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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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2008年10月アーカイブ

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口osteria e wine bar「incanto」でルカーニカからエトフェに至る

incanto.jpg広尾から天現寺交叉点を目指す。
真っ直ぐ渡れば、「LA BISBOCCIA」が懐かしい慶応幼稚舎の辺り。
恵比寿寄りの一角には、
「ACCA」や山田シェフの「MARCHE AUX VINS」。
でも明治通りを古川橋の方向へ折れて、レストランへと向かうのは初めてだ。
すっかり通り過ぎてから気がついた、お店の所在は「天現寺カフェ」の階上。
硝子に浮かべた「incanto」の文字が見つかりました。


クロークと通路を挟んでバー・カウンターはあるものの、お店の装いはワイン・バーにイメージするそれとは違って、メインダイニングがしっかりある。
そのホールと厨房の間に天井までの量感あるセラーが構える、そんなレストランです。incanto01.jpg


軽めのスプマンテを舐めながら、赤い表紙の片観音折りメニューを開いてちょとびっくり。
前菜にしても、パスタにしても、そしてメインもそのラインナップがたっぷり。
そしてさらに手書きメニューが挿んである。
ううむ、さては客をあれこれ迷い悩ます作法だなと笑いながら、その術にずぼっと嵌るかのように目線を上へ下へ右往左往させる。
コースでいくか、アラカルトにするか。
前菜とパスタとメインとデザートと、に相当するコース「incanto」をお願いすることにして、再びメニューと睨めっこ。


悩んだ挙句に前菜にと、なんだか分からないのに決め打ちしていた(笑)、その一節について一応訊いてみる。「ルカーニカ、ってなんです?」「ソーセージですね」。

ひと品めは、「唐辛子風味とフェンネル風味 2つの味のルカーニカ サルシッチャの発祥地から」。
イタリアンのソーセージかぁと考えながら、何故かサラダ&ソーセージ的お皿を思い浮かべていたら然にあらず。
ありゃ~。
思わず口をついてでた言葉に自分でも愕いた(笑)。
ズ太いソーセージが、ドンドンと二本。
前菜ですよね、一人前ですよねと苦笑いしつつ、手前の太いのから紐の部分を削ぐようにし、その胴にズリッとナイフを入れ、口へ運ぶ。
うん、こっちは、所謂ウイキョウの香りがする。
もう一方の少し長いヤツは、つまりはジューシーなチョリソー。
気分は、ドイツビール持ってきて、な感じでもある(笑)。


パスタのサンプルをあれこれ眺めながら、意外なヤツでいってみちゃおうとprimiから選んだのが「東リヴィエラのスタンプ型コルツェッティ バッカラとオリーブ、ケッパー、プチトマト」。
おひょ~。
ホタテよりひと回り大きいくらいの円形で厚さ2ミリほどのパスタの上に、鱈の塩漬け(らしい)やトマトをカルパッチョ風に盛り付けてある。
確かにサンプルで見ていたものではあるけれど、なんだか大根スライスのサラダを眺めるようでもあるその不思議。
落とさぬようにフォークの上に載せて、大口開けて咥えた食感は、妙にあっさりしていて愛想のない感じ。


ワインはグラスで、「Renosu」あたりをいただく。


Secondには、やっぱビジエかなぁなんてことで、ウサギ、鴨、蝦夷鹿などある中から選んだ「仔鳩(エトフェ)のロースト 葡萄と赤ワインのソース ウンブリア風」。
久々の鳩だなぁなんて思いながら、お皿を受け取った。
うむむ~。
お皿に薄く敷かれた紅いソースの上に見るからにレアレアな鳩さんの身が横たわる。
ナイフを入れるとやっぱりレアレア。
臭みがある訳ではないけれど、身肉の生っぽさと妙に酸味の強い真っ赤なソースに少々オドロオドロシイ表情を覚えて、今宵ご同席多謝さんの様子をみるとカトラリーを持つ両の手が止まってる(笑)。
どうしてこうスプラッタにも映る仕立てなのだろね。そして、折角の葡萄の甘さはいずこに。


久々にドルチェを食べきれない満腹状態。
メニューの選択ミスかも~の反省とともに「でもなんだかtoo much」との感想に激しく同意して天現寺を後にする。心地よく食べ進められる、味わいと量感とのバランスに欠けているよな、そんな印象なンだ。
あ、いや、4時間半も居座っていて呟く台詞じゃないか(笑)。


オーナーソムリエがイタリアの伝統的な郷土料理とイタリア周辺のワインを供するお店として開いたという「incanto」の、その店名の意味は“魅力”。
ハーフポーションのお皿を手元にカウンターでグラスを傾ける、そんな使い方の方がその魅力が判るのかもしれません。

なお、「incanto」では写真撮影NGとなっています。


口関連記事:
  RISTOTANTE「LA BISBOCCIA」で 4種のチーズのリゾット(00年08月)
  RISTORANTE「ACCA」で黒鮑のリゾットこのこのフェットチーネ(07年04月)
  ビストロ「MARCH AUX VINS」でフォアグラポアレに目を閉じる(05年02月)


「incanto」 港区南麻布4-12-2 ピュアーレ広尾2F [Map] 03-3473-0567 
http://www.incanto.jp/

column/02716 @12,500-

口dining cafe「SERAPiSⅡ」で 昼下がりのナポリタンパスタ

serapis2.jpg都立大学駅方向から八雲のパーシモンホールへアプローチする柿の木坂通り。
飲食店が並ぶ中に、パステルなオレンジ色が目を引くカフェがありました。
「SERAPiSⅡ」というのがその店名らしい。
店頭のメニューには、サラダ、ピザ、パスタにサンドウィッチ、ハンバーグなどなど。
明るく、木の風合いが心地いい店内です。

