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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口めん処 「翔」 shou

shou.jpg日本橋での野暮用のついでに、髙島屋近くの路地にできていた「翔」で夕食を啜ってみることにしました。コの字のカウンターが廻る、比較的ゆったりとしたレイアウトのお店です。券売機の上には、鶏・魚介系のあっさりととんこつ系のこってりと2種類のスープがある、とある。とんこつ醤油ってことだろうと当てずっぽうに「醤油チャーシュー」のボタンを押し、「岩のり」「味付玉子」を追加して渡すと、こってりだったら「中華そば」になるんだという。「中華そば」=どっちかちゅーとあっさり系ラーメン、という連想をしっかり否定されてしまい戸惑うも、値段も同じということですんなりと変更してもらう。う~ん、こってり系といいながらこってりしないように配慮し過ぎちゃったような、ピントの暈けた感じのするスープだね~。妙にエッジの立った麺とか、はらはらと蕩けるチェーシューとかとそれぞれのパーツは別段悪くはないけど、肝心のスープが弱いのがツライ。余計なお世話だけれど、「麻婆麺」「カレーそば」なんかで遊んでる場合じゃないような気もします。

「翔」 中央区日本橋2-10-2第一ビル1F 03-3281-3336

column/02110

口Curry Dining 「Tree’s」

trees.jpg人形町通りから覗き込んだ脇道にカレーハウスを見つけました。「欧風でもなく、インド風でもない」。そんなフレーズが気になって早速ドアを押すも、カウンターもテーブル席も既に満席だ。空席を待つ間に決めたカレーは、おススメメニューのひとつ「ツナトマト」。ライスとは別に、肉厚などんぶり状の器でやってきたカレーは、ほとんどとろみのないさらっとしたスープカレー状態のもの。一瞬、ライスを載せたスプーンをそこへ浸す所作をとろうかと思うも、なにかそれも違うような気になって一気にライスに流しかけてみる。形を残したトマトをはじめとした野菜たちがトップに残り、スープは当然ライスの底へ。ヘルシー志向を充分反映させたカレーらしく、野菜の甘さ酸味が優しくそこにあって、ツナさえも大人しい表情だ。時にしつこさにも至る小麦粉を使ったコクを避け、具材の味をそのままにという、オンナノコウケしそうなひと皿だね。スパイスは13種類をオリジナルにブレンドしたものだそうだ。いわば、カレー風味の野菜スープ、ライス添え、という感じ。同じスタイルのまま、鶏でも豚でも牛でもいいから、もっともっとガツンとしたスープがベースにあったらいいのにと率直に思うけど、そうすると志向している身体に優しいカレーとは別物になっちゃうンでしょうね。

「Tree’s」 中央区日本橋人形町3-6-8人形町共同ビル1F 03-3639-2525

column/02109

口中国家庭料理「アンジュ」で かきそば半チャーハン設えパブちっく

anjyu.jpg昼のソニー通り。色の褪せた写真を覆い隠すように手書きメニューがベタベタと貼られたスタンド看板に「かきそば半チャーハン」という文字を見つけて、吊られるようにその店の入口へ。
ドアの左手には白地に金文字の店名プレートが掲げられていました。
その名を「アンジュ」。
どこか新宿あたりの安スナックを思わすような、少なくとも中華料理店を連想させることのない店名でもあるような。
店内に入ってみると、あれれ、やっぱりここってもしや「アンジュ」という別の種類のお店だったのではなくって?と思わせるパブちっくな設えだ。


微妙に訝るような表情になりながら、一番奥のカウンターへ。
すり硝子越しの厨房では北京鍋が激しく動き、忙しなくも快活な熱気が伝わってくる。
ホール側もだんだんと混み合ってきた。


「はい、お待ちぃ」とやってきたどんぶりには、軽く片栗のあんを纏った大ぶりの牡蠣がごろごろと載せられている。anjyu01.jpg決して不味いワケではないけれど、大きさの割りには味が抜けちゃっているような気がするのが残念で、スープにも麺にもこれといって特段魅力的な要素は見受けられない。
なぁんてこと思いつつもズズズ、ズズズ、素っ気ないチャーハンと合わせて完食してしまう(笑)。

