
旗の台の商店街にある「あらき」は、
硝子越しに覗くといつも、
ほどほどにお客さんの顔が見える町の定食屋さんです。
職人さん風のオッチャンから学生風、スーツ姿のサラリーマン。
女性の姿は余りありません。
焼き目麗しきソテーですが、そうは云っても豚さんの内蔵ゆえ、
臭みがあったらどうしようと、恐る恐る齧ると、
意外に柔らかな噛み応えで臭みなく、レバー独特の風味が甘さに似た旨味を伴ってくる。
バター醤油の濃いめの味付けが、ゴハンを進ませるのでありますな。
追加でお願いした「オムレツ」も、どうとでもないお皿。
この極めて日常的なお皿たちに和んでいるひとが少なくなさそうなあたりが、
「あらき」がほどほどに混んでいる所以なのかもしれません。
「あらき」 品川区旗の台3-11-9 03-3783-6697
昭和通りを歩いていると、”ハンバーグの美味しいお店”と記されたスタンド看板が目に留まります。
その下には「AOI」の文字。
アオイ?と読みながら、よく見ると、「エーオーアイ」とカタカナ表記が添えられていました。
「AOI」とは、なにかの頭文字なのでしょうか。
ヒロキエさんによると、“愛する人と お腹 いっぱいに”という意味で、エー、オー、アイだという。
むふふ、ベタな感じがなんだか、いいよね(笑)。
![]()
少々小振りのハンバーグが二個のったお皿には、
サラダと目玉焼きが添えてあります。
じっとみる焼き目が、いい。
徐ら齧り付くと、ふんわり柔らかい噛み応えに続いて、辛みを含んだ強い風味が鼻を抜けた。
玉葱の辛みというよりは…、あ、大蒜の辛みと匂いだ。
辛味を想わせるほどの量のおろしたてニンニクをソースに潜ませてあるのだ。
これは後々しっかり匂いそうだと思いつつ、午後からひとに会うのにダイジョブかと思いつつ、ソソるじゃないかと急ピッチで喰らってしまうのは、なぜ(笑)?
肉量的にもやっぱ、ダブルがオススメです。
会計をして、お店を振り返ってからやっと気が付いた。
ここって、今は8丁目あたりにある「元酒屋」が元あった場所じゃんね。
もう十年も前の話になっちゃって、覚えているヒトもそう多くはないだろなぁ(と遠い目)。
「AOI」 中央区銀座2-11-9三和産工ビル1F 03-3541-1819

浅草寺の北側、つまりは仲見世とは反対側の界隈は、
俗に観音裏と呼ばれていて、
洋食の「佐久良」や「グリルグランド」「大坂屋」なんかもこの辺り。
ぽつぽつと味な店の点在が気になるエリアです。
そんな、見番のある町、観音裏柳通りにあるそば屋「弁天」に寄ってみました。
寒空の下ですから、温かい「鴨そば」もありかと思いつつ、
お願いしたのは「鴨せいろう」です。
鴨の脂と風味が滲んだつけ汁をイメージしていたら、なんとその鴨が別皿に盛られてきました。おー、そうきたかぁ。
ちょっと拍子抜けではあるけど、これはこれでイケるのかも。
まずは、そばのみを啜る。きりっとしながら風味にも量感があって、悪くないせいろだ。
つゆがちょいと辛過ぎるきらいはあるものの、江戸前な感じは醸してくれている。
そして別皿の鴨と葱。
お上品にしても始まらない(?)ので、えええいぃとつゆに投入して、蕎麦と合わせ口へ。
スジスジしないで、ムニニンという鴨独特の歯応えと柔らかさ。
ふむ。こうしてつゆと別にすることで、そのあたりが率直に楽しめるような気もする。
でもやっぱり、脂がダラシナくつゆに溶けた鴨せいろの方がボクは好きだなぁ。

口関連記事:洋食「グリル佐久良」 でさらりと旨味しっかりのハヤシライス(06年01月)
「弁天」 台東区浅草3-21-8 03-3874-4082
神保町、専大前交叉点のビル地階。
階段を降りると、「元祖札幌や」から漂ってくる匂いに包まれます。
そしてそのお向かいにひっそりとあるのが、
Kitchen「Hayashi」です。
ファサードの表情
は、こだわりの珈琲薫る喫茶店かはたまた渋い装いの美容室か。