「オムライス」もいいかなぁと思いながら選んだのは、「ナポリタンパスタ」。
まず、粉チーズとアラビアータが仲良く小さなタンブラーでやってきました。


届いたナポリタンは、路メスパ的炒め炒め系ではなくて、如何にものカジュアルイタリアン的カフェ風の仕立て。serapis2_01.jpgほど良いトマトの酸味の中にベーコンのほの薫香が醸されていて、悪くない。


serapis2_02.jpgserapis2_03.jpg
たっぷりとチーズを振り、加減を見ながら辛味を存分に加えて、それもまたよろし。


温かな陽射しの中を行き交うひと達の光景を開け放った入口からぼんやり眺めながら、淹れ立ての珈琲を啜る。


そんな昼下がりもいいもんだと思いながら振り返るカフェのファサード。serapis2_04.jpgエジプト神話の冥界の神がその意味か、Ⅱに対するⅠははてどこに。


「SERAPiSⅡ」 目黒区八雲1-2-5-105 [Map] 03-3723-4419

column/02715 @1,400-

口琉球料理乃「山本彩香」で 琉球料理の本懐あんまーの心意気

yamamotoayaka.jpg

沖縄料理の本懐を知りたくて、ずっとずっと気になっていた「山本彩香」。沖縄への旅程が決まった早々に、予約の電話を入れていました。
指折り数えて待つうちに、お邪魔する人数がころころ変わって迷惑をかけてしまったけれど、いよいよその日がやってきた。
慶良間でのダイビングの後、シャワーを浴びて、タクシーで駆けつける。
国際通り界隈とはやや距離のある、西消防署通り近くに「山本彩香」はあります。

紺鼠の暖簾から、枯れた味わいを含むすっきりとした印象の板の間へ。


食前酒的に用意してくれているのが、艶やかな縁取りのお猪口に注がれたクスんだ黒褐色の液体。yamamotoayaka01.jpg山本彩香さんお手製の「もろみ酢」だそうで、柔らかな酸味のあとから酒粕のような風味がする。
これだけで、山本彩香の世界へ一気に引き込まれます。

yamamotoayaka02.jpg
香呂のような球形の器を開けるとそこには「豆腐よう」。
初めて沖縄を訪れた際に、そうとは知らずにぱっくりと口にして、その角の立った強さにびっくりしたことが急に思い出されたけど、この豆腐ようは優しい食べ口で紅麹がすんなりと香る。
泡盛を途中で抜いている、らしい。yamamotoayaka03.jpgこれに合わすにゃやっぱり泡盛もらわなくちゃとあらかじめ用意されてたテーブル中央の瓶から掬うは、「春雨」の5年もの。もうとっくに古酒、だね。


さて、朱塗りの盆に載ってきた前菜が、ミヌダル、ターンム(田芋)、カステラかまぼこ。
ミヌダルは、漬け汁に漬けた豚肉を蒸して、甘辛くした胡麻のペーストを載せたもの。yamamotoayaka04.jpg胡麻のコク味風味とあっさりさせた豚とが絶妙の取り合わせ。
下に敷いたフィファチの葉の色が鮮やかだ。


アーサ、梅肉を頂いた「ゆし豆腐」のお椀。yamamotoayaka05.jpgyamamotoayaka06.jpg出汁の加減もひたひたと、ゆるゆるとした気持ちにさせてくれる味わい。
あおさの磯っぽさも粋な仕立てで、うーん、しやわせ~(笑)。
コーレーグスで辛みを風味づけ程度に使ってもいい。
よくみる泡盛漬けではなくて、塩蔵の赤色鮮やかなコーレーグスだ。


ダイビング談義にざわざわとなっているところをひと呼吸待って、供するお料理の説明をしてくれる。


続いて、「まんぶの刺身」。
まんぶとはベラのこと。
長命草というハーブでひと切れづつ挟んであり、そこへ酢味噌がかけてある。
ハーブの香りがまんぶのほの甘さを引き出すようにして、角のない柔らかな酢味噌が奥行きを与えてくれている。
酢味噌にはジーマーミも入っているのかな。
お造りに、すっごく計算された味の構成を思うのはそうあることじゃないよね。
yamamotoayaka07.jpgyamamotoayaka08.jpg
黒豚あぐーんの塩漬け「スーチキー」。
余分な脂が落ちて、旨味が凝縮しているようで、それでいて塩辛くなんかない。
振り掛けたフィファチがいい香りづけになっています。


地味なのに、何故だか妙に印象深いのが「どぅるわかしー」。yamamotoayaka09.jpgターンム(田芋)をベースに、細かく刻んだ具材たちを和えたものだという。
うーん、いいなぁ。


白と鮮やかな発色の緑のコントラストが目を引くのが「びらがらまち」。
「びら」は葱のことだそうで、白いのは、蒲鉾だ。
yamamotoayaka10.jpgyamamotoayaka11.jpg
ミミガーは、むでーくにーと呼ぶ人参を含む千切りの野菜たちと和えてある。
胡麻(ジーマーミ?)風味のタレがはっとするくらいにあっさりした仕立てで、でも水っぽくなんてない。
しゃきっとこりっとした歯応えも大事にされていて、感心しちゃう。


「ラフテー」はジーマーミを含ませた白みそですうっと包んだ器。
トッピングのグリーンは、うりずん豆だ。yamamotoayaka12.jpg


「イカの黒墨和え」の真っ黒いのに透明感のあるコクと甘さが忘れ難い。
yamamotoayaka13.jpgyamamotoayaka14.jpg
「ソーミンたしやー」は、島らっきょと鰹節のコンビが満ち足りた風味を添える。
強過ぎた余計な味付けは、如何に不要か教えてくれてるかのようだ。


かつおだしに浮かべた「ジーマーミ豆腐」。yamamotoayaka15.jpgyamamotoayaka16.jpgyamamotoayaka17.jpgyamamotoayaka18.jpg
そして〆るは、宮古小豆&黒小豆+粟のお強と白味噌仕立ての豚の汁「いなむるち」、真紅の西洋蕪(ビーツ)。


