ふらんす料理の店「ラ・ブランシュLa Blanche」

lablanche.jpg強力な低気圧による嵐の中、なんとかタクシーに乗り込んで青学の西門前まで。タクシーを降りたら降りたで今度は傘も開かない。近くのビルの軒下に逃げ込み、お店の所在を確認してから風雨の中へいざ再突入。外階段から2階へと上がる「ラ・ブランシュ」の店内へと到達しました。渋谷駅から歩けるぐらいの距離なのに、なんだか遠く旅をしてきたみたいな達成感、そして安堵感に包まれました。こじんまりとして落ち着いた店内の雰囲気がよりそう思わせるのかもしれないね。リザーブを迎える卓上のカードには、”Merci Beaucoup”。メニューには、寄席文字や勘亭流文字を連想させる独特の筆文字が綴られていて、読めそうで読めない文字を解読しようとあーじゃないこーじゃないするのもなんだか楽しい(笑)。前菜に、「ラ・ブランシュ」のスペシャリテだという「イワシとジャガイモの重ね焼き トリュフ風味」「カリフラワーのムース 手長エビのゼリー キャビアのせ」、お肉に「鹿児島黒豚のロティ」「蝦夷鹿のコンフィのパイ包み焼き」を選びました。豚肉のリエットがライ麦のパンに添えられてやってきます。たっぷしとパンにのっけて。レバーのパテとはまた違う、澄んだ美味しさだ。続いてやってきた小さなカップ。小さく賽の目に刻まれた野菜たちがスープに含まれて、バジリコペーストの風味が爽やかさを加えている。浅ましく、カップの底の底まで掻き出してしまうのであります。シャンパーニュを呑み干したところへ前菜のプレートが届きました。鰯とじゃが芋の層を薄いベーコンが包んだ「イワシとジャガイモの重ね焼き」。仕立てようによっちゃ~武骨な料理になりそうな組み合わせが、なんとも綺麗なひと皿になっている。軽妙なる鰯の香りがトリュフ風味のオイルと一緒にじゃが芋にまで染みていて、こ~れは美味しいや。同じお皿に載ったカップには、鰯の美味しさエキスを澱みなく抽出したようなポタージュが。2本立て鰯攻撃だね。一方のお皿も中央の白いムースとコンソメ状スープが作る風景にキャビアがアクセントを添える綺麗なもの。厭味なく濃厚なカリフラワーのムースに手長エビの風味とともに若干の塩味を含ませるスープが絶妙だ。お魚は、鱸。カリっとした皮目とほっこりとした白身と双方の香りを楽しみつつ、しみじみ味わう美味しさだ。鱸を浮かべたソースと茄子のソテーとの相性もいいね。酸味強くなくドライ過ぎずお手頃でと伝えて選んでもらったワインは、ボルドーの白「Saint-Veran 2004」。イメージにドンピシャの一本だ。お肉の前にショットグラスのような小さなグラス。口直しの八角のグラニテは、アジアンな変化球でもある。そして、メインに突入。噛み応えしっかりの黒豚からは澄んだ脂と直球の肉の香り。そこへムール貝を交差させて、ただのガツンにさせないところがこれまたニクイ。思わず絶句してしまったのが、蝦夷鹿のパイ包み焼き。なんて芳醇なビジエの香りなんだろう。こいつぁ旨い。付け合せも、里芋に牛蒡に栗のクレープと“野”を思わす組み合わせ。さらに口直しを挟んで、デザートへ。いやはや、大満足であります 。 フレンチやイタリアンでは、そんなに皿数を食べていないのに妙に満腹になっていって、メインの頃には意外や苦しくなったりすることも少なくないのだけれど、「ラ・ブランシュ」ではそんな心配がいりません。美味しさの王道を行きながら、そこに気負いのない洗練が施されている田代シェフのお皿たち。帰り際の柔和な笑顔もまた魅力のひとつです。 「ラ・ブランシュ」 渋谷区渋谷2-3-1 青山ポニーハイム2F 03-3499-0824
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