中国薬膳料理「味芳斎」本店

mihosai.jpg気の利いたお店がありそななさそな大門の裏筋、神明商店街の一角に「味芳斎」はあります。外観は古びれた町場の中華料理店。妙齢のレディたちには知らずしての入店が憚られそうな雰囲気です。店内のテーブルは幾つかのお皿でビールを嗜む人たちで埋まっていて、唯一残った奥の席へと進みました。「ンデニイチャンナニニスンノ」。かなりの高齢とも思える大将がジャッキー・チェンの映画の日本語吹き替えのようなイントネーションで声をかけてくれます。えっと、「牛肉丼」をお願いします。「ンン、オマチド」。丼がやってきました。丼の6割方を覆うのが、たっぷりの赤いタレに包まれた牛肉。右手にはもやしと人参の千切りを湯掻いたものが載っています。見るからに辛そうですが、最初のひとくちあたりは「そうでもないか」なんて調子で食べていても、みくち目には早くも修行モードに突入します。は~。何が入っているのかは皆目分からないものの、いろんな種類の香りや風味に”麻”の痺れを伴った辛さに、追い立てられるようにご飯が進んでしまいます。お冷を飲みたい衝動をぐっと堪えて、酸味の強い漬けものを挟んだり、一瞬さらに辛さを煽るスープを啜りつつ一気に完食。凄く不思議なのは、さっきまで辛い辛いと思っていた口の中が、食べ終わってみると清々しいくらいに妙にすっきりとしていること。ナンでだ? 結局お冷のお替りをすることもなかったりする。そんなこんなしている間にも大将は、あちこちで下ネタを披露する愛すべきエロオヤジになっている。「ウマカタカ」。「うん、辛いけど旨かった」。すると「アレハドーダ」と壁に貼られていたヘアヌードのポスターを指差す。「貰って帰っていい?」と返すと、「ソレハコマル」とにんまり笑った。 「味芳斎」 港区芝大門1-4-13 03-3431-6543
column/01924

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください