CURRY HOUSE「KiTCHEN」~夜、「カリ~番長」

kitchen.jpg二日間拘束の研修会場から足を伸ばして、伊勢佐木町まで。ミントグリーンの格子が印象的なファサードの「キッチン」でカレーをいただこうというハラなのです。10数席でしょうか、柱を挟んで左右にカウンターが据えられています。手書きの黒板には、「チキンカレー」「カツカレー」「メンチカレー」に「ハンバーグカレー」「ハヤシライス」。筆頭の「ビーフカレー」を選んでみます。おお。どこか懐かしいサラリとしたコク味。かつて駅のカレースタンドで出会っていそうな気に一瞬なりますが、スプーンを口に運ぶにつれ、決してそんな出来合いのモノではないことが判ってきます。幾多の野菜・果物に豚骨・鶏がら・牛スジを合わせ、じっくり煮込んだという下地の出汁味が嫌味なく伝わってきます。そして、ほろりと融ける牛肉、抑えた辛味。ご近所の「アルペン・ジロー」が標榜している”横浜カリー”と同じ系統にも思えてきました。窓硝子に貼られた雑誌の記事には、贅沢にふんだんに野菜の素揚げがトッピングされた「やさいカレー」の写真が載せられている。改めてキョロキョロするもメニューを記した黒板にその行は、ない。どうやら曜日限定のメニューみたいだ。うーむ。また明日来る?(笑)。
さて、この日の夜には再び、ひと皿のカレーをいただきました。「東京カリ~番長」の水野仁輔氏と料理カメラマンの今清水隆宏氏パネラーの「日本フードジャーナリスト会議」で供されたカレーがそれ。スパイスを特別に配合したりせず、いつもの市販ルウだけで“家カレー”はもっとおいしくなるんだよと説く新刊、「喝采!家カレー」掲載のレシピをベースにした「一晩漬け込むポークカレー」だ。これでホントに市販ルウだけかよ~と目論見通りの感想を零してしまい、なんだか口惜しくなる仕立てがニクイ。カレーの法則、っていうことでその要素を「(素材+だし)×スパイス+隠し味」とし、特に同意するに首をブンブン縦に振ってしまったのは、“だしはカレーの美味しさを決める”というフレーズ。ベースとなる“だし”が欠けていたり、スパイスのトンガリに傾倒しているようなカレーは好きじゃない!んだもの(スパイスに造詣が浅いのと極辛が苦手なせいも多分にあるけど、笑)。その上で、スパイスは「香りづけ」「色みづけ」「辛みづけ」の3つの作用があって、“「カレーの性格」を決める”ときた。つまりは、“だし”を引き立て、昇華させてくれるのがスパイスなんだね。そして、隠し味は、相反する作用(「反動」)で輪郭を深めたり、ポイントをもうひと押し(「相乗」)したり、そして「バランス」を整えたりして、“「カレーの仕上がり」を決める”。そんな隠し味のマトリクスまでも当然の研究の果てにあるスグレモノが、市販のルウだというんだ。あは、週末は家カレーしなくっちゃ、だ。 >どこどなく妻夫木聡似の「カリ~番町」水野仁輔氏 >「カレーですけど ごめんあそばせ♪」ヘアーで参加の華麗叫子さん
「KiTCHEN」 横浜市中区末広町2-5-1 045-261-5652 http://www111.sakura.ne.jp/~curry/
column/02305

「CURRY HOUSE「KiTCHEN」~夜、「カリ~番長」」への1件のフィードバック

  1. CURRY HOUSE KITCHEN@伊勢佐木町

    この近くには最近お気に入りのインドカリー・モハンがあるのであるが、このKITCHEN(キッチン)は、いわゆる洋食店の欧風カレーを食わせるカウンター10席程…

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