硝子扉を押し開けばそこは、飾らないテーブル席が並ぶ洋食屋さんであります。
サラダのお皿とカップのスープが先に届き、
暫らくしてメインのお皿がやってきます。
カキフライのお皿にもキャベツたっぷり。野菜は沢山摂らなくちゃね(笑)。
大きめパン粉が寄り添ったような揚げ口のカキフライ。
檸檬を絞って口に運べば、なんとも軽快な歯触り歯応え。サクゥって、ね。
そして滴る、牡蠣の身のエキス。本能的に齧り口を覗いちゃう(笑)。
特に説明はなかったのだけれど、お皿の隅にポン酢おろしらしき小皿がある。
きっとお手製のタルタルがなくなったら、ちょっと和風にしちゃってみてねということかと勝手に解釈して、そのおろしをカキフライにちょんのっけして食べてみる。
おお。意外やちょと甘めにした大根おろしが軽妙なカキフライによく合うじゃん。沢山のおろしじゃなくて、ちょんのっけ、がポイント。またひとつ、ありそでなさそな食べ方に出会えたのかも。
≡ とっくに「Hayashi」に突撃していた「カキタベ!」カキタベニストのtakapuさん
「Hayashi」 千代田区神田神保町2-4九段富士ビルB1 03-5213-3737

久々にあの一杯が食べたくなって、
元町から本牧方面、山手トンネルの先にある「奇珍樓」へ。
壁で所在を知らせる看板にも、袖で誘う紅い看板
にも、示す店名は「奇珍」。
複数階のある高殿を意味する“楼”という記号をわざわざ表さないのも、
周囲に既知たる大正七年創業の風格ということなのかな。
前回課題に思った「サンマーメン」も気になるものの、あの支那竹の誘惑に抗えず、再び「竹ノ子ソバ」をお願いしました。今回も、自家製手巻きの「シュウマイ」
が一緒です。
![]()
厨房からどんぶりを手におばちゃんがこちらへ向かってくる。
おっ、きたきた(笑)。
お約束の太口のシナチクがわらわらとトッピングされています。
啜るスープが何気に旨くて懐かしい。
あっさーりした表情乍ら、旨味の軸が奥床しくも厳然とあって、次々と啜ってしまうのだね。
箸にて持ち上げる自家製麺は、極細仕立て。
加水のない、しゃきっとした歯触りは、博多系の麺とはどこか風味が違っていて、透明感のあるスープとよく合う。
そして、竹ノ子。
見かけには思わせない柔らかさを噛めば甘めの煮汁が滲み出す。このほの甘さがよくて、再びこちらに向かわせたのだ気がついた。
そういえば、高田馬場「渡なべ」の幅広シナチクが噛み切れなかった時に、ここのシナチクの柔らか仕立ての不思議さを思い起こしたことがあったっけ。
本牧通り沿いの紅いテントも目印な「奇珍樓」。
また、ふと訪れてしまいそうです。
口関連記事
中国料理 「奇珍樓」 で大型メンマの竹の子ラーメンとシュウマイ(02年12月)
らーめん 「渡なべ」 で鰹節ダシの主張する濃厚らーめん(02年12月)
「奇珍樓」 横浜市中区麦田町2-44 045-662-9494
京急蒲田から東急蒲田へのルート上にある、
味のとんかつ「丸一」。
店の前に空席待ちの人影があることも少なくない「丸一」ですが、寒空の下ということもあってか、今夜はそんな様子もなく、硝子越しに覗く店内はすぐに席を得られそう。
課題メニューもあるので、再び寄ってみましょう!
揚げ上がりをゆっくりと待つ。
そう、すっと揚がってしまうほど、「丸一」のとんかつは薄っぺらじゃないのです。
「お待たせしました、極上です~」。
お待ちかねの「限定極上ロース」が到着しました。
特定の病原菌を持たないクリーンで健康な豚「林SPF」のロースの中でも、特に上質なところを揚げちゃったってことなのですよね。
例によって、七分八分の火入れ具合が、じっくりと濃い色に揚がった衣と衣の隙間から覗きます。
いい表情だよね~(笑)。
まずはなにもつけずにそのまま口へ。
さく~っと、あまりにすんなりと歯の先が進んで、あっけなく噛み千切る。
