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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口やき鳥「さくら家」で ピンク刺し豆ヒゾー寒雀おばあちゃんの笑顔

sakuraya.jpg以前より、八丁堀~入船エリアで焼鳥屋と云えば、
古くから此処だぜ!と聞いていたお店があります。
幾度か空席有無の電話を入れたことがあるのだけど、毎回決まって「ごめんなさいね~」。
結局なかなかお邪魔する機会なく、ずっと脳裏の片隅にちょんとひっかかっていました。
新富町駅近くの市場通りから目に留まる、ぽってりとしたフォルムの赤提灯。
そこに書かれた「さくら家」が、その焼鳥屋の店名です。

6時半までなら可能という予約時間に間に合うように、到着。
暖簾の先に頭を入れると、ふわっとした熱気に包まれる。
左手のカウンターは既に呑兵衛さんたちのにこやかな笑顔で埋まり、ほっこりとした賑やかさに満ちています。


お願いしていた椅子席は突き当たり辺りにあるのだろうと奥へと進むと、その先がL字に右に折れていて、そこにテーブルが奥に向かって並んでいます。
お店の外の表情と間口からは想像できなかったねぇと顔を見合わせながら、一番奥のテーブルへ。


お品書きsakuraya01.jpgsakuraya02.jpgを横目に「どうお願いするのがいいですか?」と訊くと、「では、七、八本ほどみつくろいましょうか」と艶やかな笑顔のおばあちゃん。
ではそのようにとお願いして、まず乾~杯ぃ。

sakuraya03.jpg佃煮風のお通しは、ウスターソースを利かせた意外な逸品だ。


そして、芋焼酎「久耀」を届けてくれたおばあちゃんが「お刺身、盛り合わせ、しましょうか」と仰る。
うんうん、もうおばあちゃんに云われるとなんでも貰いたくなっちゃう。
商売上手なんだからぁとか云いながらいただいたお皿が「徳用三点盛りサシミ」。
sakuraya04.jpg
澄んだ甘みが嬉しいササミ、とろんとしてるのは間違っても古いからじゃないピンク色したクリーミーレバー、さくぅという歯触りが官能の砂肝。
sakuraya05.jpgsakuraya06.jpg
淡、艶、濃のピンクのグラデーションに、なはは、おばあちゃん、いいねいいよ。


さてさて、まずの串たちが、つくね、砂肝、ミツバ巻き。
sakuraya07.jpgsakuraya08.jpgsakuraya09.jpgsakuraya10.jpg
タタキ加減もタレのキレも、うんうんの「つくね」。
三つ葉をササミで巻くとは、そういう出会いがあったのね~、の「ミツバ巻き」。
「砂肝」にはさっきの刺身同様、軽さの中にある滋味。


続くお皿には、豆とヒゾーの串。
ぼんじりの小さいのみたいな「豆」がイケる。sakuraya11.jpg

「ヒゾー」は、ころんとしたレバーのようで、如何にも小さな臓器という感じ。sakuraya12.jpg張りがあるのも鮮度のいい証拠なのだろうね。


そして、「鳥なんばん」に「合鴨なんばん」。
sakuraya13.jpgsakuraya14.jpg
合鴨独特の風味と獅子唐の青みが絶妙で、おー、旨い。


sakuraya15.jpg雪隠の手前で気づいた貼紙には、「寒雀」とあった。
あばあちゃんに、あれってなぁに?と訊くと、「雀は今が旬なのよ~」と仰る。
雀に旬があるンだ、そうかジビエってことかことなのかもねと思いながら、
当然お願いすることに(笑)。
sakuraya16.jpgタレしっかりめで焼かれた雀さんは、硬いばっかりかと思ったらさにあらず。
ほんのりした野生の旨味に後からスジっぽさが追いかける感じで、面白い。


sakuraya17.jpgそして最後に「特製スープ」は如何と、おばあちゃん。
うんうんそれそれ、と玉子綴じの鳥スープ(210円也)。
ああ、すっかりおばあちゃんのペースだったじゃん、もう(笑)。
でも、それが良かったのかも。


sakuraya18.jpg入船で賑わう老舗焼鳥屋、「さくら家」。
暖簾には、「鳥やのやき鳥」とあるのは、茅場町「宮川」等のように、元は鶏肉の卸だったりするのかなぁ。sakuraya19.jpgそんなことを訊ねにまた、おばあちゃんの柔らかな笑顔の前へとお邪魔したいな。


「さくら家」 中央区入船2-2-1 [Map] 03-3551-4878

column/02756 @5,600-

口炭火串焼「東家」で煮込みレバてき炭火焼き板塀囲う昭和の景色

azumaya.jpg時に開かず踏切となる、所沢の大踏切を車や自転車を避けながらワルツの方から渡る。
渡りきったところで見えてくる大きな提灯が、
「東家」の目印です。
幕板を張り渡した壁や軒の景色は正に、昭和の味わいをコンセプトにしているよう。
板塀を回り込み、たたきから上がる廊下には卓袱台が肘掛けとセットになって置かれています。
装置っぽさが鼻につく気配を感じつつも、賑やかで活気ある店内はそう居心地の悪いものではありません。


azumaya01.jpg
お品書きの「看板」から、仕込み時間四時間!と謳った「煮込み」で麦酒をスタート。
仕込みの4時間が長いのかそうでもないのかは判らないものの、とろんとしたモツとさらりとした汁が運ぶ素朴かつ明快な旨味。azumaya02.jpg思わず、うめ~じゃん、と呟いてニヤケ合う。


そして、生でイケそなレバーをさっと炙った「名物レバてき」に、
azumaya03.jpgazumaya04.jpg
きっとその名の通り絹漉し豆腐とマスカルポーネあたりを練り混ぜた「きぬごしレアチーズ」。
う~んこいつぁ焼酎が欲しくなるぅと、奄美帰りの話題に肖って、「浜千鳥の詩」。


炭火焼きの串を続々と、「特製つくね」「地鶏のねぎま」「鶏なんこつ」、「豚バラ」に「たん」、「トマトのベーコン包み」「みょうがの肉巻き」。
azumaya05.jpgazumaya06.jpgazumaya07.jpgazumaya08.jpgazumaya09.jpgazumaya10.jpgazumaya11.jpg
どれも、タネの鮮度、焼きの具合、タレ&塩の加減に遜色のない。

azumaya12.jpg
その間、そうね今夜は黒糖シバリでと、「飛乃流朝日」「壱乃醸朝日」を呑み渉る。
「クセになる雑炊」を啜る頃には、一丁出来上がり(笑)。


azumaya13.jpg笊に貼られた書にあるは、「また明日東の空に陽は昇る 東家」。
居酒屋社長のブログを覗くと、「東家(あずまや)の由来」と題するエントリーがあって、池袋や高田馬場で営む店とは違う「東屋」と名づけた背景を告げています。
(所沢)東口の家。地域一帯を呼ぶ、あずま地区。居心地のいい、を意味するあずましい。一日の始まりを思う、日の昇る東。さらには、麻雀いうところの起家、東家、と。azumaya14.jpg実は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に代表されるにレトロ人気に乗っかっただけの、雰囲気ありきのチェーン店ではと敬遠していたのだけれど、どっこい意気のある居酒屋だと知りました。


