgカッターで放射状にススッと切り分けて、二つ折りにして口で迎えにいくようにして頬張る。
香ばしい薄手の生地の中に潜む素朴なもっちり感。
ほどよく配されたアンチョビの塩っけと発酵旨味が所々で効果を発揮する。
うん、地味ながらも悪くない。


パスタsala04.jpgはどうだろうと後日、同じく定番系から「カルボアラビ」。
まぁ、カルボナーラでアラビアータなのだろうことは、容易に想像ができるよね。

sala05.jpg
ホワイトソースで和えたスパゲッティーニあたりの麺の上にトマトソースがとぷっと載り、チーズもたっぷりとおろしてくれている。sala06.jpgそしてそのトマトソースは勿論、そこそこ唐辛子が利いている。
ニンニク風味がいい仲立ちをして、ホワイトソースとアラビアータなソースも不思議なマッチをするもんだと感心する。
くどさがないのが、なんちゃて創作パスタに陥らない仕立ての妙か。


昭和大学病院前のピッツェリア、「SALA」。sala07.jpgどことはとなく漂うユルさが個性になっている。そんな気がします。


「SALA」 品川区旗の台2-1-25 [Map] 03-3782-1230

column/02814 @1,730-

口手打ちうどん「きくや」で これぞ武蔵野うどんぬはははスルンと3L

kikuya.jpg西武多摩湖線の武蔵大和駅と八坂駅の間の踏切近く。
ここも武蔵野うどんの聖地のひとつと知りながら、足廻りの具合もあって参拝することができていませんでした。
車を線路脇の駐車場に停めて、いざいざ。
群青の幟の向こうに、潔い白の暖簾が揺れています。

食べ終えて満足そうな表情のお客さんと入れ替わるように店内に入ると、カウンターの真ん中に一席だけ空いていて、そこいいですとオバチャンに目配せすると、どうぞどうぞと柔らかな笑顔で迎えてくれます。
kikuya01.jpg
見上げるとそこに黄色い品札が貼り下げられていて、
「LL」とか「4L」「5L」といった記号たち。
武蔵野うどんのお店はこうでなくっちゃねぇ~をほくそ笑む。
控えめに、「3Lミックス」をお願いしました。


kikuya02.jpgつけ汁にぬらぬらと脂が浮かんでいるのを見ては、こうでなくっちゃと心の中で膝を打つ(笑)。
おろし生姜と葱の薬味をつけ汁に投入して、刻み海苔と一緒にむんずとうどんを掴んで汁に浸して、一気に啜る!
kikuya03.jpgkikuya04.jpg
ぬはははははー。
またまた、こうでなくっちゃと頷いて、掻き揚げにも手を伸ばす。
うどんそのものは、讃岐のヒトが啜ったならば、なんじゃこりゃと驚きそうなノット・アルデンテ。
コシや滑らかさには特段関心のないところが、武蔵野うどんの真骨頂なのであります。
ちょっとクタっとしたノリで、ほんのり飴色の粉の滋味を素朴に真っ直ぐに愉しむ。
kikuya05.jpg
それは、是か非かではない。
武蔵野うどんとはそういうもんだ、と是非ご理解いただきたい(笑)。


3Lは、スルンと。
5Lでも良かったなぁ。


武蔵野うどんの正統派、「きくや」の廻田町店。kikuya06.jpg近くにないのが、とっても残念です(笑)。


口関連記事:手打うどん「涼太郎」所沢店で 特製かまだし4L肉汁武蔵野うどん(06年02月)


「きくや」廻田町店 東村山市廻田町2-12-11 [Map] 0423-94-9141

column/02813 @750-

口大衆洋食「自由軒」で 名物カレー大盛りレトルトとオバチャンと

jiyuken.jpg御堂筋から折れ入る、難波センター街。
老舗お好み焼き「ぼてぢゆう」本店や豚まんの「551蓬莱」などが軒を連ねるアーケードだ。
そのまま進むと右手に見えてくるのが、
「名物カレー 自由軒」の文字。
界隈でも一際、古き良き時代の風格を漂わせるのが、
ご存じ「自由軒」だ。
以前レトルトでいただいたのはこちらのカレーだったかな。

jiyuken01.jpg
茶色い暖簾を払うと迎える、オバチャンの声。
せっかちな空気を感じながら「名物カレーを」とお願いすると、「大盛りにせんでもよろし?」的オバチャンのお訊ねに思わず「で、では、大盛りで」と応えることになる(笑)。