一見町場中華の「アンジュ」ですが、なによりも中華料理店としてその名をつけて、その内装にしたのかどうかが一番気がかりだったりしています。


「アンジュ」 中央区銀座5-4-14 国松ビル1F [Map] 03-3571-0789 [閉店]

column/02108

口京のうどん 「日の出うどん」

hinode.jpg腹ごなしにと足を伸ばして、修学旅行以来となる銀閣寺を拝んでみる。ゆっくりのんびり哲学の道でも辿ってみようかと思ってはいたものの、そんな風雅な気分にならず、早速タクシーに乗り、下がって南禅寺方向の「日の出うどん」に寄ってみました。なんだか喰い意地しか持ち合わせていないようで(笑)。静かな通りにぽつんとあるうどん屋さんは、半端な時間帯だというのに満席で、注文を伝えて暫らく待つ。回転よく席が空いて、カレーの薫り漂うお店の隅へ。夏には大活躍するのであろう団扇を眺めながらぼんやりと待っていると、やってきました「特カレーうどん」。あげきざみ、肉、ねぎが仕込まれたカレーうどんを“特”としているようで、おお、どろ~んとしたトロミたっぷりのあんの中に揚げやらお肉やらが潜んで出番を待っている。とろみもしっかりしているけれど、その底の方から出汁の厚みがむほっと湧き上がってくるンだ。デフォルトでは辛さ控えめながらスパイスの風味が食欲を追い掛け回してくる。うどん自体はコシや歯応えを主張するタイプではなくて、カレーあんと一体となってにゅるんとした絶妙の官能を生む仕立てのもの。へへへ、うまいうまい。黄色い滴を飛ばさないように留意しつつも、一気呵成に啜る啜る。さっきお昼と摂ったばかりだというのに、腹ペコさんのような喰いっぷりをみせてしまいました。ふ~。

「日の出うどん」 京都市左京区南禅寺北ノ坊町36 075-751-9251

column/02107

口葱料理・湯葉とろろめし 「葱や平吉」 heikichi

heikichi.jpg大きな暖簾には“京都高瀬川水流るる”とある。葱料理の「平吉」は、その、さわさわと流れる高瀬川を背にして、西木屋町通りという細い粋な路地の一角にありました。「商い中」を示す木札の脇には、九条葱などの葱をはじめとした野菜たちが笊に盛られて置かれています。暖簾を分け入り、左手の囲炉裏を横目に大きなテーブルの窓側へ回り込んで、ちょうど川を見下ろせる席に腰を据えました。眼前の棚にもまた別の野菜たちが盛られていて、その先に見える厨房のバックバーには酒瓶が並んでいる。夜来るのも良さそうだなぁと思いながら、とろろめしに土鍋うどん、冷やしうどんが並ぶお昼の品書きを眺める。「名物湯葉とろろめし おばんざい付き定食」を選んでみました。まずは大きな枡にこんもりと盛り込まれた葱がやってきた。それだけで、なんだかニンマリしてしまう(微笑)。そして擂鉢状の器にある麦飯に、「湯葉ととろろを合わせ擂った湯葉ととろです」と云いながら、大きな擂鉢のどろんとしたそれを攪拌しながら目の前で流し込んでくれます。たしかにほんのりと湯葉の色合いを含んでいるように見える。早速、小口切りの葱を遠慮なくぶち込んで、海苔をちらし、鶉の玉子を割りいれる。多少ぐにっと混ぜてからやおら、啜る。繊細な甘さを思わす湯葉の風味ととろろのまったりとした口あたりが、優しい気持ちにさせるようだ。中途で塩をちょっと振っても、ちょっと醤油を垂らしても、その度にくっくと味わいのエッジが立つのも面白い。おばんざいとして添えられていた鶏と大根の炊いたんの、その出汁がまたうめぇ。「鴨葱煮込み」「胡麻唐豚煮込み」「牛スジ味噌煮込み」「つみれ京野菜味噌煮込み」「梅干入りきざみあげ煮込み」、……。その一方で実は、土鍋うどんにもめっちゃ挽かれていたのです。葱を目一杯投入してね、と。

