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2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口手打ちつけ麺「欣家」 で目ひかり使ったらあめんに帰路遠く

kinya.jpg
ふと気が向いて、三田線で北上して西台へ。
高島通りを渡って、以前お邪魔した「戎」の店頭廻りの様子がちょっと変わったなぁと思いながらその先を左へ折れ入る。
すっかり暗い住宅地の一角にあるのが「欣家」です。
暖簾に小さく「手打ちつけ麺」と記されているね。

そうか、つけ麺のお店なのねと腕組しながら、気分は温かいものが欲してる。
欲求に素直に従って、「肉入りらあめん」に「のり」「味付け玉子」をと声をかけます。
湯気の上がる厨房をぼんやり眺めながら、今さっき見たメニューの「竹の子」という字面が再び気になってきたのは、この時季の「竹の子」ってもしかして、ちょと違うかも?ってなあたりから。
腰を浮かせて追加トッピングをお願いします。


届いたどんぶりは、素朴さとはまた違うどこか愛想のない表情をしてる。kinya01.jpgスープを啜って少し眉を細めたのは、そこに苦手な家系と同じ風味(臭み)を感じたからで、それならいっそガッツリ家系であればまだしも、全体には出汁が弱い、薄い印象だ。う~む。

カウンターの幕板には、深海魚の「目ひかり」をスープに活かしてこく(脂)と旨み(甘み)を出している、とあるkinya03.jpg。果たして“コク=脂”、“旨味=甘み”なのか、そう簡単なことでもないよに思うのだけどどうだろう。


手打ちつけ麺のお店とあれば、麺にはぐっとくるものがきっとあるのねと啜れば、またまた疑問符が脳裏に浮かぶ。kinya02.jpg自家製麺の、さらには手打ち麺らしい魅力がなぜだか窺えません。ううう(噎泣)。
「らあめん」は手打ち麺じゃない、ってことではないですよね。

もしやと思った「竹の子」は、ちょっと太目の普通のシナチクで、踊った自分が残念な肩透かし。


きっと「つけ麺」はイケルに違いないと思うことにして、振り返る「欣家」の暖簾。kinya04.jpgそれでも駅まで辿るは、切ない気分の足取りで。西台からの帰路が遠く思えちゃったのでありました。


関連記事:中華そば専門店「戎」 でじゃこの載る和歌山系磯中華サバ寿司(07年04月)


「欣家」 板橋区高島平1-62-6 101 03-3934-3016

column/02590

口フランス料理「グランメール山王」 で鮭リエット桜ブランマンジェ

grandmeresanno000.jpg久々に環七辿るバスの旅。
行けば至近な山王二丁目で下車して、山王小学校通りという小学校に面した生活道路を歩きます。
まるで初夏の陽射しにゆったりとして、のんびりと。
道が左へすっと折れるその右手角にあるのが、今日のランチにと訪れた「グランメール山王」です。
白い壁に浮かぶは、
少し色褪せた青い文字「Grand-mere Sanno」。
フレンチベースのレストランのようです。

「本日のランチ」は、アミューズの盛り合わせにスープ、メイン、デザート、コーヒーの組み合わせ。
メインは5種類の用意があって、この日は、「帆立貝のフライ・サラダ添え」「サワラのバルサミコ酢ソース」「鯛のパイ包み焼き」「地鶏のソテー・赤ワイン風味」「サーロインステーキ」。
サワラ、をお願いしましょう。

一杯だけぇ(笑)、と白をグラスでいただいて、grandmeresanno01.jpg入口脇のテーブルで生花を拵えるマダムの様子を眺めつつ、リラックス。


アミューズの盛り合わせが、ちょうどいいワインのお供になってくれる三品。
コゴミを載せたサーモンのリエットに蕗のムース、そしてホタルイカ。
grandmeresanno02.jpggrandmeresanno03.jpg
リエットというと、豚のものあたりが思い浮かぶところに、魚肉のリエットって面白い。
それが空気を十分に含んだような軽~い仕立てになってるんだ。


メインの鰆のプレートが届く。grandmeresanno04.jpggrandmeresanno05.jpgたっぷりとした身肉にはほどよく脂がのり、特に皮目のあたりがなかなかイケる。
バルサミコのソースが自然に馴染み、フリットにしたフキノトウのほの苦みがアクセントを添えてくれます。


デザートは、「桜のブランマンジェ」。grandmeresanno06.jpg明るいピンクのグラスの中央に桜の花弁が浮かんでいます。
grandmeresanno09.jpgスプーンの先をそおっと挿し込めば、なはは、意外や小倉餡が顔を出す。
控えめな甘さながら、小豆の風味がブランマンジェの円い涼味と重なって、いい。
桜の葉はないけど、桜餅のような組み合わせだもんね。


陽射しに映える白い壁の「グランメール山王」。grandmeresanno07.jpg“グランメール”は、“おばあさん”の意だそう。
静かな住宅地にアットホームな、そしてプチおフランスな空気を運んでくれています。


「グランメール山王」 大田区山王1-24-12  03-3777-0693

column/02589

口うどん「sugita」 でのりぶっかけもっちり海苔風味が口一杯

sugita.jpg中目黒駅から高架に沿って祐天寺方向へ進むと、
高架下に並んでいた店たちの前には、工事用の仮囲いがされている。
予約殺到で結局新館にしか行くことのなかったもつ鍋「鳥小屋 本店」もちょっと不思議なBARだった「Grande Fine」も蕎麦処「喜道庵」、炭火焼「尋」も既に営業を終えてしまっています。
なんだかんだお世話になってるこの通り。
耐震工事後の高架下がどうなるにせよ、往時とは趣が変わってしまうだろうことにふっと寂しい気持ちにもなりますね。

sugita07.jpgそしてその先、看板のない店としても話題だった「豚鍋研究室」「村上製作所」跡を横目にさらに進んでひっそりとした住宅地に潜り込みます。
この先にお店あるのかな?間違えたかな?と思わせるところで見つかるのが、
うどん「sugita」です。