そしてデザートがまた美味しい。
「西国米」と書いて「しーくーびー」。yamamotoayaka19.jpg活き活きとしたタピオカが生姜が粋に利いた黒砂糖蜜に浮かんでいるのです。


まさにめくるめく琉球料理の本懐にとぷと浸った気分。
お腹は存分に満ちているのに、どこかそよ風に吹かれているかのような清々しい食後感。
沖縄の料理のイメージをそっと根っこから翻えさせられた気にもなる。
いやはや。やるなぁ、山本彩香(笑)。
気負わず、飾らず、手をかけ、工夫を施すを厭わない。
そんな、あんまーの心意気にすっかり惹かれてしまいます。
また季節を変えた頃にお邪魔したい、な。


「山本彩香」 那覇市久米1-16-13 [Map] 098-868-3456

column/02714 @9,500-

口五色ギョーザ「こぺんぎん食堂」でカラフル島餃子スーチキーすば

kopenguin.jpgおひとりさま1本の「石垣島ラー油」を求めて、何度も通った「辺銀食堂」。
石垣島の夏の日の余韻がまだ褪めやらぬ頃。
その「辺銀食堂」の子分が那覇に出来てると知りました。
ただ、このところ那覇空港素通りで石垣に行ってしまうパターンが続いていて、寄ることはないかなぁと。
そう思っていたところへ、ひょんなことから那覇滞在の契機に恵まれました。この機会を逃さず、「こぺんぎん食堂」にもお邪魔しちゃいましょう。

ところは、「ゆいレール」の安里という駅から程なく。
公設市場あたりからでものんびり歩いてこれそうな栄町です。


8席のL字カウンターが廻るだけの小さな、すっきりとした店内。
kopenguin01.jpg券売機でチケットをゲットして、Tシャツにもなっているペンギンのイラストを横目にカウンターの隅に。
ここでもやっぱり「石垣島ラー油」は、おひとりさま1本だ。


石垣でのカラフルなお皿がフラッシュバックするよな「島餃子」。kopenguin02.jpgkopenguin03.jpg緑は小松菜の皮にウイキョウの中身、白は島ラッキョウの中身、赤(橙)はパプリカの皮に葉にんにくの中身、黄は秋ウコンの皮に島にんじんの中身、そして、黒はイカ墨の皮にイカ墨&にがなの中身というバラエティ。
もちっとした厚手の皮に、ほらほら、葉にんにくの食感風味が嬉し愉し旨し。
小皿に用意してくれるタレは遠慮して、やっぱり「石垣島ラー油」だけでいただくのがおススメであります。


そこへ添えたどんぶりが「スーチキーすば」。kopenguin04.jpg豚の塩漬けスーチキーを塩抜きして、薄くスライスしてトッピングしたすばは、メニューにもあるように、ありそでなかった沖縄初の組み合わせだという。

啜るスープが澄んで出汁の深い、ニクイほどにイケるお味。
スーチキーで麺を包むようにしながら、口へ運ぶ。
そのスーチキーは、ハーブ、ライム、レモンでじっくり漬け込み寝かせた藻塩仕立てのオリジナルだという。

麺はといえば、八重山そばのそれとは明らかに違うし、沖縄そばのポソポソ麺ともまた違う。kopenguin05.jpgエッジの利いた白い麺は、アルデンテな湯掻きっぷりがよく判る仕立てだ。
訊けば、「辺銀食堂」と同じ、石垣から運んでいる麺で、かん水を使っていないンだと云う。
スープとスーチキーと麺とで、透明感が一致してるよな、そんな気がします。
最後のところで、シークヮーサーをちょっと搾ってね。


夜ともなれば妖しい空気が漂いそうな界隈に、くっきりと浮かぶ真紅の筐体「こぺんぎん食堂」。kopenguin06.jpg石垣まで足を伸ばせない時は、栄町のラー油色(?)のお店に寄ってみたらいかがでしょう。


口関連記事:NUCHIGUSHI CUISINE「辺銀食堂」で五色餃子島食材の宴(07年09月)


「こぺんぎん食堂」 那覇市安里388-150 [Map] 098-887-4645 
http://kopengin.ti-da.net/

column/02713 @1,300-

口沖縄のごちそう「道頓堀」で いか墨汁と中味イリチーの朝ごはん

dotonbori.jpg牧志公設市場の二階がこんな風情あるフロアだったとは、実は知りませんでした。
そのまま露天も似合うような、古びていて活気あるアジアの食堂のような空気感がいいンだね。
一階で魚介を仕込んでそれを二階で調理してもらえるってのは、市場でよくあるパターンだけど、やったことはない。
開場時間と聞いた朝10時過ぎに行ってみると、一階の市場にあれこれよりどりに並べられていた魚介たちの姿はまだなくて、ちょうど準備を始めたところのよう。
ハリセンボン、なんか食べちゃおーと目論んでいたのになぁと思いながら、二階にあがると「きらく」「次郎坊」といったお店もまだ開店前。
ならばとエスカレーターを上がってすぐ正面の「道頓堀」で遅めの朝ご飯をいただくことにしました。


調理場前の垂れ壁に構えた看板下の端から端までに貼り下げられた品札。
こりゃ迷うよなぁと呟きながら(笑)、右へ左へと視線を泳がせて選んだのは、「いか墨汁」。
そして、「中味イリチー」だ。


しっかり塗り上げたお化粧のオバチャンが「服に撥ねかせると落ちないから気をつけてね」と届けてくれたどんぶりは真っ黒な海。dotonbori01.jpgステンレスのレンゲで、ひと口目はちょっぴり恐る恐る、その黒い滴を啜る。
とろみはなく、さらっとした中に烏賊墨のコクと風味がすんなりと溶け込んでいて、下地のスープのしっかりした旨味を支えてる。
うほほ、なぁんだ、うめぇじゃん(笑)。
烏賊の身は甘く柔らかく歯の先に馴染み、フーチバがいい合いの手になっている。