厨房に向けて「インデアン1丁!」などといったオバチャンたちの声が交差します。
品書きには「インデアン」はないけど、「名物カレー」の符丁は「インデアン」なのだね。
それにしても、喋り捲るオバチャンたちの様子が気にかかる。
誰かを厭味交じりに詰るような揶揄するような口調がすっかり身についているところに一種の感慨を覚えます。


意外と時間掛かるのねぇと思い始めたところでお皿の到着。jiyuken02.jpgおお、真ん中に生玉子がひとつ、という光景を待っていたところにペア玉子。
大盛りにすると、こうなるってことなンだろね。


まずは、混ぜカレーの部分をそのままいただくと、うん、ぴったりあのレトルトの味と同じ。
Webサイトを見ると、レトルトを販売しているのは「せんば自由軒」のみで、ここ難波「自由軒」ではそんな安易な真似はしないとある。
ということは、新大阪辺りで買って帰って食べたレトルトは「せんば自由軒」のものだったってことになるね。
にもかかわらず、その味と素直に同じに思えるのは、そもそも大した違いがないのか、食べてる方がワカランちんなのか。


玉子ひとつを突き崩して、混ぜカレーをさらにまぜまぜして、スプーンを動かす。
粉っぽさはそのままカレー粉のイメージに結びつく。
jiyuken03.jpgjiyuken04.jpg
確かに玉子の黄身のコクは、シズルなリズムを添えてくれるし、四代目の推奨に従ってウスターソースをちょろっと廻しかければ味わいに輪郭が増す。
それと同時に、カレーに玉子を落として当たり前のことのようにソースをかける所作を初めて目にした時の驚きを思い出す。
そんな食べ方の起源がここ、だったのですね。


大正43年創業のザ・レトロ食堂「自由軒」。jiyuken06.jpg当時の、自由民権運動が起きていた時代背景の中で、新しい風を感じられる「自由」という言葉を店名に冠した、という。
jiyuken05.jpg「名物カレー」以外にも、「別カレー」「ドライカレー」「ハイシライス」「カレーオムライス」あたりも気に掛かる。
あ、ホールで繰り広げられるオバチャン劇場もまたひとつの名物だったりして(笑)。


「自由軒」難波本店 大阪市中央区難波3-1-34 [Map] 06-6631-5564 http://www.jiyuken.co.jp/

column/02812 @850-

口La barre et café「TOUT」で ビーフシチューすっきり明瞭旨味

tout.jpg八丁堀の裏通り。
周囲に溶け込むように馴染んでいた「珈琲 ラン」が店を閉めてしまうと知ったのは、3月も末頃か。
月が変わって覗いてみると、
早速新装へ向けての作業中のご様子。
どんな店ができるのかなぁと思っているところへ出現したのが、青緑の壁と白い建具で構成するファサード。
La barre et caféとある通り、カフェのようですね。

落ち着いた佇まいの店内の壁にはモルトの「山崎」や「CAOL ILA」あたりのボトルたちが並んでいて、夜にはそれも可ということらしい。


路上の黒いA看板で既に決めていたオーダーは、「ビーフシチュー」。
大き目のお皿にたっぷりと注がれた赤褐色のソースに、
じゃが芋、人参、玉葱、角肉などがゴロゴロと。tout01.jpgこれが想定外に美味しくて、ちょっと吃驚。
すっきりと明瞭な旨味に、加減のいいコクと香り。

tout02.jpg訊けば、一からの手作りだというから、感心頻り。
喫茶店のなんちゃってシチューかもねと少しでも疑ったのは、失礼なことでありました。
これに、焼き立てのパンとドレッシングも本気なサラダ、さらにコーヒーがセットで1,000円とはおトク過ぎないかなぁと思っちゃう。


tout03.jpg
別の日のメニューにあった「ホワイトシチュー」も食べたいなと件のA看板を度々覗くのだけれど、試行錯誤と事情と時季があるようで、それ以降は日替わりの「幕の内弁当」が続いていました。