如何にもご自宅を改装した装いで、ドアを開けながら「ごめんください~」と云いそうになる(笑)。

壁の貼紙に、「店主による100%手打ちうどんです」「タピオカ粉など麺のこしを強くする添加物等を一切使用していません」とあって、オヤジさんの控えめなでも一本芯の通った自負を想わせます。

「のりぶっかけ」は、限定7食。
5でも10でもない、微妙な限定数は不思議ながら、思わずお願いしてしまうのね。

sugita01.jpg
おやおやおや~(笑)。
覗き込んで笑っちゃっていいンだと思うよ。sugita02.jpg細かく刻んだ海苔が、これでもかとばかりにこんもりと盛られ、中央に温泉たまごが載せられているのです。
sugita03.jpgこの黒と黄と白のコントラストたるや。ね。

脇っちょからちら見するうどんは、薄い若草色をしてる。
四万十川の青海苔を練り込んだ変わりうどんですってことで、ご指南の通り、醤油に近いのでかけ過ぎないでねという辛汁をちょんちょんと振って、ちょっと廻してぐいっと、まさにぐいっと啜ります。sugita04.jpgコシつきの量感が嬉しくて、刻み海苔&川海苔の風味が口一杯に迫る。
うん、食べ易くはないけど(苦笑)、他に代え難いうどんは、温泉玉子を解いて混ぜたあたりが、シズルであります。

サイドメニューにお願いした「かきあげ」は、所謂“かき揚げ”とは一線を画する仕立て。sugita05.jpg薄くスライスした牛蒡、人参、南瓜、薩摩芋の素揚げの組み合わせといった趣で、一片一片手掴みで食べ易く、藻塩をちょん。ビールのお供に最高ぉって感じ。


きっとそれなりの重労働を経て、むっちりとしたうどんを供してくれているのだろうと思う「sugita」さん。きっと温かいうどんもいいんじゃないかな。sugita06.jpg冬のシーズンになったら「カキうどん」いただきにまた来なくっちゃ。きっとお酒も呑んじゃうな(笑)。


口関連記事:
  BAR「Grande Fine」 で愉しむ高架下の静謐(05年11月)
  博多もつ鍋「鳥小屋」新館 で手羽ぎょうざもつ鍋そして店主キャラ(05年11月)
  蕎麦処「喜道庵」中目黒店 で胡麻だれそば往く夏を惜しむ(04年09月)
  炭火焼「尋」 で自家製めふんアピオス福豚バラ肉焼きさつま美人(04年02月)
  看板のない店「豚鍋研究室」でやんばる島豚寿豚そして夏の豚鍋(04年07月)


「sugita」 目黒区上目黒2-47-5 03-3719-0699

column/02588

口チュニジアレストラン「イリッサ」武蔵小山店 でブリックとキフタ

illissa.jpg例によって、「Again」での村田Only One Liveを楽しんだあと、武蔵小山駅前の横丁に潜り込む。
日曜日の夜とあって、閉めているお店も少なくないけど、
それでもなんだかワクワクするのはなぜなのでしょう。
駅前で煙もくもくさせている立ち喰いやきとりで有名な「鳥勇」の裏手角で、”TUNISIA”という文字を見つけました。
先日の洋食亭「いし井」や麺屋「兜」もすぐ近く。
こんなところにチュニジア料理のお店があったとは、なんだか大発見な気分(うふ)。
元はラーメン屋?的普請が味であります。早速、お邪魔してみましょー。


入れ替わりにカウンターを離れた先客のおふたりが、
「うーん!おいしかったよ、またくるね!」と告げながらドアを出て行く。
「ありがとね~」とそれを追うニコヤカな表情に迎えられました。

「ええっと」。
illissa01.jpgどう攻めればいいのかなぁと相談しながら、決めたメニューがまず「ブリック」。
じゃがいも、玉子、ツナ、パセリをクレープ生地で包んで挙げた料理で、手で持って食べてねと云う。
仰せの通り、レモンを絞ってから両端を持って真ん中に齧り付くと、なはは、今にもとろんと零れ落ちそうな玉子の黄身が顔を出した。illissa02.jpg垂らすと勿体ない(笑)と、そっと啜るように口に収めて、軽妙な生地の歯応えとじゃが芋&ツナのしっとりしたあんと玉子との合奏を残さず味わう。
食べ終えて気がついた。これって食べたことある!って。
そうだ、大久保の「ハンニバル」ってチュニジアレストランだもんね。


そして、マトンが食べたいと云うと、クスクスかハンバーグがおススメだという。
うん、ならばとトマトソースのマトンのハンバーグ「キフタ」をお願いする。

少々辛味のついたトマトソースにしっとり煮込まれたハンバーグを齧れば、マトンの風味が妙にそそる。illissa03.jpgおほほ~、うまい旨い。

熱々にしてくれたパンには、黒い種のようなものが織り込まれていて、パプリカやコリアンダーなどのペースト「ハリサ」をつけていただくスタイル。
illissa04.jpgillissa05.jpg
一見コチュジャンのようにも見えるけど、恐る恐る咥えると、辛味は程々で、パンに塗っても違和感のなく、ハンバーグのソースともよく調和してくれます。


「たまたま、大久保のチュニジア料理のお店に行ったことがあるのだけれど…」と話すと、「あ、ハンニバル!」。「そうそう、ハンニバル、きっとチュニジア料理のお店ってそう多くないですもんね」と返すと、「ワタシ、ハンニバルにいたのよ」と云う。おお、なんと、そうですかぁ。

訊けば、静岡の花博に際して来日して、「ハンニバル」を経て、「イリッサ」を開いたのだという。
なるほどね。

チュニジアはどこにあるかというと、アフリカ大陸の北の中央にある。
アフリカの料理と聞くと直球エスニックなものと思いがちだけれど、ちょと違う。
対岸のイタリアを含めた地中海地域の料理と考える方が、イメージが近いものになるかもしれないね。