滲む脂に一抹の重さもなくて、こんなにボリューミーなのに笑っちゃうくらいに軽い食べ口なのです。

こりゃ堪らん。
後半は、用意されていた岩塩(おそらくヒマラヤ)をちょんづけしていただく。
すると、身肉と脂の甘さがさらに際立って、
手と口のピッチが上がっちゃうのであります。
うん、ご馳走さま。
味のとんかつ「丸一」、ここにあり。
最後まで軽ぅくいただけた、「丸一」の「限定極上ロースカツ」でありました。
口関連記事:
とんかつ「丸一」 で手練なる七分揚げ上ロースかつ(07年11月)
「丸一」
大田区蒲田5-28-12[Map] 03-3739-0156

二幕目のくにろくオフに馳せ参じました。
この夜のお店は、ご存知白金「福わうち」。
ヒロキエさんの贔屓筋でもある「福わうち」にはこれで、
三度目の参謁となります。
「福わうち」といえば、
まずは三宮さんの福福しくも厳つい風貌が脳裏に浮かび、続いて、素材の魅力を活かしながらそれをさらに引き出す工夫を惜しまない料理たちの器が浮かびます。
さて、今宵はどんなめくるめくお皿たちを用意してくれているのかな。わくわく(笑)。
まずは、「じゃこサラダ」「豆いわし揚げサラダ」に「パリパリおから」。
![]()
![]()
![]()
おじゃこの香ばしい歯触り。一見ぬた風のドレッシングは、胡麻ペーストのような風味も感じられてふむふむ。サラダは双方とも、香ばしくしたものをフックにしてさくさく野菜を食べさせる仕掛けになってるね。そして、今や産廃として捨てられてしまうおからが、天かすを加えることで、意外や軽快な酒肴に仕立てられている。
飯尾酒造の飯尾さんが提供してくれた「はちみつ入り紅芋酢」をビールで割って呑み試す。今日のメニューにはそここに飯尾さん家のプレミアムなお酢がフューチャーされているンですと。
大きな角皿に盛り込まれた「刺盛」には、寒鰤、平目、真鯖、横輪鮪、槍烏賊、そしてアカムツがぐるりと囲む。
熟成した印象の平目も、旬の寒鰤(九州からだという)も、身の味の濃いぃのどぐろも、つまりは全部、いい(笑)。
と、なにやらお店の中央にひと集りができている。
ナニナニ?と駆けつけるとそこには、大皿を抱えてハニカむスタッフが。
大皿にこんもりと盛られているのは、大鍋で仕込んだという「ぶり大根」であります。頃合よく鰤の香りの滲みた大根がいい(右親指立)。

自ら湯煎する日本酒は、新潟の「緑川」
。上燗あたりがいいかと思えど、いつの間にか熱燗に。
円い皿を彩った「むしやさい」を手渡しながら三宮さんがクイズを投げる。
「これ、なぁんだ?」。
これとは、2mm厚にスライスされて、縁取りにライトグリーンのグラデーションのあるヤツのこと。なんだろなんだろ、カリフラワーの茎!なんて声が出る中披露された解答は…、
「搾菜です」。
おー、所謂漬物のザーサイ以外のカタチで搾菜を口にするのはおそらく初めてだ。ほうほう。
そして、山葵をたっぷり盛る定番の「とろかつ」にあおさも素揚げしちゃうところがニクイ「筍の子の唐揚」、なんとも壮観なレア「牛ももステーキ」と続く。
![]()
![]()
![]()
そうそうこのトマトには例のプレミアムなお酢が仕込んである感じ。
そのお酢は、ざくざく具沢山の「五目ちらし」
にもたっぷりと。
そして〆のめしタイム。
「なすかれー」
も「チャーハン」
もいいけど、やっぱり「福わうち」といえば「肉じゃがカレー」。
お茶碗に盛って欲しかった思うのは、我が侭でしょうか(笑)。
ああ、満腹満足、よく呑んだ。
くにちゃん、そしてご一緒した皆さん、お店のスタッフの皆さん、愉しく過ごせました。多謝です。
そして三宮さんはいつの間にかこんなお姿に…。
「福わうち」 港区白金1-28-2サーラ白金1F 03-5739-0264

餃子を食べませんか?とのお誘いをしてくれたのは、
鮨っ喰いの貴公子ロレンスさん。
餃子あれこれを食べ込む、つまりは”餃子オフ”。
うん、愉しそう!