「葱や平吉」 京都市下京区西木屋町通り仏光寺上る三丁目市之町260番地4 075-342-4430

column/02106

口特製ラーメン 「本家 第一旭」 たかばし本店

takabashi.jpg前回行き損なった「第一旭」のたかばし本店は、京都タワーをその先に見上げる京都駅近くの跨線橋添いにありました。夜半だというのに店内は、熱気も充分に満席だ。パイプ椅子に座るや否や「特製ラーメン」をお願いしました。薄切りのチャーシューと小口切りの葱がふんだんにのったどんぶりの様子は、やっぱり当然「第一旭」だ。とんこベースでありながら、基本的にはすっきりと透明感のあるスープで、そこにコク味を豊かに含んでいる感じ。化調に思える甘みも随所に孕んではいるけれど、醤油とのバランスもよくてぐいぐい麺を啜らせる。啜るその麺は、もちっとしゃっきりしているといいような、この位でいいような。改めて、これが以前から突き止めたかった「第一旭」の本懐かと思うと、なんだかあっけない気もするけど、ま、いっか(笑)。ふと「ますたに」のことを思い出し、きっとこの辺りをベースに創意工夫を加えていったのが「ますたに」なのに違いないと勝手に決めつける。お隣の「新福菜館」も気になります。

「本家 第一旭」 京都市下京区東塩小路向畑町845  075-351-6321

column/02105

口Bar「京都サンボア」 で檸檬の香気ふーふーホットウイスキー

kyotosamboa.jpgほろ酔いのまま大阪から京都へ移動して、再び寺町通りのアーケードへ。
前回お休みでお邪魔できなかった「京都サンボア」で一杯だけひっかけようという魂胆なのであります。
運よく空いていたカウンターの一角に納まり、ホットウイスキーを注文んでから辺りを見回すと、壁や梁やの至るところに幾つもの様々な栓抜きが留め込められている。何年もの時間と何人もの客たちの表情がそこに交錯するようで、急に空気が濃く感じられてくる。

湯気とともに「ホットウイスキー」のグラスがやってきた。
檸檬の香気に包まれながら、熱々をふーふーしつつ啜る。kyotosamboa01.jpgほっと安らぐ感じの一杯だ。苦味に転びそうでいてそうならないところがニクイね。


左手には呂律の廻らなくなってきたオヤジがいるかと思えば、右手には会話の内容から京大医学部生らしいふたり組がいる。やっぱり多彩で幅広い客筋なんだろうね。
看板の燈を落としたところに「一杯だけ、よろし?」とやってきた3人組みと入れ替わるように、止まり木を離れた。

こちらもホント一杯だけだけど、満足な気分になるのは何故?


「京都サンボア」 京都市中京区寺町通三条下ル桜之町406 075-221-2811

column/02104

口焼酎&一品料理 「いづみ」

izumi.jpg後輩がやってる店あんねん、ということでタクシーに乗り込んで八幡筋へ。雑居ビル4Fにある「いづみ」には、小料理屋ちっくな暖簾が掛っていました。カウンター越しに迎えてくれた笑顔の主がその後輩さんだ。グラスビールに添うように出されたプレートをみて、あれ?って思う。洋な仕立てを纏ったオードブルなのです。ただの小料理屋さんだとチト違う様子だぞ。思わずワインを抜いてもらうと、そこにはパルマの生ハムがやってくる。そして壁に掛けられた黒板には、人柄を忍ばせるような文字で和のような伊のような仏のようなメニューが書かれている。しかもそのどれもが1,000円以下というのが泣かせるね。続いて所謂舌平目ムニエルのお皿が届く。黒板にあったバジルソースではなくて、正統な焦がしバターソースだ。ソースに促されるように、白身から意外に力強い旨味が訴えてくる。先輩ぃ~、後輩のお皿、美味しいじゃないっスかー。そしてメインのもうひと皿はお肉。すっと厭味なく柔らかいステーキには無花果のほの甘いソースが添えられているンだ。「いづみ」の主人は、全日空ホテルやハイアットのレストランを経て今に至るンだそうで、おそらく居抜きで入ったのであろうお店の雰囲気と供するプレートとのアンマッチが面白い。訊き損なったけど、もしかしたら以前小料理屋だったお店を、その店名さえ変えずにそのまんまビストロなお店にしちゃったのかもしれないぞ。最後のシャーベットで気がつけば、コース料理の出来上がり。そうかと思えばなんの衒いもなく焼酎も呑める。ははは、こんな店が近所に欲しいとマジ思う。