「中味イリチー」の"中味"は、つまりは豚の中味、ホルモン。
"イリチー"は、炒めもの、炒め煮、といった意味らしい。dotonbori02.jpgdotonbori03.jpgクセなく、何気なく柔らかな、あじくーたー。
なにも考えずに、オリオンに、泡盛に、そしてご飯のお供にしちゃえばいい。
そんなお皿であります。


まちぐゎーの食堂、「道頓堀」。dotonbori04.jpg沖縄本島のヘソで「道頓堀」とは、やや違和感も覚えるけれど、きっと大阪・道頓堀に縁のある店主・創業者であったのでしょうね。



「道頓堀」 
沖縄県那覇市松尾2-10-1牧志公設市場2階[Map] 098-866-0557

column/02713 @1,500-

口うちなー茶屋「ぶくぶく」で 香ばしさ交叉するぶくぶく茶泡下の泡盛

bukubuku.jpgとっても久し振りの那覇・国際通りを漫ろ歩く。
いままで昼間歩くことがなかったためか、妙に朗らかな印象の目抜き通り。
アーケードに潜り込んで、牧志公設市場の1階から2階を巡り、横に抜けた平和通りからさらに進んで石畳の壷屋やちむん通りへ。
焼物(やちむん)店の先の路地を上がってやっとこ見つかるのが、地元っ子の知る隠れ茶屋「ぶくぶく」だ。

bukubuku01.jpg入口の格子に掛けられたメニューbukubuku02.jpgの筆頭にあるのが「ぶくぶく茶」。
果たして、その「ぶくぶく茶」とはなんだろう。
そんな仄かな期待を抱いて、民家な佇まいの白い暖簾を払いましょう。
板張りの床が畳が清々しくも心地いい。
腰を下ろせば、すーっとゆっくり風が抜けていく。
このままここに泊まってしまいたい、そんな気分になるね。bukubuku03.jpg

姐さんの丁寧な説明によると、「ぶくぶく茶」とは、炒ったお米を沖縄の硬度の高い水で煮出した煎米茶とさんぴん茶などのブレンドした茶湯とを合わせて、さらに泡立ててつくるのだそう。


早速その、さんぴん茶、ゴーヤ茶、うっちん茶、ハイビスカス茶とある中からさんぴん茶を選んで「ぶくぶく茶」をお願いしました。冷たいのもできるのだそう。


そしてその名のイメージ通りの“ぶくぶく”を頂いた茶碗が届きます。bukubuku04.jpg

儚げででも意外にしっかりとした泡の下のお茶を啜ろうとすると、どうしても鼻の先に泡がつく。
それを互いに笑ったりするのも一興というわけで。
bukubuku05.jpgbukubuku06.jpgbukubuku07.jpg
泡の先に振った落花生の香ばしさと煎米茶の香ばしさが交叉して鼻先を擽る。
見上げるその先には、琉球瓦の屋根たち。
すっきりとしたジャスミンの風合い。
ゆる~っとした安堵に癒されるような、不思議な心持ちになるですね。


もしやパフェはないかいなと探す(笑)メニューに、「ぶくぶく泡盛」という一行を見つけた。
bukubuku08.jpg「茶屋ぶくぶくがチョイスした泡盛」って意味じゃないの?と訊いてみると、これも“ぶくぶく”してるよというので、追加オーダーしてみました。


なるほど、ぶくぶくが載ってて、お茶と同じに見える(笑)。bukubuku09.jpgでも中身は、宮古「菊之露」の10年古酒。
追加でオーダーしてくれたのでちょっとサービスのバージョンだそう。
再び鼻の頭に泡をつけつつ、柔らかい泡盛の滴にゆるゆるとしてしまうのであります。


国際通りから市場周辺の雑踏からは隔絶した、癒し空間「ぶくぶく」。bukubuku10.jpgお隣の新垣家・東ヌ窯(アガリヌカマ/現存する唯一の上焼窯)は国指定重要文化財なのだそうです。


「ぶくぶく」 那覇市壺屋1-28-3 [Map] 098-861-2950 
http://www.buku-buku.com/

column/02712 @1,500-

口らぁめん「大山」で 桜えびおろしそば+桜えびかき揚げ駿河の恵

taizan.jpg駿河系ラーメン店という珍しい言葉の響きからもずっと気になっていた「大山」。
所在の川崎ラーメンシンフォニーにいざ行こうとしたところで、駅ビルのBE全体が改修工事に突入してるらしいと知って、運びかけた足を止めたことがありました。
工期はいつまでなのかなぁなんて考えていた矢先に、先行再開しているよとヒロキエ親分の記事
そそくさと訪れた川崎の駅ビルは、まだまだ仮設な雰囲気です。
「にくがみ屋」「本丸亭」「めじろ」「なんつッ亭」といったラーメン店が集合してるラーメンシンフォニー。
その突き当たりに「大山」はありました。


パネルから選んだのは、やっぱり「桜えびおろしそば」。
そこへ、これでもかと(笑)、「桜えびのかき揚げ」も添えることにしちゃいました。taizan01.jpg駿河から直送の桜えびが一面に載ったぶっかけ的どんぶりの向こうに同じ桜えびのかき揚げが控えるという構図。

一匹一匹が活き活きとしているように見えて、じっとその表情を拝みつつも、えいっとから揚げもトッピングしてみる。taizan02.jpg

なんというか(笑)。taizan03.jpg

そのかき揚げも突き崩しては、下の麺と一緒に慌て啜る。
桜海老の澄んだ甘さと軽い衣と一体となった香ばしさ。
taizan04.jpgtaizan05.jpg
意外と食感にも主張のある麺と上手にバランスしたツユとの相性も気が利いている。
うんうん、愉し旨し。


なぜに「大山(たいざん)」と名付けたかというと、大将が富士山の麓富士市出身なので、富士山→大山、そして極真空手を修めていたことから、極真会館創始者大山倍達へのリスペクトを併せてのことなのだという。

富士に本店を持つ、駿河のご当地ラーメンの店「大山」。taizan06.jpg神田にも出店を果たした模様。
一見地味なフリして、きっと滋味ひたひたな「えび塩」あたりも気になります。


「大山」川崎店 川崎市川崎区駅前本町26-1 川崎BEB1F [Map] 0545-60-5333 
http://www.r-taizan.com/

column/02711 @1,400-

口西洋料理「来福亭」で カキバタヤキ最高のご飯の友

raifukutei.jpg人形町の「来福亭」でご無沙汰のランチです。
例によって、「玉ひで」の行列を一瞬の怪訝な目線で一瞥してから、そのお隣の白い暖簾へと正体します。
なぜに久々に此処へとお邪魔したかというと、通りがかりの店頭の「おしながき」の隅に「カキ」の文字raifukutei05.jpgを見つけていたからなのです。
「来福亭」の牡蠣料理、さて、どんなでしょう。

如何にもどこかの企業のお偉いサンとお見受けする恰幅と身形のオジサマと1階奥側のテーブルでご相席。
「来福亭」一階のテーブルは、奥行きのない不思議なサイズなので、妙に距離の近い相席となるのだね(笑)。
raifukutei01.jpg塩の利いた「ポタージュ」を啜っていると、お向かいのオジサマのところへ「カキバタヤキ」のお皿が届きました。
仄かなバターの香りと控えめなタレのような匂いに牡蠣の色合いが混じり漂ってくる。
く~! 俺も早く喰いてぇ(笑)。

そして、意外と間を置かず同じお皿がやってくる。raifukutei02.jpg小麦粉の焼き目を薄く纏ったその身を慌てて割り箸でひっ掴む。
raifukutei03.jpgraifukutei04.jpg
フルフリっとした手応え。
そのまま口に運んでひと噛みすると、さっき嗅いだ匂いの延長線上に旨味のエキスが華開く。
むはは、堪まらん。
まだまだ量感のある牡蠣ではないけれど、今でも十分、最高のご飯の友ではないかいな。


もう一方の「カキフライ」はというと、
raifukutei06.jpgraifukutei07.jpg
揚げ油が古いのか、揚げ滓が焦げたような粒子が衣に混じり、所々にガリッと硬い部分を残していて、ちょっと残念なところもある。

raifukutei08.jpgとかなんとか云いながら、ウホウホ食べているのだけどね(笑)。


創業明治37年、人形町の小さな老舗洋食店「来福亭」。raifukutei09.jpg一見質素に映るお皿たちには、手作りの懐かしさにも似た魅力を孕んでいます。


口関連記事:御座敷洋食「来福亭」で 香ばしくヤキメシなオムライス(06年03月)


「来福亭」 中央区日本橋人形町1-17-10 [Map] 03-3666-3895

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口カレー居酒屋「MOON」でなかなかにソソる風景カレーチャーハン

moon.jpg中原街道を南千束の信号からツーっと洗足池の方に下っていくと、黄色いテントに赤い文字で「MOON」と書いたお店が見つかります。
ちょっぴり怪しい、でも街道沿いのお店にありがちな景色かもしれません。夜ともなれば、女性ひとり客にそれなりの勇気を求めるような。
隅きりの壁には大きなカレー皿の絵moon05.jpg
見上げる袖看板には、「カレー居酒屋」と書いてある。
ありそでなさそな、新ジャンルだったりして(笑)。


硝子越しに覗く店内は、カウンターに丸いスツールという如何にもな設え。
厨房とのやりとりを聞く限り、スタッフは皆、あちらの方達のようです。


①と番号を振った、筆頭メニューを今夜の夕餉にすることにしました。
オーダーは、そういや八丁堀「カレー革命」でも出会ったよなぁ、この業界では流行なのかしらんと思わせた、「カレーチャーハン」。
moon01.jpgここでもインド系の調理人が、北京鍋振ってチャーハン作っているのかなぁと炒め音を聞きながら、微笑ましく考えたりする。
広めのお皿がやってきました。

なかなかにソソる風景。moon02.jpgカレーそのものは、やや甘さを残すような、特段スパイシーでも旨味ふつふつでもないのだけれど、
カレーチャーハンとの合わせ技によるヒキは、なんだかちょっとニクイ感じで、ずんずん食べれちゃう。
moon03.jpgmoon04.jpg
ドライカレーに欧風カレーかけてもこうはならないし、ターメリックライスとインドカレーの組み合わせとも明らかに違う。
時代は、カレーチャーハンか(ん?)。


そう間を置かない別の晩。
カレー居酒屋っつーくらいだから、せめてビールでもとインドのメジャー「KINGFISHER」。
ツマミには、パリパリと極薄焼きの生地に胡椒を振った「パパド」を通しに、「サモサ(ジャンボ)」。
「サモサ」は、パリパリとした皮でじゃが芋生地にグリーンピースやらの具の入った中身を包んだ
三角な春巻きみたいなヤツ。
moon06.jpgmoon07.jpgmoon09.jpg
今度は豆のカレーが食べたいなぁとチャナ豆のカレー「ダル」にナンを添えてもらうことにした。
ただ、ステンレス皿の縁から垂れ下がる大判ナンのもっさり食感とチャナ豆のほっこりが重複して、これは組み合わせにしくじったかも(笑)。


全然居酒屋っぽくない、カレー居酒屋「MOON」は、如何にもその前はラーメン店のカウンターだったとではと思わせる佇まい。moon10.jpg
あれ?もしかして二階が居酒屋フロアかな?
そして袖看板には南千束店とあるけど、するとどこか他所にも兄弟店があるのでしょうか。


口関連記事:本場の味「カレー革命」で 冷やしカレーとカレーチャーハン(08年08月)


「MOON」南千束店 大田区南千束1-13-5 [Map] 03-3727-3922

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口うどん「踊るうどん」で 程よい靭性まいたけ天温玉肉うどん

odoruudon.jpg大阪駅前3ビルの地下2階。
初夏の頃にフロアを徘徊した時に目にした、ちょっと半端な「渦巻きマーク」が気になっていました。
3ビルで、うどん屋さんと云えば思い浮かぶのはまず「梅田はがくれ」本店なのだけど、今日はそのウズマキ目掛けて足を運んでみました。
その名を「踊るうどん」。
なんとも、躍動感と力強さが伝わるようなネーミングでありませぬか。


正午を少し廻ったピーク時とあってか、店内は満席。
ちょっと待ったところで、中央のテーブルに案内されました。


「踊るメニュー」には、冷たいおうどん系に生醤油とぶっかけ、温かいおうどん系にかけとかまたま。
うどんそのものの本懐を知るにはやはり冷たい方からなのだよなぁと思いながら、気分次第で注文んだのは、かけの「まいたけ天温玉肉うどん」です。

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ドーンとした量感のどんぶりがやってきました。
舞茸は冬のものじゃなかったっけかなぁと思いながらも、ハフハフしながら天ぷらを齧ると、硬めの衣から半分浸った汁と舞茸の独特風味が零れまくる。odoruudon03.jpg

odoruudon02.jpgodoruudon04.jpg
出汁ゆったりのツユを纏ったうどんはというと、程良い靭性を備えて活きいきとしている感じ。
温泉玉子を潰したところをそんなうどんで掬ったりしながら啜り続ければ、うん、悪くない。


こりゃ、いずれ冷たいのもいただかなければと、改めて「踊るメニュー」odoruudon05.jpgを眺めみる。
素朴に「温玉生じょうゆ」「三陸わかめぶっかけ」あたりを狙ってみたい、なんて(笑)。


この6月にオープンしたのだという「踊るうどん」。
守口市の京阪滝井という各駅停車な駅最寄りの人気うどん屋さんが大阪駅前への出店を果したということらしい。odoruudon06.jpg応対もはきはきと、一瞬の間があればそこここを拭き上げている女性陣の姿も好感です。


「踊るうどん」梅田店 大阪市北区梅田1-1大阪駅前3ビルB2F [Map] 06-6344-3760

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口とヽや「魚長」で 綺麗なグラデーションアジたたきにぐじの皮目

uocho.jpg八坂神社の西楼門から右へつつつっと東大路通り沿い。
何気なくさり気なく佇むは、とヽや「魚長」さん。
店頭の品書きuocho01.jpgには、「魚料理とおばんざい」とタイトルしてあって、活平目、ヨコワ、ケンサキイカといったお造りから、ハタハタ、貝柱の山椒といった焼き物、そしてタコのうま煮、おから、子いも煮といったおばんざいが並んでる。
ひょっこりとお店にはいると、そっと賑やかな空気に包まれる。運良くカウンターの一番奥が空いていました。

マスカルポーネに醤油を垂らしたようなお通しで麦酒をいただいて、
uocho02.jpguocho03.jpguocho04.jpg
まずはおばんざいからと卓上に並ぶお皿を眺めて、「柿の白和え」に「貝のたいたん」。
今日の貝は姫栄螺。螺旋の先までつるんと外れて気持ちいい。


早速のお銚子は、滋賀・日野町の「鈴正宗」。
合わせるお造りをと選んだのが「アジたたき」。
これがなんとも予想を翻すお姿。uocho05.jpg出刃でたんたんと刻んだところへ生姜を載せた例の仕立てかと思いきや、紅い端部から白い方へとグラデーションをかけた鰺の身が、綺麗に並べてある。

飾る役モノも小粋で華やか。
真鯵でこの造りってできるのかなぁと訊くと、実はシマアジなのだという。なるほどね。uocho06.jpg三切れほどを一緒に箸にすれば、そんな包丁加減も利いているのか、キレのある甘さが素直に嬉しい食べ口。やるね~、大将。
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下に敷かれていたツマが見慣れなかったので再び訊くと、蓮芋の、つまりは「芋の茎」だそう。


焼き物もいただきたいと「ぐじ塩焼」。
ぐじ=アマダイということでいいのかな。
カッと開いた口から意外とごっつい歯が覗いてる。uocho08.jpgじっくり焼いた感じの皮目艶やかで、パリパリとした香ばしいところにさっと塗ったみりんの甘さがよく合って、いい。
uocho09.jpguocho10.jpg
その下の身の方は、ぐじ自身のほの甘さが堪まらなくて一気に啄むこととなる。
うーむ、やるなぁ、オヤジ(笑)。


〆に「ととや丼」なんて手もありかなぁなんて考えながら、お猪口を舐めていたら、このまますっと去ぬのもまたありかもとふとそんな気分になって、お愛想を告げる。

オヤジさんとちょと話をすると、こんな八坂神社の脇あたりにありながら、席を埋めてくれるのはほとんどが地元のひと達なのだという。


観光地の只中にある、地元の店「魚長」。uocho11.jpg柔らかな対応の女将さんと親しむほどに頼り甲斐の増しそうな大将とのコンビが印象的です。


「魚長」 京都市東山区祇園石段下下ル三筋目角 [Map] 075-561-4346

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口gallery&cafe「OKU」で 木の実がいっぱい秋のパフェの造形美

oku.jpg気になる裏道、西花見小路。
秋にしては強い日差しが射す中をのんびりと往く。
初音小路との角にある中華のお店に強く惹かれたりする。
でも今は一応満たされちゃってるものなぁとお腹をサスりながらちょっぴり複雑な気分になる。
またいつかと心にメモして(笑)、漫ろ歩く。
と突然、別腹系だったらダイジョブかも~と、急にオンナノコ気分になった。
なぜってそこに、「パフェ」の文字を見つけたから。
そう、今日は祇園で「パフェラッチ!」、です。

oku09.jpg
gallery&cafe「OKU」。
格子から覗く棚にはいくつもの器が飾られていて、なるほどギャラリーも兼ねている様子。
カフェ併設のギャラリーなのか、ギャラリースペースもあるカフェなのか、はどっちでもいいか(笑)。
その棚を回り込むようにして奥へ進むと、明るく視界が開けるようにシンプルにスタイリッシュなフロアに出会います。