やっぱり、こんなところに!のチュンジアレストラン「イリッサ」。illissa06.jpg「長原の方にもお店あるのよ」。了解しました(笑)。


口関連記事:
  チュニジア料理「ハンニバル」 でブリッククスクスケリビアソース(06年01月)
  洋食亭「いし井」 でご飯の友ビーフジンジャーぶわんと生姜風味(08年03月)
  麺屋「兜」 で求道的淡麗スープのチャーシューめんかぶとめし(08年04月)


「イリッサ」武蔵小山店 品川区小山3-19-5 03-3786-5332 http://illissa.web.fc2.com/

column/02587

口麺香房「天照」 でしっかりボディきりっと醤油スープに開化楼麺

tensho.jpgふと気が向いて、日頃割と縁遠いぃ葛飾区は堀切菖蒲園までやってきました。
なんとなく漂う下町な空気に和みながら目指すは、
駅からも程近いラーメン店「天照」です。
通りの向かいに見える「糀や」と書いた暖簾を眺め、「ラーメン 大」と大きく記した黄色い看板を目にして「蒲田のそれと同じかなぁ」などと考えているうちに、角の信号まで来てしまった。

あれ?通り過ぎちゃった?と引き返すと、あったありました。
お店のファサードが醸す雰囲気が所謂ラーメン店のそれとは微妙に違っていて、アジアンな装いであることも通り過ぎちゃった理由なのかもしれません。

店内も外観と同じトーンで、黒褐色が基調。tensho01.jpg幕板に竹を使っていたり、テーブルトップにはタイルを埋め込んだりと、そんな装飾が施されています。
開くメニューに「トムヤムらー麺」「タイカレー」「タイ風春雨サラダ」などとあることから、タイ風エッセンスを織り込んだお店のようですね。


オーダーは素直に、「天照らー麺」。そこへ「天然塩の味玉子」「三味ネギ」トッピング。
初見で印象的なのは、スープの醤油色がなかなか濃いぃこと。tensho02.jpgそのスープを蓮華で啜ると、見た目ほどの塩辛さはなくて、しっかりしたボディと魚介系出汁の風味、その後を追うように醤油の酸味風味が届いてくる。
ほほ~、いいかもしんない。
三味ネギは、長葱と浅葱と玉葱の三種ネギで、玉葱のみじん切りと深い醤油味のスープの組み合わせに、かつての「醤屋」を思い出す。

引き揚げた麺は、ゆるいちぢれに太さの割に力強い量感を湛えてる。tensho03.jpgスープによ~く馴染みながら、麺自身の旨味を伝えてきて、いいなぁと思ったら開化楼謹製だという。やっぱやるなぁ、開化楼。
tensho04.jpg太く柔らかい大判なめんまも、いい。
どんぶりの中でのバランスも取れてるしね。


うん、満足、「つけ麺」も気になるなぁと思う「天照」。
どうやら、かつて「二郎」だったお向かいの「ラーメン 大」、そして並びのうどん・麺処「糀や」の店主が展開した別ブランドなのだそう。
饂飩とラーメンスープのコラボ的どんぶりもあるという「糀や」tensho06.jpgまでも気になっちゃうじゃん、困るなぁ(笑)。


口関連記事:らーめん「醤屋」 で黒紫白からうすくち醤油の白玉葱みじん切り(02年11月)


「天照」 葛飾区堀切5-3-1 03-5680-3328

column/02586

口中国料理「ロンフウフォン」 で仕立て柔らかなお皿たち黒酢スブタ

longfufong.jpgずっとずっと気になっていた白金の「ロンフウフォン」。
予約のとれない中華料理店の代名詞ともなっていたお店にやっとこ、お邪魔する機会を得られました。
月島仮面さん&くにさん、ありがとう。
広尾からトコトコ歩いて恵比寿三丁目から辿る、
白金北里通り。
以前訪れたことのある姉妹店の「ロウホウトイ」を右手に、「きえんきえら」を左手にしながらさらにその先へ。
目印のHITACHIの看板が見えてきました。
見上げるスポットに照らされた庇のテントに「LONG-FU-FONG」の文字が窺えますが、ぱっと見は町の電気店の建物。そんな何気ない電気店の2階に予約殺到のお店あるってところも、隠れ処的知る人ぞ知る感があっていいのでしょうね。

ビールで喉を潤して、前菜「ピータン豆腐」。longfufong01.jpgコクある豆腐にかけられた蟹味噌の似たピータンの風味。ヒメダケの柔らかい青みと食感が軽やかな印象にしています。


早速紹興酒に切り替えて(笑)、「ハグラウリと小メロンの雪菜炒め」。薄く刻んだ野沢菜にも似たちぢみ菜の雪菜(セッツァイ)での瓜の炒めものだ。
longfufong02.jpglongfufong03.jpg
ニンニクと聞けばしっかり香るニンニクの芽あたりを連想するけれど、金針菜にも通じるたおやかな山菜といった風情の行者ニンニクは「行者ニンニクとハルサメの軽い煮込み」。ちゃっと煮た何気なさの妙に感心です。
続く「リーキとヨモギのそば 翡翠仕立て」のリーキとはつまりはポロネギ。蓬を薄力粉で繋いだそばと炒め合わせているようで、うん、面白い。


ヤバイかも~と笑いながらさらに紹興酒をちゅるちゅるとしながら、「マコモとアマドコロの辛み炒め」。longfufong04.jpg初めて訊くアマドコロもユリ科の山菜らしく、コリコリとしたマコモダケ独特の食感とすっと寄り添って、厭味のない辛味にもよく馴染んでいます。


異形を埋め込んだ切り口の表情が興味深い、「ズッキーニとレンコン ゴマ衣揚げ」。
黒胡麻を含んだベーキングパウダーと薄力粉の生地を素揚げした、云わば変わり中華パンといったところかな。シャクっとしたレンコンやズッキーニの食感が愉しめます。
longfufong05.jpglongfufong07.jpg
気がつけば赤ワインもあたりを席巻していて、結果、紹興酒と赤ワインをちゃんぽんするという事態になる(笑)。