と、今度は「チキンカレー」を発見。
おおっと思って早速寄ってみると、これまた具沢山なみなみカレーにほくそ笑む(笑)。tout04.jpg辛さはほぼナシのお家カレー系の仕立てだけど、な~んかイイのだよなぁ。
tout05.jpgふと、"カレーは飲み物"という名言を残したウガンダは亡くなっちゃったけど今それが判る気がするかも(笑)、なぁんて勢いでガツガツスプーンを動かしちゃう。
はい、ぺろんとご馳走さまっ。


鮮やかなブルーグリーンと白とのコントラストが目印のカフェ「TOUT」。tout06.jpg「TOUT」と書いて、「テュー」と読むその意は"すべて"。
女性店主の、今に至るまでの自分のすべてを注ぎ込んで、という気持ちからそう名付けたのだそう。
こんな店をやりたい、きっと、そんな想いのあれこれが鏤められているのでしょうね。


「TOUT」 中央区八丁堀2-28-9 田中ビル1F [Map] 03-3523-0680

column/02811 @1,000-

口中華料理「自慢亭」で 炒合菜麺炒麺特製からしと麺の個性と

jimantei.jpgLive Cafe「Again」の入るペットサウンズ・ビルを背にして右手を振り向くと、
信号の向こうに見えるのが「自」「慢」「亭」の三文字。
きっと駅前からも目に留まるように大きな文字にしている。
でももうそんな、ココにあるよ!的誘導はあまり必要ではないようで、それはつまり地元では既によく知られた人気店であるから。
さて、その人気の秘密はどのあたりにあるのでしょう。


jimantei12.jpg
jimantei01.jpg中華のお店には割りと珍しい、白木のカウンターがずいっと奥へと伸びていて、
左手にテーブルが少々。
厨房は実に開放的で、ガス台や麺を湯掻く鍋などなどがよく見える。
左手奥にはなぜか「自慢亭」の大きな暖簾が掛かっています。


「湯麺(タンメン)」にしようか「炒合菜麺(野菜ラーメン)」にしようかjimantei03.jpg
「広東麺(うまにソバ)」もいいかもしれないなぁと思案して、野菜ラーメンをとおばちゃんに。
すると早速、北京鍋が翻る。
jimantei04.jpg
届いたドンブリにはたっぷりのスープに焦がし葱が浮かび、見るからにしゃきっとした野菜たちが程良くこんもりとしています。jimantei05.jpg


化調の気配のスープはひとまず置くとして、引き上げた平打ちの麺が印象的。jimantei06.jpgつるんと滑る口元や歯応えやカジる風味が、例えば細く仕立てた水沢うどんのような、半生の乾麺を湯掻いたもののような印象を抱かせる。
いいね、面白いね。


後半に差し掛かった辺りでお品書きの指南に従って、目の前の「す」そして「からし」を入れてみます。
jimantei07.jpgjimantei08.jpg
「からし」は、唐辛子一味の具沢山ラー油とでも云えそうな、「自慢亭」特製独得の辛味調味料。
唐辛子の種もたっぷり入っているゆえ、投入し過ぎないよう気をつけつつ(笑)、ちょんと載せて、全体に馴染ませるようにすると、キリリとした辛さと風味がさらに一気に啜るようにせき立てる。
う~ん、なるほどね~。


そして、廻りのお客さんたちのオーダーの声を聞く中で圧倒的に人気なのが、
ぎずもさんも食べている「炒麺(軟い焼きそソバ)」。
やわいやきそば、と読ませるンだろうなと思いながら、オヤジさんにその旨告げる別の昼。
北京鍋を煽る後ろ姿を眺めつ、時折左手のテレビに視線を送る。
ぼーっとテレビを眺めているところに、すーっとお皿が差し出されました。jimantei09.jpg


これもやっぱり、麺のキャラクターが活きている。jimantei10.jpgそして濃すぎず、塩辛過ぎずの味付けには老舗的安定感を感じます。
大盛りでも良かったなぁ(笑)。

jimantei11.jpg
その安定感は、
「焼飯(五目チャーハン)」にもそのまま発揮されています。


品書きをよく見ると、"中華料理、登録商標、自慢亭"とある。jimantei13.jpg「自慢亭」は、登録商標なのですね。


「自慢亭」 品川区小山4-3-14 [Map] 03-3781-5103

column/02810 @770-

口お食事「まるやま」で 定食豚バラしょうが焼きロースしょうが焼き

maruyama.jpg旗の台から昭和大学病院に至る商店街に馴染むようにある食堂「まるやま」。
黄色いテント地に「食事 まるやま」と赤い文字。
その飾り気のなさに、なぜかグッと惹かれます(笑)。
主要なメニューを掲示した店頭の看板には、
"自慢のおいしいコシヒカリ"とある。
なんだか旨い飯が喰えちゃいそうな、
そんな気がしませんか。