「いづみ」 大阪市中央区東心斎橋2-3-31八幡筋ギャラクシービル4F 06-6213-6786

column/02103

口ミルク鶏の店「CHICKEN'S」で ロースト丼ミルク鶏白金豚NZ牛

chickens.jpg桜橋交叉点近くに、ちょっと怪しい表情を見せる店があります。
車庫か事務所かだったのか。
扉を全部取り払ったところへ透明なアコーディオンカーテンを廻した様子は、如何にも仮設チックで、ナンだろと思って近づくと「OPEN」の札が掛かってる。
透明越しに中を窺うと、先客が既にお食事の真っ最中。
コの字に配したカウンターの足元は、これまた仮設チックに鋼管パイプ組だ。

組み合わせを選べる「ロースト丼」を欲張りに鶏+豚+牛の勢揃い版で、さらに「煮込みプラス」を追加してみました。


まずは右に配した鶏ローストから。
香ばしい皮目の中から濃いぃ旨味の滴が真っ直ぐ零れてくる。
お酒呑めちゃいそうだけど、ご飯のお相手にもしっくり。
chickens01.jpg真ん中に納まるは、つまりはローストビーフ。
考えなしに大ぶりな一枚をまるまる口にすると、そのボリュームにちと戸惑う。
ナイフで適当に切りたいところ。


左の豚ローストに挑もうとするところで、忘れていた「煮込み」つまりはカレーをたっぷりかけてみる。chickens02.jpg玉葱の甘さとその他野菜の酸味が交差するカレーを友に、滋味を濃縮した豚(白金豚)をいただく。うん、面白い。


訊けば、そもそも霞ヶ浦養鶏業者で、創業20周年を機に直営出店したんだそう。
「ミルク鶏」というのは、粉ミルクのみで育てた鶏だそうで、実は沢山の有名店高級店に出荷していると云う。
今度はその「ミルク鶏」のみをじっくりと。宵に訪れるのもいいかも~。


「CHICKEN'S」 中央区八丁堀3-11-11 [Map] 03-3553-5500

column/02102

口レストラン 「資生堂パーラー」 銀座松坂屋店

shiseido.jpgどこか哀愁の漂う催事フロアの一角に松坂屋の「資生堂パーラー」はあります。往時はそれなりに華やかな空気を纏っていたことを偲ばせる店内も、今や懐かしさに似た落ち着きに満ちています。資生堂パーラー伝統料理のひとつ「ミートクロケッツ 資生堂スタイル」に「シーザーサラダ」を添えてもらうことにしました。ヒロキエさんによると、8丁目の本店では、客前でドレッシングを調味し、さらにパルミジャーノ・レッジャーノの薄切りをどさどさと載せてくれるそうだけど、こちらではそんなパフォーマンスもなく、薄切りてんこトッピングもない。でもね。しっかりしたチーズの風味にベーコンの塩気とクルトンの歯触りがアクセントになって、バリバリむしゃむしゃと一気に食べさせるんだ。続いてやってきたプレートには、酸味柔らかなトマトピューレのソースに浮かんだ2つの俵型クリームコロッケ。ほどよい固さのホワイトソースの中から粗めに刻んだ肉がここにいるよと主張してくる。ナイフを入れ、トマトソースをぬりぬりしていると、あっけなくぐずぐずっと崩れてしまうけど、決して下品にならないのが不思議だ。あ、素朴に「チキンライス」っていう手もあったな。