これはイカンと、ハマドウフとタラの芽の炒め物longfufong06.jpgをいただくあたりで、広東省の烏龍茶で身を清め(?)、「ロンフウフォン」のスペシャリテと思う「黒酢のスブタ」を迎えます。longfufong08.jpgいや~、これはいい(親指上向)!
またり~としながらすっきりしたコクと柔らかい酸味のあんの中から、香ばしく揚げた豚肉のエキスがググっと迸る。
全体を通じて小ポーションなのだけど、これは「オカワリ!」と叫びたいもの。
前半戦をしっかりめの白ワインできて、ここで赤をもらう、てな流れもありだなぁと腕を組む。


longfufong12.jpgそして裏メニューがやってきた。
ご同席のカリ~番長のリクエストは、つまりは中華料理屋のカレーだ。
早速喰らいつくカリ~番長(リクエストの主は普通のお皿)。longfufong09.jpgそれを追うように茶碗のそれを口に運べば、葱の甘さが心地いい。
たとえ賄い料理であっても、なにかが妙に突出しないあたりがここまでのお皿たちのトーンとも一致しています。

longfufong10.jpg
杏仁の香りの濃いぃ杏仁豆腐と消化を促すという緑茶をいただいて、
ふっと和む。

食材の相性、食感の組み合わせにセンスを感じさせる。
柔らかな塩加減を初めとして、香辛料や油の強さを丁寧に見定めている気のする今夜のお皿たち。化調中華との違いが際立ってしまうのね。
初めて聞く名前の山の幸に触れられるのも嬉し楽し。

「龍虎鳳」と書いて”LONG-FU-FONG”。
水を司る正義と吉祥の象徴「龍」、最強の動物とされる「虎」、想像上の瑞鳥「鳳」と中国の伝説のいいとこどりを連ねた店名とも読める。
供される品々は大陸的ダイナミックな中華とは一線を画すものだけれど、店名”龍虎鳳”そのものにはどんな意味が籠められているのだろうね。longfufong11.jpgうん、やっぱり電気屋さんの2階だ(笑)。


今宵のご同席多謝は、
月島仮面さん、「くにろく 東京食べある記」のくにさん、「築地市場を食べつくせ!」の築地王さん、「東京カリ~番長」の水野さん、「飯尾醸造 酢を造るといふ仕事」の飯尾さん、山口先生、「らーめんダイニング【ど・みそ】」の斎藤さん&奥様、pochiさん、Mikasaさん、日本コナモン協会・「誰じゃ?その駄洒落」のどるふぃんさん&奥様、 「ラ部生活」の青木さん、 の皆さんでした~。


口関連記事:
  中国料理「ロウホウトイ」 で紅い叉焼塩魚のチャーハン古咾肉(05年07月)
  和風Bar&Dining「きえんきえら」 でCAOLILA一軒家で和む(03年04月)


「ロンフウフォン」 港区白金5-12-17 2F 03-3449-5969

column/02585

口小料理ダイニング「南家」 でお酒のアテ的もつぶっかけ丼ネットリ

nanya.jpg首都高を背にして雑居ビルが並ぶ八丁堀の外れに、
テイクアウトのテーブルを構えるお店がありました。
その脇にそっと置かれたA看板に「ランチメニュー」発見。
昼間っから呑兵衛ごころに訴える「もつ」の文字(笑)に惹かれるように、数段の階段を降りました。
手動で開ける自動ドアに戸惑いつつ、白いメラミンのカウンターへ。
10席に満たない小さな砦です。

早速、「もつぶっかけ丼」をと声を掛けます。

「本日のお品書」と題した壁の黒板nanya01.jpgには、「やきとり」に始まり、「おでん」「手羽先揚」「名物豚ステーキ」「ゴボウ梅肉和え」といった夜メニューが独特のタッチで記されていて、そこに「煮込」とある。

nanya02.jpgあれなのかも~と思ったところに浅めのお皿にこんもりと盛られた「もつぶっかけ丼」がやってきました。
見るからにどろっとコッテリ。
そのどろコッテリに埋もれた茹で玉子に気づくのが遅れたほど(笑)。nanya03.jpgなんて形容すればいいだろ。味噌に小麦粉と脂身を溶いたみたいにネットリと重い。

う~ん、ご飯の友としても、お酒の友としても、ちょっとイヤかも。
と思いながら、残すのは不本意なのでと綺麗に食べてしまう自分が切ない(ちょび泣き)。


後日いただいた「豚西京焼」も、西京味噌の風味が強烈に纏った豚肉ソテー。nanya04.jpgご飯をぐいぐい食べさせる味ではある。
なるほどどちらも、お酒のアテ的味付けなんだね。


話せば独特のキャラを発揮してくれそうに窺える兄さんは、ショップカードに「代表」とあるその人か。
濃い目の焼酎ガバガバ呑むのが似合いそうなカウンター、小料理ダイニング「南家」。
八丁堀にもまだまだ知らないお店があるのだなぁ。


「南家(なんや)」 中央区八丁堀2-1-7白鳳ビル1F 03-3555-2660

column/02584

口盛岡冷麺「ぴょんぴょん舎GINZA UNA」 で盛岡冷麺とミニチヂミ

ginzauna.jpg盛岡冷麺の有名店「ぴょんぴょん舎」が東京に初進出したのが「ぴょんぴょん舎 銀座百番」。
ビルの谷間の路地にできた行列に晩夏の陽射しの中並んだ記憶が蘇ります。
狭い中に小さなテーブルを目一杯並べたミニマムな設えが一種の臨場感を生んでいました。
その「ぴょんぴょん舎」が、「銀座百番」からも程近い新ビル「ギンザ・グラッセ」に出店したというので、
早速お邪魔してみました。