って、ことでやってきたのは、新橋西口商店街です。
薬局の二階へ見上げる店の名を「玲玲」。
壁面の看板には”新橋新名物 餃子 麻辣麺”とあり、
二階へと辿る階段脇のスタンド看板
には”皮から手作り ヘルシーな水焼蒸餃子一度食べてね”とある。
なるほど、水餃子も焼き餃子も蒸し餃子もあるよってことだね。うん、食べにきたよー。
野郎ばかりが囲むテーブル(笑)で、イエ~ィと乾杯。
凍り豆腐を細く刻んだようなチーズ鱈のチーズだけのような不思議なお通しや南京豆をカジりながら待っていると、
ロレンスさんがオーダーしてくれた、
「セロリ/水餃子」に「フカヒレ/蒸餃子」に「白菜/焼餃子」がやってきた。
![]()
![]()
![]()
水餃子もスープひたひただったりしないので一見判別し難いけど、水餃子と蒸し餃子では皮のむっちり具合がちと違う。
「玲玲」メニューの餃子ページに載ってるのは、豚肉と組み合わせてアンとする野菜8種類に、3種の海鮮、そして大蒜。それを水、焼、蒸のいずれかを指定してお願いするってスタイルなんだ。
![]()
「豚肉と豆苗」の皿の青菜を合いの手に、早速(笑)、
九年もの紹興酒をいただいて、くぴくぴ。
ちょっと変りダネの餃子はというと、「トマト/水餃子」に「春菊/水餃子」。
![]()
![]()
トマトの爽やかな甘さも愉しいし、餃子から春菊のほの苦さが滲むのもまたオツなもの。
そして、はっとさせられたのが椎茸の焼き餃子。
カリっとした外皮の中から椎茸の香ばしい風味がフフフンと開いていくンだ。ほっほー。
麻で辣な「麻辛豆腐」を舐めて、これくらいなら食べれるぞと汗を掻きながら(笑)、
さらに「爆辛鶏肉」に挑んでみたりする。
![]()
![]()
“爆辛”っていう凄い品名だけど、結構美味しく食べれる程度の、云うほど無茶な仕立てじゃないのに好感だ。辛いもの好きには物足りないかもしれないけどね。
再び、餃子ラインナップをウエルカム。
「海老/蒸餃子」「セロリ/焼餃子」に、
透け具合もイジラシイ「シソ/蒸餃子」、「ナス/焼餃子」「ニラ/水餃子」。
![]()
![]()
![]()
何本目だかに紹興酒を15年ものにシフトアップするも、そのころ既に呑み比べる余裕なく……(笑)。
最後にやっぱりニンニクは餃子に合うねぇと納得して息を吐く(?)。
今宵のご同席多謝は、
「バンド・オブ・トーキョー☆」のロレンスさん
「Con Brio!!」のCon Brio!!さん
「酒と築地と肴と料理」のn.fujiiさん
「ナポリタン×ナポリタン」のeatnapoさん
「くにろく 東京食べある記』のくにさん
そして、お土産もThanksの「今日もおいしいものを求めて』の超神田っ子さん
終盤駆けつけてくれた紅一点「週末築地買い出し暴走日記(^o^)」のさわさんでした。
皆さん、ありがとうございましたーっ。
「玲玲」 港区新橋3-19-2 03-3432-9073

祝開店!!であります。
元同僚が、じっと抱えていた想い「カレーのお店をやりたい」を実現させたのです。
店の名を「DUO」。
かつて何度もお邪魔した、
高田馬場さかえ通りの奥にあった喫茶店「DUO」は、
彼のオヤジさんが営んでいたお店なのでした。
「DUO」の所在はというと、浅草。
銀座線の松屋隅田公園方面改札を出るとすぐ左手に目に留まる、
地下街の一角に「DUO」はあります。
東武線との連絡口の脇にあり、新仲見世へと抜ける通路にあるのは、なんとも忽然と昭和な地下街。
タイムスリップしたかのような、という表現はここを喩えるためにあるのかも(笑)。
![]()
![]()
350円の焼きそばを売る店の向かいには昔のビデオテープと一緒に280円の老眼鏡
を売る店がある。おむすび屋さんのお向かいには、700円の床屋といった具合。「占い館マーヤ」もあるぞ。うん、いい味だしてる(笑)。
そんな狭い間口のお店たちと軒を並べる「DUO」は、赤い鍋を象ったスタンドサインが目印です。
たった6席のコンパクトなL字カウンターの前面は既に他の同僚が占拠。
オメデトーと囁きながら、カウンターの横手に回り込みました。
コックコートなんか着ちゃっている奴の姿を眺めるのは、なんだかちょっとコソバユい。
さて、「DUO」のメニューは潔く、「キーマカリー」に「チキンカリー」のふた品のみ。
「チキン」が辛い方で、「キーマ」がそうでもない方。
すぐ脇でサーブされるのを待つ「チキン」を横目に見ながら、
ひとまず「キーマ」から。
オリジナルなキーマは、ドライな仕立て。
包丁で叩いたかのような、ところどころにざっくりとした粗さを含む鶏胸肉のミンチを使ったキーマだ。
「どゆ風に喰うべし?」と訊くと、「お好きにどぞ」と云う。