「東家」所沢店 所沢市久米603-4 [Map] 04-2992-3599 http://www.tokoton.jp/ 

column/02756 @6,200-

口ステーキハウス「誠」で 印象的な旨味の軽やかさ路地裏のサロン

makoto.jpg三越前から昭和通りにかけての本町界隈。
気をつけていないと通り過ぎてしまうような路地に、ずっと気になっていたお店があります。
ステーキもそしてカキフライもイケると云う、日本橋「誠」。
ただ、ほいほいと気軽に訪れる訳にはいかない料金構成が、そのまま敷居の高さとなって立ちはだかっていたというのが正直なところ。
今宵は意を決して(笑)、本町の裏路地に闖入です。

その裏路地にくすんだ赤いテント地を突き出しているのは、
makoto01.jpg
以前一度訪れたことのある「誠」姉妹店の「シンセリティ」。
makoto02.jpgその斜向かいに「誠」があると記憶していたのだけど、ドアの貼紙には2年ちょっと前にそこからさらに斜め向かいへと移転したとある。
「誠」のカジュアル版レストラン「MOTOKO」だった場所が、新「誠」になったのだね。


暗がりに臨む外観には店名らしき表示はない。
洋風設えの重厚さも漂うドアを引くと、一転して白木のカウンターが右手の厨房を囲んでいる。
壁廻りは石を配しているものの、「らっしゃい!何を握りましょう」と声を掛けられてもまったく違和感のない佇まいだ。
makoto03.jpgmakoto04.jpg
如何にもひとクセありそうな大将が、「初めてですね」と迎えてくれる。
ご一緒いただいたヒロキエさんとご無沙汰しまして、と乾杯。
すっと差し出されたお皿には、千切りのキャベツにコールスロー、そしてそぼろ状のものが盛り合わせてある。
そぼろは、牛肉の佃煮で、ステーキの端肉を無駄なく使ったものだよ、と大将。
「よく混ぜてからどうぞ」。
佃煮がアクセントになりつつ、あっさりしたドレッシングの加減もよく、幾らでも食べれてしまいそうなお皿に空かさずお代わり(笑)。


「誠」にメニューはない。
「さて、どうしましょう?」と訊かれても、いや、あの、初めてなのでと戸惑った表情を示すと、「海老フライ、牡蠣フライ、牛刺し...」。
そこで「あ、牡蠣フライをぜひ」、そしてヒロキエさんは「海老フライをぜひ」(笑)。
ということで、海老フライと牡蠣フライの一緒盛りがやってきました。makoto05.jpg

細やかなパン粉に包まれた小振りの海老は、甘さの引き立つ揚げ具合がいい。
makoto06.jpgmakoto07.jpg
そして、秘かに待望していた牡蠣フライも同じく、繊細な衣を纏っていて、しかもたっぷりサイズ。
宮城からのものと云う牡蠣の味わいに濁りなく、どこまでも軽やか。
うん、出色の牡蠣フライのひとつに数えてもいいかもね。


シーバスの水割りを舐めているところへ早くも「焼きましょうか?」と大将が訊くのは、お腹が満ちてきてからステーキをという展開は避けたいという意図が働いているようで、ここは素直に御意に従うこととします。
「150g、200g、...」とボリュームを示す大将に、控えめな量が美味しいのさ(?)と、「150gで」。

makoto08.jpg背中の冷蔵庫から大将が取り出したのは、おお、なるほどの肉塊。
すすっと包丁を入れ、周囲や脂の部分を切り整える。
その端切れが、「シンセリティ」のカレーに入ったり、佃煮になったりするのだね。
用意されたお皿にたっぷり盛られた山葵に気を奪われているうちに、その脇に焼き色細やかなステーキが添えられました。makoto10.jpg


makoto09.jpg気がつけば焼き加減を訊かれることもないまま届いたお肉は、ミディアムレアな断面をみせている。
そのまま端のひと切れを口に運ぶと、すいん、と厭味なく消えていく。
なはは~、と思いながらその隣のひと切れ。
「わさびはたっぷり」ということで試してみれば、その香気は食べ口の軽やかさを加速する。makoto11.jpg辛味のほぼないところはホースラディッシュのようだけど、大将曰く、伊豆の山葵だという。

次のひと切れ、次のひとキレと遮二無二口に運び、最後の一片にニンニク醤油を垂らす。
それでやっぱり山葵が一番似合うことがよく判る。
ああ、それにしてもなんと印象的な旨味の軽やかさであろう。
これなら、この倍も余裕で食べれたかも(笑)。
リブあたりと部位を訊ねながら、銘柄を聞きそびれたのが悔やまれます。


これもまた「誠」のスペシャリテときく「あさりのコキール」は、makoto12.jpgぶつ切りの浅蜊から滲むエキスがさらっとしたベシャメルに上手く煮含まれていて、いい。


〆に用意されているのが、ガーリックライスか鰹節ご飯。
makoto13.jpgmakoto14.jpg
ここで猫マンマ、ってのも愉しいかも~と鼻息で鰹節を飛ばしながら(笑)、海老出汁の味噌汁をズズズズズ。


なんだか、あっと云う間の出来事の後のようにひと心地ついていると、
「コーヒーいかがです?」と訊く大将。
コクンと頷くと、カウンターに置いたカクテルグラスにボトルの琥珀を注ぐ。
ブランデーに続いて、冷えたコーヒーを注ぎ、トップに生クリームを浮かべて出来上がり。makoto15.jpgコーヒーのすっきりしたコクとほの苦味にブランデーの風味とクリームの滑らかさが相俟って、おー、なんか妙に旨い。


海老フライ牡蠣フライに、メインのステーキにコキール、猫まんまに〆のコーヒーと、澱みや重さのない一連の仕立てに不覚にもふんふんと唸る。
そして、高級ステーキに小料理屋的と洋食屋的が交錯する不思議。


ちょっと厨房の景色で印象的だったのが、大将の脇で背中を強張らせて如何にも萎縮している様子の若いモン。きっと大将、スタッフには厳しくそしてめっちゃ恐いのだろうね(笑)。その緊張が伝染してちょっとした居心地の悪さに繋がる気配があるンだ。
常連もしくはリピーターらしき客筋がやってくると兄貴風の馴れ合い口調で話しかけ、途端に一見さんは蚊帳の外になりかける風がある。
でもここでは例えば、オーセンティックなバーのようなホスピタリティを求めちゃいけなくて、常連になるほどに大将のキャラが馴染むほどに居心地がよくなるという、サロンのような一面も持っているのかもしれないね。


日本橋路地裏のステーキハウス「誠」。makoto16.jpg
サロンの一員にはなれそうもないけど、あのフライとあのステーキには再会したい。
この扉を今度引き開くのはいつのことになるのかなぁ。