狭い間口の右手に丸いスツールを並べ、
オッチャンオバチャンが「いらっしゃーい」と迎えるカウンター。
メニューは背中越しの壁に貼ってあって、その冒頭にあるのが「ライス」200円。
「ご飯」が品書きの最初に書いてある店って、そうはないンじゃないのかなぁ。
maruyama01.jpg
「ハムエッグ定食」にはじまる定食メニューは、全14種類。
「カニコロッケ定食」「いかフライ定食」「さば塩焼き定食」から「鉄板焼き定食」「牛焼肉定食」まで。


ぐるぐる悩んでお願いしたのは、「豚バラしょうが焼き定食」
オッチャンが使い込んだフライパンにバラ肉と玉葱をジュッジュと放り込む。
漂う甘い匂いに生姜の風味がちょっぴり混じる。

届いたお皿のバラ肉が、はよ食いなはれと誘う。maruyama02.jpg急かされるように箸を手にして、それらを口に放り込み、左手のご飯を追い掛ける。


お、ん、あれ?っと茶碗の中をじっと見る。
ご飯が甘くてふっくらとして、つくづく旨い。
なるほど、自慢のと謳うだけのことはあるなぁと感心しながら、肉、ご飯、時々味噌汁と繰り返すピッチが早くなる。
つゆだく系のしょうが焼きは、バラ肉の脂の甘さをそのまま大事に表現したような仕立てがいい。maruyama03.jpg


「まるやま」のしょうが焼きにはもうひとつあって、それが「ロースしょうが焼き定食」。maruyama04.jpg艶やかなロース二枚が再び誘うお皿もつゆだく。
千切りキャベツやケチャップ炒めスパゲティもつゆに浸ってる。

ちょっとした噛み応えの後からくる豚肉の旨味と脂の甘さとタレ風味の渾然。maruyama05.jpg
そしてホフホフと咥えるご飯が、その渾然をしっかと受け止めて、やっぱり旨い。
いいね~(笑)。
この日のなめこ汁はもちろん、季節ごとの味噌汁もまた、何気なくも佳いのであります。


街角のご飯が旨いお食事処「まるやま」。maruyama06.jpg常連さんとの会話に耳を傾けていると、どうやらオッチャンオバチャンは新潟の柏崎-小千谷あたりの村のご出身らしい。
旨いご飯、旨いコシヒカリの秘密はその辺りとも関連があるのかもしれないな。


「まるやま」 東京都品川区旗の台2-7-8 金子ビル [Map] 03-3786-2681

column/02809 @750-

口博多麺房「赤のれん」で チャーシュゥめん博多ラーメンとの出会い

akanoren.jpg最初に西麻布へと下る坂道のこの店を訪れたのは、
いつのことだったろう。
博多ラーメンというジャンルに初めて出会い、すっかり嵌まったのは、なんだかんだ云ってもこの店の到来に起因している気がする。
その流れで、「じゃんがら」に通うことになったんじゃなかったかな。
その博多ラーメン「赤のれん」へ、
久し振りに寄ってみました。


すっかり縁遠くなった六本木ヒルズ前から霞町の底へ向かってずっと坂を辿ると見つかる、赤い暖簾に一抹の懐かしさが過ぎります。
きっとあの頃のままなンだろなぁと思いながら、L字カウンターの奥へ。
捻り鉢巻の兄さんたちスタッフの年嵩や肝の据わった覇気と落ち着きに、ちょっとした老舗の風格を思ったりする。