然らばと、全量をええいとご飯の上にのっけてみます。そしてやおらスプーンでひと口。
知人がなすものとなるとなんらかのバイアスがかかった見方になっちゃうかもしれないけど、
これ、素直に美味しいカレーです。
ほろほろとしながらパサつかず、なるほど旨味を十分に含んで、柔らかい風味なのに汗がでる感じ。
いいぞー。
添えたピクルスもスープもなかなか。「うまいじゃぁん」。そして「合格、大合格(笑)」。
ライトピンクのフレームが愛らしい「DUO」。

準備から開店を迎えて、体力的にもそして気苦労もしんどいだろうけど、頑張ってね。
近く、「チキン」を食べにいきます。
「DUO」 台東区浅草1-1-12浅草地下街 03-3845-3151 [閉店]

駒込の街角にすすっと馴染む、
寿司の暖簾に闖入してみました。
創業来35年以上に及ぶというお店も、
その佇まいに気負いはありません。
浅草にも「常寿司」があるようで、そちらとの関係はあるやなしや。
硝子ケースに見つけた穴子を所望すると、まず目に飛び込んでくるのがたっぷりの煮こごりだ。
さらっとしたタレ味に穴子の旨味が蕩けていく。
寒鰤、中トロ、帆立、鯛、平目、やり烏賊などなどの刺し盛りや半生に焼いてもらった牡蠣で、
![]()
![]()
お湯割りにした麦焼酎。
ほろっと酔ったところで、握ってもらいます。
〆めたものからと小肌に鯖、そして大胆厚切りでしゃりの見えないトロ。
![]()
![]()
決して精緻で洗練な握りっぷりではなくて、どっちかというと、勢いで握る心意気、といった感じだけど、それがなんだか微笑ましい。
青柳に続いてやってきたのは、厚い短冊のトロを豪快に海苔に巻いたもの。
![]()
なはは、たーんと食べちゃてよー、って話しかけているようで、
この際シャリがどうとか、巻き方の是非をうだうだ考えずに、大口開けて喰らいつけばよろし。
飄々とした大将と、スキンヘッドが潔いその息子が切り盛りする「駒込 常寿司」は、いつの間にか空席がなくなって、熱気を帯びていた。
ちょっと連絡しておかないと、満員で入れないことも少なくないそうだ。

今度お邪魔する機会があったら、大将の修行先や店名「常寿司」の所以についても訊いてみよう。
「駒込 常寿司」 東京都北区中里1-8-5 03-3827-9323 http://www.k5.dion.ne.jp/~tunesusi/

板橋駅前に煮込みがおススメ筆頭の呑み屋があるという。
冷たい雨の降る中背中をつぼめて向かったのは、
埼京線の踏切近くの「松月」です。
路上の看板に、”値よし味よし気分よし”のフレーズを踊らせる「松月」は、
地元に根付いた居酒屋だ。
折り重なってるモツがなかなかにボリューミー。嬉しい量感であります。
ルイベの如く凍った「馬さし」に「にこごり」、粕漬けの焼き「赤魚鯛」あたりを、
![]()
![]()
「ホッピイ」(壁に貼られた品書きでは"イ"が大きいンだ)でいただく。
銚子の「大判はんぺん」を焼いてもらい、「ぶり刺身」に味の滲みた「いか大根」あたりで、
![]()
![]()
ホッピイの「中酎」をお代わりね。
「もつ煮」以外にもうひと品ふた品、キラーコンテンツがあると、わざわざ足を運ぶ店になるのだろうになぁと思う、
板橋の夜でした。
「松月」 北区滝野川6-86-11 03-3916-1572
日本堤の有名な天麩羅屋「土手の伊勢屋」の兄弟店が、
隣町の千束にあるという。
圧倒するようなシツコさにほぼノックアウトだった「土手の伊勢屋」だけど、兄弟店はまた多少違ったりするのかも、と冒険心が湧いてきました。
昭和通りと国際通りとを結ぶ金美館通りという鄙びちゃった通りのアーケード。
その一辺に、ひっそりとした表情の「千束 いせや」がありました。
海老、きす、烏賊の「天麩羅定食」か「天丼」がひとまずの選択肢。
女性におススメの新メニューとある「海老と野菜の小天丼」をオッサンが注文んじゃ、オカアサン嗤うなかぁと悩んで、「若いヒト達はこれだわね、だいたい」という「海老穴子天丼」をお願いしました。若く見えたのでしょうか(笑)。
穴子の骨の刺さったどんぶりには、当然の如く、深く濃いぃ茶色の天麩羅が横たわる。
サプライズな盛り込みだった「土手」の「穴子天丼」と比べちゃうと、地味な印象は否めません。
ところが食べ口は、意外と軽くて好感。
甘いツユには違いないけど、
そこへさっと潜らせたような衣には幾許かの軽妙さが残っているンだ。
メニューに車海老とあるのは、開いて揚げた一匹のことらしい。
他の二匹も含めて海老のサイズは寂しいし、ご飯はもう少し硬めに炊ていほしい。
そしてお椀くらいつけて欲しいよなぁ。