□関連記事:BEEF CURRY・STEW 「シンセリティ」で 脂の甘さアト引くカレー(06年05月)


「誠」 中央区日本橋本町1-4-5 [Map] 03-3241-7502

column/02755 @25,300-

口らーめん「めん屋 そら」で シャキっと麺のコク味しお醤油純レバ

sora.jpgJR神田の南口を背にして信号を渡り、覗き込む路地。
袋小路のようにも見える暗がりに、居酒屋や怪しいバーの看板が誘っています。
そのちょっと奥の路上に、ぽっかりと浮かんでいた文字が「そら」。
A看板に描いた、手作りな感じのビジュアルが妙に気になります。
ちょっくらお邪魔してみましょうか。

元は居酒屋かなにかだったのかな、という造りの店内にも、ところどころに手作りな汗が潜んでいるかのよう。
メニューは大きく分けて、醤油か塩か。
「味玉入りしおらーめん」をに「揚げネギ」、そして「岩磯のり」のトッピングでお願いします。
塩だったら、細麺が合いそうだね。


sora01.jpgおよそ白濁していないスープは、一見あっさりしてそうでいて、見る見る脂の幕を張ってくる。
sora02.jpgsora03.jpg
見かけと違って滑るようにコクが深く、それは脂や野菜の甘さに感じる方向へと展開していく。
縮れのある細麺は、シャキっとしたテクスチャーで、隠れこってりのスープに軽快さを載せている。sora04.jpg

かつてどこかのお店で食べたことのあるような、でもそれがどこだか思い出せないまどろっこしさと懐かしさに包まれながら、麺を啜る。
揚げ葱と磯海苔のトッピングも正解だったな。


別の夜に今度は醤油で。
「醤油らーめん」に「純レバどん」を添えてみました。
醤油には、平打ち麺が合いそうです。

なるほど、塩で味わったスープの背景と啜る醤油スープの下地のイメージとが合致して、その上で醤油の描く輪郭と風味が愉しめる。sora05.jpg今となれば、とてもスタンダードなタッチにも思えるけど、それもなんだか安堵の一杯であるのだね。


ぴろぴろ感のある麺はふと喜多方の麺を連想するような歯応えと口滑り。
sora06.jpgsora07.jpg
何気にイケテる麺かもねぇとメニューの裏側を読むと、南部小麦を使用し、三陸沖の海洋深層水と仙人秘水と天然塩のみで打つ岩手の職人が打った麺だそう。ほうほう。


「純レバ丼」と云えば、浅草の「あずま」を思い浮かべるけど、残念ながらまだ口にしたことがない。sora08.jpg当に軽く火を通したレバーがタレとともにご飯に載っているだけのもので、添えてくれた七味を振ると格段に旨くなる。


神田の路地に浮かぶ、文字は「そら」。sora09.jpg
2階は女性専用にしてあるようで、その天井のイラストにも「そら」があるらしい。


「そら」 千代田区鍛冶町1-7-1 [Map] 03-5294-9191

column/02754 @900-

口ビストロ「Cave des Vignes」で 黒板巡るナポリタンはビストロ系

cavedesvignes04.jpg木挽町通りでいつも気になるのは、
「Cave des Vignes」と「Vivienne」の黒板。
以前、マガジンハウス周辺からの帰り道で見つけたフレーズが再度書かれていないか、「Cave des Vignes」の黒板をチェックするのが恒例となっていたのです。
その一行は、「スパゲッティー ナポリタン」。
その文字列がこの日の黒板にありました。
急ぎ業務連絡しなくちゃいけませんね、ナポさんに(笑)。

cavedesvignes04_01.jpgココはなかなかにキリッとしたビストロなのだけど、ランチの黒板にはボンゴレとかカルボナーラとかの親しみあるパスタを用意してくれている。
それが週替わりして、「ナポリタン」も巡ってくるという訳なんだ。


すっと差し出されるバゲットを齧って待つお皿。cavedesvignes04_02.jpg


それは、橙色を高くこんもりと盛りつけてやってきました。cavedesvignes04_03.jpgふと、「二郎」の野菜マシを連想したりして(笑)。


臭いのが心地いいチーズの香りが鼻先を踊って、いざいざ。
cavedesvignes04_04.jpgcavedesvignes04_05.jpgcavedesvignes04_06.jpg
玉葱、マッシュルーム、ピーマン、ハム、さらにはコーンといったナポらしい具材が愛らしい。
アルデンテを思わせる細めの麺を使っているトコロとお皿のそこにトマトソースがたっぷりと残るトコロは、やっぱりビストロ系。
THE炒め系のナポリタンとはスタンスの違うところでありますね。
ボリュームも意外としっかりめで、うん、満足。


まいどどうも、の木挽町通り地階「カーヴ・デ・ヴィーニュ」。
ナポさんも遠からずレポートしてくれるかな。


□関連記事:
 ビストロ「Cave des Vignes」 で青紫蘇も馨るあさりスパゲティ(05年08月)
 ビストロ「Cave des Vignes」 でベシャメル滑らか牡蠣グラタン(07年10月)
 ビストロ「Cave des Vignes」で トマトのプリンとカシュー豚(08年08月)
 bistrot「Vivienne」で 帆立貝のフリットふくよかなその身の甘さ(08年06月)


「Cave des Vignes」 中央区銀座4-13-15 成和銀座ビルB1F [Map] 03-3549-6181

column/01593 reprise03

口てんぷら「天寿」で 天丼の蓋のなぞ紫芋天と牡蠣天と

tenjyu.jpg高輪の病院で検査を終えて、
さあお昼ご飯を何処でと腕組み。
何気なく朝来た桜田通りの方へ引き返して、
高輪台の駅上で再び腕組み。
そこでふと、去る晩夏に天ぷら定食をいただいたことを思い出した。
もう一度あちらに寄ってみようかな。

tenjyu07.jpgTempura TENJU」とあるアクリルボックスの下。
何方の為す書か、「天下第一等の美味」と認めた額縁を横目に、払う無地の暖簾。
表情に熟練を思わす店主は、ずいっっとカウンターの奥へどうぞ、と仰る。
仰せの通りに、カウンターの最奥に収まって、先客のいない椅子たちを振り返ってみたりする。tenjyu01.jpgひと通りの決して多い場所ではないので、お店の営みはそれなりに大変なのだろうなと。
扉の向こうで、車のシルエットが通り過ぎる。


過日の「天ぷら定食」は、正直、あまり印象に残っていないので、
今日は「天丼」にしようと決めて、松竹梅とある中から「竹」をお願いします。
「かき揚げ丼」もあるンですね。


油に浮かんだタネをちょんちょんとつついては、ひっくり返す。
手鍋に沸かしたタレを大きめのスプーンでドンブリのご飯に振りかける。
柚を刻み、揚がった天ぷらをのせ、再びスプーンでタレを廻しかける。
そして、どこに置いたっけと手元を泳がせてからドンブリの蓋をした。
やっぱり、蓋、するのね(笑)。