最上階を占用した新店は、肩を寄せ合うような凝縮感も雰囲気な「銀座百番」から一転して、実にゆったりとしたレイアウト。
誰の手になるデザインか。すっきりした中にどこの国でもない、でもどこかオリエンタルな独特の空気感を醸しています。そして、西瓜を一部のモチーフにしているあたりは、五反田「ヌキテパ」を思い出させます。

窓に正対したおふたりボックス席からは、東京タワーが正面に見え、見下ろせば東京高速道路が俯瞰できる。


テーブルには無煙ロースターも組み込まれていて、焼いてね!と誘いますが、今日のところは、「オープニング特別ランチメニュー」から「盛岡冷麺とミニチヂミのセット」を選びました。他には、ミニ石焼ビビンバやハーフなカルビとのセットなんかも特別サービス版として用意されています。


ginzauna01.jpg径の大きめなドンブリを可愛いサイズのチヂミの鉄板にサラダ、キムチを含む中辛別皿の"辛み"の小皿が囲む。
ドンブリの赤い挿し色は三角の西瓜だ。

そのままスープをひと口すれば、牛骨がメインらしきスープの雑味のないコク味が甘いほどに口腔に広がります。ginzauna02.jpgしみじみ、滋味やね~。

麺はと云えば、凛と透き通ったなんとも涼しげな表情だ。ginzauna03.jpg素っ気ないフリをしながら、上手にスープを纏い上げて、ぷるにゅりんというコシツキの歯応えで口元を滑っていく。やっぱり、旨い~。

ginzauna04.jpg
ベースの美味しさを確認したところで、別皿の辛みを投入、掻き廻して馴染ませます。で、また、啜る。ginzauna05.jpg中辛だと辛くはないけど、ベースのスープの甘さと入れ替わるように、奥行きが増しくる。
あ~ヤバイ。癖になりそな、後を引く味わいだ。
ginzauna06.jpgそして、最後に西瓜を齧れば、口の中がふっと和らぐという算段になってる。
あ、そうそう、
チヂミは葱の甘さが存分に引き出されていて、こいつもイケるよ。


ginzauna07.jpg楊枝を使おうとして、ニヤついた(笑)。
「スマイルようじ」は、でんぷん100%の楊枝で、冷麺の麺そっくり。
イタズラっぽい楽しい仕込みも、実はエコだという仕掛けなんだね。


ところで、そもそもの「ぴょんぴょん舎」というネーミングについては去る夏より謎だったけど、つまりは店主の邉(ピョン)さんの名前からきているということらしい。


「盛岡冷麺」生みの親・朝鮮半島出身の「食道園」店主、盛岡で初めて冷麺を作った「食道園」、モデルとなった咸興(ハムン)の冷麺と平壌冷麺、冷麺を受け入れた盛岡という土地のメンタリティ、そして朝鮮・韓国と日本との間に横たわるもの。
なぜ盛岡で冷麺が生まれ、「盛岡冷麺」として親しまれるようになったのかについては小西正人氏著「盛岡冷麺物語」で詳らかになっています。


新店の「GINZA UNA」の"UNA"は、"銀河"。ginzauna08.jpgパンフには、「宇宙のオアシス地球、その大地と海が育んだ豊かな食材。その恵みを素直な心で受け、韓国料理をベースに異文化融合の食文化を創造する」とある。
大自然にすべてを包み込むようにたなびき輝く銀河にこの食空間を供する想いを准えているよう。韓国語の「銀河」という言葉は特別なニュワンスを持っているのかもしれませんね。


今度は焼肉喰っちゃって、焼酎呑んじゃって、挙句に「盛岡冷麺」啜りたいなと思う、「ぴょんぴょん舎」のランチでありました。


口関連記事:
  盛岡冷麺「ぴょんぴょん舎銀座百番」でコク味冷麺にゅるつるん(06年09月)
  海の幸フランス料理「ヌキテパ」 で土のジュレと西瓜ショート(05年04月)


「ぴょんぴょん舎 GINZA UNA」 中央区銀座3-2-15ギンザ・グラッセ11F 03-3535-3020 http://www.pyonpyonsya.co.jp/

column/02583

口Curry「DUO」 でツマミありオイルサーディンにキーマカレーピザ

duo3.jpg開店から間もないうちに二度も店を閉めていた「DUO」店主より、再開しますのメールが入った。
ひと言で云えば体調が安定しないってことなんだろうけど、折角定期的に顔を出してくれるお客さんもいるというのに、なんの告知もしないままcloseするってのはどう考えてもNGだ。
そのあたりも含めて一丁気合いを入れないとアカン(笑)と、夜の浅草地下街へ。

先客が三人もいて、なんか安心する。
どうやらみなさん、複数回通ってくれているひとたちらしい。
「また体重減っちゃった」と笑う店主に、で、どうなのよと訊くと、「もうバッチリ」と応える。
これが逆に心配になるのだけれど、ま、ひとまず、とビールを注文む。


「DUO」では、お酒の友系メニューを用意し始めていて、スナック系の三品はさておき、「オイル・サーディン」はツマミにいいんでないのと薦めたものでもある。duo3_01.jpg缶詰を開けて炙って、そこにオリーブオイルと胡椒を振り、ふつふついったところでパセリを散らしただけのものだけど、これがなかなかイケるツマミになるんだ。作るにお手軽であるという要件も満たしているし。ちゃっと檸檬を絞ってね。

「チキンキーマルー」は、つまりは"カレーのあたま"ってことだけど、お隣のオッチャンはそれでビールを飲んでいる。これはちょっと不思議(腕組思案)。

そして、いまのところ一番のオススメは、「キーマカレーピザ」。duo3_02.jpgピザ生地にトマトソースとキーマカレー、チーズをのっっけてオーブンで焼いたものなんだけど、うん、これはGOOD(両親指立)。
年代モノのオーブンを何度も覗き込むのは、ちょうどいい焼き具合のところを見定めなきゃいけないからだ。