あれ?ぺろっと食べちゃったクセして、要望が多いかも(笑)。
思えば、胡麻油っぽさを強くは感じなかったあたりが、つまりは揚げ油の構成が「土手」と違うのかもしれないな。
“○に天”を暖簾の中央にする「千束 いせや」。
蔵前にもご兄弟のお店があるようです。
「千束 いせや」 台東区千束2-23-5 03-3872-5588
なぜかカレーな気分になって、昭和通りをひた歩く。
目的地は、ちょうど歩道橋が通りを跨ぐところにある、
インド料理の店「カイバル」です。
かの「ダバ・インディア」や「グルガオン」の姉妹店らしく、
三原橋の「ハリドワール」がなくなっちゃったと思っていたら、こんなところに系列店を展開していたのですね。
「Khyber」という店名は、ムンバイの有名レストランの名前をインスパイヤしたものか。はたまたパキスタンの、アフガニスタンとの国境へ向かうKhyber Pass、カイバル峠から由来しているのか。
メニューには、AからEまでのランチセットと2名様以上のランチコース、ランチパーティがある。
タンドリーチキンも気になりながら、
ランチセットの中から、その日の甘口、中辛、辛口のカレーを揃えた「三種カレー」をお願いしました。
100円追加でナンから換えてもらった「チーズクルチャ」。
無造作に千切れば、量感をもって溢れ、伸びるチーズがいい。カレーを別にして、これだけを何枚か食べれてしまいそう(笑)。
甘口の海老のカレーが、うまい。
クリーミーなカレーに含む酸味が涎を誘って誘って、堪らん感じになる。
中辛は新じゃがにモロッコインゲンで、辛口がチキンキーマとナス。![]()
辛口といっても、ひーひー云わすようなトンガリはなくて、ふとひりっとさせる辛味の中にぐぐっと旨味を備えてる。
うん、満足。
Indian tandoori dishes & wine 「Khyber」。
今度は夜に寄って、インド風の炊き込みご飯だという「ビリヤニ」や「タンドリーチキン」を試したいな。ワインとの相性も含めてね。
「Khyber」 中央区銀座1-14-6銀座1丁目ビル1F 03-5159-7610 http://www.dhabaindia.com/khyber/
東通りとば口左手の建物を入れば、
右手に「つきじ市場鮨」、その先に「長生庵」。
そして、その通路の向かいにひっそりとあるのが、
「きよみ」です。
芥子色の暖簾の表情からは、
キヨミかあさんが切り盛りする小料理屋さん、といった風情が窺えます。
「きよみ」のお昼は、「まぐろ中おち」「焼魚」「煮魚」「肉豆腐」「豚かつ」「魚フライ」など七、八種類の定食
で、二種類を合わせた「ハーフ・アンド・ハーフセット」にすることもできるみたいだ。
この日の狙いは、最後の札にあった「カキフライ定食」。
ジジジジという軽い揚げ音を聞きながら待つこと暫らく。
横たわる牡蠣フライは、外套膜の黒い縁取りが透けてみえている。

へ~と思いながらなにもつけずに齧れば、しゅっと零れる牡蠣エキス。
サクッとした衣と牡蠣の身がバランスする牡蠣フライも勿論素敵なモノだけど、
こうして、カタクリ叩いて素揚げするに近いほどに衣が薄いのも、うん、ありだね。
牡蠣の自身がぷっくりとしっかりしているからこその醍醐味だけれど、より、牡蠣に齧り付いてるイメージが強くなって、いい。
結局、なんにもつけないで全部食べちゃった。
牡蠣フライにはまだまだ発見がありそうだと、そう思わせてくれた築地場外「きよみ」。
ずっと喋りっぱなしだったオカアサンがきっと、キヨミさんです(笑)。
口(関連記事)そば處「長生庵」 で一興なるかきのそば粉天ぷらそば
「きよみ」 中央区築地4-14-10 03-3541-9632
随分と久し振りに歩く元町です。
街灯に電飾が飾られていて、クリスマスの残り香を思わせるメインストリートは、キタムラやフクゾー、スタージュリーの本店の並ぶ有名お買い物ゾーン。
でもいつも気になるのは、
一本山手公園側の裏道なンです。
その元町仲通りでも特にエキゾチックなオーラを発しているのが、仏蘭西料亭「霧笛楼」です。
案内されたのは、八畳のお座敷。
隣の間とは、金箔を含めた艶やかな襖で仕切られて
います。
奥には床の間的板間があって、屏風の手前には、中華のものとも思しき骨董が飾られています。
左手の隅切にはステンドグラス
。
様式が混交した不思議な空間は、フレンチだけど料亭だという「霧笛楼」に妙に似つかわしい気もいたします。
ドライシェリーを舐めながら、印字されたメニューの紹介をいただく。
「温故知新」と題されたコースはアミューズからハーブティまでの8皿構成。
どんなのだろうねと、それぞれの長いタイトルを読むだけで、期待がさらにと高まります!