天丼というものは、蓋を収めて初めて完成するという様式に頑ななものなのでしょうか。
目の前にいるのだから、わざわざ蒸れさせなくてもいいのにとすぐにそう思ってしまう。
蓋を開けた時に立ち上る湯気とともに味わうトキメキの臨場感のための演出、なのでしょうか。
あ、もしかして、「オープン・ザ・ふた~」ができないとゆきむらさんが困るから、ではないか(笑)。

tenjyu02.jpg
で、肝心のドンブリ。
海老に蓮根に茄子に烏賊ゲソに。tenjyu03.jpg

およそくたっとした天ぷらたちの中に見つけた小さめな薩摩芋らしきものを齧ったら、
断面が鮮やかな紫色。
tenjyu04.jpgtenjyu05.jpg
隅っこで控えめに待っていたのは、おー、牡蠣の天ぷらではありませぬか。
いっそ牡蠣の天ぷらだけの天丼はできませんか?と、危うく訊ねてしまうところでありました(笑)。


桜田通り沿いの天ぷら「天寿」。
追って入ってきたタクシーの運ちゃんは、3分置きに少し腰を浮かせるようにして正面に停めた車を気にしてる。tenjyu06.jpg駐車禁止の取り締まりが営業に随分と差し障りを来たしているようです。


「天寿」 港区白金台2-11-6 [Map] 03-3447-4706

column/02753 @1,400-

口カレーハウス「Aichiya」で カキフライのっけのオカアチャンカレー

aichiya.jpg和食「まめや」もすぐの新富町郵便局信号。
その交差点から見つかる黄色いテントが、
カレーハウス「Aichiya」です。
向かい側からちょっと見上げれば、黒くくすんだ壁に緑青が浮かび、所謂看板建築の面影をみるかのよう。
元々の建物は随分古いものとお見受けします。
いつからのカレーショップなのでしょう。

カウンターのオカアチャンが厨房の切り盛りをしていて、どこかおっとりしたオトーチャンが狭い通路側を行き来する。おふたりの関係は判らないけれど、「オカアチャンの店」であることはどうやら間違いなさそうな雰囲気です。

aichiya01.jpg品書きがあちこちに貼られていて、どこを見ていいやら一瞬戸惑うも、「特製ビーフカレー」と「特製しシーフードカレー」が基本形で、「特製ビーフシチュー」もある、という構図みたいだ。
そして、番号を振った品書きは、フライあれこれのトッピングを組み合わせたものらしい。


でも今日の狙いは、過日店頭でチェックしていた「カキフライ」と「カレー」との取り合わせ。
牡蠣フライだもんねとベースのカレーをシーフードにしてもらいます。
オトーチャンが「カキフライはひとつでいいですか」と訊かれるので、それじゃ寂しいよなぁと考えて、四本指を示して「4個、のっけちゃってください」。

5種類から選べるというドレッシングを「サワー」にして、サラダの小皿を穿りながら何気なく眺めると、やっぱり指図しているのはオカアチャンだ。

aichiya02.jpg

小海老や浅蜊の入ったカレーの上に均等に並んだ4つのカキフライ。aichiya03.jpg揚げたてあつあつのフライの衣はやや硬めで、カリッと。
aichiya04.jpgaichiya05.jpg
舐めるカレーはまさに、オカアチャンのお家カレー。
およそ辛さはなくて、甘口の市販ルーを使ってます感、ありあり。
意外と炒めた玉葱を沢山仕込んでいるのかもと思う瞬間もあるけど、お皿全体の印象はやっぱり家庭の味わいだ。


ちなみに「ビーフカレー」も、甘口なお家カレー。
トマトの酸味が利いた「特製ビーフシチュー」も、老舗洋食店のそれとは違う、aichiya06.jpgやっぱりオカアチャンのお手製仕立てであるところが魅力なのだ。


下町な佇まいをみせる、新富のカレーハウス「Aichiya」。aichiya07.jpg
訊けば、カレーショップを始めて、かれこれ9年になるのだそう。
テントに記された「Aichiya」の「A」が「∧」なので、果たしてホントに「Aichiya」でいいのか、オカアチャンに訊いてみた。
すると、「あいちや、よ~」「あら~、Aに読めないかしらね~」。
なぜに「あいちや」かというと、ここで量り売りのお菓子屋を興した先代が愛知出身だったから。
その後様々な商いを経て、今のカレーショップに辿り着いたのだそうです。


□関連記事:和食屋「まめや」で 満寿泉マテ貝いかワタ焼き金目ブイヤベース(09年01月)


「Aichiya」 中央区新富1-7-10 [Map]

column/02752 @1,200-

口寿司の伝導師「酢飯屋」で 都内某所に秘かに饗す宴黒米の握り

sumeshiya.jpgそれは年の瀬も押し迫った頃。
襟足を過ぎる風が身を縮めさせ、足下からセリアガる冷気が身震いさせる冬の夜。
都内某所のひと通り少ない裏通り。
閉めているはずの店にこそこそと、ひとりまたひとりと集まる挙動不審な輩たち。
そこが、裏世界で「酢飯屋」と呼ばれる闇寿司店の最近のアジトらしい。

自ら"寿司の伝導師"と名乗り、カルトで神出鬼没だという「酢飯屋」。
その「酢飯屋」を舞台に密かに饗された宴に潜入してみた。


まず提示しなければならないのが、持参した酒。
自らの嗜好や共有したい滴、怪しい場にふさわしいプレゼンテーションなど錯綜する想いを酒瓶に籠めろ、というのだ。

カウンターではなく、小上がりに案内されて、一同に目配せ。
早速マグナムな「POMMERY」を抜く儀式で、何事かが始まる。


卓上には、「煮貝の盛り合わせ」「小物の南蛮漬け」。
sumeshiya01.jpgsumeshiya02.jpg


そこへ大きく赤い異物が持ち込まれ、添えられた人数分のスプーン。
sumeshiya03.jpgsumeshiya04.jpg
大間の鮪のものだという中骨を中おちのついたままをデンと載せ、スプーンで削って食べるようにさせる様式は余興要素をも含んでいて愉しいが、これもまた何かの儀式ではないのか。


様々な瓶には、甘口赤の「天橋立ワイン」があるかと思えば、津軽のりんごジュースが差し出され、果たして梅干を入れ割る球磨焼酎「もっこす」。前後して、出処秘匿の無農薬米純米酒に発泡酒「すず音」に「酔鯨」に燗酒にと、いよいよ訳が判らなくなってくる。こ、これは危険だ。


酔いの縁を辿り始めたところに牙を剥いた異形にハッとする。sumeshiya05.jpg老成バラクーダにも似たグロテスクに黒いカマスを「しゃびの塩焼き」と謳って、まるで生贄のよう。
黒々とした外皮とふわりと軽やかな白身とのコントラストが妖しい。


