鶏鍋「鳥榮」

toriei.jpg湯島の予約困難な鶏鍋のお店「鳥榮」に運良くお邪魔する機会が得られました。建物に手を入れる春まで予約でいっぱいだというのだから、この好機逃すまじ、であります。天神下からすぐの裏通り。ラブホの猥雑な灯りから身を潜めるように佇む旧家が、目的の「鳥榮」さんです。夜道の暖簾に気づかなければ、素通りしてしまいそうだね。左の引き戸が開かず、すわ、浅草の「鳥多古」よろしく鍵掛けてるのかぁと思ったら、右の戸が開いていた(笑)。階段を軋ませながら階上へ上がり、襖で仕切られた角の部屋へ。鉄鍋の乗った座卓と丸い卓袱台が寄り添う場所へと案内されました。部屋を囲む建具の風合いが、いいね~。サッポロ黒ラベルで喉を湿らせたところに、打てばキンキンと心地よい音がしそうな見るからに上質な炭とともに鮮度を思わす鍋の具材がやってきました。味醂をちょっと入れた透明な下地がふつふつと沸いたところへ、ささみやレバー、皮、そして葱を投入して、ささっと湯掻いた感じでいただきます。ほほ~ぉ。しみじ~みとしちゃう美味しさなのね~。そんなに量は用意されてないので、大事にいただく状況になる。ぬる燗をつつつと呑みつつ、また一片。つくねを浮かべてまたつつつ。真ん中レアなそのつくねをトロンと食んではまたつつつ。我慢できずに鶏のお皿を追加しては、またつつつ。岩塩でスープを啜り、スープを注いだ〆の雑炊お茶碗を平らげてもまだつつつ。はぁ、呑み過ぎであります。なんだか妙に和んじゃうのもその一因に違いない。大根おろしメインでいただくってところにもうひと捻りあればもっといいかな。帰り際ご主人に話を訊くと、壊しちゃうンだと思っていたのは勘違いで、厠廻りを中心とした内装を設え直すだけなんだそう。極力今ある部材を使うようにするンだって。そうだよね、そりゃそーだよね。一部新装の「鳥榮」は、夏のお目見えだそうです。 「鳥榮」 台東区池之端1-2-1 03-3831-5009
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