akanoren02.jpg「チャーシュゥめん」に「のり」「味つけ玉子」を添えてもらいます。
ラーメンに「のり」トッピングをセットしちゃう習慣も、「赤のれん」「じゃんがら」での繰り返しが習慣化したものだと今気づいたりして、ね。akanoren01.jpg褐色に白濁したスープにチャーシューの焼き目が絵を描くドンブリ。
少々慌て気味に(笑)、レンゲを手にスープを啜る。
ザ・乳化とでも詠んでしまいそうなマイルドスープに意外とあっさりしたコク味。
あの頃はもっと、屋台の醍醐味の片鱗をみるようなトンコツの野生が毅然とあったような気がするのだけれど、時代の趨勢か、世のニーズにアジャストさせるような調整がよりなされているのかもしれません。
akanoren03.jpgakanoren04.jpg
振り返れば、女性おひとりの客が三人に子供連れのお母さん。
なるほどなぁ、でもこれはこれで悪くないなぁと思いながら、啜る極細麺。
このちょっと平たい細麺も初めて食べた時は、おおおと刮目したことを思い出す。
「麺カタで!」と叫ぶのが常であったなぁと。akanoren05.jpgうーん、久し振りに替え玉しちゃいましょう(笑)。


きっとあの頃はなかったのじゃないかなぁと思うのが、「赤のれん」の「味噌らぁめん」akanoren06.jpg
再訪しての「野菜盛トンコツ味噌らぁめん」をやっぱり「のり」トッピングでお願いします。

わざわざ"トンコツ"と断らなくてもいいのになぁと考えつつ、でもそうしないとキャラクターが不明で「どんなの?」と訊くひとが増えるかもなと考え直す。


一見するスープの表情は、やや白っぽいものの、「らぁめん」と極端な差異はない。akanoren07.jpg白味噌の甘さが優しくて、品よく纏めた今のスープにはこういう仕立てでバランスをとることになるのだねとひとりごち。
akanoren08.jpgakanoren09.jpg

例えば、「ど・みそ」の味噌ダレを導入しようとしても、そうするとスープが弱いってことになっちゃうのかな。
でもでも、すんなりと舌に馴染んでするりと胃の腑に収まって、気持ちも満足なんだけどね。


akanoren10.jpg
西麻布「赤のれん」が、博多「赤のれん」から暖簾分けするかたちで東京に誕生したのが1978年のこと。もう30年にもなるのだね。akanoren11.jpg新店と閉店が交差するラーメン界にあって、この店もずっと此処にあって欲しい店の一軒です。


口関連記事:博多らーめん「赤のれん」で 濃くクセないスープと極細麺の健在(03年05月)


「赤のれん」 港区西麻布3-21-24 第五中岡ビル1F [Map] 03-3408-4775

column/00651 @1,100-

口讃岐手打ち「釜たけうどん」で ちく玉ぶっかけ温いヤツの出色

kamatake.jpg「肉吸い」の「千とせ」や洋食「しき浪」を思い浮かべる、
千日前の道具屋筋界隈。
讃岐で修行し、そこへ大阪うどんのエッセンスを融合し、感性の求めるがままに進化させている天晴れなうどん店があるという。
グランド花月の前を通り過ぎたその先辺り。
極普通の町場のうどん店な風貌がまた、いい。

入れ込み状態の店内。
人数を訊かれ、そのまま奥のテーブルで相席となりました。


kamatake01.jpgその間でも耳に入ってくるのは、「ちく玉天ぶっかけ」というオーダーの声。
どうやら、それがダントツ人気の一杯のようです。
おねえさんに「同じく、ちく玉天ぶっかけ、温いヤツ」と告げます。


茹で上げとのタイミングにより若干時間がかかるのはむしろ当然のこと。
壁に貼られた芸人・芸能人の色紙をぼんやり眺めながら、ドンブリの到着を待ちます。
待っている客には、「あと2分ほどかかりますので、お待ちくださーい」とおねえさん。
忙しい中でそんな気遣い、プチ嬉しいじゃありませんか(笑)。


「はーい、ちく玉天ぶっかけ、でーす」。kamatake02.jpg届けてくれたドンブリには、20cmはゆうに越える長さのちくわ天ぷらと玉子の天ぷら。
檸檬の半月切りが添えられています。kamatake03.jpg

テーブルの天かすをちょっとのせてから、おろし生姜を鏤めるように混ぜ回し、いざいざ。


ひと廻りふた廻り太い印象の麺には量感があって、柔そうでいて力強さがある。
讃岐に思う明快なコシつきとは違う、妖艶なプルフルがいい。
kamatake04.jpgkamatake05.jpg
エロ旨いとはこのことか(笑)。
といって、しつこいかというとそんなことはなくて、とろけるようにあっけなく喉元を過ぎていく。
オヤジ、やるなぁ。