海産が互いに僥倖を想うよな「牡蠣とブリの味噌鍋」で、ぶりっとした牡蠣の身の洗礼を受けたかと思えば、
sumeshiya07.jpgsumeshiya06.jpg
内子と味噌と剥き身が混然となった「豊前本ガニ」に陶然とする。


このまま酔いに任せてしまおうかと悪魔が誘う中で、めくるめく握り世界が展開されていく。
sumeshiya08.jpgsumeshiya09.jpgsumeshiya10.jpgsumeshiya11.jpg
赤酢にしては妙に鮮やかだなぁと想った酢飯は黒米仕立て。
sumeshiya12.jpgsumeshiya13.jpgsumeshiya15.jpg「穴子の押し寿司」を経て、「バラちらし寿司」へと至る。
sumeshiya14.jpgsumeshiya16.jpgsumeshiya17.jpg
ふう、なんとか無事に寿司の伝道師のアジトへの潜入を果すことができそうだ。


背中で遠ざかるアジトは、はて、いつまで其処にあるのだろう。
酩酊した脳裏で想うのは、そうとなれば今度は、ゆっくりと適度な酒量配分で、かつ、正対するカウンターで握ってもらいたものだということ。


今夜の宴の司祭は「築地市場を食べつくせ!」の築地王さん
そして執事役多謝の「フェティッシュダディーのゴス日記」のジュネさん
また、秘かなる宴の様子は、ワシ・ブロさん佃の旦那さんの潜入レポに詳しい。


「酢飯屋」 都内某所 詳細不詳

column/02751 @11,500-

口BAR「YUMOTO」で 金柑カクテルと3回蒸溜隠れ家と彼女の凛

yumoto.jpg冷え始めた夜の三島。
うなぎ料理をいただいた「直よし」の大将に、近所に呑兵衛の集まる横丁ってないのですかと訊くと、以前は賑やかだった路地も今は寂れてしまっているという。
やや残念な気持ちになりながら辺りを散策すると、どうやら伊豆箱根鉄道の三島広小路駅界隈には旧町っぽさの名残りがあって、おぉ?なぁんて思わせる小径もある。
そして、意外やその近くに、08年のバーテンダー技能競技大会で優勝したバーテンダーのいるBARがあるという。

地図に手書きした店の所在は、源兵衛川という水路沿いにあるようにも見える。
橋の上から川辺の先の暗闇を眺めて、「川沿いに辿っては行けそうもないですね」とくにちゃん
一本東側の径をその先まで抜けてみたものの、それらしいお店が見つからない。
念のためもう一度引き返してみようと、今来た径を再び辿ります。
と、マンションのエントランスだと思っていたところに「BAR」の文字。
「おー、あったー!」。


そのアプローチの正面には、重厚な木製の扉が構えていて、その手前左手の壁には、スコットランドの国旗。そこには、ディステイラーの方々のものと思われるサインが記されています。


ぐっと引き開いた扉の向こうには、意外なほどゆったりとした空間が広がっていて、正面の硝子越しには、ライトアップされた川辺の木々が臨める。
一瞬、祇園新橋の川際のバーにいるような錯覚が過ぎります。
yumoto01.jpgyumoto02.jpg
先客なければ、窓際だったのになと思いながら、カウンターの一番手前へ。
バックバーに、檸檬色の灯りに浮かぶグラスたち。
その脇には、大麦を乾燥させる際に使うという木製の道具、モルトシャベル。
コートを収めてくれたクロークの戸は、どこぞの町家にありそうな古民家のものだ。


yumoto09.jpg開口一番に優勝カクテルを、というのもなんだか気恥ずかしくて、壁の黒板で目に留まった金柑のカクテルをお願いします。
皮も身も召し上がってください、という台詞を添えて届いたグラスには、なるほど、四つ切りにした金柑がざくざくと入っている。yumoto03.jpg啜る滴は、ウォッカベースのすっきりとした清々しさ。
一気についーッと呑めてしまいそうになるところを堪えて(笑)、仰せの通り、皮や身を貪る。
ちょっとした苦みと華やぐ柑橘の清涼感がいい。


yumoto04.jpgお通しに苺。
フレッシュなままかと思ったら、ちょっぴり電子レンジにでもかけたのか、微妙に柔らかくしてある意外性。
切り込みに詰めたカッテージチーズと蜂蜜の風味が洒落てます。


スペイサイドからなにか、とお願いしてやってきたのが「BenRiach 1998」。yumoto05.jpgyumoto06.jpgラベルに「TRIPLE DISTILLED」とあるように、なんと3回蒸溜を施したものだという。
揮発していくようなクリアな感触とピリッとした塩辛さが同居しているような、ドライな呑み口だ。


一転今度は、思い切りクサイやつでというリクエストに応じたボトルが「Auld Reekie 10年」。yumoto07.jpgカリラやラフロイグなどなどのアイラらしいアイラをボトリングしたものだそうで、鼻先を近づけただけで、なはは~と笑っちゃうほどスモーキーなヨード香。
初めてラフロイグを舐めた時に、なんじゃこりゃ!薬クサっ!って思ったことを思い出してまた、なはは~。
今は好き好んで、それを呑んでいるのだものね。
黒いラベルに城らしきモノクロームのイラストを見つけて、隣のくにちゃんに「どこ?」と訊いてみたら、「......エディンバラ城、ですかね?」。
そう、「オールド・リーキー」というのはエディンバラの俗称なのだそう。
おお、さすがスコットランド帰り(笑)。


「08年の優勝おめでとうございます」と声をかけたカウンター越しのバーテンダーは、凛々しくって優美な女性。
並み居る男性バーテンダーを跳ね除けて、なんて云われ方はきっと不本意なんだろうけど、そんな発想が下衆なことと素直に思えてしまうほど気負いのない柔和な表情の中にビッと芯がある感じ。
思わず惚れてしまいそうになるけど、バー「YUMOTO」の名は彼女の姓でもあるけど、どうやら彼女の旦那の姓でもあるらしい。う~ん、残念(笑)。


見送りに出てくれた彼女とスコットランド国旗の前でお喋り。
国旗にサインのある蒸溜所について現地話ができるくにちゃんが羨ましい。
やっぱり、行ってみたいなスコッチの国。


三島と三島広小路の真ん中辺り。
隠れ家的×ゆったりとしたオーセンティック×水辺の情緒×彼女の凛。
源兵衛川を背にしてひっそり佇むバー「YUMOTO」にはそんな要素の融合がある。yumoto08.jpgまたお邪魔する機会を見つけて、元倉庫のものだという奥まった扉へとアプローチ。
今度こそ、創作カクテル「アプローズ(喝采)」もいただかなくっちゃ。


□関連記事:
  和食「直よし」で 三島うなぎ白焼ききも焼き炊いた鰻の茶漬け丼(09年01月)
  Bar「IT'S GION 2 DEUX」で 橙の灯りと英王室と青いジョニー(08年07月)