棚の上には、ウイスキーや焼酎のボトルも用意されていて、「ボトルキープします?」とニヤリと云う。
けれどもう、どこかにボトルキープする習慣もないし、そもそもカレーショップにボトルキープってどうよ?と素朴に思うので、そのあたりは辞退しとくね、悪いけど。
普通にショット売りが順当なんじゃないかな。


最後のチキン一片の「チキンカレー」を平らげて、duo3_03.jpg以後しっかり勤めるよう申し渡す(なに様?笑)。
「今日はやってるかな?」なんて心配をされないようにね。

あ、そうそう、クドイようだけど、「DUO」店主は呑めないので、その辺りもよろしくお願いしますです、皆さん。


口関連記事:
  Curry「DUO」 で開店に馳せるは大合格の鶏のキーマ(08年01月)
  Curry「DUO」 で辛口チキンカレームホホDUOやってます(08年03月)


「DUO」 台東区浅草1-1-12浅草地下街 03-3845-3151 [閉店]

column/02489再会

口中華そば「若葉」 で啜る極細ちぢれ麺と甘いスープが愛おしい

wakaba.jpg久し振りのもんぜき通り。
「井上」や「きつねや」前の混雑を摺り抜ける。
その先で立ち止まったのは、白地に若草色の文字で「若葉」と記す暖簾の前。
「井上」は妙に混み合っているけれど、その暖簾の前にはなぜか先客はなし。
腰を下ろしたのは、そう、中華そば「若葉」の丸椅子です。
柔和そうなオトーサン、オカーサンが迎えてくれます。

「ワンタン麺」をお願いしました。
wakaba01.jpgオトーサンが早速、取っ手を両側につけた北京鍋に麺を泳がせ、ドンブリに例の白い粉をザッと配り、タレを足し、寸胴から澄んだスープを注ぎ、平笊をシャシャっと動かして、ドンブリに投入し、ワンタンを載せ、薬味やトッピングをその廻りに配する。
その流れるような所作は、屋台の発展型の路面店として、”手早く供する”を今も当たり前のことのようにしてくれているようで、微笑ましい。

wakaba02.jpg覗くドンブリの表情はもちろん、懐かしさを含む透明感のある東京ラーメン。
啜るスープの甘さに例の白い粉独特のものを感じても、
それもなんだか愛おしい(笑)。wakaba03.jpg

半ば溶け始めたワンタンをつるんと啜り、持ち上げるちぢれ麺の細さに感心する。wakaba04.jpgここまで番手の細い麺は最近見かけなくなったもの。しかも何気にアルデンテな茹で上げなんだ。


ちょっとタイプは違うけど、昔、同級生の製麺会社が営んでいた「カントリーラーメン」の麺をふと思い出す。それは輪ゴムのゴムみたいな妙なコシのある麺だったけど、今はもう食べれないンだろうなぁ。


もんぜき通りを訪れる観光客のみなさん。wakaba05.jpg「井上」の行列にわざわざ並ぶのもいいけれど、空いてる「若葉」ですっと小腹を満たすのも河岸の情緒だと思いますよ~。


口関連記事:
  中華そば「井上」 で明け方も似合う市場のラーメン(03年02月)
  牛丼・ホルモン「きつねや」 で満足なる牛丼玉子のっけ(04年03月)


「若葉」 中央区築地4-9-11 03-3546-6589 http://wakaba.ws/

column/02582

口もつ焼き煮込み「ほ志乃」で煮込み牛すじイワシくるくる黒ホッピー

hoshino.jpg川崎方面からの帰り、北品川で途中下車。
「しながわ翁」の、そして「品川 二郎」への途上で気になっていた「居残り連」を訪ねるも、なんと予約で満席だという。
そんな事態になってるとはビックリだぁと旧東海道に引き返すとそこにも「連」の文字。
ここにもあるじゃんと近寄ったところで、その先の向かい側に「もつ焼き 煮込み」の文字を見つけました。
満場一致でそっちの暖簾に擦り寄ります。
「空いてますよ~に~」と祈るように扉を引けば、運よくテーブル1卓だけ空いている。
他のテーブルはといえば、一体何時から呑んでいるのかすっかりできあがりモードのオッチャンたちがガハハと笑う賑やかさ。いいね~(笑)。

ジョッキを傾けながら、まずは早速「煮込み」。hoshino01.jpg例の大好物なふるふるもあれば、ギアラのようなこりこり系の部位あって、その、ぎゅっと集約した旨味が引き立つような濃過ぎない味付けで煮込まれている。いいね~。


白黒両方揃うホッピーをお願いすると、ボトルと中身が届くのかと思いきや、既に作られたグラスのみがやってくる。

片や「牛すじ鍋」は、柔らかいスジの魅惑が真っ直ぐ愉しめる鉄鍋になってます。hoshino05.jpg


腸からたっぷりのエキスが滲む「ほたるいか酢みそ」、かりさくとした食感と噛むほどに広がる滋味の「子アジから揚げ」、そして解けるたっぷりの身がしみじみ嬉しい「あら煮」。
hoshino04.jpghoshino06.jpg
いいね~、とそこへ黒ホッピー一辺倒でグラスを重ねます。もう何杯のんだ?(笑)。


決してブツ切りでない「マグロブツ」は、hoshino07.jpg均整の取れたその表情を愛でるように眺めてから口に含む。うん、いいね~。


きっとこれも定番メニューなんだろと思う「イワシくるくる」。hoshino08.jpg胡瓜、貝割れ大根、生姜を鰯の身で包み、海苔で巻いた酒肴は、ありそでなさそな素朴な逸品だ。


気がつけば我らが「カキタベ!」委員長も広田の生牡蠣食べてた東海道品川宿「ほ志乃」。hoshino09.jpg創業昭和34年かぁと、暖簾を振り返りながら気がついた。もつ焼きの串たちを頼み損なってたじゃん。しまったなぁ~(笑)。