まずは、付き出し「霧笛楼冬の風物詩 自家製サーモンフュメ」。
フュメとは“燻製”を意味するようで、オイルにしっとりとしたサーモンの身にほどよい薫香が添えられています。うんうん。
続いて、「マダガスカル産海老のタルタル 小松菜と生姜のブランマンジェ 白胡麻とヨーグルトの冷製スープとともに」(長い!)。
ボール状の器には白いスープが張られ、
そこに浮かぶのは円いデコ型に抜かれた三層。
タルタルから溢れる海老の旨味をトップのブランマンジェの生姜風味が輪郭のあるものにする。
うんうん。
さらに長いメニュー名は、「フランスヴァンデ産 地鶏もも肉とシチリアンルージュトマトのコンフィ 乾燥トマトソース 茸のソテーサラダ仕立て」。
水菜と身の厚いキノコのソテーを載せたコンフィの手前に印象的に佇むトマトは、メニューにpetit tomate “yokohama”とある。訊けば、「霧笛楼」では、地産地消となる食材を積極的に取り入れているそうで、このトマトもシチリアから取り寄せた種子により横浜で栽培されたものなんだという。ふむふむ。
![]()
![]()
お手頃なあたりで白をと選んだワイン「Crozes Hermitage Mule Blanche 04」は、すぅっと軽くて呑み易い。
あれ?ボトルはどこに?と探したら、中国の陶磁とも思える壺をワインクーラーに使ってるのね(笑)。
4品目は、
「帆立貝のサッと網焼きと横浜カブのマリネ 緑胡椒風味 貝類のカプチーノ仕立て サフラン風味」。
![]()
![]()
貝の風味の魅力をしっかり含んだクリームスープが美味しくて、ふむふむ。
海老、鶏、貝ときて続くお魚料理は、「仙台産ナメタカレイのソテー 日本のゴボウのリゾットと西洋ゴボウのソース トリュフの香り」。
![]()
![]()
カリッとした表裏と見た目以上にふっくらとして味の濃い身肉の滑多鰈。そしてその下に敷いたリゾットがいい。牛蒡の風味がいきいきとして、甘くすら感じさせてくれるんだ。うんうん。
アルデンテなライスは、初代の料理長が福島で作る天日干したしたお米だという。初代料理長、福島で隠遁してお米作ってるんだね。
そしてメインの一方の雄、お肉料理は、「仔羊のコートレット 黒コショウソース ポテトとカリフラワーのグラタン ブロッコリーの生ハムソース」。
ラムはやっぱりイイやね~。香りの強いラムとバランスしたフォンと黒胡椒のソース。うんうん。
よく「カツレツ」への転化が語られる「コートレットcatelette」は、この場合“骨付き背肉”という意味になるんだ。
そして、デザートが「赤いフルーツとピスタチオ風味のアングレーズソース フロマージュブランのムースリーヌとバニラのグラスとハーモニー フィヤンティーヌ仕立て」。
赤いフルーツってなんだろね?やっぱり苺かなぁ、なんて話していたら、それはやっぱりイチゴとラズベリー。薄焼き生地を帽子にして、その間にチーズのムースとバニラアイスが隠れています。
チーズとバニラを重ねたところがキモかぁと思っていると、下地のソースにはラズベリーの酸味の間からピスタチオがふっと香るという仕掛けになってる。ほうほう。
レモングラス、レモンバーム、カモミール、ボダイジュなどをミックスしたハーブティ
にカカオな小菓子
で、ご馳走さまと手を合わす(笑)。
実は、観光地にありがちな風化したお手盛り料理だったら切ないなぁ、と危惧していたのだけれど、それは杞憂でありました。ま、お安くはないけどね。
異国情緒横濱をそのまま体現したかのような「霧笛楼」が供する料理は、横濱フレンチとも呼んでいるそうです。横浜近郊で栽培された野菜や相模湾の魚介を取り込んだフレンチということなのでしょう。
そんな「霧笛楼」の誕生は、意外や1981年。
明治の開港当時からここにあったかのようなエキゾチックな風格は、往時西洋の異人を相手にしていた「芸者ハウス」をモチーフにしたことに由来しているらしい。

そして、「霧笛楼」という店名は、港の見える丘公園近くに記念館があるほどに横浜にゆかりのある小説家、大佛(おさらぎ)次郎の小説「霧笛」からだという。
開港を契機に開化していく横浜の情緒も戦後の駐留軍に影響を受けた横浜の情緒も、どっちもなんか好き(笑)。
久々に、横浜おのぼりさんした夜でありました。
「霧笛楼」 横浜市中区元町2-96 045-681-2926 http://www.mutekiro.com/
'10/05/26(水)by:まさぴ。さん
Re:イートナポさま
口居酒屋「かんかん」で ドライカレーにカレーライスにカレースパ了解でーす。めざしとチーズで濃いぃ目のウーロンハイ♪
ともに沈没しましょう(笑)。
夜の「かんかん」で果たして、「かんかん」の謎が解けるかな。
'10/05/26(水)by:イートナポさん
ぜひぜひー♪
きっとウーロンハイはデフォで濃い目。。沈没しちゃいそうです・・・
口からめん「からめんや えん」で からめん3辛蒟蒻的蕎麦麺くにゅ'10/05/25(火)by:まさぴ。さん
Re:つきじろうさま
口からめん「からめんや えん」で からめん3辛蒟蒻的蕎麦麺くにゅあれ?あ、そっか、未訪ってことなのかな。
うん確かに、辛さに応えて、額やら耳の裏やらに噴き出す汗が…。
あれ?もちょっとどうにかならんかなぁと思ったあたりが伝わっちゃいました?あれ?