「YUMOTO」 静岡県三島市芝本町10-7 [Map] 055-981-5578

column/02750 @3,700-

口和食「直よし」で 三島うなぎ白焼ききも焼き炊いた鰻の茶漬け丼

naoyoshi.jpg三島駅南口界隈にも8店ほどが見つかる「三島うなぎ横町」の幟。
夕刻に訪ねたのが、その中の一軒「直よし」です。
白木の格子戸と白い暖簾がきりりとして、どこか店主の気っ風を思わせるような佇まいだ。
こちらの「三島うなぎ横町」幟は、小さいタイプ。
暖簾に合わせて、おいでおいでと風にそよいでいました。

店内は、右に厨房とカウンター、左に座敷というレイアウト。naoyoshi01.jpgカウンターの椅子に腰掛けて正体した大将は、怒ったらちょっと怖そうな、でもファサードの印象ともなるほど合い通じる、頼りがいのありそうな表情で迎えてくれます。


手にしたお品書きnaoyoshi02.jpgには、「うな重」を含む定食7種に、幾多の一品料理が並んでる。
早速ビールをお願いすると、「蒲焼きももちろんできるけど、白焼きなんてどうです?」と大将。
なんで大将は、客の心の裡が判っちゃうのだろうと訝りながら(笑)、「はい!白焼きで」と即答する。

naoyoshi03.jpg
プレミアム・モルツをキュイッとやってからいただく白焼きは、もっちりしっとりした食感が面白い。
カサカサと香ばしさを発揮する仕立てじゃなくて、といって脂ギッシュという訳でもない。
naoyoshi04.jpgnaoyoshi05.jpgnaoyoshi06.jpg
表面の極薄いパリッとしたところが凝縮感のある鰻の身を包んでいる、そんな感じだ。
折角なら本山葵で食べたいところだけど、それは贅沢かな。

naoyoshi07.jpg

ビール呑むなら当然こいつも注文むよねと、「鰻きも焼」。
ちまちましない量感は、大将の心意気のなせる業。naoyoshi08.jpgうへへと嬉しくなるほどの直球の苦味とすっきりした滋味がいい。


〆は「うな重」ってことになるだろね、と考えているところに「茶漬けもできるけど、どう?」と大将。
また客の心理を読むンだから、もう困るなぁ(笑)。

「これちょっと食べてみて、炊いたやつ」と差し出してくれたのは、小皿に載ったうなぎ。naoyoshi09.jpgおー、炊いた鰻とは。
山椒風味をふわんと煮含めてあって、さっと炙ってあるのか程よい香ばしさを纏って、
蒲焼とは違う魅力。
大将に向かって、ぶんぶんと首を縦に振ると「じゃ、半分はどんぶりにして、半分を茶漬けで」。
ひつまぶしのノリもちょっと拝借しちゃおうって工夫、うん、大歓迎。


丼に放射状に配置した鰻を端から、ガシガシと掻き込むように。naoyoshi10.jpg気を利かせて多めにかけてくれたタレの味が強くなっちゃったので、
「タレ、なくってもいいぐらいですよ」と生意気云いつつ、再びガシガシ。


そして、残り半分になったところで、急須に用意していくれた鰹昆布出汁をだーっと注ぐ。
そうそう、お茶じゃなくってやっぱり出汁だよね。naoyoshi11.jpg三つ葉と海苔、あられの薬味を載せて、今度はズルズズ。
ひつまぶしの仕上げとはまた違う、ちょいと品のあるシズルをズズ、ズズズ。
なはは、一気に食べちゃった(笑)。


この、炊いたの、も白焼き同様お品書きには載っていなのだけど、確認するとおよそいつも仕込んでおくようにしているそうだから、大将に訊いてみる価値はあるね。


そんなうなぎ料理を始め、品書きにホワイトボードに酒肴メニューあれこれの和食「直よし」。naoyoshi12.jpgそうそう、「う巻き」は一匹使ったヤツだからふたり以上でね、と大将。
三島駅南口からも程なくの、「三島うなぎ横町」の小さめ幟が目印です。


□関連サイト:
「三島うなぎ横町」14店のクーポンあるよのサントリーグルメガイド「静岡うなぎ特集」banner_blog_unagi01.jpg


「直よし」 静岡県三島市一番町12-23 [Map] 055-971-3119

column/02749

口お食事処「源氏」で 三島のうなぎ伏流水の活性と釜飯の軽やかさ

genji.jpg鰻と云えば静岡の代名詞のひとつ。
三島も鰻で有名だって知ってました?と訊かれれば、
うん、でも、正直云って当地ではいただいたことがない。
それではその片鱗に触れてみましょう、ということで乗り込んだひかり号。
品川から37分で到着したホームからは、しっかりと雪を頂いた富士山が望める。
富士の裾野エリアを訪れているという臨場感に「ほぉ」と牽かれる瞬間だ。

いつ以来だろう、随分と久し振りに降り立った三島駅前。
駅舎を背にして、路線バスが信号を待つロータリーを進む。


すると正面に見つかる三角屋根を壁に模した店。
二階の壁に大きく掲げた木札には、「しらす」「桜えび」「近海魚」「生そば」、そして「うなぎ」。genji11.jpg
早速こちら、お食事処「源氏」にお邪魔してみましょう。


時刻は、正午に30分ほど前。一階の客席は既に賑わいをみせているね。


昼間っからビールを呑んじゃう気分満点(笑)なので、品書きの「うな重」を横目に「蒲焼だけってできますか」と訊いて、そのように。
届いた鰻の飴色をじっと眺めてから、箸の先でひと口に千切って口元へ。genji01.jpggenji02.jpgやや甘めでちょっと粘性のあるタレに包まれつつ、ひと切れがすっすと消えていく、そんな感じ。
プレミアム・モルツのぐっと華やぐよな香りとの取り合わせもいい。


さてご飯モノもいただいちゃおうとお願いしたのが「うなぎ釜めし」。
鰻の釜飯を口にするのはおそらくお初だ。

たっぷりの錦糸玉子の下に並ぶ蒲焼。genji06.jpgその下のご飯の色合いが濃いめなのはもしや鰻のタレを含ませて炊いているからなンだろうかなどと想像しながら、まだ熱いひとり羽釜に箸を伸ばします。
genji07.jpggenji05.jpg
いただく印象は、ふっくらと軽やか。
厭な脂も勿論くさみもなく、すいっと食べれて気がつくと、もうなくなりかけている。

genji08.jpg底の方から改め杓文字で掬ったおコゲと鰻の名コンビ(笑)。


ご馳走さまをして目に留まった、店頭ではためく幟には「三島うなぎ横町」とある。

「三島うなぎ横町」とは、三島のうなぎをもっともっと遍く広く知ってもらいたいという活動のことで、
三島駅南口から三島広小路を中心としたエリアを気をつけて歩いてみると、
同じ幟がいくつも見つかる。genji09.jpg
三島で鰻を食べたけりゃ、この幟を目指して店を訪ねればいいンだ。