コレ!っとメニューを指さして待つテーブル。他のテーブルもカップルやら女子同士やらで満席だ。


やってきました、「木の実がいっぱい秋のパフェ」。oku01.jpg
oku03.jpg
ヒトデのデッカいのみたいな焼き菓子が印象的だけど、これってもしかして紅葉がモチーフなのかな。
薄皮の翠色を含んだナッツがその表面を彩っています。
oku04.jpgoku05.jpg
「美山の卵の」とあるバニラアイスに寄り添うようにしているのが和栗の渋皮煮で、渋皮のほのシブさにマロングラッセよりもなんかオトナな感じがする。
美山というのは、北に奥まった「野草一味庵 美山荘」のある界隈、美山町のことらしい。
oku06.jpgoku07.jpg
その下の層にあるのが、今度はシナモン風味のアイスと大宅珈琲ゼリー。
アイスとコーヒーゼリーって、永遠で絶妙な組み合わせだよなぁと思いながらさらにその下へとスプーンで穿るとそこには、とろんチョコ風味と香ばしく胡桃やピスタチオのカスタードを織り交ぜたブラウニー。
底の底まで充実のパフェって初めて、かも。
計算され構築された仕立てに造形美すら感じてしまうパフェでありました。


HPによると、店名の「OKU」には、空間的な“奥”以外に、
日本特有な“奥床しさ”をも表しているンだという。
oku08.jpg
応対してくれた女性たちの凛とした姿が印象的。
ひけらかさない真摯さみたいなものの断片に触れたような一瞬がありました。


「OKU」 京都市東山区祇園町南側570-119 [Map] 075-531-4776 
http://www.oku-style.com/

column/02707 @1,600-

口祇をん・う桶や「う」で 桶横目に鰻丼ふわっと広がる濁りなき旨味

uokeya00.jpg花見小路沿いのお店にはおよそ入ったことがなくって、
それはどうも余りにも観光客相手っぽさが鼻につくからってこともあるのだけど、
すぐその脇の路地へと潜り込みたくなる、そんな性分からかもしれません。
ロジスキーは、極自然な足取りで花見小路から一本裏手の細道へと歩みを進めます。
建仁寺の方から入ってもすぐのあたりで、木板に表した「う~」というよな文字に立ち止まる。
格子のところに提げ掛けられた札には、「京のう舞」uokeya07.jpgとあって、「名代う桶」「鰻丼」と並んでる。
うん、鰻屋さんなのですね。


暖簾を潜ろうとしたら、棒の通しが浅かったか、暖簾がふわっと落ちてきた。
あれあれすいませんと店主が厨房から出てきてくれて、二階へと案内いただきます。

こざっぱりとした座敷の座布団に腰を落ち着けて、お品書きuokeya06.jpgを眺める。
お向かいの卓では丁度、桶が届いてわー、蓋を開いてわーっと小さな喚声が続いてきます。

三人前、四人前、五人前とある「う桶」をいただく訳にいかないのがちょと切ないものの、それを「鰻丼(松)」と張り込んで紛らわせる(笑)ことにしました。

uokeya01.jpg
せいの高くないどんぶりに添えたきも吸いの小さな椀に香の物。
端正な情景にも映る卓上に、もう桶のことは忘れて向き合います。

どんぶりに横たわるうなぎの表情は、櫃まぶしのそれとは明らかに違う。uokeya02.jpg関西風の蒸さない鰻のようにも見えないのだけれど、う~むと腕組み考えても仕方がない(笑)ので、早速箸を動かします。

すいっと身を分ける箸の先。
やや硬めが好ましいその下のご飯と一緒に口に運べば、ふわっと広がる濁りなき旨味。
この優しい食べ口は、蒸しを入れているに違いない。
背開きか腹開きかは分からないけど、つまりは江戸前な焼きってことになるのでしょう。uokeya03.jpgどちらかといえばあっさりとしたタレの加減も鰻の旨味を引き出すに専念したかのような加減。
結局山椒なんか振らないで、ぺろんと食べてしまう。
香ばしく焼いた鰻もこうしてふっくら焼いた鰻も、どちらもいいよねと素直にそう思う。


踊り場の上に積まれた桶を眺めつつ階段を降りるとその正面の厨房のところに「今日の鰻は静岡の産」と貼ってある。訊けば浜名湖の産だという。
uokeya04.jpguokeya05.jpg
当たり前のことなのかもしれないけど、産地の明示は信頼感に繋がるね。


西花見小路に見つかる「う」の文字。それが、祇をんのう桶や「う」。uokeya.jpg豆乳仕立ての「うなべ」ってのも気になります。冷え込む京の夜に、ね。


「う」 京都市東山区祇園西花見小路四条下ル [Map] 075-551-9966

column/02706 @3,400-

口長崎の味「長崎菜館」で 野菜ましまし長崎ちゃんぽん皿うどん

nagasakisaikan.jpg桜橋交差点近くに、時に行列を作るお店があります。
「長崎菜館」は、その名の通り、「長崎ちゃんぽん」「皿うどん」を軸にした中華料理店。
夜には居酒屋的メニューも随分あるので、オジサンたちのニューズにもマッチ。
訪れても入れないことがままあるのだ。
今日はそんな「長崎菜館」のお昼にお邪魔です。