「資生堂パーラー」 銀座松坂屋店 中央区銀座6-10-1 03-3573-1778
http://www.shiseido.co.jp/parlour/

column/02101

口中華居酒屋 「永福来」 eifukurai

eifukurai.jpg妙に牡蠣が食べたい気分で、以前目にしていた「かきXO醤炒め」をアテに平成通りのこちらへ。三つ折のパウチメニューを開いてその箇所を指差すと、日本語の達者なチャイニーズのオンナノコは、ちょっと訝るような表情をした。案の定厨房から戻ってきて「時間かかるです、いですか」と云う。「いいよ」と伝えると、こくりと頷いて、走って厨房へ。ところが再び戻ってきて、「忙しいのでできない」と宣ふ。端からそんな予感はしてたけど、やっぱりそうか。日替わりにメニューに加えて、ちゃんとお昼用メニューを用意するのが佳いお店なんだけどな。ま、止む無しか。代わりにと「かきそばは?」と云うと、「はい~、かきそば~」と呼応しながら去っていく。戻ってこないところをみると、「かきそば」は出来るンだ。円卓に座った隣のOLは、注文んだ担々麺がもうとっくに届いてるのに、煙をこちらに向けながら根元まで吸わないと気がすまないような勢いで煙草吸ってくっちゃべってる。美しくない、ね。「おまちどさま」。スープにも麺にも特に感慨はないけど、いよいよ時季がいいのか、小ぶりでもエキスを潤とたっぷり内包した牡蠣の身はいける。そうだそうだ、この季節が終息してしまう前にもっと堪能しなくちゃだ。

「永福来」 中央区八丁堀3-11-12 03-3552-3641

column/02100

口元祖北海道旭川ラーメン 「ぺーぱん」

pepan.jpg所用ついでに、ずっとずっと前から頭の隅っこに残っていた、謂わば永きに亘る課題店のひとつ「ぺーぱん」に行ってみました。横浜市営地下鉄の、初めて降りる吉野町駅からどこか閑散とした雰囲気の町並みを眺めつつ、店前へ。「北海道旭川ラーメン」とスミ文字が大きく刻まれた紅い暖簾が風に靡いています。ガラリとサッシュを引き開けると、あは、そうそうこの衒いのない笑顔のおばちゃんがこのお店の担い手なのだ。塩、味噌もあるけど、やっぱり旭川ラーメンと云えば醤油だよなぁと「正油野菜チャーシューメン」をお願いすることに。おばちゃんが、ほいきた、てな調子で早速手を動かし、もうひとりのおっちゃんが北京鍋を振って野菜たちに浅く火を入れてくれます。店内にこういう一種の臭みが満ちているお店ってそう云えば最近少なくなったなぁと思いながら出来上がりを待つ。届いたどんぶりにぐるっとひと回りしているチャーシューを掻き分けて、スープをひと口。郷愁を誘う風味に続いて、とろんとした円やかさのしっかりしたボディが楽しめる。ラードが妙に強いことでもなくて、あっさりとしたあと口が反ってあとをひく感じ。如何にもヘタり難そうな縮れ麺との相性も悪くない。強い味がクドイ、って感じの印象の旭川ラーメンも少なくないけど、どっこい在浜の老舗店は、成熟したバランスのスープを実直に丁寧に拵え続けているのですね。