'10/05/24(月)by:つきじろうさん
うーむむ。面白そうな築地ネタ!と思いつつ、汗かき体質の
ワタシは微妙にハードルが高いお店だなぁと思ってましたが。
お店の雰囲気も、ちょっとビミョーですか・・・☆
口居酒屋「かんかん」で ドライカレーにカレーライスにカレースパなんとなく、日本橋の「太陽の・・・」某トマトラーメン店の
ルポを拝見したときの印象に近いような(汗
'10/05/24(月)by:まさぴ。さん
Re:Rさま
口居酒屋「かんかん」で ドライカレーにカレーライスにカレースパみんな沢山喰うであろう連中に混じって「ジャポネ」の行列に並ぶってのも、女性にはちょっとしんどいかもしれませんねー。あの椅子も落ち着かないですし(笑)。
オヤジさんに愛想はありませんが、「かんかん」なら入り易いと思います。
ただ、タイミングによっては、男100%の場合もありますので、そういうタイミングなのね、ってことで。
夜の様子はまだ知らないんです。
'10/05/24(月)by:Rさん
「ジャポネ」の「インディアン」より、「かんかん」の
「カレースパ」の嬉しいお言葉♪
たまらなく「ジャポネ」に行きたい日がありますが
女性1人ではかなりハードルが高いので、どうしても
行きたくなったら、覚悟をして文庫本持参で参ります。
こちらの方がず~っと入りやすそう。
口スナック「栄」で 昭和匂うビロードソファで啜る味噌煮込みうどんこれで「ジャポネ」ストレスから解放されそうです。
'10/05/21(金)by:まさぴ。さん
Re;laraさま
口スナック「栄」で 昭和匂うビロードソファで啜る味噌煮込みうどん実はランチしかやってなかったりして。んなわけないか。
夜はひつまぶしが旨いスナックでママさんはチャイナドレス、というあたりで(笑)。
'10/05/20(木)by:laraさん
まさぴ。さま。
いえ、いえ、いえ、「行け」などとは決して!(笑
口スナック「栄」で 昭和匂うビロードソファで啜る味噌煮込みうどんでも、もしも夜のメニューが更に充実していたりしたら感動します。。でもそれじゃぁ”スナック”ではなくなるのでしょうか。
そうですね、栄のあたり、ランチ人口も相当なものなのでしょう。
普段お昼に閉まっているはずのお店がランチ、は有り難いですよね。
'10/05/19(水)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口スナック「栄」で 昭和匂うビロードソファで啜る味噌煮込みうどんきっと、繁華街とビジネスエリアが接近・同居している場所には、ランチありスナックが多いンだろねー。
「とれんでぃ」もカラオケスナックって感じだったもの。
え?夜も行けって?
どーしよーかなぁ、まずは昼のカレー煮込みうどんレポじゃだめ(笑)?
'10/05/19(水)by:laraさん
まさぴ。さま。
住もうと思ってるくらいの(笑)、大好きな名古屋。
まさぴ。様がこう書いていらっしゃるということは、やはり東京ではあり得ない事?・・と書いて、突然思い出して貴ブログ過去記事を探しました、Gingerちゃんとイートナポ氏の、、「とれんでぃ」。
あ、これは”元”スナックなのかな。
どちらとも
>如何にも
なのですね。
美味しそうではありませんか、味噌煮込みうどん。
夜のレポート期待しております〜。女将さんの、作務衣を脱いだオン状態も。