玉子の天ぷらを火傷しないようにそっと齧ると、あっけなく黄身が零れ出る。
天ぷらにしているのに中は半熟というのは、それなりの手管があるのだろうね。
レア気味に茹でておいた半熟玉子をさーっと揚げる感じかな。


道具屋筋で才気煥発「釜たけうどん」。kamatake06.jpg
瀬戸内を渡り、大阪に土着した讃岐うどん店も少なくない中での、出色を思います。


口関連記事:
  うどん肉吸い「千とせ」で 肉吸いと玉子かけご飯これはいい(07年07月)
  グリル「しき浪」で 特製ランチはチャプスハンバーグ大海老フライ(08年06月)



「釜たけうどん」 
大阪市中央区難波千日前4-20 せんだビル1F [Map] 06-6645-1330 http://kamatakeudon.kt.fc2.com/

column/02808 @750-

口たん「助六」で 牛タン焼きはたまた牛タン煮込み牛タンシチュー

sukeroku.jpg時折思い出したかのようにお世話になっている、
たん「助六」。
快活な女将さんがトレードマークのたん焼きのお店だ。
どちらかというと、近くの「わすけ」よりもなぜかこっちに来ることが多いのは、ひとえに女将さんの客あしらいの賜かもしれません(笑)。

「たん 助六」なので、「助六」でまずはなにかというとやっぱり、
「牛たん焼定食」か同じ定食のとろろ付か。sukeroku01.jpgsukeroku02.jpgsukeroku03.jpgsukeroku04.jpg
ただ、焼き立てが冷めるにつれ、みるみる硬くなるのは詮無いこととは知りながら、どうにかならないものかなぁと思ったりすることも少なくない。


それはそれとして、「助六」のお品書きには「牛たん焼き」以外のメニューもある。


sukeroku06.jpg
それは例えば、品書きsukeroku05.jpg末尾の「牛たん煮込み定食」。
厚くぶつ切りにしたようなたんの肉片が、大根や人参なんかと煮込まれている。sukeroku07.jpgsukeroku08.jpg
こっくりとしつつあっさりめの仕立てで、ふ~んふむふむという感じ(?)。
時折、卓上の唐辛子の味噌漬けに箸をのばしつつ麦飯を掻き込むのは、たん焼きの時と変わりません。


そしてもう一品が、「牛たんシチュー定食」。
こちらは一転、洋食の雰囲気も滲ませる。sukeroku09.jpgsukeroku10.jpgsukeroku11.jpg
生クリームを回しかけた、デミグラス風の褐色ソースが柔らかなたんに沁みて、それがベタつくことなく旨味を真っ直ぐ届けてくれるようで、ご飯がススむ。
なんだか、たん焼きよりもこっちが定番になっちゃいそうな気がします。


八丁堀のたん料理専門店「助六」。sukeroku12.jpg近くから移転してもう随分経つけど、あれはいつのことだったかな。
店名の由来と一緒に、今度女将さんに訊いてみよう。
予約にて承ります、という「牛たんしゃぶしゃぶ」sukeroku13.jpgも気になります。


「助六」 中央区八丁堀3-20-6 [Map] 03-3551-9705

column/00622 01 @950-

口家庭料理割烹「園山」で 愛の食材達蕗味噌へしこご飯黒豆プリン

sonoyama.jpg都内、恵比寿、某所。
案内されるまま見知った道を白金方向へと辿る。
丁寧に案内された目印に従って、
猫道へと斜めに肩を入れる。
ここを入るのかぁ、ときっと誰もが思う。
そして迎える古民家の佇まい。
飛び石を渡りながら、こりゃ住所だけではおいそれと行き着けない、まさに隠れ家だなぁと思う。
引き戸を開けて思わず口をつく、「こんばんは~」(笑)。


下宿として使われていた、築60年になろうかという古びた建物に手を入れて、
お食事処として甦らせたんだそう。
二階にも客間はあるようですが、案内されたのは玄関を上がって右手すぐのお部屋。
ここで暮らした下宿生もあったのだろうねぇなどと、不思議な懐かしさに包まれます。
オーナーの園山さんにもご挨拶いただきました。


まずは、沖縄の島南瓜と豆乳の温かいスープ。sonoyama01.jpgお酒の前にと拵えてくれた小さな小さな湯呑み状の杯は、
微かに薫る日向臭さと優しい風味に和ませる。