あ、でもそう云えば、三島産のうなぎ、というのは聞いたことがないよね。
三島のそこここに養鰻場があるわけではなくて、
では市内の河や池で川鰻が獲れるのかというと、天然鰻が希少なものとなった今では、それも概ねないよう。
なのになぜ鰻料理を供するお店が比較的狭いエリアに多くあるのかというと、その秘密はさっき新幹線のホームで拝んだ富士山にあるのだという。


富士に降った雪や雨が年月をかけて浸透し、伏流水となって湧き出すのがここ三島の地。
例えば、三島ゆかりの文学者たちの句碑「水辺の文学碑」が立つ桜川は、菰池公園の湧水池を源流としているそう。

そして、富士山の伏流水は、分子が小さく酸素を多く含んだ所謂活性水だという。


鰻をその伏流水に晒すことで、鰻が持つ生臭さや泥臭さを消し、水の持つ活性が美味しさの素である蛋白質を保ちつつ余分な脂だけを落とす働きをするというのだ。
伏流水で活性した三島のうなぎ。
釜めしのうなぎが軽やかに感じたのは、そんなことが背景にあるのかもしれないね。


genji00.jpg
「三島うなぎ横町」の一店、お食事処「源氏」は、なにせ駅南口の真正面。
伊豆箱根鉄道の改札からもきっと見つかる。
修善寺や伊豆長岡からの温泉帰りにすっと寄って、三島のうなぎ、ってのも一手です。


□関連サイト:
「三島うなぎ横町」の14店を紹介している、サントリーグルメガイド「静岡うなぎ特集」banner_blog_unagi01.jpg


「源氏」 静岡県三島市一番町15-22 [Map] 055-975-0882 http://www.genji3.jp/

column/02748

口らーめん「One万」で One万めん魚粉焦がし葱の油が過ぎる

oneman.jpg旗の台3丁目商店街の一角。
「鳥樹」本店のある路地よりさらに線路側にも袋小路的路地がある。
その突き当たり寸前の勝丸系「勝味」だった処が、いつの間にか別の名前のラーメン店になっていました。
らーめん「One万」。
ワンマンバスの「ワンマン」、つまりは店主がひとりで切り盛りしているよという意味合いなのかな。
それとも、「万が一」なにかあっても知りませんよ的警告なのでしょうか(笑)。


朱色のカウンターは、間違うことなき「勝味」の居抜き。
正面の壁に見据える木札oneman01.jpgには、「正油」「しお」「みそ」「ごま」「野菜」、そして「辛葱」三種。
「つけめん」に「お子様らーめん」もあるね。


まずはと、店名を冠した「One万めん」を。
「ご飯、サービスでおつけしますけど、いかがです?」ということで、いつもの調子で「あ、お願いします」と応えたのだけれど、これがいけなかったか。
oneman02.jpg
冷蔵庫から取り出したものをなにやら掻き混ぜているなぁと音だけ聞いていたら、ご飯と一緒に納豆が出てきたンだ。
意外やラーメンに納豆ご飯かぁ...、別に嫌いじゃないけどさ...、とふた口み口納豆を食べてから届いたばかりのラーメンのスープを啜ってみたら、味が判らない(笑)。


やっぱり~と内心笑いながら、改めて「One万めん」に向き合います。oneman03.jpg一言で云えば、魚粉系に焦がし葱を組み合わせたスープ。

oneman04.jpgoneman05.jpg
見た目以上に脂が強いなぁと思いながら啜り上げる麺は、びろびろとした縮れ平打ち。
スープをよく引き揚げて、唇を過ぎる感触も艶やかで。oneman06.jpgほー、これはこれで悪くないじゃンと目線を店の隅に向けると、そこに積まれているのは「三河屋製麺」の木箱。
なるほどそういふことなのね。


店を後にして暫らくしたら、久々に胸焼けがしてどうも食後感がよろしくない。
焦がし葱がイケナイ方向へ働いたのか、単に体調がいまひとつなのか、納豆が悪いのか。


oneman08.jpg
う~むと唸って、一週間後に再びトライ。
今度は、機先を制して「ちぁーしゅー丼」をセット(笑)。oneman07.jpg
どうやら折角の焦がし葱も過ぎたるはなんとやらで、普通に「正油」あたりも試してみないといけないかしらんと、そんな感じ。


通りがかりの客はまずいない、ほぼ袋小路のらーめん店「One万」。oneman09.jpg今度こそ、店名の由来を訊ねてみたいと思います。


「One万」 品川区旗の台3-11-13 [Map] 03-3787-5403

column/02747 @650-

口手打ち蕎麦「慈玄」で 旨味ひたひた鴨汁せいろ三色そば柚子切り

jigen.jpg広尾界隈からの帰り道。
このまま恵比寿まで歩いちゃってもいいかもと、
明治通りを越え渋谷川を渡る。
右へ折れ入って辿るは確か、「POLSECCO」のある、
そして恵比寿新橋商店街と呼ぶひっそりとした裏道ではなかったかな。
そう考えながら進むと右手に、店の所在を知らせる灯りが目に留まりました。

手打ち蕎麦「慈玄」。
瞬時に「慈玄」=次元大介、と連想が飛んでニヤリとする。ちょっと寄ってみましょう。


時間が早いのか、先客の姿はなし。
左手に据えられた大きなテーブルの奥に陣取って、「三色そば」と迷いつつ、「鴨汁せいろ」を。

改めて品書きを眺めると、「馬すじの煮込み」「くわいの空揚げ」「鴨皮のさんしょ煮」「ゆばのカニあんかけ」などなど酒肴メニューも充実。
〆に手打ち蕎麦が啜れる酒呑処、そんな風情も漂います。


jigen01.jpg
地鴨を使っているというつけ汁には、じっと誘うような脂がこっそりと浮かび、
お約束の葱と刻んだ柚子と。
やや慌て気味に、打ち立てなエッジの蕎麦を引っ掴んで一気に啜る。
jigen02.jpgjigen03.jpg
おー、汁に旨味がひたひたと深く、それに寄り添うように粉の風味を開く蕎麦。
うん、いい。
蔵王地鴨の「鴨鍋」もきっとイケるのじゃないかな。


jigen09.jpg
やっぱり、「三色そば」も気になって別の夜。
同じ席に腰を据えて、「三色そば、お願いします」と伝えると、奥から顔を出した店主が「15分ほどかかりますが...」と仰る。
いいですよ、ごゆっくりと応えて、それを理由に(笑)、「じゃ、お燗、もらいます」。

こちらの燗酒は、福島の「大七純米生もと」。jigen04.jpg
相手にと「かつお酒盗」。
ちょっと塩辛いかなぁと思いながら、ちょびっと舐めてはお猪口を啜るを繰り返します。

その間、鉢に向かって水を回して練っている様子から、麺棒で延ばしている音、続いてリズムよく刻む包丁の音が聞こえてる。


そうして届けられた「三色そば」は、四つに区切った重箱の三辺に盛られています。
奥の右手が「柚子切り」、その手前が「せいろ」で奥左が「田舎」。
ちゃっと順番を考えて、「柚子切り」に箸の先を伸ばします。jigen06.jpg心地いい柚子の薫りが鼻先を擽って、それは啜る蕎麦切りの残り香にも余韻となって顕れる。
既に知ってる「せいろ」の手練を経て、外皮の風味を加えて太めに切った「田舎」へ。
jigen05.jpgjigen07.jpg
世に野卑にも映る力強さが魅力の田舎蕎麦もあるけれど、こちらの「田舎」は、加減よく嫋やかにして艶やか。
うん、いい。