口関連記事:
  手打ちそば「しながわ翁」 で清々しい風情の鴨ざる大盛り(04年09月)
  ラーメン「二郎」品川店 でヤサイ増しあな恐ろしや二郎の魔性(06年08月)


「ほ志乃」 品川区北品川1-3-20 03-3471-2596

column/02581

口欧風カレー専門店「ボン・ナペティ」 でじゃがソルトとアサリカレー

bonappetit.jpg第一京浜沿いの歩道を歩いていたら「欧風カレー専門店」という、スタンド看板が目に留まりました。
店の名を「ボン・ナペティ」。
ソースパンが影絵のように描かれた壁の看板を眺める。
"Bon-Appetit" は、
どうぞ召し上がれ!ってな意味だよね。
なんて考えているうちに、足が勝手に地階への階段を降りていました。

暗めの店内に浮かぶ蝋燭型の照明も古めかしい。
メニューにあるは、「ビーフ」「ポーク」「チキン」「ミートミックス」から「ホタテ」「エビ」「カニ」「シーフードミックス」、そして「ナスチーズ」「アボガドとトマト」「チーズトマト」などがラインナップ。
ちょっと珍しい、「アサリ」を中辛でお願いしました。

bonappetit02.jpgすると、じゃが芋の小皿がやってくる。
こちらも欧風カレーの本尊のひとつに数えられる「ボンディ」になんらかの影響を受けているっていう記号なのでしょうか。
違っているのは、バターが添えられておらず、テーブルに用意された岩塩(アンデスのローズソルト)をミルからガリガリとして「じゃがソルト」でいただくというスタイル。
「じゃがバタ」もいいけど、じゃが芋の甘さが引き立つ「じゃがソルト」もいいね。もしや、バターが高騰しての苦肉の策?なんて思ったけど、これが「ボン・ナペティ」元々の食べさせ方なのでしょうか。


そして、不思議な形のレードルbonappetit03.jpgの添えられたソースパンが届きました。
一気にライスに回しかけて、スプーンの先を動かします。bonappetit04.jpg神保町「ボンディ」では、辛味とコクを押し付けがましく感じてしまって疲れたけれど、同じ中辛でもコチラは滑らかに迫る辛味で、しつこさのない程良いコク味の中に野菜の甘みを含んでいる。
アサリの磯風味に違和感はないものの、やっぱりミート系のトッピングが馴染みやすい食べ口だと思うな。


どこか孤高な雰囲気も醸している三田「ボン・ナペティ」。bonappetit01.jpg今度機会があったら、ビーフとポークの「ダブルミックス」あたりで挑みたいと思います。


口関連記事:欧風カレー「ボンディ」神保町店 で息苦しきビーフカレー(06年10月)


「ボン・ナペティ」 港区芝4-6-16 03-3452-8062

column/02580

口番そば「八丁堀 ゆめ乃」 で鮮やかさに瞠目紅白のつがいそば

yumeno.jpg
山形そば酒房「紅の花」のあったお店の前に生花が飾られてyumeno01.jpgいました。
今度はなんのお店?と近づくとまたまたお蕎麦屋さん。
早速様子を窺うと、ほとんど居抜きでの開店の模様。
背中合わせの路地にある「如月」が蕎麦も酒肴も安心感のあるレベルを保っている中での新規開店、ということになるね。

開店日のお昼にいただいたのは、「肉汁せいろ」の大盛り。
お蕎麦なのに、武蔵野うどんっ喰いとしてはどうしても“肉汁”の文字に反応してしまうのです(笑)。
蒸篭にこんもりと盛られたそばの、盛り具合は嬉しい。
yumeno02.jpgyumeno03.jpg
でも、箸にしたそばは、明らかにぷつぷつと短い。
乱暴に湯掻いたってことはないだろうから、ちょっとつなぎに失敗しちゃったンだろうね。
豚肉エキスの滲む辛めのつゆとの取り合わせは悪くはないけど、もうひと声「おっ」と思わすところが欲しいかも。


店先を飾る鮮やかな草色の幕に記された「番そば(つがいそば)」が食べたいと思うも、それは夜の部限定なのだという。
然らばと夕闇に訪れて、その「番そば」に「かしわ天」を添えてもらいました。
お品書きには、「食材の持つ香り、味を、繊細で高品質な更科そばに打ち込み、一本の蕎麦を二色に仕上げた変わりそばでございます」とある。
柚子切り、卵切りとか、胡麻切りとか、桜海老切りとか、そんなことなのかな。


ところが、届けられた蒸篭に目を瞠ることに。yumeno04.jpg「ほ~ぉ」。
およそ蕎麦に想像しない、鮮やかな紅色の蕎麦切りだ。

しげしげと拝むと確かに、一本の蕎麦の中に白と赤とが織り交ぜてある。yumeno05.jpg不二家の千歳飴を連想しちゃったもの(笑)。
なにを素材にした蕎麦切りかと一本をするすると啜ってぐるぐると脳裏に廻らすと、仄かに蕪のようなラディッシュのような風味がすることに行き当たった。
色への連想から赤かぶ、かな?と目星をつけて訊いてみると、まさに「赤かぶですよ~」という。
合いの手打つように「やっぱし~」と口走ってしまったのが、嬉し恥ずかしい(笑)。
ちょんづけでも辛汁に晒してしまえばもうその風味は判らなくなり、啜るは赤と白の更科だ。

そんな紅白の蕎麦切りは、品書きにあるようにお祝い事に供するのも面白いかもしれないね。


八丁堀の蕎麦の新店「ゆめ乃」。yumeno06.jpg旬を追う変わり蕎麦でもあるという「番そば」は夜にどうぞ。


口関連記事:蕎麦「如月」 で五色納豆ごはんと薄緑のせいろ(07年10月)


