Bistro「cogito」

cogito.jpg西麻布「アルモニ」、広尾「マルシェオヴァン」の山田シェフが時間をかけ、想いの丈を注ぎ込んで新しい牙城を築いたという。六本木ヒルズ裏手のけやき坂通りがテレ朝通りにぶつかるT字あたり。行き止まりらしい、特に何があるでもなさそうな路地に分け入るとそこに、仄かな灯りを漏らす「コジト」が見付かりました。手前側は黒いフレームに支えられたサンルームのような硝子張り。入口からは、アンティークな細工と木の重厚さが織り成す、云わば山田ワールドが広がっています。床のタイルも自らが貼り込んだものだそう。シェフの、玄人はだしの内外装への造詣と凝り性な性分が窺えます。イチゴを使ったカクテル仕立てのシャンパン。そして、前菜2皿と主菜のプリフィクスなコースをお願いしました。厚切りという形状が新鮮な「タスマニア産サーモンの瞬間スモーク 4種のハーブ ビネグレットソース」。酸味のあるソースと崩した玉子の黄身を合わせていただく「ジャンボンポルシェ ラビゴットソース」は、ハムとコンソメを重ねたパテだ。ピノ・ノワールによる膨らみ華やかな「SAVIGNY-LES-BEAUNE 2002」をお供に。メインプレートに「もち豚ローズマリー風味のローストとトリップのラグー 黒オリーブたっぷりのタプナード添え」。もち豚の滋味をローズマリーの鮮烈な香りが包んでいて、旨い。そして、特に印象的だったのが、「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み ブルゴーニュ風」だ。しっかり重厚な味わいを予想しながら口にすると、ビックリするほどの軽さ。そう、ただ溶けるように柔らかいのではなくて、浮き上がるように”軽い”んです。フロマージュをお願いすると、白かびモノからハードタイプまで9種のチーズののったプレートがやってきました。添えられたコースターにはそれぞれの名称が説明されている。分かり易くていいね(笑)。調子に乗って、スプーンにのった「スーマントラン」とウォッシュのAOC「マンステール」を「CHAMBOLLE-MUSIGNY 1er CRU」のグラスとともにお代り。デザートをいただいて、大団円であります。不躾なシェアをちと反省。調子にのった所為か、一般にイメージするビストロ値段とはちと違うお足となりました。 「フランス産ホワイトアスパラとホタテのポアレ 春たんぽぽのサラダ クーウード トリュフ」に「ハンガリー産フォアグラのポアレ 新玉葱のブルーテ カプチーノ仕立て」も。 「cogito」 港区西麻布3-2-15 03-3796-3838
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