手打ち蕎麦と地酒をゆるゆると愉しめる、恵比寿新橋「慈玄」。jigen08.jpg蕎麦の店で「玄」と云えば、玄そばの"玄"。
そこへ"慈しむ"の文字を添えた本気な手打ちの蕎麦の店に、洒落交じりの店名と勘違いしたのは浅はかなことでございました。


□関連記事:Italian Restaurant「POLSECCO」で鮎の焼きリゾット鉄板前(05年06月)


「慈玄」 渋谷区恵比寿1-24-9 [Map] 03-3444-7088

column/02747 @1,600-

口和食「越」で カキフライ瑞々しく弾ける旨味軽やかな余韻

koshi.jpg「エルベ」からの帰りがけに立ち止まる、木挽町通り。
「Vivienne」の収まるビルの脇にお品書きの出ているのが目に留まりました。
「カキフライ」もある(笑)。
行かなくちゃ!と思う矢先、のむのむさんの記事に登場して、流石ぁと腕組み。
後を追っかけました。

ちょっと出足が早過ぎたのか、女将さんに促されるままテーブルでしばし待機。
木挽町通り側が小上がりになっていて、窓枠の端から端までに品書きが下げられています。
「七品のきんぴら」「酒盗三点」「ハタハタ一夜干し」「もろみ豆腐」「あら煮」「穴子まんじゅう」などなどの酒肴たち。koshi01.jpg「よ!成田屋 海老蔵」だって(笑)。


ごめんなさいねお待たせしちゃっての声に応えて、「カキフライ」をお願いします。
届いた膳は、お盆になんか到底載り切らない皿の数。
koshi02.jpgkoshi05.jpgkoshi04.jpg
おしんこはもとより、やっこの小鉢に刺身の小鉢がついているのが気が利いているところ。


で、肝心のカキフライ。
これがなかなかイケるお皿。koshi03.jpg貧相でなく大き過ぎずの粒に丁寧な衣が纏う。
噛んで咀嚼した印象はすっと軽やか。
瑞々しい旨味が弾けて、余韻がキレよく消えていく、その繰り返し。koshi06.jpg旨いカキフライはやっぱり旨いと、当たり前の感心をする次第なのであります。
しかもお安い料金設定なのだから、おのずとお店の心意気を思ってしまいます。


夜に訪れるのもきっと心地いいぞと思う、木挽町通りの「越」。
ランチメニューkoshi07.jpgの「しらす丼」や「肉豆腐」も気になっていたのだけど、年明けからお昼はお休みのご様子。再開が待たれます。


□関連記事:
  bistrot「Vivienne」で 帆立貝のフリットふくよかなその身の甘さ(08年06月)
  シチューハウス「elbe」で シチュービーフ&タン日本酒使いを知る(08年12月)


「越」 中央区銀座4-13-19 銀林ビル2F [Map] 03-3248-8207

column/02746 @880-

口ちゃんぽん「長崎亭」で 二丁目のソース皿うどんとちゃんぽんと

nagasakitei.jpg冷たい雨の新宿二丁目、裏通り。
どこかでお腹を満たそうと考えるも界隈にはまるで当てがない。
と、すっかり草臥れて古色然とした佇まいの脇に見つけた「ちゃんぽん皿うどん」の文字。
雨の中に浮かぶそのちょっと怪しい雰囲気に一瞬躊躇うも、意を決してアルミの扉に近づきます。
「ねこがいます」の貼紙に、扉の向こうに沢山の猫が待ち構えていたらどうしようと、ふとそんな心配も過ぎったり。


nagasakitei09.jpg右手のテーブルに座って左手頭上に置かれたテレビを見上げていたオバちゃんが、「あー、いらっしゃいー」と小声で立ち上がる。
テレビの音声はなぜか、足元のレジカセから流れている。
棚には赤茶けたコミックが並んで、その横に一枚だけ貼られた色紙はベッキーのもの。
清掃は欠かしていないものの、長年の風化と塵が滓のように店内を覆っているよう。
猫は目にした限り二匹。隅っこで大人しくしている。


厨房のさがり壁に貼られた品書きnagasakitei01.jpgにあるは、「ちゃんぽん」「皿うどん」。
ビールを貰って、「皿うどん(ソース)[上]」をお願いしました。

皿うどんなのにソース、なのだよなぁとなんとなく考えながら、さっきのオバちゃんと同じくぼんやりと頭上のテレビを見上げます。


「はい、どーぞー」。
やけに黒を帯びたお皿がやってきました。nagasakitei02.jpg
やっぱりこふいふことになるよねと小さく呟いて、そこへ箸の先を入れていく。
つまりは、ちゃんぽん麺のソース焼きそばだ。
nagasakitei03.jpgnagasakitei04.jpg
しっかりと太目の麺がもさもさとして、たまりのようなソースがもったりとして、あんまり按配はよろしくない。そうは思いながら、ビールのアテにと平らげてしまうのね(笑)。


旨い!という「皿うどん」ではなかったのでけれど、
もう一方の「ちゃんぽん」が気になって再訪してみました。
その夜も先客はなし。
右手のテーブルにいたオバちゃんがテレビを見上げているのも前回見た光景だ。


暫らくして、「はい、ちゃんぽんー」と「ちゃんぽん[上]」のどんぶりが届きました。nagasakitei05.jpg

モヤシ、蛸げそ、ピンクの縁取りの蒲鉾に木耳などの具材を載せたスープは、褐色に白濁してる。nagasakitei06.jpg

ひと口目はやや物足りないと思ったスープは、ふた口み口するうちにじわじわ味蕾に沁みてくる。
妙にクドいことなく、さらっとしながら程よくクリーミー。
どこで啜ったちゃんぽんとも違う印象のスープになんだか愉しくなってきた。
nagasakitei07.jpgnagasakitei08.jpg
恐らく「皿うどん」と同じな麺も、このスープになら違和感はない。
もしやとオバちゃんに「化学調味料、使ってます?」と訊いたら、
「ちょっとは使ってるわよ」とのお応え。
うん、ま、そうだね、でも、すーっと素直に啜れるスープなンだ。


いつからあるのか訊きそびれた、新宿二丁目裏通りの「長崎亭」。nagasakitei10.jpg全国に同じ名前のお店が幾つもありそうな気もする。
やっぱり、長崎出身の方が創業したのかな。


振り返って店の表情を眺めていたら、オトコに声を掛けられた。
イヤハヤそうだ、此処は"二丁目"であったのだった(笑)。


「長崎亭」 新宿区新宿2-12-3 [Map] 03-3354-1577

column/02746 @750-


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