ご注文はやっぱり、「ちゃんぽん」。
野菜ましましな景色は、「二郎」の大将連中も一瞥しそうな立体感。nagasakisaikan02.jpgnagasakisaikan01.jpgしゃくしゃくとしたモヤシやキャベツを攻めていると、
自然と野菜不足が解消されるような気になってくる。
スープは白濁クリーミーではなく、比較的澄んでいるタイプ。
そういえば、とやっぱり日本橋の「長崎楼」を思い出す。
その「長崎楼」の「チャンポン」と比べても、”タンメンっぽさ”が強いンね。

nagasakisaikan03.jpgnagasakisaikan04.jpg
妙な味の強さや化調の角のない優しさ。
円い断面の麺は、もっさり具合がほどよくて、量感もあっていい。
うん、普通盛りで十分満腹になる。
それが厭な膨満感ではなくて、消化の良さそうな予感のする心地いい満足なのです。


テーブルの向かいに相席になったオッチャンは、「皿うどん」。
お皿が届くや否や、まず何故か卓上にあったウスターソースをダーっと廻しかける。
続いてお酢もシャーっとひと回ししてから、練り辛子をお皿のあちこちになすりつける。
そして、ドワーっと掻き回して、ひとつフーとして口へ頬張る。
もしや、ご当地の長崎では当たり前の食べ方なのか、それともオッチャン流なのか。
少なくとも、「ちゃんぽん」「皿うどん」が注文されるテーブルに当たり前のようにソースがあることからも、そんなに妙なことではないみたいだ。


てなことで(?)、同じテーブルに再び。
「皿うどん」も「ちゃんぽん」に負けないこんもり具合だ。nagasakisaikan05.jpgまずはそのまま、野菜たっぷしのあんをその下に隠れた麺と一緒にするようにひっ掴んで口へ。
うんうん、いいンでないいいンでないの。
もやしが醸す酸味に似た風味とナチュラルな甘さ旨味。
パキパキっとした噛み応えが軽快に映る。時折のタコさんにニンマリ。
nagasakisaikan06.jpgnagasakisaikan07.jpg
なるほどなぁと思うのは、もうひと味あってもいいかもと思わせる瞬間があること。
あのオッチャンみたいにダーっとソースをかけちゃう勇気はないけど、残り1/3ほどになったところで試してみた。
確かに味わいの輪郭が増すけれど、唐突に“ソース味”になってしまうのが切なくもある。
食べ方はひとそれぞれ。やっぱりボクはそのままで、がいいな。


黄色地に赤く「長崎菜館」が目を引く交叉点。nagasakisaikan08.jpg呑んだ仕上げにも「ちゃんぽん」が待ってます(笑)。


そうそう、隣ですっかり傾いてる建物がずっと気になっている。
「鮨」と染め抜いた暖簾が引き戸の向こうに掛かったままなンだけど、ね。


「長崎菜館」 中央区八丁堀3-11 [Map] 03-3552-8722

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口麻布十番・天ぷら「畑中」で 油と衣の繊細魔法活性する甘さ

hatanaka.jpg例えば、今はピーコックの向こうへ移転した「かどわき」にお邪魔した時。
例えば、今は改装なった「鳳仙花」へとまわり道した時。
そのお店についてなにも知らないまま、横目でみる暖簾とその佇まい。
その情景に想う、ちょっとした敷居の高さとそれが故のささやかな羨望。
そんなずっと秘かに気になっていたお店「畑中」に出掛けてみました。

やや遠くからも目に留まる「天ぷら」の筆文字hatanaka01.jpg
朧に浮かぶ満月に蟹らしき影を描いた暖簾を今夜はすっと払います。

カウンターの右手隅に席を得て、まずはプレモルで喉を湿らせる。
目の前には、大振りな蓮根や茄子、アスパラなどなどを収めた桶が瑞々しい装いで据え置かれています。
予約の際にも、大変恐縮されながら値上げの旨伝えられていた、そのお安い方の「榎」hatanaka02.jpgでお願いしました。


まずは、さっと炙った墨烏賊。
噛めば炸裂する甘さに思わず顔を見合わせる事態を呼ぶ(笑)。
素朴なお皿から溢れる魅惑に日本酒が欲しくなる。
でも、炙り立てを逃しちゃいけないとペロッと平らげる。
烏賊には間に合わなかったけどと、山口の特別本醸造「東洋美人」のお銚子を。


最初に敷き紙の上に据えられた天ぷらは、剥いたばかりのマキ海老の頭。
煌く珊瑚にも似た色合いをさくぅとすれば、口腔に広がる軽やかな甘み。
続いてやってくる身の方は、まずは塩で。
そして、二本目は、やっぱり塩で(笑)。
素直な澄んだ甘みがじーんとくるのだね。


薄ぅく衣を纏ったアスパラが弾けさせる大地な甘さ。
衣の間から甘い湯気を立てる鱚の白身。
合わせた半切をそっと開けば秋の甘さ滲み出る茄子は松山の産。
中心に向けてほんのり桜色半生仕立ての帆立の甘さったらない。
肉厚蓮根のしゃくとした歯触りのその後から襲うほの甘さ。
くるんと丸まった穴子の身の甘さには野生が潜む。
揃え並べた隠元と伏見唐辛子の青い甘み。


油と衣の繊細な魔法は、
こうして食材の活性を色々な甘さで届けてくれるのだと教えてくれているようだ。


〆にかき揚げ。
天丼か天茶かのいずれかでってことなのだけど、そのままいただいて、天ばらにしてしまう。
だって、かき揚げに含む魚介や野菜の甘さを直裁に愉しむには、
こうするのが一番いいと思ったンだもの。


店主とのお約束もあって、店内の写真を載せるのは控えてるけど、それがちょっと残念です。


蝶ネクタイで凛々しく迎えてくれる麻布十番・天ぷら「畑中」。hatanaka03.jpgそれには、巷知る日本橋の老舗天ぷら店のトレードマークが思い浮かぶけど、それはどうやら見当外れではなく、日本橋へのリスペクトの想いが籠められているもののようです。


「畑中」 港区麻布十番2-21-10 麻布コート1F [Map] 03-3456-2406

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