前菜の三品が、
長芋とおからのポテトサラダ、粟の生麩の自家製胡麻味噌焼き、壬生菜と高野豆腐の煮びたし。
sonoyama02.jpgsonoyama03.jpgsonoyama04.jpg
もっちりした粟の生麩の食感と香ばしくした胡麻味噌の柔らかな風味がいい。


お造りは、かつをのアンチョビとケーパーのソース。sonoyama05.jpg薬味には、茗荷や蕎麦のスプラウト。
お刺身に別の魚の塩蔵を使ったソースをあしらうなんて、やるなぁ。
それも、香りのはっきりした鰹だから活きるのかもね。


福岡の麦「歌垣」を舐め始めます。


続いて、綺麗な多層の造形をみせる、アボカドのジュレ寄せ。sonoyama06.jpgトップに置いた雲丹の深い橙とジュレの層を挟んで透けるアボカドの黄緑色。
味わいをきりっとさせているのが、バルサミコとお醤油のタレ。
出汁で炊いた柔らかな筍と酢漬けの蓮根がさらに幾重の食感を添えています。


ホットな蓋を開ければ、湯気と一緒に浅蜊の茶碗蒸し。sonoyama07.jpg青海苔のあんに山葵を溶いて、ほろほろっと口の中で躍らせると、
浅蜊の磯風味や旨味がふわんと蘇る。
うへへ、しゃあわせ~、かなんか思わず呟いちゃうね。


sonoyama09.jpg天麩羅はというと、
たらの芽、グリーンピースのかき揚げ、
そして稚鮎を紫芋の塩で。sonoyama08.jpgたらの芽の香気はもとより、稚鮎のほの苦味がオトナだぞ(笑)。


片やお肉篇はというと、大和豚の蕗味噌焼き 蕗と春キャベツのおかか和え。sonoyama10.jpgすっきりした甘みの豚さんは、縁取る蕗味噌の薫りと一緒にするっといただける。
なにかと手間がかかっているのだろうになぁ、それはもう呆気ないほどにするんと、ね。


これもひとつのスペシャリテ、お野菜丸ごとの肉じゃが。sonoyama11.jpgなぜだか見るからに滋味深そうに映る人参、玉葱、じゃが芋。
煮崩れる気配のないその具材に箸を運ぶと、すっと柔らかに切り割れる。
思わず、じっと目を閉じて味わってしまう感じになる。


そしてお食事は、鯖のへしこの炊き込みご飯に島豆腐を浮かべた椀、お漬物。
sonoyama12.jpgsonoyama13.jpg
玄米に赤大豆、筍、牛蒡を含むご飯だけれど、なんと云っても、炊き込んだへしこの滋味風味とその発想が佳いよねぇ、うん。


sonoyama14.jpg
〆のデザートは、三品の盛り合わせで。
黒豆豆乳のプリン、春菊のシフォンケーキ、五郎島金時のガトーショコラ。
sonoyama15.jpgsonoyama16.jpgsonoyama17.jpg
オーナー真希絵さんの出身地・出雲産の無農薬黒豆を使っているというプリンには、う~む1ダースほどお持ち帰りしたい!と唸ったけど(笑)、バターを使わずに仕上げたというガトーショコラには薩摩芋からおからまでも入れていると訊いてまた唸る。
シフォンケーキで弾けるえごまの実の香ばしさがまたニクい。
なんか、愉しむように試行錯誤している様子が浮かんでくるようだ。


sonoyama18.jpg卓上ある「園山の卯月に招かれし愛の食材達」と題した一葉には、山独活、蕗の薹、うるい、こしあぶら、蓬、桜鱒、白魚といった食材の名の筆文字がぎっしりと並び、まだまだ書き切れませんと続いています。


古民家を甦らせた恵比寿の隠れ家、家庭料理割烹「園山」。
"家庭料理割烹"とは、なんたるか。
肩肘張った形式や華美な創作とは一線を画す実直な割烹料理か。
はたまた、健やかなる旬の食材に真摯に向き合う家庭料理の昇華か。


一見客お断りの会員制に準じた構えにしていて、もしや妙に威高な店なのではと訝る向きもあろうけど、然にあらず。
それは女性だけで運営していることもあって、荒れないようにしていたい、
ということなのかもしれません。
でも、彼女の、彼女たちのお皿をもっと気軽にいただけたら嬉しいな、とも思います。


「園山」 恵比寿 某所

column/02807 @11,400-


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