「ぺーぱん」 横浜市南区高砂町3-34 045-243-0595

column/02099

口釜揚げうどん専門店「根津 釜竹」で 妖艶熱々うどんにむほほほぉ

kamachiku.jpg帰りがけにふと思いついて、根津まで。言問通りから折れ入ったひっそりとした筋に、ちょっと不釣合いなモダンな灯りを映す建物は意外や老人ホームらしい。その奥の一角にある石蔵が目指す「釜竹」です。外装に煉瓦を廻した、明治43年築だという蔵に沿って進むと、一転抜けのいい硝子で構成されたお店の様子が窺える。そして店内右手の階段を登れば、蔵の中でも食事ができるってぇ寸法になっているのです。お品書きに、蕎麦前ならぬ麺前酒と記された行をみつけるともういけません。「紅豆腐」と題された豆腐よう一品を酒肴にグラスでいただく山口の純米大吟醸「東洋美人 一番纏」。すっきりした中に上品な甘い香りが抜ける、旨い酒だ。呑み干したところへ、ふん!と出汁の薫りが一閃。高さ30cmはあろうかというツボに熱々の出汁つゆが入っているのです。ぴかぴかとした湯掻き立てのうどんは、どんぶりになみなみとそよいでいる。ツボのひもを支えながら倒して注いでもらったつゆの器に、そのうどんを誘うように移して啜ります。むほほほぉ。どちらも熱々のめんとつゆ。噛み応えも口滑りも、なんというか、妖艶とでも云いたい艶かしさのうどんにきりっとしながら旨味と薫り溢れるつゆ。一種の興奮状態のまま半分まで一気に食べ進み、薬味の葱を追加してさらに後半も一気啜り。これもひとつの口福ってやつかもね。こうなると、太打ち、細打ちの「さるうどん」も気になります。


「釜竹」
文京区根津2-14-18[Map] 03-5815-4675

column/02098

口シチュー&ハヤシライス 「どんぐり」

donguri.jpg看板がなかったらどなたかのご自宅かと見過ごしてしまいそうな、人形町の裏筋に建つそんな一軒がシチューのお店「どんぐり」さんです。趣味の珈琲ハウスというイメージを想起するような表情の店内ですが、メニューに並ぶのは「ビーフシチュー」「タンシチュー」に「牛ヒレハヤシライス」「合挽きロールキャベツ」の4品のみ。手塩に掛けた拘りの、といった意気込みが伝わってくるようだね。本日ロールキャベツはお休み。ということで、気張ってどちらかのシチューという選択もと悩みつつ、「ハヤシライス」をお願いすることに。白い平皿に満たされた赤銅色のソースは、さらさらとして、酸味の後ろ側からじわじわっと滋味を伝えてくる。煮詰めたコク味を求めるよりも、雑味を含まないように用心深く煮出したような印象だ。なのに決して平板でも薄っぺらでもないところが、ニクイ。女将さんの丁寧な接客も好感だし、次回はいっちょ、「タンシチュー」でも奮発してみようかな。

「どんぐり」 中央区日本橋人形町3-12-11 03-3661-8910

column/02097

口天ぷら 「平河町 川澄」 hirakawa-tyo kawasumi

kawasumi.jpg国立劇場の裏手にひっそりとした印象で佇むの天ぷらの「平河町 川澄」でランチ。すっきりとしたインテリアのテーブル席を横目に、左手のつけ場を前にしたカウンターの隅へ。「かわすみのお昼ご飯」には、「天ぷら膳」「天ぷらのよくばり膳」といった天ぷらメインのメニュー以外にも「ローストビーフ膳」「豆乳鍋のお椀仕立て膳」やお魚・お肉のお膳がラインナップしています。でもやっぱり限定7食というショルダーフレーズにぴくりと反応してしまい、お願いしたのが「特製天丼 かわすみ膳」です。お待ちどーさまー。およよ(古いっ)。この天丼は所謂どんぶりモノではない。ほぼ四角なフォルムのお皿の中央にこんもりと盛られたご飯に立て掛けるように天ぷらが載せられていて、妙な立体感を醸している。どんぶりじゃねーじゃん、と大声出しても始まらない(笑)ので、やおら手前の海老天をその小山から外して口へ運ぶ。すっとだし味が甘く香るタレを纏いながらも、サクサクっとした食感の衣も主張してくる感じが嬉しい。そうか、こういう配置をするとご飯の湯気に晒されて衣がヘタル度合いが少なくなるンだね。そのまま、2本目の海老、鱚、南瓜、茄子などを時計回りにいただく。なんか、なるほど、って感じ。合点がいかないのは、なんで”7食”っていう半端な数量の限定なんだろってことだけだ。そのご事情や果たして。

「平河町 川澄」 千代田区平河町2-2-3 03-3556-3260
http://www.k4.dion.ne.jp/~h-kawa/

column/02096


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