「八丁堀 ゆめ乃」 中央区八丁堀2-22-11鈴らんビル 03-3206-3345

column/02579

口鮨割烹「閒」 で落胆の握り六貫は京流か閒流か

aida.jpg桜の散り際を迎えた祇園の白川に架かる橋、新橋。
その橋近くに町屋の表情で構えるのが、鮨の「閒」です。
暖簾から短いアプローチを辿り進んだ1階のカウンターは、先客もなくがらんとしている。
桜の時季にこの状況とは果たしてと一瞬戸惑うも、間違えましたとも云えず(笑)、促されるままカウンターの中央へ。実は、とある書籍に載っていた「変わり鮨」と洒落てみようという目論見だったのだけれど、開いた品書きには、そのあたりの件が見あたらない。
訊けば、もう随分前に止めてしまったのだという。
あ、左様ですか。然らば、コース料理の「新橋」をお願いすることにしましょう。

aida01.jpg
名物と枕詞された、ねっとりした食べ口の「焼胡麻豆腐」が口開け。
そして、前菜「帆立とフルーツトマトのミルフィーユ仕立て」。
フルーツトマトのスライスが薄く過ぎて、フルーツトマトらしい甘い風味が活かされず、帆立と合わせた意図がよく判らない。
aida02.jpgaida03.jpg
続く御椀に浮かぶは桜鯛。
しゃきっとした若芽で囲み、桜の花の塩漬けをアクセントにしています。ただ、出汁は弱いか。

向付の三品は、三重からの直送天然ものだという鰹に鰤に鱸。
ポピュラーなお造りは、品書きの冒頭にある”選び抜かれた”タネだとは素直に思えず、伏し目がちになる(笑)。
aida04.jpgaida05.jpg
進め肴「汲み上げ湯葉とオクラの土佐醤油ジュレ」。
ただ醤油を垂らすのではなく、土佐醤油にしてそれをさらにジュレに仕立てた仕事は、湯葉のとろみとシンクロさせるもの。ふうむ、例えば湯葉を岩塩だけで食べさせるのじゃシンプル過ぎるものなぁ。


メインとも云うべき握りが六貫。
吸盤ふたつを載せた活蛸、きはだマグロ、ツメの弱い煮穴子、浅い〆の鯖、底にシャリを仕込んだ玉子、白身はグレ(関西で呼ぶところのメジナ)。aida06.jpg正直云って、桧のカウンターの鮨屋で寿司をいただいてこんなに落胆したことはない。
第一にシャリがシャリじゃない。
関西のシャリは甘い傾向があると聞くけれど、こちらでは砂糖を使っていないそうで、つまりはそんな甘さのふくらみもなければクっとした酢や塩の切れもない。あっけないほどのあっさり。ほろほろっと崩れる具合はいいのだけれど。

タネも上品と云えば聞こえはいいけど、迫ってこないというか、潜む旨味にも乏しいというか。
ああ、嗚呼。
aida07.jpg趣味志向が合わないからだとしても、もしや回転寿司に行けばよかった?と思わせるよな事態ってお互いに幸せじゃないよなぁと心に涙する。
折角のカウンターが静謐なままなその理由が判ったような気がしてしまう。


4年ほど前からツケ場を守っているという大将は、関西では、押し寿司がそうであるように“ご飯を食べさせるための寿司”なのだと云う。う~む、そしてこのシャリかと反って判らなくなってしまった。難しいなぁ。江戸前のつもりで食べる食べ手に決めつけが過ぎるのかもね。

洛中のお店だけで、東京での修行経験はないという大将。
つまりは、京流の握りということなのでしょうか。

食文化は上方からやってくる、と思うことも少なくない。
迎合しないことて守り抜いてきたことも多いのだとも思う。
でも、こと握りについては今や別だと思う。
もしも江戸前を知った上での京流ではないのだとすると、それは了見が狭いと思わざるを得ないな。


町家姿の「閒」に見送られ、aida08.jpg京都の他の店々へもお邪魔しなければならなくなったなぁと思案しながら歩くは、桜散る白川沿いの夜道でありました。


「閒」 京都市東山区祇園花見小路新橋西入ル元吉町57-1 075-531-5757

column/02578

口酒・料理「うらはち」 で酒呑みの気持ちに応える酒肴たち

urahachi.jpgその前はなんだったっけ。
見知った場所なのに、お店が変わると、しかも建て替わったりするともう、以前なんのお店だったかすぐに思い出せなくて悶々とするこが少なくない。
それってボクだけ、かなぁ(笑)。
此処、八丁堀の路地の角には確か、古びた喫茶店があったような、気がする、ような…。
その名もズバリ、「うらはち」。
今夜は、八丁堀の裏道にできた新店で一献傾けちゃおうという訳なのです。

訪ねれば意外や、店内は満席。
4人テーブルをカウンターにぶつけた形の変則6人席を誂えてもらっての居場所確保です。

「ちょい焼き明太子」「出し巻き玉子」「釜揚げ桜海老と長芋の土佐酢和え」あたりで、
urahachi02.jpgurahachi01.jpg
ビールをひと干し。

今やあちこちで見かけるようになった「のれそれぽん酢」、春の甘みと香りがオツな「鹿児島新筍の天ぷら」、厚切りベーコンとしゃっきりアスパラの名コンビ「アスパラとベーコンのロースト」、
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urahachi05.jpgurahachi06.jpg
そして、蕩けながら発露する澄んだ旨味を柚子胡椒ちょんのせでさらに引き出す「もち豚の柚子胡椒煮」と続ける。


素朴ながらも出色だったのは、シャクシャクとした歯触りとジュンと含む大豆の香りがいい、作りたて厚揚げ「うら八アツアツ揚げ」に、urahachi07.jpg
解いた温泉玉子からブルーチーズの風味をフフンと挑発する「ゴルゴンゾーラの目玉焼」。urahachi08.jpg


気取らず拘り過ぎず、でも勘所よく酒呑みの気持ちに応えよう。urahachi09.jpgそんな気概が伝わる酒肴たちが揃う「うら八」の夜でした。
お昼にはお持ち帰りカレー、売ってます。


「うらはち」 中央区八丁堀2-19-11木下ビル1F 03-3555-7666

column/02577


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